2019年3月19日|日経平均株価の下落を受けて、ドル円は軟調。今夜のFOMCに要注意
- 更新日: 2019/05/08
2019年3月19日|本日午後からのFX相場予想
3月19日(火)の東京時間のドル円は、日経平均株価が軟調なことから水準を切り下げている。
週初めとなる昨日から、ドル円は小動きに。本日から2日間にわたり開催されるFOMCを前に、様子見ムードが続いている。
昨日のドル円は、東京時間はNYカットのオプションを意識した動きとなり、狭いレンジで動きに乏しい展開が続いた。動きが出たのは、ロンドン時間に入ってから。
本日または明日までに3度目となる離脱案の採決が英議会で行われるはずだったが、ここに来て、動向が不透明になっている。
というのも、今回英議会にかけられる予定の離脱案は、これまでに2度英議会で否決されているため、英下院のバーコウ議長が3度目の採決に難色を示したためだ。
メイ英首相は、明日までに3度目となる離脱案の採決を英議会にて行い、議会承認を得たうえで、今月29日に予定されている離脱日を6月末まで延長する予定だった。
しかし、バーコウ議長は、「離脱案はこれまでに2度否決されているため、再度採決にかけるには、今までとは大幅に違う内容でないといけない」との見解を示している。
今回のバーコウ議長の指摘により、3度目の採決は事実上禁止されたことになる。そのため、メイ英首相は、再びEUと離脱案を協議するか、あるいは長期の離脱延期をEU側に要請する必要がある。
EUはこれ以上の離脱案の協議には否定的であることに加え、長期の離脱延期についても、明確な理由が必要としていることから、英国のEU離脱をめぐる動向は、再び先行き不透明なものになっている。
これにより、昨日は、ポンドが対ドルでも対円でも大幅に下落した。その影響がドル円相場にも波及し、ドル円は水準を切り下げた。
この問題が決着するまでは、英国のEU離脱をめぐる報道に、ポンド相場は翻弄されるものとみられる。そのため、ポンドのボラティリティは高まり、場合によっては、昨日のようにドル円相場にも影響が及ぶことがあるので、注意が必要だ。
既に書いたとおり、本日よりFOMCが開催される。英国のEU離脱や米中貿易摩擦をめぐる問題の動向、また、中国の景気減速など、今後の世界経済の先行き不透明感から、FRBは今回も政策金利を据え置くものとみられており、当面の利上げを見送る方針は変わらないとの公算が高い。
ポイントとしては、このところ強弱まちまちとなっている米国の経済指標の結果から、米国が今年の経済成長見通しを引き下げるかどうか、ということである。
特にここ最近の経済指標の結果は、弱いものがやや多い。それと併せて、失業率の見通しを引き上げるかどうか、ということにも注意したい。
仮に、FRBがさらなるハト派姿勢へとシフトするようであれば、ドル円はさらに水準を切り下げるだろう。経済指標の結果から、明確な景気回復が確認できる状態にならない限り、円高トレンドになる可能性がある。
冒頭でも書いたとおり、本日の東京時間のドル円は、軟調。日経平均株価や上海総合指数などアジア株も軟調であるため、ドル円の上昇圧力は弱い。本日NYカットのオプションが観測される1ドル111円50銭を割り込んで下落している。
また、米長期金利は2.5%台まで低下し、上値の重い状態が続いている。一方、NYダウ先物は上昇している。このことが、ドル円の下支え材料となるものと考えられる。
なお、テクニカルを見ると、ドル円の一時間足は一目均衡表の雲の下にある。ボリンジャーバンドは下向きで、ドル円の一時間足は下落を受けて、バンドウォークが発生している。一時間足の陰線が連続していることから、下降トレンドにあることが判る。
この後、東京時間のドル円は、1ドル111円30銭前後が短期的な抵抗線になるとみられる。
それを上抜けた場合は、次に1ドル111円40台を試す動きになることが考えられるが、同水準まで浮上するだけの材料が今のところ少ないため、ポジティブサプライズとなるようなニュースが無い限り、この後、下げ止まったとしても、上昇しきれない状態になると考えられる。
一方、東京時間の支持線は、短期的には1ドル111円10銭前後になるとみられ、そこを割り込んだ場合は、1ドル111円00銭前後が支持線として意識されるとみられる
(元ネット系証券会社社員 佐藤真奈美氏)。
2019年3月19日|本日のFXレンジ予想
ドル/円
- 強気予想:111.27円~111.80円弱気予想:111.12円~111.61円
ユーロ/円
- 強気予想:126.08円~126.95円弱気予想:125.83円~126.64円
ポンド/円
- 強気予想:146.97円~149.03円弱気予想:146.31円~148.33円
(元ネット系証券会社社員 佐藤真奈美氏のレンジ予想)
※過去の相場データから当期の予想変動幅を算出。
2019年3月19日|本日のFX経済指標カレンダー
3月19日(火)
09:30 |
(豪) 10-12月期 四半期住宅価格指数 [前期比] 前回…-1.5% 今回予想…-1.8% |
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09:30 |
(豪) 10-12月期 四半期住宅価格指数 [前年同期比] 前回…-1.9% 今回予想…-5.0% |
09:30 | (豪) 豪準備銀行(中央銀行)、金融政策会合議事要旨公表 |
18:30 |
(英) 2月 失業保険申請件数 前回…1.42万件 |
18:30 |
(英) 2月 失業率 前回…2.8% |
18:30 |
(英) 1月 失業率(ILO方式) 前回…4.0% 今回予想…4.0% |
19:00 |
(欧) 1月 建設支出 [前月比] 前回…-0.4% |
19:00 |
(欧) 1月 建設支出 [前年同月比] 前回…0.7% |
19:00 |
(独) 3月 ZEW景況感調査(期待指数) 前回…-13.4 今回予想…-11.5 |
19:00 |
(欧) 3月 ZEW景況感調査 前回…-16.6 |
23:00 |
(米) 1月 製造業新規受注 [前月比] 前回…0.1% 今回予想…0.0% |
3月20日(水)
未定 | (英) 英中銀金融政策委員会(MPC)1日目 |
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06:45 |
(NZ) 10-12月期 四半期経常収支 前回…-61.49億NZドル 今回予想…-36.50億NZドル |
08:50 | (日) 日銀・金融政策決定会合議事要旨 |
(元ネット系証券会社社員 佐藤真奈美氏)
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