【SEK】スウェーデンクローナの特徴と値動き、欧州ではFXでも人気の通貨

  • 更新日: 2019/01/23

北欧の国スウェーデンは、豊かな高福祉国として知られています。

日本から遠い場所に位置しているため、スウェーデンに対するイメージが漠然としている人もいるかもしれませんが、イケアやH&Mといった企業の名前を聞くと、ピンとくるかもしれません。

スウェーデンは人口990万人と東京都より少ないながらも、世界的な企業を輩出している国なのです。

スウェーデンはEU加盟国ですが、ユーロは導入しておらず、独自通貨のスウェーデンクローナが法定通貨となっています。

安定した政治経済を背景に、ユーロの逃避通貨として買われることもあるスウェーデンクローナがどのような通貨なのか、その特徴やトレードの際のポイントを解説します。

2018年 スウェーデンクローナ(SEK)の見通しは?

スウェーデンは、1970年代~1980年代にインフレや不動産バブルがあったことで、3年連続のマイナス成長や失業率の増加を経験し、景気が低迷しました。

1990年初頭、景気対策として規制緩和を中心とした経済改革が行われたことで、1980年に17.45%だったインフレ率は、1998年には1.01%まで低下しています。

また、この時に財政緊縮策を行い、財政黒字目標を設定し、歳出シーリング制や地方財政収支均衡ルールを導入して、財政フレームワーク改革に取り組みました。

さらに、社会保障を中心に歳出を削減したことで、財政赤字の縮小に成功しています。

スウェーデンが財政緊縮下で同国の景気が回復したのは、同国が1990年代に取り組んだ、産業構造改革や労働市場改革が奏功したことはもちろんですが、為替相場の影響もあります。

同国の通貨であるスウェーデンクローナは、1992年以降、通貨安が進み、これにより輸出競争力が回復したのです。また、実質金利の低下もスウェーデンクローナ安を後押ししました。

2008年にはリーマンショックを起因とした金融危機で、スウェーデンは前年比-4.9%のマイナス成長となりましたが、バランスシートを3倍に拡大する大規模な金融緩和を行うことで対処しました。

しかし、その後、比較的早い段階で利上げに踏み切ったことからデフレに悩まされることとなりました。さらに、ECBが金融緩和による利下げを行ったことでスウェーデンクローナとの間に金利差が発生し、スウェーデンクローナは買われやすい地合いとなりました。

また、同国は経済状態が他の欧米諸国と比較しても安定していることから、デンマークやスイスなどと同様、EU圏で何か問題が起きるたびに、通貨や国債が買われやすい傾向に元々ありました。

このことも、スウェーデンクローナ高を後押しする要因となっていたのです。この状況を受け、スウェーデン国立銀行(SRB)は、スウェーデンクローナ高の抑制と物価安定のために、2015年2月12日に主要な政策金利であるレポ金利を-0.1%にし、国債買い入れを開始しました。

その後もレポ金利は段階的に引き下げられ、2018年9月時点で-0.5%となっています。

さて、そんなスウェーデンクローナですが、北欧通貨の一つということもあって、ユーロの動きに影響されやすいという特徴があります。

ユーロに関しては、景気減速が心配されていますが、経済状態は概ね回復傾向にあることから、ECBは今年10月から量的緩和を半減させ、今年の年末には終了することを発表しています。

来年夏以降、利上げも予定されており、経済状態は上向いてきています。EUと米国との貿易摩擦が景気の下押し要因になる可能性はありますが、それを考慮しても、EU経済は概ね堅調に推移することが予想されています。

そのため、北欧通貨であり、EUとの経済的なつながりの深いスウェーデン経済も、この影響を受けて堅調に推移することが予想されます。このことから、スウェーデンクローナは底堅い動きになるのではないかと考えられるのです。

先ほど書いたとおり、スウェーデンでは、レポ金利が-0.5%とマイナス金利になっています。2011以降、金利は引き下げ傾向にありますが、SRBは、今年の年末ごろにレポ金利を引き上げることを示唆しています。

