2019年7月12日|日経平均株価はプラス圏に。ドル円は上値は重いが底堅い展開。
- 更新日: 2019/07/12
2019年7月12日|本日午後からのFX相場予想
本日の日経平均株価は前日比76円61銭高の21,720円14銭でスタートしたものの、その後は上げ幅を縮めマイナス圏に。前日の終値を挟んだ動きとなっている。
ドル円は軟調。早朝は円安地合いとなったが、仲値近辺で実需筋によるドル売りがあったことと、米長期金利が2.12%台に低下したことが嫌気されて円買い優勢となった。
その後、日経平均株価が後場に入り持ち直しプラス圏に転じたことを受けてドル円は底堅い動きになっている。
ただ、米長期金利がやや低下傾向にあるため、ドル円の上値は重い。
昨日の東京時間のドル円は、前日のパウエルFRB議長の議会証言を受けてドル売り地合いとなった。
それに加え、中東のホルムズ海峡周辺でイランの精鋭部隊が英国の石油タンカーを拿捕しようとして失敗したとのニュースがあったことで地政学的リスクが意識され、ドル売りの勢いが強まった。
そのためドル円は1ドル107円台まで下落したが、日経平均株価の上昇が材料となり、再び108円台に持ち直した。
ロンドン時間、ニューヨーク時間でも円安地合いとなったが、昨日発表された米国の6月消費者物価指数の数値が事前予想を上回ったことが好感されドル円は円安が進み、パウエルFRB議長の議会証言前の半値戻しの水準まで値を戻した。
昨日発表の6月の米消費者物価指数では、食品とエネルギーを除くコア指数が前月比+0.3%と事前予想を上回り、2018年1月以来となる大幅な伸びとなった。
ただ、今回の米消費者物価指数の上振れにより今月開催のFOMCでの利下げが後退するかというと、市場ではそのような見方はしていない。
というのも、FRBが物価上昇の参考にするコア個人消費支出(PCE)価格指数は5月が前年同月比1.5%増とFRBの物価目標の2.0%を下回る状態が続いている。
そのため、今回の6月米消費者物価指数の結果は良好だったが、7月のFOMCでの利下げ確度が低下するとは考えにくい、というのが市場の見方のようだ。
なお、利下げについては、昨日、FRBのブレイナード理事がペンシルベニア州での講演で、軟調なインフレや通商問題等、世界経済の不透明感がもたらすリスクを考慮した場合、利下げを支持するとの姿勢を示した。
さらにニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁も、2%を下回って推移する弱いインフレ率や世界経済の不確実性を考慮すると、利下げの根拠が強まっていると記者団に対し述べた。
昨日相次いだFRB理事やFOMCでの投票権を持つ連銀総裁の利下げ容認発言を考慮しても、やはり7月のFOMCでの利下げ確度は高いと考えられる。
昨日は米長期金利が上昇し2.1%台を回復した。その原因として考えられるのが米株高である。
早期利下げの可能性が高まっていることが好感され、米国株は堅調だ。そのため、安全資産である債券からリスク資産である株に資金が流れているようである。
米国の早期利下げの可能性が高いことから、ドル円は積極的に上値を追う展開にはなりにくいものの、上記の事情から、概ね底堅い動きになっている。
本日この後の東京時間のドル円は、日経平均株価の動向に注意が必要である。
また、3連休前ということもあり、ポジション調整の動きが出やすい。
そのため、相場の状況には注意が必要だ。
また、本日発表予定の中国の貿易収支の結果にも注意したい。
6月の中国の対米貿易黒字が拡大していた場合、トランプ大統領をはじめとした米国の要人から牽制を示唆する発言が飛び出すかもしれない。
なお、本日の上海総合指数は前日の終値を割り込んで始まった後プラス圏に転じ、上昇。
ハンセン総合指数も前日の終値を割り込んで始まった後、プラス圏に転じて上げ幅を拡大している。
NYダウは堅調。朝方急上昇した後、ゆるやかな上昇が続いている。
テクニカルを見ると、ドル円の一時間足は一目均衡表の雲の中にある。
ボリンジャーバンドはやや収縮し、ドル円の一時間足は移動平均線でいったん反発している。
この後、東京時間のドル円は、1ドル108円45銭前後が短期的な抵抗線になるとみられる。
それを上抜けた場合は、1ドル108円55銭が抵抗線として意識されるとみられる。
一方、東京時間の支持線は、短期的には1ドル108円30銭前後になるとみられ、そこを割り込んだ場合は、1ドル108円20銭前後が支持線として意識されるとみられる
(元ネット系証券会社社員 佐藤真奈美氏)。
2019年7月12日|本日のFXレンジ予想
ドル/円
- 強気予想:108.10円~109.11円
- 弱気予想:107.61円~108.85円
ユーロ/円
- 強気予想:121.79円~122.56円
- 弱気予想:121.42円~122.36円
ポンド/円
- 強気予想:135.29円~136.67円
- 弱気予想:134.69円~136.28円
(元ネット系証券会社社員 佐藤真奈美氏のレンジ予想)
※過去の相場データから当期の予想変動幅を算出。
2019年7月12日|本日のFX経済指標カレンダー
13:30 |
(日) 5月 鉱工業生産・確報値 [前月比] 前回…2.3% |
---|---|
13:30 |
(日) 5月 鉱工業生産・確報値 [前年同月比] 前回…-1.8% |
13:30 |
(日) 5月 設備稼働率 [前月比] 前回…1.6% |
15:00 |
(独) 6月 卸売物価指数(WPI) [前月比] 前回…0.3% |
18:00 |
(欧) 5月 鉱工業生産 [前月比] 前回…-0.5% 今回予想…0.2% |
18:00 |
(欧) 5月 鉱工業生産 [前年同月比] 前回…-0.4% 今回予想…-1.6% |
21:30 |
(米) 6月 卸売物価指数(PPI) [前月比] 前回…0.1% 今回予想…0.1% |
21:30 |
(米) 6月 卸売物価指数(PPI) [前年同月比] 前回…1.8% 今回予想…1.7% |
21:30 |
(米) 6月 卸売物価指数(PPIコア指数、食品・エネルギー除く) [前月比] 前回…0.2% 今回予想…0.2% |
21:30 |
(米) 6月 卸売物価指数(PPIコア指数、食品・エネルギー除く) [前年同月比] 前回…2.3% 今回予想…2.1% |
(元ネット系証券会社社員 佐藤真奈美氏)
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