【FX相場予想】主要通貨ペアの2019年下期為替予想

  • 更新日: 2019/01/30

通貨ペアの説明

通貨ごとの為替予想【2019年上期】

主要通貨ペアの2019年上期為替予想

ドルと円をめぐる状況

japan

日本の経済指標「全体的に下降している様子」

昨年12月13日に内閣府は、安倍政権がスタートした2012年12月を起点とした景気回復が、2017年9月時点で高度成長期の「いざなぎ景気」を超え、戦後2番目の長さになったと発表しました。

日銀が行った金融緩和策が奏功し、景気浮揚の効果が出てきたとしたものの、実際には景気回復を実感できない人も多いのではないでしょうか。

実際、日本経済は景気回復したとは言えない状況です。

総務省統計局が今年1月11日に発表した「家計調査報告-2018年(平成30年)11月分-」によれば、消費支出(季節調整済実質指数/二人以上の世帯)は、2015年を100としたのに対し、100を割り込む状態が続いています(2018年8月を除く)

また、消費水準指数も緩やかに下降しています。

さらに、景気動向指数も2018年11月分(速報値)の時点で、先行指数、一致指数ともに2ヶ月ぶりの下降となっています。

景気動向指数は一時的な上昇や下落があるのですが、そのような細かい変動をできるだけ除いた3ヶ月後方移動平均値や7か月後方移動平均値は、前月差が微増またはマイナスが続いています。

現政権になってから、いったん景気動向指数は上がったものの、2014年の消費増税を機に下落し、その後大きく回復することのないまま、緩やかな下降が続いている状況です。

そのため、内閣府は昨年9月にCI一致指数の基調判断を足踏みへ下方修正し、現在もその状態が続いています。

また、新規求人数、新設住宅着床面積、東証株価指数などの先行指数についても、前月差がマイナスまたは横ばいとなっており、3ヶ月後方移動平均値と7ヶ月後方移動平均値に至っては、マイナスの状態が続いています。

次に、日銀のインフレ目標について見てみましょう。

日銀がデフレ脱却のために設定しているインフレ目標は2%ですが、こちらについても、CPI、コアCPI、コアコアCPIともに地を這うような状態が続いています。

また、このような状況のため、日銀は当初2019年頃としていたインフレ目標2%の達成時期を昨年4月の金融政策決定会合で文言から削除しています。

物価連動国債を見ても、ブレーク・イーブン・インフレ率が低下していることから、市場のインフレ期待が下がっていることが分かります。

物価を上げるために必要となる実質賃金は下がり続け、低い水準で推移している状態です。

企業側も景気回復を体感できる状態には至っていないようです。

昨年12月調査の日銀短観では、大企業と中小企業の製造業の業況判断DIの変化幅(2018年9月-12月)0と横ばい中堅企業の製造業の業況判断DIの変化幅(同)は+2となっています。

ただ、昨年12月の業況判断DIは、2017年12月調査から数値が下降しており、決して見通しが明るいとは言えません。

米中貿易摩擦の激化と日本への影響

このように、日本経済は景気拡大には至っておらず、2018年は輸出も伸び悩みが続くなど先行きの明るいものにはなりませんでした。

加えて、米中貿易摩擦が激化し貿易戦争の様相を呈するなど、世界経済も不穏な動きを見せています。

中国に現地法人を置いている日本企業は多数あり、そこから米国へ輸出しているケースもあるため、米中貿易摩擦が日本企業の業績に与える影響が心配されているのです。

ただ、米中貿易摩擦の激化に関していえば、2012年に尖閣諸島の領有権を巡って起きた中国での大規模な反日デモを機に、中国における政治リスクを回避するため、日本企業は東南アジア諸国など、他国にも生産拠点を分散させています。

そのため、日本企業の中国現地法人における業績低迷が日本経済に与える影響は、比較的軽微なものになると考えられています。

元々、米国の対中輸入額と対中輸出額は4倍ほどの差があり、中国との輸出は米国の貿易収支における赤字の大きな原因になっているため、米国はこれを軽減するために中国からの輸入品に高関税をかけることにしたのです。

