FXの上達に重要!検証ソフトのメリットとデメリット
- 更新日: 2020/05/27
FXトレードにはバッティングマシーンともいうべき、トレードの検証ソフトが存在します。変幻自在の為替市場に対峙するには、検証ソフトだけでは不足の面もあります。しかしながらトレード力の向上に十分活用できる存在です。
検証ソフトの特徴や利用のメリット・デメリット、注意すべき点などを解説します。
先にFXについて詳しく知りたいという人は以下の記事を参照してください。
この記事の目次
FXの検証ソフトとは?
FXトレードで勝てない時に、事前にトレードの練習ができないものか?、と思う時がしばしばあります。
事前にトレードの練習ができていれば、あんな所でエントリーしていなかったな、と特にテクニカル指標重視のトレードをしていると思うケースが生じます。
実はFXにはトレードの練習ソフトが複数存在。一般的には検証ソフトと呼ばれており、指定した期間のチャートを再現しながら売買(トレード)のシミュレーションが可能です。
トレードの履歴が記録されるため、最終的に勝ったか負けたかが一目瞭然です。また検証ソフトによっては勝ち数・負け数・最大勝ち幅・最大負け幅・トレード毎の期待値など、検証に必要な様々なデータを取得できるソフトも存在します。
個人向けには株式トレードで同様のソフトは殆ど存在しておらず、FX独特のソフトと言えます。
簡単に表現すれば、野球のバッティングマシーンのような存在です。バッター=トレーダーは好きな時間に好きなだけ、設定を変えながらバッティング=トレードの練習ができます。
専業FXトレーダーの中には、検証ソフトを使い尽くして専業トレーダーになれた、と仰られる方も存在するので、FXトレード上達に非常に有効と言えるでしょう。
自動売買ソフトとは異なる
FX界で有名なMT4(Mrta Trader4)には、自動売買機能が搭載されています。
検証ソフトは自動売買ソフトと混同されるケースが多くありますが、両者は全く別物です。検証ソフトは特定の期間のチャートを稼働させながら、自らトレード=シミュレートすることで裁量トレード技術の向上を行うソフトです。
一方で自動売買ソフトは、確かに過去の検証機能は搭載されていますが、あくまでもプログラムに基づいて自動売買を行うものです。
よって裁量を入れないことが前提となります。(中には自動売買ソフトを走らせながら、適宜裁量を入れているトレーダーも存在しますが、自動売買の観点からはイレギュラーなケース)
検証ソフト=裁量トレード用、自動売買ソフト=システムトレード用、と理解しておけば、両者を混同することはなくなるでしょう。
過去の相場を検証する理由
なぜFXをするにあたり、過去の相場を検証した方が良いのかというと、相場を検証する事がFXで勝つための最善の道だからです。検証せずしてFXで勝つことなど、一部の天才でもない限り不可能だと考えてください。
FXを始めたトレーダーのほとんどが勝てず、資産を減らし、やがて退場することになります。最後まで残り続けられる人となると、ほんの一握りです。しかし、もしも全てのトレーダーが取引の内容を詳細に記録し、相場を検証すれば、FXで勝てる人の割合は急上昇することでしょう。それぐらい、検証することは重要なのです。
検証するという行為にはメリットこそあれ、デメリットなどまずありません。あえてデメリットを挙げるのであれば、検証するにあたって労力を使うぐらいのことでしょう。しかし、将来的にFXで大きな利益を得ることを思えば、検証に必要な労力などそれほど大きなデメリットにはなりません。
ちなみに、どれほど稼ぎの良い専業トレーダーといえど、取引を始めた当初はまだ初心者で、失敗も多かったはずです。多くの専業トレーダーが、最初は失敗し、損失を出すものです。最初から成功したFXトレーダーなど滅多にいません。
しかし、過去の相場を検証し、分析し、勝てる方法ややり方、コツを習得することで、やがて失敗の回数は減り、成功の回数は増えていきます。検証したからといってすぐに成功することはありません。しかし、検証を経ずにFXで成功することはまずなく、それこそが検証をする最大の理由です。
検証ソフトのメリット
検証ソフトのメリットは、事前に好きな時間に好きなだけトレードの練習や検証ができる、という点に尽きます。
FXトレードで勝ち切るためには、その都度トレードを特別視しているようではまだ経験不足です。エントリーする時に非常に緊張するようであれば、経験不足。この経験不足を検証ソフトは補うことができます。
またFXトレードの上達には、損切を自然に行えるようになることが絶対条件です。エントリー以上に、損切の緊張感の存在は経験不足の証です。
エントリーの緊張感はリアルトレードであろうが、検証ソフトであろうが、時間の経過とともに(場数を踏むとともに)無くなります。(取引通貨量が多くなった場合は別の問題が生じますが)
しかし損切は何も考えずにトレードしているだけでは、身につかない場合が多いです。よってFXの知識は相当あるのに、なかなか勝てないトレーダーの中には、損切のルールが定まっていない、という方が一定程度存在しています。
連敗することが損切に慣れるコツ
リアルトレードではあまりお勧めできませんが、連敗することが損切に慣れるコツです。リアルトレードの場合、当然勝ちに行こうとしてトレードするので、連敗しないようにトレードすることになります。
