【FX】メキシコペソの今後の動向|内外の景気減速リスク高まり売られやすいが、好材料も

  • 更新日: 2019/04/11

新興国通貨であるメキシコペソは、メキシコが産油国であることから、原油価格の影響と米国の金融政策に影響がされやすいことが大きな特徴です。

一昨年から昨年にかけて、メキシコはインフレに苦しんできました。原因としてまず挙げられるのは、米国の金融政策です。米国が金融引き締めに転じ利上げを行ったことから、資金還流が起こり、メキシコペソは対ドルで下落しました。

これにより食料品価格も高騰していました。というのも、メキシコでは、トルティーヤをはじめトウモロコシを原料とした食品がよく食べられていますが、米国からの輸入が多いため、対ドルでのメキシコペソの下落は食料品価格の上昇につながってしまうのです。

食料品価格の高騰の他に、原油価格の高騰もインフレに影響を及ぼしました。

メキシコペソの下落はメキシコの賃金上昇を圧迫し、個人消費の低迷が続いていたのです。

また、政治不安もメキシコペソの下落を引き起こす要因となりました。

昨年7月に左派政党から出馬し当選したオブラドール大統領は、国内市場を育成し、4%の成長を達成するとして、教育無償化、インフラ拡大、若年層の就労支援の拡大など歳出拡大につながる公約を掲げました。

ただ、問題は増税せずにこれらの政策を行うとしていることです。

オブラドール大統領は、汚職の撲滅や歴代大統領の年金廃止、省庁再編、大統領専用機の売却などにより歳出を削減し、増税なしでこれら公約を実現するとしていますが、果たしてそれで十分な財源が確保できるのかという疑問が残ります。

このことから、オブラドール大統領の政策に対しては、大衆迎合的であるとの批判があり、その実現性に対し市場は懐疑的でした。

オブラドール大統領は、就任後、公約に掲げた汚職撲滅の一つとして、新空港の建設中止や石油鉱区の入札中止などの政策を実行しています。しかし、この政策はメキシコの投資環境を悪化させることが懸念されたため、昨年後半にメキシコペソは急落しています。

そもそも、財政赤字国であるメキシコは、これまで、経常赤字を海外からの資本流入で相殺していたのです。それにも関わらず、オブラドール大統領の政策は、海外からの投資流入を阻害するものとなっています。

また、メキシコは原油収入に依存しているため、石油鉱区の入札禁止はメキシコの財政規律を悪化させるのではとの懸念もあります。このような理由から、今後のメキシコの財政が不安視され、メキシコペソは大きく売られてしまったのです。

その後、メキシコペソの下落を防ぐべく、メキシコ中央銀行が利上げを2度実施し、政策金利を8.25%に据え置いたことで、下落は食い止められています。

また、今年に入り、米国が年内の利上げ停止を公表し、さらには利下げの可能性も浮上してきていることから、メキシコペソの対ドルでの下落は一服しています。

328日に開いたメキシコ中央銀行の金融政策決定会合では、2会合連続で現行の8.25%の据え置きを決定しており、メキシコペソ安の一服により、消費者物価指数が2月は前年同期比+3.94%とメキシコ中央銀行の目標である3%台に入るなど、物価上昇も落ち着いてきています。

そんなメキシコですが、現在心配されているのが、景気減速です。失業率やインフレ率は低下しているものの、GDP成長率や製造業PMI、工業生産、製造業生産、鉱業生産などの指標は冴えません。

このことから、メキシコの民間機関の予想平均では、今年の年末のメキシコの政策金利は8.10%と、年内に利下げに踏み切るとの見方が強まっています。

ただ、メキシコの景気鈍化を抑制する材料もあります。実は、メキシコは米中貿易摩擦による恩恵を受ける国で、中国の代替国の一つとして注目されているのです。国連貿易開発会議によれば、メキシコは、EUに次いで米中貿易摩擦による恩恵を受けるとされています。

先日、米中貿易協議が再開されましたが、今回も米中双方の追加関税の扱いなどで溝が埋まらず、今後もテレビ会議で協議を続けるとしています。

トランプ米大統領は今後4週間で合意のめどをつけるとしていましたが、その後は予断を持たないとの認識を示していることから、この問題はこのまま長期化するとの見方が依然として残ります。そのため、メキシコはこの問題での恩恵をしばらくは受けそうです。

このように、メキシコペソについては好材料・悪材料とあります。また、新興国通貨であることから、米中貿易協議の動向やイギリスのEU離脱など、投資家のリスク回避姿勢が強まる局面での下落も考えられます。

現在、メキシコの景気は冴えませんが、メキシコペソの対ドルでの下落は底打ちしており、今後、経済指標に復調の兆しが見えれば、再び上向きになると考えられます。

メキシコペソ円については、今年も投資家のリスク回避姿勢が強まる局面では円が買われるとみられます。ただ、メキシコペソ円は、上昇圧力は弱いものの底打ちしているため、一時的な下降トレンドはあっても、長く続く可能性は低いと考えられます。

ただ、強い上昇トレンドには現状なりにくく、しばらくは一進一退になりそうです。また、気になるのが、利下げです。メキシコの民間機関の見通しどおり、年内の利下げに踏み切れば、メキシコペソは対円でも売られると予想されます。

このことから、今年のメキシコペソ円は、1メキシコペソ5.2円~6.0円のレンジを推移すると考えられます。

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