既に、中国は対米輸出で高関税を課せられており、その影響が徐々に出てきています。

半導体等の日本企業でも受注の低下といった形で米国の対中関税による影響が波及してきていますが、必ずしも日本経済の冷え込みに繋がるとは限りません。

なぜなら、米中の関係が悪化することで両国の企業が代替品を輸入しようとすると考えられるからです。

昨年11月20日にブルームバーグが野村ホールディングスの分析として、マレーシアや日本、パキスタンなどの企業が、米中の企業による輸入代替の動きにより恩恵を受けるアジアの国々であるとの報道をしています。

そのため、先ほど挙げた半導体企業をはじめ、総合商社や海運、また、中国での需要が大きい会社については確かに影響を受けるものと考えられますが、その一方で、代替品としての引き合いが増えたり、関税引き上げによる対象商品の価格下落により恩恵を受ける企業が出てくるとみられます。

このことから、米中貿易摩擦で日本企業が受けるダメージは、リーマンショック時ほどのインパクトには今のところならないのではないかと考えられます。

円高が懸念される「為替条項」

現在、懸念されているのが、輸出競争力を高めるために為替介入等で通貨安誘導を図ることを防止する「為替条項」の問題です。

通貨安は輸出企業にとってメリットとなり、日本では自動車メーカーがその恩恵を受ける代表格とも言えます。

日本の自動車メーカーが米国向けに自動車を輸出した影響で、米国の自動車メーカーのシェア低下につながったというのは主に1980年代の話です。

日本自動車工業会によれば、日本の自動車メーカーの米国での現地生産台数は、1985年の30万台弱から2017年には380万台と12倍強になっていて、輸入台数の2倍以上に達しており、かつてのように日本から米国に自動車を輸出するのではなく、米国での現地生産が主流となっています。

また、現在では、米国の自動車メーカーは日本から撤退しています。

このことから、今回米国が中国からの輸入品にそうしたように、日本車に高関税をかけたとしても、その効果は限定的なものになるとみられ、米国の自動車メーカーの販売台数の増加に結び付くかは疑問が残ります。

ただ、米国における日本車のシェアは、2018年12月の段階で38.4%と依然として大きなものであるため、トランプ政権は円安が日本の自動車メーカーの利益を押し上げ、米国の自動車産業のシェアを奪う遠因となっている等の主張を基に、今年1月からの日米TAG協議で、為替条項を突き付けてくるのではないかとの懸念がくすぶっています。

※参考:自動車販売台数速報 米国 2018年

為替条項を日本が呑んだ場合、民主党政権時にあったような急激な円高進行を為替介入で食い止められなくなります。

また、日銀は先日行われた金融政策決定会合で現在の緩和政策を続けることを決定していますが、為替条項を米国の要求通りに受け入れてしまうと、追加緩和策による円高進行阻止といったこれまでのような措置を取ることができなくなってしまうのです。

このことから、為替条項の動向については注視する必要があります。

2018年のドルインデックスは上昇基調にあったことから、ドル高に対し以前から苦言を呈しているトランプ政権が、為替政策に力を入れる可能性を考えに入れた方が良いでしょう。

また、足元では、米中貿易摩擦が円高要因になることに加え、米国が2019年度の利上げを1回にとどめるとの見方が有力であることも、ドル円の上値を押し下げる要因となっています。

ここに為替条項が加わり、これまでできた円高阻止の措置ができなくなるような事態に陥ると、民主党政権時のような円高になる可能性も否めません。

米国の景気動向について

米国では景気回復が進んでいます。

ISM景況指数は12月に大幅に悪化し、新規受注指数が判断の基準となる50近くまで低下していますが、これは中国からの輸入品対する関税の影響による、米国企業のコスト上昇が原因であると考えられます。

このように、12月に関してはISM景況指数が低下しているものの、全体では概ね上昇基調にあります。

それに伴い、米国のクレジットスプレッドは上昇しており、ここから投資家のリスク選好傾向が読み取れます。

※参考:ムーディーズBaa格の社債利回り-米10年国債利回り

また、BISのDSR(デット・サービス・レシオ)は、2000年代初頭の米国のITバブル(ドット・コム・バブル)崩壊や2007年のサブプライムローン・バブル期には、それぞれ非民間金融企業が15.9~17.3%、16.0~18.3%、家計が9.6~9.9%、10.0~11.4%で推移していた。

