2019年4月17日|日経平均株価は好調。日本の対米貿易黒字の増加がドル円の上値抑制要因に
- 更新日: 2019/05/08
2019年4月17日|本日午後からのFX相場予想
本日の東京時間は、昨日の米株高を受けて、日経平均株価は堅調。買い優勢となっている。
ドル円は日経平均株価が高水準で始まったことを受けて水準を上げ、1ドル112円15銭近辺まで浮上。
その後、年初来高値となる1ドル112円17銭を付けたが、利益確定売りが入ったことでその後は水準を下げ、1ドル112円を割り込んだ後は、もみ合いが続いている。
昨日のドル円は、日米通商交渉の動向を見極めたいとの思惑から、東京時間からニューヨーク時間まで終始様子見ムードとなり、方向感に欠ける動きが続いた。
ニューヨーク時間では4月の米NAHB住宅市場指数の結果が発表され、前回から1pt上昇の63となり、昨年10月来の最高水準となったことが好感されて米長期金利が上昇する場面があった。
これによりドル買い優勢となったものの、限定的なものに留まった。
米国時間の16日に行われた2日目の日米通商交渉では、米国側が対日赤字の削減を提示したことを茂木経済再生担当相が会見で明らかにした。
また、関税引き上げが大統領権限で行われ、自動車輸入への影響が心配された米通商拡大法232条の適用になるかという点については、交渉が続く限り発動はないとの確認を取ったと茂木経済再生担当相は明らかにしている。
さらに、マーケットが注目していた為替条項に関しては、2017年2月の日米首脳会談で合意した通り日米財務相間で議論されることになった。
なお、会見では、農産品に対し米国側が興味を示していることや、日米首脳会談を前に来週中にも協議が再開されることが明らかになった。
今回の日米通商交渉で懸念された自動車の数量規制については、米国側が日本から米国に輸出された自動車に25%の関税を課す可能性も懸念されていた。
その場合、日本の自動車業界は3割も利益が減少し、日本のGDPを0.4%押し下げるとの試算もされていたため、市場の注目度は高かった。
今回、自動車輸入に高関税を課す根拠となっていた米通商拡大法232条について協議中の適用はされないことが再確認されたため、市場のリスク回避姿勢は後退した。
なお、本日発表された3月の日本の貿易収支(季節調整前)は5,285億円の黒字となった。
今後の日米通商交渉の行方を占う意味でも注目されていた対米貿易黒字は6,836億円と2ヶ月ぶりの増加となっている。
今回の日米通商交渉で米国は対日赤字への懸念を示しているため、来週また行われる日米通商交渉の動向には引き続き注意が必要なようだ。
本日は中国の2019年1Q(1月-3月)GDPが発表され、事前予想の6.3%を上回る6.4%となった。これを受けて安全通貨であるドルが他の主要通貨に対し売られた。
そのため、ドル円は上値が重い状態が続いている。
さらに、前述したとおり、米国が対日赤字への懸念を示したことと、本日発表された日本の対米貿易黒字の増加が、ドル円の上値抑制要因になっているようだ。
112円00銭に18日と25日のNYオプションカットが控えていることもあり、同水準近辺では特にもみ合いになりやすいものとみられる。
冒頭でも書いたとおり、本日の日経平均株価は一時前日の終値を割り込む場面もあったものの、堅調に推移し、前場は前営業日比67円66銭高の22,289円32銭となった。
後場も前週末比328円67銭高で始まるなど高水準で推移している。
なお、アジア株については、上海総合指数、ハンセン総合指数共に軟調。
上海総合指数は、前日の終値を割り込んだ後、下げ幅を縮め前日終値近辺でのもみ合いとなっている。
ハンセン総合指数は、一時前日の終値を上回る場面もあったが、その後は割り込んで推移している。
NYダウ先物も堅調で、上昇している。また、米長期金利は上昇し、2.6%台を付ける場面もあった。
本日は経済指標の発表が多く、ロンドン時間にユーロ圏の3月消費者物価指数、ニューヨーク時間に米地区連銀経済報告(ベージュブック)の発表がある。
どちらも市場からの注目度が比較的高いため、その結果や内容には注意が必要だ。
テクニカルを見ると、ドル円の一時間足は、一目均衡表の雲の上にある。
ボリンジャーバンドは、ドル円の急浮上によりバンドが拡大したものの、その後はいったん値を戻し、もみ合いが続いていることから再び横ばいとなっている。
この後、東京時間のドル円は、1ドル112円00銭前後が短期的な抵抗線になるとみられる。
それを上抜けた場合は、1ドル112円10銭が抵抗線として意識されるとみられる。
一方、東京時間の支持線は、短期的には1ドル111円90銭前後になるとみられ、そこを割り込んだ場合は、1ドル111円80銭前後が支持線として意識されるとみられる
(元ネット系証券会社社員 佐藤真奈美氏)。