損切に慣れる、という観点では、この真面目に勝ちに拘るという姿勢は実は大きな落とし穴です。結果的に連敗することもあるでしょうが、その都度その都度のトレードを慎重に行っているために、損切の経験値を積むスピードが遅くなります。
特にFXトレード初心者~初級者の場合、損切はできていても損切が深くなり、結果的に損切の回数が抑えられているケースが多いです(損切が出来ているだけ、進歩していると言えますが)。
損切に慣れるためには、連敗して損切に慣れるのが一番の近道。しかし自分の行為の過ちを認める行為である損切は、人間心理としては非常に行い難い行為です。
ただし行い難い行為であっても、その行為に慣れてしまえば、自然と損切ができるようになります。
5連敗程度ではダメで、10連敗や20連敗すると損切に慣れる、という感覚がつかめます。
本気のトレードで行うのが一番効果的ですが(トレンドが生じている通貨ペアに逆張りすれば簡単に実現可能です)、相当の損失を覚悟する必要があり、資金管理をしないと投資資金の大半を失う結果にもなります。
しかしながら検証ソフトを利用すれば、無料で連敗の経験と検証を簡単に行うことができます。更にどのような相場状況の際に連敗しやすいか、という点も把握できます。
誰しも苦手とする損切に慣れる方法として、検証ソフトは非常に有効です。
検証ソフトのデメリット
検証ソフトのデメリットは大きく分けて2点あります。
1.あくまでも検証にすぎない
同じ相場は2度とない、という相場用語が存在しています。よっていくら検証ソフトで練習を重ねても、同じような相場は発生しないと考えるのが自然です。
チャート予想サービスを提供のFX会社も存在していますが、チャート予想サービスを利用しても、さっぱり当たらない時があるのと同じ理屈です。
また検証にはリアルマネーを為替相場に投入していないので、どうしても売買判断が甘くなってしまいます。リアルマネーでのトレードと、検証ソフト上のトレードで同じスタンスでトレードを行うのは、無理な注文といってよいでしょう。
その意味ではトレードの練習と言っても、少額であってもリアルマネーを使った練習が優れているのは言うまでもありません。
野球には、バッティングマシーン相手なら柵越え連発しても実際の試合だとサッパリ打てない、というタイプのバッターが存在します。
それと同様、検証ソフト上のトレードとリアルマネーを投じた実際のトレードは、心理的な要因・過去と同じ環境は存在しないという要因などから、異なる存在です。
非常に有用な検証ソフトですが、検証はあくまでも検証にすぎないというクールなスタンスも必要となります。
2.有料のものが多い
殆どの検証ソフトは有料で販売されています。検証ソフトとはいえ、開発費が相当かけられているので、有料販売は当然と言えます。
バッティングマシーンを導入するのに相当の予算が必要なのと同様、検証ソフトの導入にも相当の予算が必要になります。
トレードで負けて検証ソフト代相当の損失を出すくらいなら、事前に検証ソフトを買っておく、というのは一つの判断となります。
一方で、検証ソフトを購入するなら、その資金でリアルマネーでトレードの練習をする、というのも一つの判断です。
ただしいずれにしても、トレードの上達のためにはある程度の勉強代が必要となるのは間違いありません。
各検証ソフトについて
FXトレードの検証ソフトについて、一定の知名度を有するソフトは下記となります。
Forex Tester3
- 価格299ドル
- 機能限定のデモバージョンが存在
海外製のFXトレード検証ソフトとして知名度を有するのがForex Tester3です。“3”とあるように前作のForex Tester2の新バージョンとなります。
16年分の16通貨ペアに加えて金及び銀の価格データが無料で提供。MT4に類似の画面でありFXトレーダーにとって非常に使い勝手のよい仕様です。
しかしながらMT4に似てはいますが、事前に設定されたテクニカル指標のみ利用可能で、MT4のオリジナルのインジケーターを設定しての検証はできないため注意が必要です。
練習君プレミアム
- 価格19,800円
- 機能限定の無料お試し版が存在
日本国内で開発されたFX検証ソフトとして知られているのが練習君プレミアム。MT4をベースに開発されており、MT4上でソフトを動かす仕様です。
よってForex Tester3ではできない、MT4オリジナルなインディケーターを組み込んでの過去検証が可能というメリットが存在。
オリジナルのMT4インディケーターを利用のトレーダーには非常に重宝する検証ソフトになります。
FXトレードギア
- 価格39,800円
2017年10月発売の新しいFXトレード検証ソフト。数多くのFX教材を発売の、クロスリテイリンググループ(日本投資家育成機構)が発売。
他の検証ツール同等の機能に加え、同社が発売の過去のFXツールを搭載しての検証が可能、という点が最大の特徴(中には利用できないツールも存在)。よって同社のツ-ル購入者が、ツールを更に使い込むためのツールという色合いが強い傾向があります。
具体的な相場の検証方法
FXで勝つためには検証するという行為が欠かせないのですが、そもそも検証とは一体何をするのでしょう?