それに対し、トランプ政権になってからは、非民間金融企業が14.3~14.7%、家計が7.8~7.9%で推移していて、債務が過剰な状態にはなっておらず、過去のバブル時のような実体のない脆弱な景気拡大とは異なっていることが判ります。

米国の実質GDP成長率は、IMFによれば2017年に2.22%、2018年10月時点の推計で2.88%と堅調です。

米国のCBO(議会予算局)の推計による潜在成長率は2017年で1.6%、2018で1.9%となっており、潜在成長率を上回る実質GDP成長率を達成しています。

なお、2019年に関しては2.1%、大統領選挙のある2020年にも2.1%が潜在成長率として予想されていて、2019年の実質GDP成長率に関しては、FOMCが2.5%で予想しています。

また、会社によってまちまちですが、大和総研では2.6%、三菱総研では2.1%と2019年の米国の実質GDPについてそれぞれ予測しており、減税効果が剥落する2019年も潜在成長率を上回る堅調な経済成長が期待できると考えられています。

さらに、米国の消費者物価指数や鉱工業生産指数も順調に上昇しています。

失業率は昨年9月には48年9か月ぶりの水準である3.7%まで低下し、ベトナム戦争で労働者不足だった60年代後半と同水準になるなど、景気拡大が見てとれます。

時間当たり賃金も上昇しており、これまで伸びが緩やかだった事業所調査ベースの賃金も伸びが顕著になってきていることから、今年も賃金の上昇は続くと考えられています。

ただ、物価上昇圧力に関しては、昨年後半からの原油価格下落の影響が心配されています。

現在、足元の原油価格は上昇基調にありますが、昨年後半からの下落の影響が残ると考えられているのです。

以前はシェール生産に対し石油関連企業の投資が活発だったこともあって、原油価格下落は雇用の大量喪失につながるため、物価上昇圧力を打ち消すとみられていました。

しかし、現在はシェール生産に対する投資が以前ほど活発ではないことに加え、米国の設備投資における石油業界の割合が低下しているため、以前に比べると業界全体での雇用者数は減っています。

とはいえ、原油価格が米国経済に影響を与えることは変わりません。

先ほど書いたとおり、足元の原油価格は上昇していますが、昨年後半からの価格下落による、石油関連企業の設備投資の落ち込みは残ると考えられます。

ただし、その影響は以前に比べると限定的なものになるとみられます。

原油価格の上昇がこのまま続けば、物価上昇率の抑制は緩和されるとみられます。

しかし、このまま上昇が鈍くなったり、再び下落した場合は、物価の伸びは今年も緩やかなものにとどまる可能性が高いと言えるでしょう。

このことから分かるとおり、現在の米国の景気拡大は、過去のバブル時とは違い、「地に足のついた」景気拡大であると考えられます。

そのため、今年に関しても、米国の景気は概ね堅調に推移するものと考えられます。

ただ、米中貿易摩擦の激化や米国の政治的混乱、原油価格の下落などの要因が米国の株式市場を冷え込ませることは今後も予想されます。

その場合、米国の株価が下落することで、米国の景気が後退する可能性があることにも注意が必要です。

とはいえ、FRBが今年の利上げ回数の引き下げを示唆しているため、仮に株価が下落しても、それは一時的なものにとどまる可能性が高いと考えられます。

米国の政策金利について

パウエルFRB議長は今年1月4日の講演で、「市場は世界景気を不安視しており、金融政策も柔軟に見直す用意がある」と述べ、これまでの金融引き締め路線をいったん停止する可能性を示唆しました。

この発言により、米国は今年想定されていた2回の利上げを1回に引き下げるのではないかとの見方が強まり、円高地合いとなりました。

それに続き、ボスティック米アトランタ連銀総裁が追加利上げに対し慎重な姿勢を示し、これまでタカ派だったボストン連銀のローゼングレン総裁も、「やや緩和的な現在の状況に満足しており、利上げの必要性はない」と述べるなど、米連銀総裁が相次いで今後の利上げに慎重な姿勢を示しています。

また、1月9日に発表されたFOMCの議事要旨でも数人の参加者が利上げに関し、金利の据え置きを支持したことが明らかになり、米国の今年の利上げ回数は1回にとどまるとの確度が高まっています。

