FXトレーダーが注目するべきイギリスの主な経済指標と、通貨への影響まとめ

  • 更新日: 2019/08/01

イギリスの通貨ポンド(GBP)は、値動きの激しさから“殺人通貨”と呼ばれることがあります。

しかし金融政策を司るBOE(イングランド銀行)は、市場との対話を重視するスタンスを取っています。

よってBOEのスタンスや総裁等のコメント、経済指標を読み解くことで、ポンドは値動きが読みやすい、との意見もあります。

Brexit(EU離脱)を控え、イギリス経済の先行きにも注目が集まる中、ポンドの値動きに影響ある経済指標やイギリス経済について解説いたします。

イギリスの経済指標を読み解くのに必要なのは?

FXトレードと経済指標との間には、切っても切れない関係があります。初心者で経済指標の存在に対して意識を持たずにFXトレードをしているなら、それは損失への道まっしぐらです。

テクニカル分析重視で敢えて経済指標を見ないトレーダーも存在するため、経済指標を意識せずとも勝てるトレーダーも中にはいます。

しかしながら王道的には経済指標の発表日時の確認、そして発表内容の確認は、FXトレードを行う際の事前準備として必要不可欠です。

イギリスの経済指標が影響を及ぼす代表的な通貨ペアはGBP/USD

イギリスは長く欧州連合(EU)に加盟していましたが、2016年6月の国民投票の結果EUからの脱退を決定しています。

しかしながらイギリスはEU加盟国にもかかわらず、これまで一貫して自国通貨ポンド(GBP)を利用の歴史を有しています。

フランスやドイツ中心に導入されたユーロ(EUR)を遂に導入することなく、イギリスはEUから脱退します。

よってイギリスの経済指標が影響を与える通貨はポンドです。日本の個人投資家の間ではポンドと言えばGBP/JPY(ポンド/円)の取引が人気ですが、GBP/JPYはマイナーな通貨ペアです。

世界的に見ればポンドの取引はGBP/USDもしくはEUR/GBPで行われることが殆どとなります。

よってイギリスの経済指標発表で直接的に値動きに影響が生じるのは、GBP/USDとEUR/GBPの2種類の通貨ペアです。

尚、GBP/JPYはマイナー通貨ペアであり、GBP/USD取引の後にUSD/JPYを経由するという2つの取引を経てレートが決定されます。

“殺人通貨”と呼ばれる事もあるポンド(GBP)

トレード対象として見た時、イギリスの通貨ポンド(GBP)の特徴はその値動きの激しさにあります。

多くの国内FXトレーダーが、GBP/JPYをトレードした途端に勝てなくなります。GBP/JPYは値動きが激しいのみならず、突発的な値動きが生じることが多い通貨ペアです。

上昇した後にすぐに下落する等、トレード困難な値動きを見せるため、多くのFXトレーダーがGBP/JPYの取引で損失を計上しています。

一方でGBP/USDは、多くの取引がなされるドルストレート通貨です。

GBP/JPYに比べると素直な値動きを見せるケースが多いものの、それでもEUR/USDやUSD/JPYに比べると値動きは非常に激しい存在です。

値動きを読むのが難しい・突発的な値動きを繰り返すポンドは、特に個人投資家の間では“殺人通貨”と呼ばれることもあります。

よってポンドの取引を行う際は、値動きに与える影響度が大きい経済指標の発表について、他の通貨以上に注意を払う必要があります。

特に注目度が高い経済指標はイングランド銀行(BOE)に関連する指標

通貨の動きは、中央銀行が決定する政策金利の影響を大きく受けます。イギリスも例外ではありません。

よってポンドの取引を行う際は、特に中央銀行(イングランド銀行:BOE)が関連する経済指標の発表に注意する必要があります。

BOEが関連する経済指標としては、政策金利発表、インフレレポート発表があります。

またBOEの総裁を始めとする政策決定メンバーの講演会での発言によっても、ポンドは大きな値動きを見せる場合があります。

アメリカの経済指標の発表と言えば、雇用統計及びFOMCというイメージがありますが、イギリスは中央銀行であるBOE関連の指標がより重視される傾向にあります。

ポンドのトレードを行う場合は、月のどの時点でBOE関連の発表があるかについて、常に把握する必要があります。

重要度順!イギリスの主な経済指標一覧

イギリスで発表される経済指標について、下記に重要度の順にリストアップいたしました。

重要度[大]イングランド銀行(BOE)政策金利発表:毎月上旬(水・木)に2日間開催

    イギリスの金融政策は、金融政策委員会(MPC)でBOE総裁と2名の副総裁、6名の委員からなる9名で決定される。各メンバーは政策に対しハト派・中立・タカ派に別れており、各人のスタンスの継続的なフォローにより、ある程度政策の方向性を読むことができる。

重要度[大]BOEインフレレポート公表:2・5・8・11月の上旬に発表

    1~2年先の景気・物価見通しが示され、金融政策の方向性を読み解くための資料として市場の注目度が高い。政策金利の変更は、インフレレポートが発表される月に多い傾向があるため、インフレレポートの内容に変更が生じた際は、政策金利の変更にも備える必要がある。

重要度[大]失業率・失業保険申請件数:月の中旬に発表

    アメリカの雇用統計同様、イギリスにおける雇用指標。失業率と失業保険申請件数が発表される。BOEの政策決定判断に大きな影響力を持っており、アメリカの雇用統計程ではないが、イギリスの経済指標中において重要な位置を占めている。