そのため、年末にかけて利上げが意識され、スウェーデンクローナは買われやすい地合になると考えられます。

スウェーデンクローナ(SEK)の特徴

キャッシュレス化がとても進んでいる

スウェーデンでは、2015年に本格的なマイナス金利が導入され、住宅ローン金利も低金利となっています。

ここで問題となるのが銀行の収益ですが、スウェーデンの銀行の貸付収益は下がっており、今後、銀行を維持するための取り組みとして、コスト削減が必要となりました。そのため、スウェーデンではコスト削減策として、キャッシュレス化が進められてきたのです。

スウェーデンでは、少子高齢化対策を早くから進め、移民を積極的に受け入れることで、労働力を確保してきました。

しかし、2015年10月に、国境での入管規制の厳格化と移民への給付削減を打ち出し、移民の受け入れを制限しています。

このことから、今後、スウェーデンでは人材の確保に向けた競争が激しくなり、ただでさえ給与水準の高いスウェーデンの人件費は、さらに上がることが予想されています。

そのため、スウェーデンの銀行では、人件費を抑えるための取り組みとして、キャッシュレス化を進めたのです。

さらに、銀行の窓口業務を停止し、スマホ用送金アプリのSwishを導入することでATMを減らすという経費削減策が採られた他、現金の輸送や保管、警備といった関連費用のコストについても削減に成功しています。

現在、スウェーデンの銀行ではさらなる自動化が進められており、同国の大手銀行であるノルデア銀行では資産管理やカスタマーサービスといった職種の従業員2,500人を削減し、自動化の拡大に対し多額の投資をしています。

同行は今後、6,000人の人員を削減する計画で、自動化やロボット化を進めていく予定です。この流れはスウェーデンの地方銀行にも波及しており、自動化、ロボット化が同国の銀行のトレンドとなっています。同国のキャッシュレス化は、この流れの一環なのです。

このように、いち早く銀行業務の自動化、ロボット化を進めているスウェーデンですが、2015年の同国の現金流通残高の対名目GDPは1.7%まで減少(日本は19.4%)し、急速にキャッシュレス化が進んています。

EU加盟国で、ユーロ相場と関連性が高い

スウェーデンはEU加盟国ですが、共通通貨のユーロの導入は行っていません。すでに書いたとおり、同国の財政は良好です。

また、ボルボやサーブといったメーカーなどに代表されるように、製造業の盛んな国でもあります。同国の主な輸出先はEUで、輸出総額の50%以上を占めているため、ユーロの影響を受けやすいのが特徴です。

政治、経済が安定しており、欧州ではFXでも人気

スウェーデンの政治、経済は比較的安定しています。スウェーデン経済は堅調に推移しており、スウェーデン財務省によれば、2018年の同国の実質GDP成長率は2.8%であると予想されています。

これまで、同国の政治は安定していることで知られていました。そのため、同国の通貨であるスウェーデンクローナは、欧州のFXトレーダーに人気があります。また、北欧通貨の中では流動性が高いのも特徴です。

これまで、安定した政治を行ってきたスウェーデンですが、懸念材料もあります。同国では、積極的に移民を受け入れたことによる問題が発生しているため、近年、反移民を掲げる極右政党が勢力を伸ばしているのです。

2018年9月9日に投開票が行われたスウェーデン総選挙では、反移民の極右政党スウェーデン民主党が躍進し、与党の社会民主労働党が第一党を維持したものの、議会は過半数議席を占める政党がない、ハングパーラメントと呼ばれる宙ぶらりん状態になっています。

社会民主労働党はスウェーデン民主党との連立を拒否していますが、今後、連立協議は難航するとみられています。

安定政治として知られ、移民に対し寛容な政策を採ってきたスウェーデンがこのような状態になっていることは、来年5月に欧州議会選挙を控えるEUにとって大きな懸念材料となっています。

