2019年3月15日|日銀の金融政策の現状維持と北朝鮮関連の報道により、ドル円は急落。ただ、下値は堅い

  • 更新日: 2019/05/08

2019年3月15日の米ドル/円の1時間足チャート

2019年3月15日|本日午後からのFX相場予想

本日の東京時間は、前日のNYダウが小幅ながらも続伸したことを受け、日経平均株価は前日の終値を超えて始まり、そのまま高水準で推移している。

円安地合いが続いていたドル円は、日経平均株価の上昇を受けて上値を追う展開となった。しかし、その後、国内輸出企業の売り注文が1ドル112円近辺に入っていることから伸び悩み、さらに、日銀が金融政策について現状維持を公表したため、失望売りから水準を下げている。

昨日の東京時間では、日経平均株価が上昇したことに加え、日銀の金融政策決定会合について、米国やEU等先進国の緩和シフトを受け、日銀もさらなる緩和を行うのではないかとの期待感が先行し、ドルを買って円を売る動きが強まった。

その流れはロンドン時間に入っても続き、英国のEU離脱延期を巡る採決を前に小動きとなりながらも、ドル円は比較的高水準で推移した。

その英国のEU離脱延期を巡る採決は、事前予想どおり離脱延期が可決された。ただし、これまで2度に渡り否決されたEU離脱案をメイ英首相が来週前半に再提出し、20日までに英議会で承認されれば、6月末まで離脱を延期するという、条件付きの内容になっている。

仮に、これまで否決された離脱案が英議会で可決された場合、延長期間はEU離脱に向けた関連法案の成立に充てることとなる。

今回、EU離脱延期が可決されたことより、市場では、英国のEU離脱を巡る混乱への懸念がいったん後退した。

これまでメイ英首相とEUとの間で修正を重ねてきた離脱案は、英国がEUのルールに離脱後も縛られる可能性がある規定が含まれているとして、議会で2度も否決されている。

反対派を説得して今月20日までにこれを可決しなければならない、というハードルの高さに加え、英議会での承認を得られない場合について「さらに長期の延期が必要になる」とメイ英首相は述べるにとどまるなど、具体的な方針が示せていないことが不安材料だ。

また、EUは、離脱協定案の追加交渉は認めないとしているうえ、仮に英議会が現状の離脱案を可決しても、離脱延期はEU全加盟国の承認が必要になる。

なお、離脱延期は21日からスタートするEU首脳会議で協議されるが、それにあたり、「延期の正当な理由が必要だ」とバルニエEU主席交渉官は言及している。

20日までに英議会が離脱案を承認すれば、EU側が延期を認める可能性が高いとする見方が今のところ多いようだが、その一方で、各国首脳の見解が分かれていることから、見通しは不透明とする見方もあるなど、予断を許さない状況だ。

来週初め頃には、これまで否決されてきた離脱案が3度目の採決にかけられるとみられている。まずはここでの動向に注意が必要だ。

仮に否決された場合、「長期の延期が必要」とするメイ英首相と、欧州議会や今年の年末までに発足する新体制の欧州委員会の正当性に悪影響を与えることを懸念するEU側とで溝があることから、合意なき離脱が再浮上する可能性がある。

このような状況から、来週も英国のEU離脱を巡る問題が為替相場に与える影響は大きいものと考えられる。

なお、昨日は前週分の新規失業保険申請件数や失業保険継続受給者数、1月の新築住宅販売件数などの米国の経済指標が発表された。

1月の新築住宅販売件数は、事前予想の前月比0.6%減、年率換算件数62.0万件に対し、前月比6.9%減、年率換算件数60.7万件と下振れた。ローン金利が落ち着きを見せる一方で、今年の1Qに入っても、住宅市場の低迷が続いていることが伺える結果となったが、その原因として、建材の値上がりや用地・労働者不足、1月の異常気象があったと考えられている。

また、この日発表された米新規失業保険申請件数と失業保険継続受給者数も、事前予想を超えて増加したため、ネガティブな結果となった。

今回発表された米経済指標の結果は、FRBが今年の利上げ停止を示唆したことを裏付けるものとなった。今後も弱い結果が続けば、ドル円は上伸しても限定的なものに留まる可能性がいっそう高くなる。