政策金利の引き上げが企業収益を圧迫するとの懸念が広がったため、昨年12月19日にFRBが2019年の利上げ回数を従来の3回から2回に引き下げた際、市場の期待程のハト派的スタンスではないと受け止められ、米国の株式市場では株価が下落しました。

最初に書いたとおり、12月のISM景況指数が大幅に下落するなど、米中貿易摩擦の影響が米国企業にも出始めていることから、FOMCが利上げ回数を引き下げるのではないか、との見方は昨年の終わり頃には既にありました。

そのため、今回、利上げ回数のさらなる引き下げが示唆されたことは、ネガティブサプライズと言える程のインパクトは与えていないと考えられます。

実際、利上げ回数の引き下げを米国の株式市場は歓迎しており、これによりNYダウは上昇が続き、1月9日には4日連続の値上がりとなっています。

米中貿易摩擦について

米国は中国に対し、制裁関税を第一弾、第二弾、第三弾と実施しています。

昨年7月6日に実施された第一弾は340億ドル(818品目)の産業ロボットや電子部品等のハイテク製品へ25%の、続く8月23日に実施された第二弾は160億ドル(279品目)の半導体関連製品や化学製品、鉄鋼製品へ25%の、そして、9月24日に実施された第三弾では2,000億ドル(5,745品目)の家電や家具に対し10%の追加関税を課しました。

この第三弾の追加関税は、2019年からは25%に引き上げる予定でしたが、昨年12月1日に行われた米中首脳会談で、中国への追加関税実施に90日間の猶予を与えるとしたため、年明けに行われた次官級の貿易協議へ注目が集まりました。

2019年1月7日から始まった次官級の米中貿易協議は、当初の予定である8日から9日まで協議が延長され、一定の進捗があった模様ではありますが、具体的にどの程度話し合いが進んだのかなどの詳細については触れられておらず、今後行われる閣僚級の協議に詳細が持ち越されたものとみられています。

今回の次官級の米中貿易協議で話し合われた内容は、米国産大豆など米国の農作物と液化天然ガスの輸入拡大による対中貿易赤字の削減など、米中双方が合意しやすいものに関してとなっている。

中国への技術移転の強要や知的財産、ファーウェイ(華為技術)と5G、中国の産業政策である「中国製造2025」等、中国側の譲歩が難しい中国の構造に関わる問題に関しては、3月1日までの期限に合意するのは難しいのではないかとの見方が依然として強いのも確かです。

実際1月24日には、ロス商務長官がブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「米中は解決から何マイルも離れている」と語り、米中貿易戦争終結への期待をけん制しています。

今後も米中貿易摩擦の動向が世界経済に大きな影響を与える流れは続くとみられ、予断を許さない状態が続きます。

次に行われる米中の閣僚級協議で合意に至らずに、そのまま関税が引き上げられた場合、トランプ大統領が示唆する第四弾の制裁も実施される可能性が高まります。

なお、第四弾に関しては、中国からの輸入品目の残り全てに追加関税をかけるとしています。

これは、中国からの輸入額の約半分に該当する2,570億ドルに相当し、中国経済はもとより、世界経済にも大きな影響を与えるものと考えられています。

その中でも最も深刻なシナリオとしてIMFが推計したのが、米中貿易戦争が自動車分野への影響を与えるケースです。

IMFが想定した深刻なシナリオでは、対中制裁の第四弾が発動した後、米国が輸入する自動車に25%の関税がかけられ、これにより世界のGDPへの影響は最大で-0.4%に及ぶと試算しています。

その影響で設備投資が落ち込むと、2年後に先進国での設備投資のリスクプレミアムが+0.3%pt、新興国で+0.6%pt拡大する、という内容になっていて、このシナリオどおりに進んだ場合、世界のGDPへの影響は最大で-0.5%に及ぶとIMFは試算しています。

ここに資金調達金利の上昇が加わると、世界のGDPへの影響は2019年と2020年に最大で-0.8%に及び、その場合、2019年の中国のGDPは1.6%、米国のGDPは0.9%押し下げられるとIMFは予想しています。

今のところ、米国経済は堅調に推移し、経済指標も概ね良好なものとなっていて景気回復が確認できる内容となっていますが、米中貿易摩擦の激化は、中国のみならず米国にも悪影響を与えることに注意が必要です。

