【FX予想】トルコリラ/円の2019年見通しやトレード戦略を徹底解説

  • 更新日: 2019/03/11

トルコリラ/円(TRY/JPY)2019年の見通し

    地方選挙の動向や金融・財政政策の継続性への不安世界的なリスクオフムードの広がりから、トルコリラは対円で伸び悩む可能性あり

2019年トルコリラ(TRY)の見通しは?

トルコリラ円は高金利通貨として人気がありますが、大幅な経常赤字、大きすぎる対外債務の割に外貨準備高が不十分などの理由から、ファンダメンタルズ面で脆弱な通貨といえます。

シリアの情勢悪化や、米国の利上げによる新興国から米国へのドルの巻き戻しにより、トルコリラは昨年初頭から対米ドルで下落基調となりました。2018年末までには持ち直したものの、それでも2018年初頭と比較して約28%低い水準にとどまりました。

トルコのインフレ率は高い水準で推移しており、経常赤字に加え、積極財政により財政赤字になる「双子の赤字」が懸念されています。

さらに、エルドアン大統領が利上げに反対し、金融政策への影響力を強める構えを示したことで、格付け会社が警戒感を示すなど、昨年はトルコリラ売りに拍車がかかる状況が続いたのです。

それに加え、昨年8月には、テロ組織を支援したという理由で2016年からトルコ当局に拘束されていた、米国人のアンドリュー・ブランソン牧師を巡り、解放を要求する米国とトルコが対立したことも、トルコリラの下押し要因となりました。

これらの状況を受けて市場の不安が募った結果、トルコリラは昨年8月10日に大暴落し、経常赤字国であるアルゼンチンや南アフリカにもその影響が及ぶなど、新興国通貨安を引き起こしました。

その後、エルドアン大統領の利上げ牽制に対してトルコ中央銀行がどのような政策を掲げるかに注目が集まりましたが、2018年9月の金融政策会合で、トルコ中央銀行は政策金利を17.75%から24.0%に引き上げることを決定しました。このことが好感され、トルコリラは上昇しました。

また、エルドアン大統領の娘婿ということで政策が不安視されていたアルバイラク国庫・財務相が、昨年9月20日に「新経済計画」を発表し、当面の成長目標を下方修正して物価安定を優先する姿勢を示しました。

成長率の見通しを従来目標の+5.5%から下方修正し、2019年は+2.3%、2020年は+3.5%にするとともに、新規インフラ投資を凍結するなどして、プライマリー財政収支の黒字目標を引き上げたのです。

さらに、米国との関係悪化の原因となっていたアンドリュー・ブランソン牧師の釈放を昨年10月12日に決定したことで、トルコリラはいっそう上昇しました。

このように、トルコリラが底入れし、その後は回復傾向へ切り返したことに加え、トルコ政府による物価安定策の効果もあり、トルコのインフレ率は徐々に落ち着きを見せています。

トルコの消費者物価は昨年10月に前年比+25.24%となっていたものの、12月には前年比+20.3%、今年1月には前年比20.35%となり、低下傾向にあります。

ただ、昨年8月のトルコリラ暴落の影響で、トルコの輸入物価は高騰しています。さらに、金利引き上げによる影響もあり、個人消費と総固定資本形成は落ち込んでしまいました。

そのため、トルコの実質GDP成長率は、2018年1-3月期が前年比7.2%増、2018年4-6月期同5.3%増だったのに対し、2018年7-9月期には同1.6%増と、伸びが大幅に鈍化しています。

一方、トルコの経常収支については、2018年7-9月期に+14億米ドルと黒字転換しています。

このように、昨年不安視されたトルコの経済状態は、現在少しずつではあるものの回復しつつあります。

今年は米国が利上げを1回あるいは行わない公算が高く、ECBも、ユーロ圏の景気減速から今年秋以降予定されている利上げを後倒しするのではないか、との見方が強まっています。

このことを考えると、昨年起こったような新興国からの資金流出は足元では起こりにくいと予想されます。米国や欧州等での利上げが起こった場合、現在の状態では外貨準備高が不十分なため、トルコリラは再び大きく下落する可能性がある、ということに気を付けましょう。

今年のトルコリラの注目材料

  • トルコのインフレ率の動向
  • トルコの経済指標の動向
  • トルコ中央銀行の金融政策
  • エルドアン大統領の政策
  • トルコ地方選の動向

主な上昇要因

金利引き上げを批判していたエルドアン大統領ですが、現状、トルコ中銀の高金利政策や、アルバイラク国庫・財務相主導の財政緊縮を受け入れている模様です。

米国等先進国の政策金利の引き上げ等による資金の巻き戻りにトルコリラが弱いのは、同国の外貨準備高が少ないことが原因です。

同じ新興国通貨でも、香港など外貨準備高が豊富で財政が健全な国はその影響を受けにくいことから、トルコも財政を黒字化し、外貨準備高を増やす必要があります。

国際情勢 米国との関係悪化
政治 トルコの政治の安定
金融政策 トルコ中央銀行による利上げ、プライマリー財政収支
の黒字目標の引き上げ
経済指標  トルコの経済指標の上振れ、消費者物価指数の下振れ
その他 米国やユーロなどの政策金利引き下げ、選挙での
与党勝利、原油価格の下落

現状の政策がこのまま続いた場合、トルコは経常黒字国への転換も可能であると考えられ、それが実現した場合は、先進国への資金の巻き戻しがあっても、トルコリラの暴落を抑制することが可能となります。