検証をするにあたり、まず過去の相場を見る必要があるのですが、ただ漠然とチャートを見ただけでは何も習得できません。この場合、見るべきポイントというと、まず自分の手法を当てはめた場合、この場面では勝てるのかを検証してみましょう。
例えば、移動平均線を使った手法を過去の相場に照らし合わせた時、果たして利益を生めたのか、それとも損失が出てしまうのかを調べてみましょう。
現在使っている手法と、過去の相場を照らし合わせて、上手く行けるというのであれば、実際にその手法を使って取引しても良いでしょう。しかし、過去の相場を見る限り、現在使用している手法では利益を生めそうにないと判断したのであれば、その手法を止めるか、ルールを改善する必要があります。
現在使用している手法やロジック、取引ルールを過去の相場に照らし、そして検証し、上手くいったら採用する、失敗したら改善する、このような検証サイクルを重ねることで、やがて過去の相場から照らしてみても勝率が高い自分だけの勝てる手法やロジック、取引ルールを確立することができます。
いくら勝てそうな手法や取引ルールを見つけたところで、本当に勝てるかどうかは実際に取引に使ってみるまでわかりません。賭けに勝って上手くいけば、FXはハイリスクハイリターンな取引なだけに、利益を得られるでしょう。しかし、万が一失敗した場合、大きな損失を抱えるのは自分です。
ぶっつけ本番でやるにはFXは損失が大きすぎます。それだけに、特定の手法やルール、ロジックなどを使ってFXを始める際にはまず過去の相場を見て、その手法が本当に通じるのか検証してからにしましょう。それが余計なリスクや損失を防ぐための第一歩になります。
- 取引ルールを作成する
- 作成した取引ルールを過去の相場に照らして検証する
(※1回の検証ではなく何度か検証しトータルの結果を確認する) - ルール通りの取引で利益がでていたら、ルールを採用
- 採用したルールで実践する
トレードルールの作り方については以下記事にて詳しくご紹介してますのでご参考ください。
検証に必要なモノ
FXで過去の相場を検証をするにあたり、必ずメモやペンなど、取引の記録を付けられるモノを用意しておきましょう。
過去の取引の内容をメモとして残すことで、常に自分のトレードの内容を振り返ることができます。当時は気づけなかったミスや失敗、悪い点なども、取引記録を付け、後々になって振り返ることで気づくことができるでしょう。
さらに、記録を付けることで、失敗点に気づくだけでなく、反省し、改善点を見つけることもできます。
例えば、ロスカットが早かったのであれば、ロスカットの基準を緩めたり、反対に利確が遅かったのであれば、利確を早めるなど、改善点を見つけることが出来ます。
過去の相場をヒントに手法を改善し、この方法ならば上手くいくと自信を持ったら、次にデモ口座などを使用して検証してみましょう。
検証中に「迷い」や「別のアイデア」が浮かんだ場合
検証をしている時によくあることが、「こうした方が効果的ではないか?」「こうしたらスムーズに取引ができるのでは?」など新しい発見やアイデアが浮かんできます。このアイデアは今後の検証にとって有用なアイデアではありますが、今行っている検証中に新しいアイデアを織り込むのはやめておきましょう。
検証は同じルールで何回か繰り返し行い、トータルでの利益や損失を確認するようにしましょう。
デモ口座で検証
いくら過去の相場を検証し、手法を改善したからといって、いきなり本番でやる必要はないです。デモ口座を使用すれば、お金をかけずに無料で取引を練習でき、手法の正しさを証明することができるため、非常に役立ちます。
他にも、検証用のツールなどを使用すると、特定の期間における手法を使用した場合の勝率や利益率をすぐに計算してくれるため、とても役に立ちます。
記録すべきポイント
取引の内容を記録することで、今後の取引に役立てることができるのですが、記録すべきポイントは詳細なほど良いです。
特に、チャートを見てどんな値動きをしているトレンドの、どのポイントでエントリーし、そして利益確定や損切りの決済をしたのかまでわかるように画像付きで記録を残すと、過去の相場を検証する時に役立ちます。
さらに、勝率と利益率、勝った時のpipsと負けた時のpipsなども記録しておきましょう。その上で、平均的な利益と損失を計算しておきましょう。
自分の平均利益と平均損失を計算することで、現在のやり方を続ければ利益を増やせるのか、それともやり方を変えた方が良いのかを冷静に把握することができます。
FXの取引をしていると、一回や二回負けたぐらいでもうFXでは勝てないと自信を無くすことがあります。しかし、客観的に平均利益と損失を見比べることで、現在のやり方が正しいかを冷静に把握し、自信につなげることができます。たとえ損失の方が多かったとしても、それならばやり方を改善し、利益率が伸びるように考えを改めれば良いだけのことです。
記録するポイント!