実際このシナリオ通りに進むかは不明ですが、米中貿易摩擦の動向が2019年の米国経済の動向を大きく左右するのは確かであると言えます。

ドル円の上期見通しについて

すでに書いたとおり、日本経済はデフレからの脱却をしたとは言い難く、景気回復には程遠い状況です。

「企業の業績は回復している」とニュース等で報道されていますが、それは、グローバル化を進め、世界各地で事業展開している大企業の話で、国内需要に依存している中小企業の業績は回復したとは言い難く、大企業と中小企業との収益差は拡大を続けています。

2019年10月には消費増税が予定されており、政府は消費の落ち込みを食い止めるべく、食料品への軽減税率やキャッシュレス決済での2%還元等の対策を検討しています。

しかし、増税による消費の落ち込みを完全に食い止めるのは難しく、もし予定通り増税が行われれば、日本の経済指標が冴えない状態は継続するでしょう。

ただ、その前に駆け込み需要があると考えられ、一時的に経済指標は良好になると考えられます。

一方、米国は景気拡大が鮮明になってきています。

日米の株価は堅調に推移し、未だ金融緩和策を続けている日本と、金融引き締め策をとっている米国との金利差もあるため、本来は円安になりやすい地合いにあります。

しかし、話はそう単純ではありません。

現在、FRBは今年の金利の引き上げ回数を1回に引き下げることを示唆しています。また、今後も米中貿易摩擦の動向は不透明です。

中国の市場開放や米国からの輸入拡大など、米国の対中国での貿易赤字を是正する内容については中国が譲歩する構えを見せており、先日の次官級米中貿易協議でも、その点が話し合われたとみられています。

しかし、焦点は米中間における貿易の不均衡の是正ではなく、両国の覇権争いが根底にあるため、今後の交渉は困難になることが予想されます。

米国としては、5Gをはじめとした先端技術の面で、中国が米国を軍事的に脅かすような状況になることを阻止したいと考えています。

特に、中国の国策である「中国製造2025」や知財等米国の技術流出に関わる内容、また、技術移転の強要などの問題に関して、中国の譲歩は難しいとみられることから、今後も協議は難航するでしょう。

この問題に着地点を見出すのは難しく、米・大統領選の行われる2020年までこの問題を解決せず、協議を重ねることで引き伸ばしたい、というのが中国側の本音であると考えられます。

このことから、FRBによる金利引き上げ回数の引き下げ、着地点の見えない米中貿易摩擦が、今年もドル円の上値を押し下げる要因となることが考えられます。

また、米中貿易摩擦による関税の引き上げで米国企業の業績が悪化した場合は、一時的に株安を引き起こすことにも注意が必要です。

日経平均株価も下落し、円が買われやすい地合いになることが予想されます。

さらに、日本のインフレ期待は低下しており、名目金利からインフレ期待を引くことによって算出される実質金利が上昇基調にあることも円高圧力になると考えられています。

ちなみに、2019年はパウエルFRB議長の会見がこれまでの4回から8回と2倍になるため、発言内容が為替や株式相場に大きな影響を与える機会が増えることが予想されます。このことから、今年は昨年より為替相場のボラティリティが高くなる可能性が高い、ということに注意が必要です。

また、英国のEU離脱が3月に迫っていることにも注意しましょう。

英国のEU離脱に関するEUとの離脱協定案は、1月15日に、英議会下院での採決がされましたが否決され、このままでは英国は3月29日に合意なし離脱に至ることになります。

現在、合意なき離脱を回避すべく、英国の最大野党である労働党が、離脱延期や離脱手続きの権限を政府から議会へ移すといった内容の修正案を提案し、1月29日に審議・採決される予定です。

ただ、メイ英首相が離脱期限の延長は否定しているため、難航するとみられています。

このように、英国のEU離脱については今後も混迷することが予想され、安全通貨である円が買われる要因になると考えられます。

同時にドル高も進むとみられますので、ドル円に関しては、一時的なボラティリティの高まりはあったとしても、極端な円安ドル高や、円高ドル安は続かないと考えられます。

これらの要因から、2019年は円高傾向になりやすいものの、米国企業の堅調な業績に支えられ、行き過ぎた円高にはなりにくいとみられます。

とはいえ、米国の利上げ回数の引き下げや、完全な合意には至らない可能性の高い米中貿易摩擦、また、今後懸念される為替条項の問題など、ドル円の上値を抑える要因は複数あります。