重要度[中]MPC金融政策委員会・議事録公表:金融政策委員会の2週間後

    毎月行われる金融政策委員会において金融政策の議論や決定がなされるが、委員会終了の2週間後に議事録が公表される。議事録にて議論の内容や、各委員の投票状況が明らかになる。金融政策の方向性を読み解くために、必要不可欠な資料となる。

重要度[中]IIP・鉱工業生産指数:月の中旬に発表

    国家統計局が発表する、鉱工業と製造業の生産動向を指数化した経済指標で、毎月発表される。ただしイギリスの産業構造上、GDPに占める鉱工業部門の割合は約20%であり、比較的低い状況にある。注目される指標ではあるが、イギリスの経済実態を知るためには鉱工業指数のみでは力不足と言える。

重要度[中]小売売上高:月の中旬に発表

    百貨店やスーパーなど、自動車販売店を除く約5000社の小売・サービスの月間売上高を集計した指標。イギリスのGDPは個人消費が約4割を占めており、個人消費の状態を表す小売売上高はイギリスの経済実態を知る上で必要不可欠な指標となる。

重要度[中]GDP・国内総生産:四半期毎に月の下旬に発表

    他国同様、国の経済規模を図るための指標であり、四半期毎に発表されている。速報値が1・4・7・10月下旬に発表され、改定値が2・5・8・11月、確報値が3・6・9・12月に発表される。速報値と改定値で大きく異なる数字が発表されるケースがあるので、注意が必要となる。

重要度[小]貿易収支:月の10日前後に発表

    国家統計局が発表。輸出から輸入を引いた数字となる。アメリカの貿易赤字が有名だが、イギリスも1970年代から貿易赤字が定着している。

重要度[小]PPI・生産者物価指数:月の中旬に発表

    PPI(Producer Price Index)はメーカーなどの生産者がモノを売る時の価格を、前年や前月と比較した指標。CPIは消費者がモノを買う際の価格なのに対し、PPIは生産者がモノを売る時の価格となる。インフレ率の判断材料として利用される。

イギリス経済指標の見どころ

イギリスは2016年6月の国民投票の結果、ユーロからの離脱を決定しました。

Brexitと言われるイギリスのEU離脱決定によって、イギリス経済はBrexit決定の前と後では全く見所が変わっており注意が必要です。

EU離脱が決定し(離脱時期は2019年3月29日の予定)、現在はEU離脱に向けイギリス経済の先行きがどのようになるのか、という点が経済指標を見る上での見どころとなっています。

よってBrexit関連の有力政治家等の発言で、ポンドが大きく動くケースも増えています。

EU加盟により経済的な恩恵を多く受けていたイギリスですが、離脱により様々なEU加盟のメリットが剥落します。

特に世界中の金融機関がロンドンのシティに欧州の拠点を置いていましたが、EU離脱により金融機関のロンドン離れが懸念されています。

ヨーロッパの金融立国の地位にあるイギリスですが、EU離脱によりその地位低下の可能性が高まっています。

EU離脱によりイギリスはヨーロッパとの人・モノ・金の流れが遮断されます。よって景気後退も懸念されており、その影響は住宅価格の下落に既に現れています。

EU離脱での経済的なダメージ発生が避けられないと考えられている中、BOEがどのような金融政策で・どのようにダメージコントロールを行うのかが、既に注目を浴びています。

注目度の高いBOE関連の指標発表ですが、EU離脱が近づくにつれ、その注目度はますます高まると予想されます。

EU離脱のプロセスにも注目が集まる

イギリスはEUからの離脱自体は決定していますが、最終的にどのような形でEUから離脱するのか、という点はイギリスとEU間で交渉中の段階です。

EUとの交渉により、穏健に離脱し離脱後もEUとの特別な関係を維持しようとするソフトBrexitと、一刻も早くEUから離脱してEUに縛られない政策判断を行うべき、というハードBrexitの2つの意見がイギリス国内でせめぎ合っている状態です。

基本的にはソフトBrexitの方向でイギリスとEU間で交渉が行われていますが、今後イギリス国内の状況及びEUとの交渉次第では、ハードBrexitの可能性も残されています。

イギリスの経済指標を見る際は、EU離脱を踏まえた経済状況のみならず、EUからの離脱交渉の状況についても留意する必要があります。

まとめ

値動きの激しさにより、トレーダーからは“殺人通貨”とも呼ばれることのあるポンド(GBP)ですが、2016年6月のBrexitを巡る国民投票の際は、その本領を発揮し1日で大きくレートが上下しました。

しかしながら金融政策を司るBOEは、市場との対話を重視するスタンスを取っています。

よって丁寧な経済指標分析を行うことで、BOEの政策意図を読み解くことができれば、ポンドはファンダメンタルに基づいたトレードを行い易い通貨、との意見も存在します。

もしポンドのトレードを行うなら、他国の通貨取引を行う際以上に、経済指標に注意を払う必要があります。

そしてもう一歩踏み込んで、BOEなどの政策意図を読み解くことで、ポンドのトレードで優位性を得られる可能性があります。

ポンドのトレードにおいては経済指標の把握は、守備面(損失を発生させない)だけでなく攻撃面(トレードで勝利する)においても、抑えるべき存在です。

ポンドはEUからの離脱に向けた報道などでも大きな値動きを見せます。ポンドのトレードを行う際は、他国の通貨をトレードする際以上に、指標の発表日時に加え、その内容にも注意する必要があるのではないでしょうか。

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