2019年7月2日|日経平均株価は小幅ながらも上昇する一方、ドル円は値動きの乏しい展開に。
- 更新日: 2019/07/02
2019年7月2日|本日午後からのFX相場予想
本日の日経平均株価は前日比30円54銭安の21,699円43銭で寄り付いた後、プラス圏に浮上。後場は前日比9円91銭高の21,739円88銭で寄り付いている。
一方ドル円は、エアバス補助金を巡る米国とEUとの対立に関し、EUの航空機補助金に対する報復関税として40億ドル相当のEU輸入品リストを提案すると米通商代表部が発表したとの報道から、早朝に一時1ドル108円28銭まで下落。
しかし、売りの勢いは一時的なものに留まり、日経平均株価の上昇につれ、1ドル108円40銭台まで持ち直している。
さらに、仲値近辺で実需筋のドル買いが入ったことも円安・ドル高を後押しした模様。
昨日のドル円は、先週末に行われた米中首脳会談で米国の対中関税第4弾が先送りされたことが好感され、投資家のリスク回避姿勢が後退。
マーケットオープン時には上方向に窓を開けて始まり、1ドル108円50銭台まで上昇する場面もあったが、東京時間がスタートすると、好調な日経平均株価の動向とは裏腹に、ドル円は上値の重い展開となった。
途中、米長期金利が上昇したことで再び1ドル108円50銭台まで浮上する場面もあったが、長続きせず、その後も上値は押さえられた。
ニューヨーク時間に入ると米ISM製造業景況指数が発表され、事前予想の51.0を上回る51.7となったことが好感されたものの、前回の52.1からは低下。
さらに、同時に発表された5月の米建設支出が前月比-0.8%と事前予想の0.0%を下回ったうえ、前回の0.4%からも大幅に低下したことが嫌気され、ドル円の上昇は限定的なものに留まった。
昨日発表された6月の米ISM製造業景況指数は、3か月連続の低下となった。
新規受注が弱かった一方、生産指数が改善した。これにより雇用指数が上昇したと考えられ、生産指数と雇用指数の改善が今回のISM製造業指数の上昇に貢献したとみられている。
一方、6月の受注残は2か月連続で50を下回る弱い内容となり、在庫も50を割り込むなど、企業が在庫を縮小していることと、モノへの需要が弱いことが示唆される結果となった。
米中貿易摩擦による先行き不透明感が製造業を直撃し、モメンタムの減速につながったと考えられる。
今後同指数が上昇するためには新規受注の改善が必要であろう。
その米中貿易摩擦に関しては、すでに書いたとおり、制裁関税の第4弾の発動は回避された。
このことが好感されたため、日本はもちろん、欧米の株式市場も昨日は上昇基調に。ただ、為替の反応は鈍く、上値が押さえられる展開が続いている。
制裁関税第4弾の発動の回避は製造業にとっては朗報だ。ただ、米中の対立の原因となっている根本的な問題は解決しておらず、楽観視はできない。
禁輸措置となっているファーウェイに関しては一部のみ解除されるとのことであるが、これが好感され、昨日の東京株式市場では、同社に部品を販売している太陽誘電やソニーなどの株価が上昇した。
米国家経済会議のクドロー委員長は、現段階ではエンティティ・リストに同社を残し続けるとしており、制裁緩和は世界中で出回っている汎用品に限ると米TV番組のフォックス・ニュース・サンデーで述べている。
ただ、ファーウェイのエンティティ・リストからの除外については、米国の与野党から懸念を表明する声があり、一筋縄ではいかないとの見方もある。
エンティティ・リストから同社を除外するかどうかということについては、トランプ米大統領によれば6月30日か7月2日に協議するとのことであるため、今後の動向に注意が必要である。
本日この後のドル円は、材料難から値動きに乏しい展開になることが考えられる。
本日18時半にRBAのロウ総裁による講演が予定されているが、この時の発言内容によって豪ドルが大きく動く可能性がある。
その影響がドル円相場にも波及する可能性があり、注意が必要だ。
本日は上海総合指数が昨日の終値を割り込んで始まった後、下落。
現在は下げ幅を縮小し、昨日の終値を伺う展開となっている。
ハンセン総合指数は昨日の終値を上回って始まった後、高水準で推移し堅調。
米長期金利はやや低下したが、現在は横ばいでの推移となっている。一方、NYダウ先物は上昇している。
テクニカルを見ると、ドル円の一時間足は一目均衡表の雲の上にある。ボリンジャーバンドはやや上向きだが、小動きとなっていることから、バンド幅は縮小している。
この後、東京時間のドル円は、1ドル108円50前後が短期的な抵抗線になるとみられる。
それを上抜けた場合は、1ドル108円60銭が抵抗線として意識されるとみられる。
一方、東京時間の支持線は、短期的には1ドル108円25銭前後になるとみられ、そこを割り込んだ場合は、1ドル108円15銭前後が支持線として意識されるとみられる
(元ネット系証券会社社員 佐藤真奈美氏)。
2019年7月2日|本日のFXレンジ予想
ドル/円
- 強気予想:108.15円~108.77円
- 弱気予想:107.91円~108.58円
ユーロ/円
- 強気予想:121.95円~123.50円
- 弱気予想:121.58円~122.91円
ポンド/円
- 強気予想:136.66円~137.95円
- 弱気予想:136.29円~137.49円
(元ネット系証券会社社員 佐藤真奈美氏のレンジ予想)
※過去の相場データから当期の予想変動幅を算出。
2019年7月2日|本日のFX経済指標カレンダー
13:30 |
(豪) 豪準備銀行(中央銀行)、政策金利発表 前回…1.25% 今回予想…1.00% |
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15:00 |
(英) 6月 ネーションワイド住宅価格 [前月比] 前回…-0.2% 今回予想…0.2% |
15:00 |
(独) 5月 小売売上高指数 [前月比] 前回…-1.0% 今回予想…0.5% |
15:00 |
(独) 5月 小売売上高指数 [前年同月比] 前回…4.0% 今回予想…2.7% |
15:45 |
(仏) 5月 財政収支 前回…-672億ユーロ |
17:30 |
(英) 6月 建設業購買担当者景気指数(PMI) 前回…48.6 今回予想…49.2 |
18:00 |
(欧) 5月 卸売物価指数(PPI) [前月比] 前回…-0.3% 今回予想…0.1% |
18:00 |
(欧) 5月 卸売物価指数(PPI) [前年同月比] 前回…2.6% 今回予想…1.8% |
(元ネット系証券会社社員 佐藤真奈美氏)
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