今後、スウェーデンで極右政党がさらに力を増すことになれば、スウェーデンクローナにも少なからず影響が出ることが考えられます。

リスク回避の避難通貨としても注目

ユーロと関わりの深いスウェーデンクローナですが、ユーロ圏の景気が低迷したり、政治的な混乱が発生したりすると、経済の堅調さや安定した政治を背景に、逃避通貨として買われる傾向にあります。

主な上昇要因

      国際情勢ユーロ圏の政治・経済不安
      政治難民・移民問題の進展
      金融政策政策金利(レポ金利)の引き上げ
      経済指標消費者物価指数の上昇、GDPの上昇
      その他ユーロ圏の経済指標の低下

主な下落要因

      国際情勢ユーロ圏の金融緩和の縮小
      政治スウェーデンでの政情不安や経済不安
      金融政策政策金利(レポ金利)の引き下げ
      経済指標消費者物価指数の下落、GDPの下落
      その他住宅価格の急落、年金基金の海外投資による資金流出

先ほど、ユーロ圏の経済や政治動向に不安があると、スウェーデンクローナは逃避通貨として買われる、ということを書きました。その実際の事例をここで紹介します。

2012年8月4日付日本経済新聞(電子版)によれば、2012年7月30日~2012年8月3日までの日経通貨インデックスを構成する25通貨の中で、スウェーデンクローナが2週連続で上昇率がトップとなっています。

この時、ユーロはギリシャやスペインをはじめとした欧州債務問題で揺れており、この年の6月に行われたギリシャの再選挙では、緊縮財政推進派の新民主主義党と緊縮財政反対派の急伸左派連合が拮抗する結果になっています。

結局、新民主主義党が、同じく緊縮財政推進派の全ギリシャ社会主義運動との連立政権を樹立したことで、この問題はいったん落ち着きを見せましたが、ギリシャの政治の混迷は、マーケットの不安をあおり、ユーロは売られやすい地合いとなりました。

その後、ECBが金融緩和策として利下げをし、事実上のゼロ金利を実施したことで、ユーロはさらに下落しました。また、同じ頃、BOEも資産買い入れプログラムを500億ポンドに増やし、金融緩和に踏み切ったことで、ポンドも下落したのです。

このことから、欧州の経済状態は依然として厳しい状態にあるとの見方が広がり、経済や政治が安定していたスウェーデンクローナに資金が流れたのです。

この時期に発表されたスウェーデンの2012年4月~6月期GDPが市場予想の0.2%を大幅に上振れる1.4%となったことも、スウェーデンクローナ買いを後押ししたものと考えられます。

この例のように、スウェーデンクローナは、欧州の政治情勢や経済状態の見通しが悪化すると、買われやすい傾向にあります。

買われやすい地合いの時に発表される同国の経済指標にも注目しておくと良いでしょう。

スウェーデンクローナはこんな人におすすめ!

    資金を抑えて取引したい。比較的値動きの安定した通貨を取引したい。

スウェーデンクローナをFX取引するメリット

少額からの取引ができる通貨ペアもある

例えば、SEK/JPYの場合、1スウェーデンクローナは12.38円(2018年9月15日現在)となっています。過去15年までの値動きを見ても、一番高い時で18円台、安い時で10円台となっているため、取引にかかる資金が少なくて済むのがメリットです。

仮に1万通貨取引する場合、過去15年での高値付近の18円で取引し、25倍のレバレッジをかけると、18円×1万通貨÷25=7,200円で取引することが可能であることが分かります。

1万円以下の低資金で取引できるのがメリットですが、相場の急変などのリスクを考慮した場合、資金に余裕を持たせて取引しましょう。

比較的値動きが安定している

スウェーデンは北欧の小国ではありますが、世界的に有名なメーカーもあるなど、経済は安定しています。経常収支(対GDP比)は長らくプラスを維持しており、政府総債務残高(対GDP比)も低く、財務状態は安定しています。

そのため、新興国通貨とは違い、スウェーデンクローナの値動きは安定しています。世界的な経済危機があった時は別ですが、基本的に値動きはそれほど大きくありませんので、急激な為替変動による損失を抑えたいという人にとっては取引しやすい通貨であると言えます。