そのため、円安になっても限定的なものにとどまると考えられます。

ユーロをめぐる状況

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EU経済と政治の動向

不安定な政治動向とは裏腹に、EU経済は徐々に上向いてきていました。

そのため、好調がそのまま続けば、今年の秋以降に利上げが予定されていますが、果たして予定通り利上げが実施されるかどうか不透明な状態です。

というのも、EUの経済指標はこのところ冴えない状態が続いているからです。2018年7月-9月のEUのGDP成長率は0.2%と、前回の0.4%からさらに下がっています。

また、2018年10月-12月については1%程度であることが予想されており、高水準だった2017年から一転、2018年後半から失速が続く見通しです。

さらに、製造業PMI、サービスPMI、コンポジットPMIも2018年全体で下降基調、11月の鉱工業生産は約3年ぶりの大幅低下の前月比-1.7%になるなど、昨年末にかけて景気減速が鮮明になってきています。

すでに書いたとおり、今年は秋以降にユーロの利上げが予定されています。しかし、EUの経済指標は冴えず、景気鈍化が不安視される内容となっています。

物価上昇率はECBが目標とする2%に表面上は達していたものの、12月には1%台に低下しました。

また、エネルギー、食品、アルコール等を除いた実力ベースの物価上昇率であるコアインフレ率は、1%前後で推移しており冴えない状態が続いています。

さらに、貿易収支も変動はあるものの、徐々に下落しています。

EUは2018年にユーロ高が急激に進んだことにより価格競争力が低下し、輸出の減少につながりました。

その後、ユーロ高は是正されていますが、EUの主要貿易相手国である中国は、米国との貿易摩擦激化による景気減速が徐々に出てきています。

また、EU離脱を巡り混乱が続く英国もEUにとって重要な輸出先となっていますが、今年3月にEUからの離脱が予定されており、EU経済はその影響を受けると予想されています。

というのも、EU加盟国の多くが対英貿易で黒字となっており、ベルギーやオランダなど対英輸出依存度の高い国にとって、英国のEU離脱は経済成長に悪影響を与えるとみられているのです。

さらに、EUは対独で貿易赤字となっていますが、対英貿易での黒字がそのマイナスを埋めていました。

しかし、英国のEU離脱によりEUの貿易規模は縮小し、ドイツとベネルクス三国が対EU貿易における黒字国その他の国が赤字国という極端な状態になることが予想されます。

このことがEU貿易における赤字国の不興を買い、ここ数年欧州で高まっている「反EU」の機運をさらに強めるものと考えられます。

なお、今年5月には欧州議会選挙がありますが、ポピュリズム政党が大きく議席を伸ばすと予想されており、このことが「EUの政治動向を不安定化させるのでは?」との懸念があります。

EUの経済動向はもちろん、政治動向にも注意した方が良い一年となるでしょう。

今年のEU経済について、これまではECBは悲観的な見通しはしていませんでした。

しかし、1月24日に開催された今年最初のECB理事会後の会見で、ドラギ総裁は、地政学的要因、保護主義の脅威等から、ユーロ圏の成長をめぐるリスクは下向きに移行したと述べ、短期的な成長の勢いはこれまでの予想より弱くなるとの見方を示しています。

金利については、今年の夏までは現行の水準を据え置くとし、期待されていた金融緩和策TLTRO(貸出条件付き流動性供給オペ)については言及しませんでした。

金利引き上げはユーロ高を引き起こし、EUの景気押下げ要因になります。一方で、これまでの低金利によりEUの銀行の利ザヤは低下し、苦境に陥っています。

そのため、ドイツを中心に、金利の引き上げをすべきとの声もあるのです。

なお、ドラギ総裁は昨年12月に行われた記者会見で、マイナス金利が銀行収益に及ぼす影響に対する認識を問われましたが、今回の会見では、銀行収益の悪化について、ユーロ圏銀行の経費率が高いため不良債権処理を早期に行う必要があるとの認識を示しています。