そのような状態に持って行けるかどうか、エルドアン大統領の采配にはこれまで以上に注目が集まっています。

 主な下落要因

国際情勢 米国との関係改善
政治 トルコの政治の混乱
金融政策 トルコ中央銀行による利下げや積極財政
経済指標 トルコの経済指標の下振れ、消費者物価指数の上振れ
その他 米国の政策金利引き上げ、選挙での与党敗北、
エルドアン大統領の金融政策への介入、原油価格の上昇

エルドアン政権の最大の問題は、強権的であるということです。トルコはエルドアン大統領による積極財政の結果、急成長を果たしました。しかしその結果、財政赤字と経常赤字が拡大し、トルコリラ安の原因となりました。

すでに書いたように、トルコは現状、財政健全化に努め、インフレを抑えるべく利上げをする必要があるのですが、当初エルドアン大統領はそのことに反対していました。

現在はアルバイラク国庫・財務相の元で、政策金利の引き上げや財政健全化を目指す政策が採られてはいるものの、今年3月末に行われる地方選を前に、エルドアン大統領が人気取りからその強権ぶりを発揮。

再び金融緩和策や積極財政に転じる可能性がゼロではない、ということが、トルコリラの下落リスクとなります。

トルコリラ/円を取引する際のポイントとは?

ここからはユーロの取引に関する部分を解説していきます。

トルコリラ円をFX取引するメリット

FXでトルコリラ円をトレードするメリットには、どのようなものがあるでしょうか?ここでは、トルコリラ円をトレードするメリットを解説します。

トルコリラ円をFX取引するメリット

    高いスワップポイント
    トルコリラは、高いスワップポイントが特徴の高金利通貨ということで、人気があります。
    そのため、スワップポイントを目的とした、長期保有でのトレードに向いています。

    流動性が低いため、大きな値動きを狙ったトレードができる
    トルコリラ円は、取引量がドル円などと比べて少なく、流動性は低いです。
    そのため、大きな値動きが期待でき、デイトレードなどにも向いています。

トルコリラ円をFX取引するデメリット

それでは、FXでトルコリラを円を取引する場合、どのようなデメリットがあるでしょうか?ここからは、トルコリラ円をトレードするデメリットを解説します。

トルコリラ円をFX取引するデメリット

  • 流動性が低く、大暴落・大暴騰で大きな損失を被るリスクがある
    トルコリラ円は流動性が低い分、大暴落や大暴騰が起こる可能性が高い通貨です。
    そのため、大きな損失を被るリスクも高くなります。慎重に取引しなければ、思わぬ損失を被る可能性があるでしょう。

  • スプレッドが広い
    トルコリラ円は、ドル円をはじめとした他の通貨ペアと比較して、スプレッドが広い傾向にあります。
    そのため、取引の際のコストが高くなるのがデメリットです。

今後のトルコリラ円のトレードで取るべき戦略

今後、トルコリラ円のトレードをする際はどのような戦略を取るべきでしょうか?
トルコリラ円のトレード戦略について考えてみましょう。

トルコ経済

トルコは現状、財政健全化に努め、インフレ抑制のために利上げを行っています。

一方、米国は今年の利上げについて停止する可能性があり、EUは利上げの時期を後ろにずらす可能性があることから、昨年のような先進国への資金還流の発生は、今年は考えにくいでしょう。このことが、トルコリラを底支えすると考えられます。

その一方、不安要素として挙げられるのが、今年3月31日に行われるトルコ地方選です。エルドアン大統領が、与党勝利のために、再び政策金利の引き下げや財政出動を強行すれば、トルコリラは暴落する恐れがあります。

エルドアン大統領が積極財政に転じなければ、現在の金融政策がそのまま続行されることとなりますが、その場合は、トルコのインフレ動向や財政赤字および経常赤字の縮小、外貨建て債務の減少、外貨準備高の動向が注目されることとなります。

また、増加傾向にある失業率を低下させることができるかということにも注目が集まると考えられます。

そのため、トルコリラは底堅いものの、現在の金融・財政政策の効果が出るまで強い上昇トレンドになりにくく、対円でも伸び悩むこととなるでしょう。

原油価格と米中貿易摩擦

原油価格の下落はトルコにとってポジティブ材料となります。トルコは産油国ではないので、原油を輸入しています。そのため、原油価格の上昇は同国の経常収支の圧迫要因となり、下落は経常収支改善要因となります。

従って、原油価格が下落すればトルコリラは上昇する可能性が高いと言えます

なお、米中貿易摩擦の動向にも注意が必要です。トルコはこの問題に直接的な関係はありませんが、米中貿易摩擦が激化することで世界的にリスクオフムードが広がるようなことがあれば、新興国通貨であるトルコリラは売られ、対円でも下落するでしょう。

まとめ :底入れから回復してはいるが、トルコリラ円は依然として下押し圧力が強い

トルコリラの今後は、現在の金融政策、財政政策が維持されるかどうかにかかっています。現状の政策が維持されれば、外貨準備高や財政健全化をいずれ実現することができ、世界的な経済不安にも翻弄されない堅固な通貨になることも可能です。

しかし、現状はそうではないため、先進国の利上げや米中貿易摩擦等、世界的なリスクの高まりが下押し圧力になります。また、強権的なエルドアン大統領の動向にも注意が必要です。

米中貿易摩擦の動向やトルコ地方選など、今年もトルコリラを不安定化させる要因があるため、トルコリラ円は円が買われやすい場面がたびたび出てくることが考えられます。そのため、上昇トレンドにはなりにくく、上値の重い展開が続くでしょう。

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