スウェーデンクローナをFX取引するデメリット

取引できるFX会社が少ない

スウェーデンクローナはメジャー通貨ではなく、マイナー通貨になります。そのため、スウェーデンクローナとの通貨ペアを取り扱っているFX会社の数は少なく、メジャー通貨と比べ、FX会社の選択肢が狭まってしまうことはデメリットになります。

スプレッドが広い

スウェーデンクローナはマイナー通貨のため、同通貨が絡む通貨ペアのスプレッドは、ドル円やユーロ円など、メジャー通貨同士の通貨ペアに比べてスプレッドが広くなることがほとんどです。

スプレッドはFX会社によりますが、SEK/JPYの場合、概ね、2.0銭前後~となっているところが多いようです。

スワップポイントが低い通貨ペアも

SEK/JPYは、かつてはスワップポイントが高い通貨ペアとして人気でしたが、今では、買いポジションの場合にはマイナススワップ、売りポジションの場合にはスワップポイントは付与されないことがほとんどのようです。

なお、スウェーデンクローナが絡む通貨ペアは全てそうなるわけではなく、例えばUSDとの組み合わせであるSEK/USDは、買いポジションの場合のスワップポイントは高いFX会社が多いようです(ただし、取り扱っているFX会社は少ないのがデメリットです)。

スウェーデンクローナのトレードで取るべき戦略

今後避難通貨として存在感を高められるかが注目!

すでに書いたとおり、スウェーデンクローナは他の北欧通貨と同様、ユーロ圏で何か問題が起きた時の逃避通貨になりやすい傾向にあります。

逃避通貨になりやすい理由としては、同国の安定した政治、財務状態が挙げられます。財務状態に関しては現在も良好で、今後の経済見通しも、2018年のGDP成長率は2.8%、失業者は2008年以来、最低の6.2%となっていて、好調が続くことが予想されています。

ただ、不安要素があるとすれば、政治動向でしょう。すでに書いたとおり、9月9日の総選挙では、極右政党が議席数を伸ばしています。

同国の政治がすぐに混乱状態に陥るとは考えにくいですが、今回躍進した極右政党が、今後同国でどの程度支持を伸ばしていくかに注目した方が良さそうです。

なお、スウェーデンクローナのトレード戦略ですが、財務状態が安定している国の通貨で、かつ、EU圏からはやや離れた場所に位置していることから、新興国通貨のような荒い値動きにはなりにくい傾向にあります。

そのため、例えばSEK/JPYやSEK/USDなど、ドルや円といったメジャー通貨との組み合わせの場合は、一定のレンジに収まる傾向があるようです。

そのため、大きなトレンドを取るよりも、レンジの往復を狙ったトレードをした方が良いかもしれません。

また、ユーロとの組み合わせに関しては、何度も書いているように、ユーロ圏で問題が起きた時の逃避通貨になりやすい傾向にあるため、ギリシャショックや英国のEU離脱などユーロが売られやすい地合いになった時には上昇を狙えるでしょう。

タイミングにもよりますが、この時にスウェーデンの主要な経済指標が発表され、同国の経済状態の好調さが伺える内容だった場合は、スウェーデンクローナには追い風となりますので、さらなる上昇を狙えます。

まとめ

スウェーデンクローナは、メジャーな通貨ではありませんが、政治・経済が長らく安定していることから、根強い人気を持つ通貨であると言えます。

日本では、取り扱っているFX会社が少なく、スプレッドの面では不利ですが、少額から取引でき、ある程度値動きも安定しているため、初心者でも比較的取引しやすく、長期取引にも向いた通貨であると言えます。ただし、スワップ目的で取引する場合は、通貨の組み合わせに注意して取引しましょう。

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監修者紹介/FX専門家 五十嵐勝久

中央大学経済学部卒。アルゴ株式会社代表取締役。銀行や証券、FX会社に勤務し、営業、企画、マーケティング部に所属。40歳で会社を辞めて起業。現在はFXや証券会社などのプロモーション業務、システム開発を行う一方、システムトレーダーとしても活躍。

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