- エントリーポイント
- 決済ポイント
- 勝率と利益率
- 勝った時と負けた時のpips
- 平均的な利益と損失
検証記録を人に見せるメリット
取引の内容を記録し、検証をしたら、それを自分以外の第三者に見せると良いでしょう。最近はブログやSNSを通じていくらでもネット上に情報を公開することができるため、近くにFXの経験者がいなくても、ネットを通じて経験者に検証記録を見せることが出来ます。
他人に検証記録を見せることで、自分以上に冷静な第三者の目を通じてアドバイスをもらえます。人間というのは自分の欠点を見つけることは下手ですが、他人の欠点を見つけるのは簡単です。あえて検証記録を他人に見せ、自分の欠点を指摘してもらいましょう。
人に欠点を指摘される行為は非常に嫌なモノかもしれませんが、あえて傷を晒すことが、結果的にFXの利益率を高めることに繋がります。
FX検証ソフト利用上の注意点、ファンダメンタル及び周辺市場への意識
デモトレードで勝てない人がリアルマネーで勝てないケースがあるのと同様、検証ソフトを利用してのトレードで勝てない人が、リアルマネーで勝てないケースは同様に発生します。
そんな中、検証ソフトでは体験できない部分はリアルマネーの感覚も大きい部分ですが、それ以外にも、ファンダメンタル及び周辺市場に対する意識が磨かれないという部分もあります。
毎月第一金曜日に発表されるアメリカの雇用統計が典型例ですが、指標発表を契機に一気に為替市場は動きます。
しかし検証ソフトでは、値動き自体は分かりますが、値動きの背景にあるものが見えません。指標発表同様、通貨ペアの値動きにあるファンダメンタル要因は検証ソフトのみでは判断不可能です。
超短期トレードとなるスキャルピングの場合、指標発表前後を除けば指標を始めとするファンダメンタル要因は関係ないケースが多くなりますが、デイトレード以上の時間軸でトレードの場合、ファンダメンタル要因の把握はトレードの勝率アップに直結します。
また為替市場は周辺市場である、株式市場や様々な商品市場(ex.原油市場、金市場)に大きな影響を受けています。
どちらかと言えば、株式市場や商品市場を後追いするケースが多くなる為替市場では、値動きの予想のためには周辺市場の把握は本来必要不可欠です。
しかしながら検証ソフトでは、周辺市場と併せてチャートを見ることが殆どできません。あくまでも為替市場単体でチャートを見ることになります。
そのため検証ソフトでの練習はどうしてもテクニカル依存(ローソク足やライン分析含めて)とならざるを得ません。
それでもトレードに慣れる・損切に慣れるなど、十分利用価値ありますが、金融市場を俯瞰した上でFXトレードに臨むという観点では、検証ソフトは能力不足の面があります。
検証ソフトで勝てない人は実際のトレードで勝てない、というのは真実と考えられます。ただし実際のトレードで勝っている人が検証ソフトを利用しても情報不足で勝てない・・・、という事態も充分あり得ます。
よって検証ソフトについても、その限界を事前に知ることが大切です。
まとめ
株式トレードには殆どない検証ソフトの存在は、FX独特と言えます。バッティングマシーンを利用しての練習のように、検証ソフトを利用してトレードの場数(損切を含め)を踏むことで、FXで勝ち切るための第一歩を踏み出すことができます。
しかしながら検証はあくまでも検証であり、またファンダメンタル情報や周辺市場の活用ができない、という限界も検証ソフトには存在。
それらのメリット・デメリット・限界を知ることで、検証ソフトをより有効に利用する事ができます。
FXで勝ち切るトレーダーとなるためには、ある程度の勉強代がどうしても必要です。その勉強代として検証ソフトの購入は十分投資に値する存在です。
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