2019年6月20日|日経平均株価は堅調。ドル円は昨日のFOMCの結果を受けて円高が進む。
- 更新日: 2019/06/20
2019年6月20日|本日午後からのFX相場予想
本日の東京時間は日経平均株価が前日比83円87銭高の21,417円74銭でスタートした後、米国の株高を好感し、上昇。
後場も前日比125円09銭高の21,458円96銭でスタートするなど堅調に推移している。
一方、ドル円は昨日のFOMCとその後のパウエルFRB議長の会見を受けて円高が進んでいる。
昨日のドル円は、ニューヨーク時間の終盤までFOMCを前に様子見ムードに。
東京時間中に、米国がトルコのロシア製ミサイル防衛システム導入計画を巡り、トルコに対し新たな制裁を加えると報道が一部であったことで水準を下げ、その後も上値の重い状態が続いた。
ニューヨーク時間の終盤に終了したFOMCでは、事前予想どおり政策金利は据え置かれた。
その後発表されたFOMCの声明では、これまで金融政策を「忍耐強く」判断するとしていた文言から「忍耐強く」の言葉を削除し、従来の様子見スタンスから利下げスタンスへの転換を示唆するものとなった。
また、軟調なインフレについても一時的との文言は使わず、景気判断はこれまでの「底堅く拡大」から「緩やかに拡大」に変更するなど、下方修正している。
その上で、今後、短期間のうちに発表される経済指標の動向を見極めたいとした。
今年のはじめにパウエルFRB議長はこれまでのタカ派姿勢からハト派姿勢へと転向し、年内の利上げを停止するとしてきた。
米中貿易摩擦や英国のEU離脱など、今後の世界経済の不透明感を背景に、徐々に強まるFRBのハト派姿勢を受けて、今回は「忍耐強く」の文言が削除されるのではないかとの予想が事前にあったため、実際に削除されたことついて、それほど驚きはない。
しかし、今回発表されたドットチャートでは、2020年と2021年の政策金利予想が予想以上に下方修正された。
また、年内に利下げを見込んでいる参加者が17名中8名となり、前回の0名から大幅に増加している。
そのため、今回のFOMCは、市場の予想を上回るハト派姿勢になったと考えられる。
今回のFOMCの結果から、米国の年内利下げの確度がさらに高まったと言えよう。
米国は年内に1回は利下げをするだろうとの見方が市場では強まっており、今月末に行われるG20でよほどのポジティブサプライズがあるなど、事前予想を大幅に上回る好材料が出ない限り、この流れが続くものと市場では予想している。
今回のFOMCとパウエルFRB議長の会見を受けて、冒頭でも書いたとおりドル円は一気に円高地合いに。
また、EUでは、ドラギECB総裁が一昨日行われたECB年次フォーラムでの冒頭演説で、利下げを示唆している。
さらに、その後の討論会でドラギ氏は、「物価2%実現のためにあらゆる手段を用いる」と発言するなど、追加緩和を行う可能性を強調している。
この発言は、トランプ米大統領のユーロ安批判に対するものだったが、ECBも追加緩和へと舵を切りつつあり、米国より一足先にその姿勢を示すものとなった。
このように、欧米では利下げの流れが加速している。そのため、ドル円には下押し圧力が強くかかり、FOMC終了後から円高が急速に進んでいる。
昨日のFOMCの結果を受けて、米長期金利は低下し、2016年11月以来となる2%台を割り込む水準にまで低下。
これを受け、本日の東京時間開始後からドル円は円高が進み、一時1ドル108円50銭台まで下落した。
その後米長期金利が1.98%台を回復したことで持ち直し、1ドル107円78銭前後まで回復している。
本日の東京時間のドル円は、昨日のFOMCの声明を受けた円高は一服したものとみられるが、欧米の利下げ示唆が意識され、この後も円高地合いが続くものとみられる。
本日は上海総合指数が前日の終値を上回って始まった後、上げ幅を拡大。そのまま上昇している。
また、ハンセン総合指数も前日の終値を上回って始まった後、上げ幅を拡大している。また、NYダウ先物は上昇している。
テクニカルを見ると、ドル円の一時間足は一目均衡表の雲の下にある。
ボリンジャーバンドは拡大。ドル円の一時間足は-3σと-2σの間を推移している。
この後、東京時間のドル円は、1ドル107円80銭前後が短期的な抵抗線になるとみられる。
それを上抜けた場合は、1ドル107円90銭が抵抗線として意識されるとみられる。
一方、東京時間の支持線は、短期的には1ドル107円50銭前後になるとみられ、そこを割り込んだ場合は、1ドル107円40銭前後が支持線として意識されるとみられる
(元ネット系証券会社社員 佐藤真奈美氏)。
2019年6月20日|本日のFXレンジ予想
ドル/円
- 強気予想:107.80円~108.93円弱気予想:107.49円~108.52円
ユーロ/
- 強気予想:121.21円~121.94円弱気予想:120.94円~121.71円
ポンド/円
- 強気予想:136.07円~137.76円弱気予想:135.32円~137.29円
(元ネット系証券会社社員 佐藤真奈美氏のレンジ予想)
※過去の相場データから当期の予想変動幅を算出。
2019年6月20日|本日のFX経済指標カレンダー
13:30 |
(日) 4月 全産業活動指数 [前月比] 前回…-0.4% 今回予想…0.7% |
---|---|
15:30 | (日) 黒田東彦日銀総裁、定例記者会見 |
17:30 |
(英) 5月 小売売上高(除自動車) [前月比] 前回…-0.2% 今回予想…-0.5% |
17:30 |
(英) 5月 小売売上高(除自動車) [前年同月比] 前回…4.9% 今回予想…2.4% |
17:30 |
(英) 5月 小売売上高 [前月比] 前回…0.0% 今回予想…-0.5% |
17:30 |
(英) 5月 小売売上高 [前年同月比] 前回…5.2% 今回予想…2.7% |
20:00 |
(英) イングランド銀行(BOE、英中央銀行)金利発表 前回…0.75% 今回予想…0.75% |
20:00 |
(英) 英中銀資産買取プログラム規模 前回…4350億ポンド 今回予想…4350億ポンド |
20:00 | (英) 英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨 |
21:30 |
(米) 1-3月期 四半期経常収支 前回…-1344億ドル 今回予想…-1250億ドル |
21:30 |
(米) 6月 フィラデルフィア連銀製造業景気指数 前回…16.6 今回予想…10.5 |
21:30 |
(米) 前週分 新規失業保険申請件数 前回…22.2万件 今回予想…22.0万件 |
21:30 |
(米) 前週分 失業保険継続受給者数 前回…169.5万人 今回予想…168.0万人 |
23:00 |
(米) 5月 景気先行指標総合指数 [前月比] 前回…0.2% 今回予想…0.1% |
23:00 |
(欧) 6月 消費者信頼感(速報値) 前回…-6.5 今回予想…-6.5 |
29:00 | (英) カーニー英中銀(BOE)総裁、発言 |
2019年6月21日|本日のFX経済指標カレンダー
08:30 |
(日) 5月 全国消費者物価指数(CPI) [前年同月比] 前回…0.9% 今回予想…0.7% |
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08:30 |
(日) 5月 全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く) [前年同月比] 前回…0.9% 今回予想…0.7% |
08:30 |
(日) 5月 全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品・エネルギー除く) [前年同月比] 前回…0.6% 今回予想…0.5% |
(元ネット系証券会社社員 佐藤真奈美氏)
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