ドイツについて

EU経済の要となっているドイツも、このところ景気減速が心配されています。ドイツの2018年GDP成長率は前年比1.5%で、5年ぶりの低さとなっています。

また、その中の輸出入についてみれば、2018年7月-9月の輸出は前期比-0.9%と減少しています。

さらに、Ifo企業景況感総合指数は、現況指数、総合指数、期待指数の全てが低下しており、中でも期待指数(6か月先までの景況感を示す)の落ち込みが顕著です。

細かな変動はあるものの、貿易収支も徐々に低下傾向にあり、米中貿易摩擦に見られる保護主義の高まりによる影響が少しずつ出てきていると考えられます。

また、英国のEU離脱による影響がドイツのEU域内貿易黒字幅の縮小を引き起こすことも考えられ、外需依存度の高いドイツ経済に影を落とすことが懸念されています。

このように外需が冴えない一方で、ドイツの内需は堅調に推移しており、総固定資本形成については、機械設備投資と建設投資がそれぞれ0.8%増、0.9%増となっていて、内需全体では0.8%増になっています。

失業率も順調に下がっており、2018年11月の失業率は5.0%、2018年12月の失業率も5.0%と東西ドイツ統一以来の最低水準となっています。

なお、2018年12月の失業者数は市場予想を上回る減少(14,000人減)となっていて、景気拡大のペースはやや鈍くなってきているものの、ドイツ経済そのものは底堅く推移していることが判ります。

そのため、ドイツ経済については、堅調な内需のおかげですぐに景気が失速する心配はないと言えるでしょう。

ただ、不安なのは政局です。ドイツで昨年10月に行われた2つの州議会選挙では、与党のキリスト教民主・社会同盟が大敗しました。

メルケル首相はこれを受け、2021年の議会任期までは首相を続けるが、その後は政界から引退をすると述べるなど、長年続いたメルケル時代の終焉の始まりとなったのです。

EUの勝ち組であり、EU経済の牽引役となっているドイツ国内でも右派であるポピュリスト政党が勢力を増しており、今後の政局が不安視されています。

また、ドイツも日本と同様に人手不足が深刻化しており、およそ100万人もの人手不足を解消するため、昨年12月19日に専門人材移民法案を閣議決定しています。

メルケル首相の求心力低下が顕著であることから、移民排斥を訴える極右政党によって、移民による人手不足対策が今後阻まれる可能性があり、人手不足による生産制約が内需拡大の重石になる可能性があります。

イタリアとフランスの財政規律について

イタリアは、昨年6月1日にポピュリスト政権である5つ星運動と北部同盟が連立政権を樹立し、新政権がスタートしています。

そんなイタリアで懸念されていたのが、2019年度の予算案です。

前政権がGDP比0.8%とした財政赤字を、新政権が2.4%に拡大したことからEUと対立しました。

というのも、新政権が当初提出したGDP比2.4%という財政赤字は、EUの財政ルールである「財政赤字はGDP比3%以内」からは逸脱していないものの、「公的債務残高はGDP比60%以内、もしくはこの基準を目指し債務削減に努める」というルールからは逸脱していたからです。

これを受けてイタリアの財政に対する懸念が強まったため、イタリアの10年国債の利回りは急上昇し、昨年10月には4年8カ月ぶりに3.67%まで上昇しました。

財政政策をめぐるイタリアとEUとの対立が長期化することで金利が上昇し、ただでさえ芳しくないイタリアの景気がさらに悪化するのではないかとの懸念があったのです。

その後、イタリアは財政赤字をGDP比2.04%に引き下げ、さらには2019年の経済成長率見通しも当初の1.5%から1.0%に下方修正した修正予算案を提出し、EUはこれを昨年12月19日に承認しています。

今年に入り、イタリアの10年国債の利回りは2.8%まで上昇していますが、昨年10月の上昇幅に比べると低く、市場は比較的落ち着きを持って受け止めていると考えられます。

