【FX】南アフリカランドの今後の動向|外的要因に左右される局面に。ポイントは5月の選挙か

  • 更新日: 2019/04/11

2018年の南アフリカランドは、米国の利上げによるドルの資金還流の影響を受け、他の新興国通貨同様、下降トレンドが続く一年となりました。さらに、トルコを発信源としたトルコショックも南アフリカランドの下押し要因となったのです。

トルコショックで南アフリカランドが大幅に下落したのは、同国が経常赤字国であることに加え、政治的に不安定であることが原因です。

同国の前大統領のズマ氏は、汚職や暴行疑惑を受けて辞任し、昨年2月にラマポーザ氏が大統領に就任しています。しかし、ズマ前大統領の影響力を一掃するには至らず、ズマ派の人物を入閣させることになってしまいました。

このことを受けて大きく売られた南アフリカランドでしたが、昨年の終盤から今年の初めにかけて、それも一服しています。原因は、米国の利上げを巡る動向です。

今年の米国の利上げについては、利上げ回数を引き下げるとの見方が昨年末からありましたが、今年に入り、FRBが今年の利上げを一旦停止するとの方針を示しました。

これにより米国への資金還流が一服したため、南アフリカランドは下げ止まっています。

また、米中貿易協議の動向も南アフリカランドには好影響となりました。今年に入り行われた米中貿易摩擦で協議が進展しているとの報道がされたことが、投資家のリスクオン姿勢を強めることとなり、新興国通貨である南アフリカランドにとってはポジティブ材料となったのです。

ただ、現在の南アフリカランドについて言えば、回復傾向はいったん頭打ちになっています。というのも、すでに米国の利上げ停止が織り込まれたことに加え、中国やEUの景気減速など、世界的な景気減速が不安視されているからです。そのため、南アフリカランドも積極的な買いにつながりにくくなっています。

南アフリカについて言えば、GDPはプラス成長が続いているものの、IMFによる2015年から2018年の実質GDP成長率は1%前後と、経済成長の鈍化が続いています。

また、南アフリカ統計局が発表した20184Q10-12月)の実質GDP成長率は、前期比年率+1.4%と2期連続のプラス成長を維持してはいるものの、3Q+2.2%からは減速しています。

さらに、製造業PMIも好不況の基準となる50を連続して割り込むなど、同国経済の弱さが懸念されているのです。

その原因の一つとして、昨年同国が大干ばつや荒天などの異常気象に見舞われたことが挙げられます。災害により、経済成長に大きな下押し圧力がかかってしまったのです。

消費についても鈍化が見てとれます。南アフリカの昨年12月の小売売上高は、前年比-1.4%となっています。今年1月にはプラス転換しましたが、その数字は+1.2%と弱く、消費の伸び悩みが伺えるのです。

このように、南アフリカ経済は停滞し、力強さを欠く状態になっています。現状、ランド安による輸入拡大が同国経済を下支えしている状態ですが、米国の利上げ停止により再び新興国へ資金が回帰すれば、同国経済は緩やかに回復するものと考えられます。

さて、そんな南アフリカでは5月に下院選挙が行われる予定です。ラマポーザ大統領率いる与党アフリカ民族会議は支持率が低下傾向にあります。

もし、下院選挙で与党が敗北し、議席を大幅に減らすことになれば、構造改革を掲げているラマポーザ大統領の今後の政権運営に黄色信号が灯ることになります。

特に、経営危機に瀕している国営電力公社エスコムの再建については、ラマポーザ政権の構造改革の中心となることから、政府は追加支援を検討しています。

ただ、それにより公的債務が増すため、南アフリカの自国通貨建て長期債務を格付け会社が将来格下げする可能性があります。そのため、5月の下院選挙に関する報道と選挙の結果には注意が必要です。

また、米国の今年の利上げ停止については、冒頭で書いたとおり、ランド相場ではすでに織り込み済みとなっていると考えられます。そのため、次に注目されるのが米中貿易協議の動向です。

米中貿易協議は、先日3日間行われましたが、合意には至らず、今後もTV会議で進めていくとの報道がされています。今のところ、米中貿易協議については合意への期待感が上回っています。

しかし、今後の協議が長期化することで、投資家のリスク回避姿勢が再び強まれば、南アフリカランドを下押しすると考えられます。

また、世界的な景気後退局面が心配されていることを考えると、新興国通貨である南アフリカランドは積極的な買いにつながりにくいと考えられます。

なお、南アフリカランドが積極的に買われる局面としては、政策金利の引き上げが考えられますが、消費者物価指数が低下傾向にあり、経済成長も現状は鈍化していることを踏まえると、積極的な利上げを行うとは考えにくいと言えます。

ただ、昨年のような新興国通貨の連鎖的な暴落が起きた場合などは、その限りではありません。

このように、南アフリカランドは、現状は積極的な買いにつながりにくく、米中貿易協議など外的要因に左右されやすい状態にあると言えます。

ただ、南アフリカへの資金回帰により、同国経済が押し上げられれば、緩やかに景気は回復すると考えられ、南アフリカランドは上昇トレンドになるでしょう。

なお、5月の下院選挙の動向によっては、南アフリカランドの急騰・急落が考えられるため、注意が必要です。

これらのことから、南アフリカランド円については、長期的にはいったん底を打ったと考えられます。

ただ、前述のとおり、積極的な上昇要因が今のところないことから、今年もレンジになりやすいと考えられ、今年の南アフリカランド円は、1ランド7.5円~9.2円のレンジを推移すると考えられます。

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