2019年4月17日|本日のFXレンジ予想
ドル/円
- 強気予想:111.89円~112.15円弱気予想:111.79円~112.07円
ユーロ/円
- 強気予想:126.15円~126.92円弱気予想:125.92円~126.65円
ポンド/円
- 強気予想:145.81円~147.04円弱気予想:145.54円~146.56円
(元ネット系証券会社社員 佐藤真奈美氏のレンジ予想)
※過去の相場データから当期の予想変動幅を算出。
2019年4月17日|本日のFX経済指標カレンダー
11:00 |
(中) 3月 小売売上高 [前年同月比] 前回…8.2% 今回予想…8.4% |
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11:00 |
(中) 3月 鉱工業生産 [前年同月比] 前回…5.3% 今回予想…6.0% |
11:00 |
(中) 1-3月期 四半期国内総生産(GDP) [前期比] 前回…1.5% 今回予想…1.4% |
11:00 |
(中) 1-3月期 四半期国内総生産(GDP) [前年同期比] 前回…6.4% 今回予想…6.3% |
13:30 |
(日) 2月 鉱工業生産・確報値 [前月比] 前回…1.4% |
13:30 |
(日) 2月 鉱工業生産・確報値 [前年同月比] 前回…-1.0% |
13:30 |
(日) 2月 設備稼働率 [前月比] 前回…-4.7% |
17:00 |
(南ア) 3月 消費者物価指数(CPI) [前月比] 前回…0.8% 今回予想…0.8% |
17:00 |
(南ア) 3月 消費者物価指数(CPI) [前年同月比] 前回…4.1% 今回予想…4.5% |
17:00 |
(欧) 2月 経常収支(季調済) 前回…368億ユーロ |
17:00 |
(欧) 2月 経常収支(季調前) 前回…93億ユーロ |
17:30 |
(英) 3月 消費者物価指数(CPI) [前月比] 前回…0.5% 今回予想…0.2% |
17:30 |
(英) 3月 消費者物価指数(CPI) [前年同月比] 前回…1.9% 今回予想…2.0% |
17:30 |
(英) 3月 消費者物価指数(CPIコア指数) [前年同月比] 前回…1.8% 今回予想…1.9% |
17:30 |
(英) 3月 小売物価指数(RPI) [前月比] 前回…0.7% 今回予想…0.2% |
17:30 |
(英) 3月 小売物価指数(RPI) [前年同月比] 前回…2.5% 今回予想…2.6% |
17:30 |
(英) 3月 卸売物価指数(食品、エネルギー除くコアPPI) [前年同月比] 前回…2.2% 今回予想…2.2% |
18:00 |
(欧) 2月 貿易収支(季調済) 前回…170億ユーロ |
18:00 |
(欧) 2月 貿易収支(季調前) 前回…15億ユーロ |
18:00 |
(欧) 3月 消費者物価指数(HICP、改定値) [前年同月比] 前回…1.4% 今回予想…1.4% |
18:00 |
(欧) 3月 消費者物価指数(HICPコア指数、改定値) [前年同月比] 前回…0.8% 今回予想…0.8% |
20:00 |
(米) MBA住宅ローン申請指数 [前週比] 前回…-5.6% |
20:00 |
(南ア) 2月 小売売上高 [前年同月比] 前回…1.2% 今回予想…0.7% |
21:30 |
(加) 2月 貿易収支 前回…-42.5億カナダドル 今回予想…-35.1億カナダドル |
21:30 |
(米) 2月 貿易収支 前回…-511億ドル 今回予想…-535億ドル |
21:30 |
(加) 3月 消費者物価指数(CPI) [前月比] 前回…0.7% 今回予想…0.7% |
21:30 |
(加) 3月 消費者物価指数(CPI) [前年同月比] 前回…1.5% 今回予想…1.9% |
22:00 | (英) カーニー英中銀(BOE)総裁、発言 |
23:00 |
(米) 2月 卸売在庫 [前月比] 前回…1.2% 今回予想…0.4% |
23:00 |
(米) 2月 卸売売上高 [前月比] 前回…0.5% |
27:00 | (米) 米地区連銀経済報告(ベージュブック) |
2019年4月18日|本日のFX経済指標カレンダー
08:50 |
(日) 前週分 対外対内証券売買契約等の状況(対外中長期債) 前回…-1兆7534億円 |
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08:50 |
(日) 前週分 対外対内証券売買契約等の状況(対内株式) 前回…1兆4637億円 |
(元ネット系証券会社社員 佐藤真奈美氏)
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