2019年6月4日|日経平均株価は下げ幅を縮める展開。ドル円は1ドル108円00銭を挟んで推移する展開に。
- 更新日: 2019/06/04
2019年6月4日|本日午後からのFX相場予想
本日の東京時間のドル円は軟調。NYカットオプションの入っている1ドル108円前後が意識されながら水準を下げているが、今年の高値と安値の61.8%押しとなる107円75銭にはまだ到達していない状態となっている。
日経平均株価は5日営業日ぶりの前日比プラスで始まったものの、その後は下落。下げ幅を拡大している。
昨日のドル円は、東京時間は日経平均株価の下落を受けて上値の重い展開が続き、1ドル108円07銭まで円安が進んだ。
欧州勢が参加するとドルが買い戻され、1ドル108円40銭台まで浮上する場面もあったが、ニューヨーク時間に入ると、この日発表された5月の米ISM製造業景況指数が事前予想の53.0を下回る52.1となり、前回の52.8からも低下したことが嫌気された。
そのうえ、午後に入ると米セントルイス連銀のブラード総裁が講演で、「最近の米国と中国をはじめとした主要貿易相手国との通商問題が長期化する中、世界経済に対するリスクが高まった」と述べた。
さらに、「米国のインフレとインフレ見通しがどちらも目標を下回り低調であることを踏まえると、利下げが正当化される可能性がある」と早期の利下げを示唆したことから、ドル円は急落。米長期金利は低下し、2.1%を割り込んだ。
また、1ドル107円台まで円高が進んだ。
今回、セントルイス連銀のブラード総裁は利下げに言及したものの、講演後、他の当局者らの見解を聞く意向を示し、2週間後の会合で利下げにコミットしないと説明している。
とはいえ、ハト派のFRB高官である同氏が米国の景気減速を予防する意味での早期利下げの可能性を示唆したことで、CMEのフェドウォッチの7月利下げ予想確率は1週間前の18%から上昇し、約53%となった。
また、9月利下げ予想確率は1週間前の48%から約85%まで上昇している。
また、この日発表された5月の米ISM製造業景況指数は、トランプ米大統領が大統領に就任して以来、最低となる52.1となった。
米中貿易摩擦が激化した影響が出たものとみられるが、鉱工業生産の結果を見ても、直近の米中両国による関税引き上げ以前から米国の製造業が減速傾向にあったことが伺える。
ISM製造業景況指数の内容を確認すると、生産指数は51.3と2016年8月ぶりの低水準となり、受注残も2年ぶりの水準まで低下するなど米製造業の減速兆候が見られる。
その一方で、新規受注と雇用指数は上昇し堅調な米労働市場の状態が確認された。
また、仕入れ価格指数は53.2に上昇し、インフレが上向き始めている可能性を示唆しているなど、好調さが伺える内容となっている。
ただ、需要については減速傾向がみられるため、米中貿易摩擦をはじめとした米国と各国との貿易摩擦が米国の製造業に今後もたらす影響が懸念されている。
このことから、昨日は米長期金利が低下し、ドル円は円高がさらに進んだ。
米中貿易摩擦や米国のメキシコに対する制裁関税等、米国と各国との貿易摩擦の激化が世界的な貿易摩擦の拡大を引き起こし、世界的な景気減速につながるのではないかとの懸念が広がっているため、市場ではリスク回避姿勢が強まっている。
リスク資産である株を売って債券を買う動きが強まったことで、米長期金利は低下。
安全資産である円への需要が高まり円高が進んだ。
冒頭でも書いたとおり、本日のドル円は軟調。米長期金利が2.1%台を回復したことから下値は堅いが、世界的なリスクオフの高まりにより、上値の重い展開となっている。
日経平均株価は軟調だったが、前場の終わりに下げ幅をやや縮め、後場に入るとプラス圏へ浮上した。
本日の上海総合指数は前日の終値を上回るスタートとなった後、下げ幅を拡大している。
また、ハンセン総合指数は昨日の終値を上回ってスタートした後、マイナス圏へ。
下げ幅を拡大したが、昼前に下げ幅を縮めた。
なお、NYダウ先物は下落しマイナス圏に沈んだが、浮上し再びプラス圏で推移している。
テクニカルを見ると、ドル円の一時間足は一目均衡表の雲の下にある。
ボリンジャーバンドはバンド幅を拡大。-1σと-2σの間を推移するバンドウォークとなっている。
この後、東京時間のドル円は、1ドル108円05銭前後が短期的な抵抗線になるとみられる。
それを上抜けた場合は、1ドル108円15銭が抵抗線として意識されるとみられる。
一方、東京時間の支持線は、短期的には1ドル107円85銭前後になるとみられ、そこを割り込んだ場合は、1ドル107円75銭前後が支持線として意識されるとみられる
(元ネット系証券会社社員 佐藤真奈美氏)。
2019年6月4日|本日のFXレンジ予想
ドル/円
- 強気予想:108.80円~108.69円弱気予想:107.57円~108.36円
ユーロ/円
- 強気予想:120.97円~122.17円弱気予想:120.45円~121.83円
ポンド/円
- 強気予想:136.26円~138.69円弱気予想:135.69円~137.76円
(元ネット系証券会社社員 佐藤真奈美氏のレンジ予想)
※過去の相場データから当期の予想変動幅を算出。
2019年6月4日|本日のFX経済指標カレンダー
10:30 |
(豪) 1-3月期 経常収支 前回…-72億豪ドル 今回予想…-29億豪ドル |
---|---|
10:30 |
(豪) 4月 小売売上高 [前月比] 前回…0.3% 今回予想…0.2% |
13:30 |
(豪) 豪準備銀行(中央銀行)、政策金利発表 前回…1.50% 今回予想…1.25% |
15:45 |
(仏) 4月 財政収支 前回…-407億ユーロ |
17:30 |
(英) 5月 建設業購買担当者景気指数(PMI) 前回…50.5 今回予想…50.6 |
18:00 |
(欧) 4月 失業率 前回…7.7% 今回予想…7.7% |
18:00 |
(欧) 5月 消費者物価指数(HICP、速報値) [前年同月比] 前回…1.7% 今回予想…1.3% |
18:00 |
(欧) 5月 消費者物価指数(HICPコア指数、速報値) [前年同月比] 前回…1.3% 今回予想…0.9% |
18:30 |
(南ア) 1-3月期 四半期国内総生産(GDP) [前期比年率] 前回…1.4% 今回予想…-1.6% |
18:30 |
(南ア) 1-3月期 四半期国内総生産(GDP) [前年同期比] 前回…1.1% 今回予想…0.7% |
22:45 | (米) パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、発言 |
23:00 |
(米) 4月 製造業新規受注 [前月比] 前回…1.9% 今回予想…-0.9% |
(元ネット系証券会社社員 佐藤真奈美氏)
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