本日のドル円は、冒頭でも書いたとおり、序盤は水準を切り上げたものの、日銀が金融政策決定会合で現状維持を決めたことを公表すると、それまでの思惑買いから一転、調整売りへとシフトする動きが強まり、1ドル11160銭台まで水準を下げた。

さらには、ロシアのタス通信が、北朝鮮が米国との非核化協議停止を検討していると伝えたため、米長期金利が急低下し、リスク回避の円買い優勢となった。これにより、ドル円は一時1ドル11149銭まで円高が進んだ。

なお、日経平均株価は後場も高水準で推移している。また、上海総合指数とハンセン総合指数はどちらも上昇している。このことが、ドル円の下支え要因になるとみられる。

NYダウ先物は上昇し、高水準で推移している。米長期金利は、北朝鮮関連の報道を受けて急低下したが、現在は小戻ししている。

本日は、15時半より日銀の黒田総裁による記者会見が、またその後1755分にも同氏による発言が予定されている。発言の内容次第では、ドル円相場に大きな影響を与えることが考えられるため、注意が必要だ。

さらに、3月のニューヨーク連銀製造業景気指数や2月の鉱工業生産、3月のミシガン大学消費者態度指数(速報値)などの米経済指標の発表が控えている。こちらの結果にも注目したい。なお、前回分の上方修正・下方修正にも注意が必要だ。

テクニカルを見ると、ドル円の一時間足は、上昇を受けて一目均衡表の雲の上にある。ボリンジャーバンドは拡大している。金融政策決定会合での現状維持と北朝鮮関連の報道により、ドル円は-3σ近くまで急落したが、現在はいったん反発している。

この後、東京時間のドル円は、1ドル11175銭前後が短期的な抵抗線になるとみられる。それを上抜けた場合は、1ドル11185銭前後が短期的な抵抗線になるものとみられる。

一方、東京時間の支持線は、短期的には1ドル11160銭前後になるとみられ、そこを割り込んだ場合は、1ドル11150銭前後が支持線として意識されるとみられる

(元ネット系証券会社社員 佐藤真奈美氏)。

2019年3月15日|本日のFXレンジ予想

ドル/円

    強気予想:111.32円~112.26円弱気予想:110.88円~112.01

ユーロ/円

    強気予想:126.00円~126.93円弱気予想:125.65円~126.64

ポンド/円

    強気予想:147.41円~149.62円弱気予想:146.68円~148.88

(元ネット系証券会社社員 佐藤真奈美氏のレンジ予想)

※過去の相場データから当期の予想変動幅を算出。

2019年3月15日|本日のFX経済指標カレンダー

3月15日(金)

未定 (日) 日銀金融政策決定会合、終了後政策金利発表
 前回…-0.10% 今回予想…-0.10%
15:30 (日) 黒田東彦日銀総裁、定例記者会見
16:00 (独) 2月 卸売物価指数(WPI) [前月比]
 前回…-0.7%
19:00 (欧) 2月 消費者物価指数(HICP、改定値) [前年同月比]
 前回…1.5% 今回予想…1.5%
19:00 (欧) 2月 消費者物価指数(HICPコア指数、改定値) [前年同月比]
 前回…1.0% 今回予想…1.0%
21:30 (加) 1月 製造業出荷 [前月比]
 前回…-1.3% 今回予想…0.5%
21:30 (米) 3月 ニューヨーク連銀製造業景気指数
 前回…8.8 今回予想…10.0
22:15 (米) 2月 鉱工業生産 [前月比]
 前回…-0.6% 今回予想…0.4%
22:15 (米) 2月 設備稼働率
 前回…78.2% 今回予想…78.5%
23:00 (米) 3月 ミシガン大学消費者態度指数・速報値
 前回…93.8 今回予想…95.6
29:00 (米) 1月 対米証券投資
 前回…-331億ドル
29:00 (米) 1月 対米証券投資(短期債除く)
 前回…-483億ドル

(元ネット系証券会社社員 佐藤真奈美氏)

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