このように、イタリアの財政規律を巡る問題は一旦収束しました。

しかし、その後、フランスの財政赤字がGDP比率3.2%とEUの財政ルール違反になることが判明するなど、EU各国の財政状態の信頼度は低下しています。

さらに、今年は英国のEU離脱もあり、欧州経済の先行きは不透明であると言えます。

ユーロドル、ユーロ円について

米国は中国との貿易摩擦を抱えるものの、景気は堅調に推移しています。

ただ、FRBが今年の政策金利の引き上げを1回にとどめるとの見方が現在強まっていることが懸念事項として考えられ、ドルの上値を押し下げる要因となります。

一方、ユーロについては域内の景気の冷え込みが懸念されています。

今後、EUの経済指標が弱い状態が続けば、景気後退が鮮明になり、さらなるユーロ安が考えられます。

特に注目したいのは、ECBによる利上げです。

今年の秋になるのではないかとの見方が従来されてきましたが、現在は、2020年半ば頃に利上げがされるのでは、との見方が強まっています。

今後、ECBが利上げ時期を延期するとの発表があれば、ユーロ安圧力となる可能性があります。

ただし、市場の見通しどおり2020年半ばにずれこんだ場合は、ある程度織り込み済みのため、ユーロ売りは限定的なものになるでしょう。

それ以上の延期の場合は、ユーロは大幅に下落する可能性があります。

また、ユーロ安を誘発するのは、金融政策や経済動向だけではありません。

すでに書いたとおり、現在、EUではポピュリスト政権が勢いを増しています。その象徴が、EUの要であったドイツのメルケル首相の与党党首退任と、2021年の政界引退です。

さらに、新たなEUのリーダーと目されてきたフランスのマクロン大統領は、支持率が急低下しています。

フランスでは、昨年末に、燃料増税を契機とする「黄色いベスト運動」と呼ばれるデモが暴動にまで発展しています。

激化するデモを受け、マクロン政権は燃料増税を延期しましたが、それでも事態は収束せず、燃料税は結局中止となりました。

その後、マクロン政権は信頼回復のため、最低賃金を月100ユーロ上げる政策等を発表していますが、親グローバリズム、富裕層優先といった同政権の政策そのものが変わったわけではなく、支持率は低迷したままです。

今年5月に欧州議会議員選挙が実施されますが、現在最大会派である欧州人民党は、所属するドイツ与党の「キリスト教民主・社会同盟」やフランス与党の「共和国前進」がそれぞれ支持率を落としていることから、大幅に議席を減らすのではないかとの見方が広がっています。

仮にこの見通し通りになれば、ユーロ安を引き起こすと考えられます。

また、3月29日に予定されている英国のEU離脱にも注意が必要です。EUにとっての「得意先」である英国が離脱することで、EU経済への影響が不安視されています。

このように、今年のユーロは下押し要因が多いと言えます。中国との貿易摩擦を抱えながらも堅調に景気を拡大させている米国と比較した場合、ユーロは対ドルで売られやすいと言えます。

仮にユーロが今秋から利上げされれば、ユーロは対ドルで買われますが、弱い経済指標や不安定な政治動向がユーロの下押し要因となるのは変わりません。

また、すでに書いた通り、利上げの延期はユーロ売りにつながります。

このことから、今年のユーロは上値が重く売られやすい地合いにあり、対ドルでは下降トレンドになる可能性が高いと言えます。

また、安全通貨である対円でも、ユーロは下押し圧力が強く売られやすい地合いになります。

ただ、利上げが実施されれば、対円では、ユーロは若干の上昇トレンドになる可能性が考えられます。

ポンドをめぐる状況

unitedkingdom

最大の焦点は3月のEU離脱

英国のGDPは、2018年1月-3月期は前期比0.1%、4月-6月期は同0.4%、7月-9月期は同0.6%と緩やかながら拡大が続いています。

失業率も改善し、2018年は4.0%近辺で概ね推移し、雇用が記録的な高水準となっています。

また、賃金に関しては、労働市場がタイトながらも賃金の上昇圧力は弱い状態が続いていたのですが、昨年12月に英政府統計局が発表した2018年8月-10月の賞与を除く平均賃金は、前年同期比3.3%増と、2008年の終わり以来の高い伸びとなっています。

一方、英国のEU離脱を前に企業の設備投資は低下しており、英・設備投資確報値は、2018年1月-3月期が前期比-0.2%、4月-6月期が同-0.7%、7月-9月期が同-1.1%と、徐々に設備投資を手控える向きが強まってきていることが伺えます。

BOEは昨年11月に賃金上昇の改善と国内のコスト圧力を指摘し、これまでの予想よりも早い段階で景気が過熱する可能性があり、今後数年に従来の想定よりも速いペースでの利上げが必要になる可能性を示唆しています。

ただ、この見解はEU離脱がスムーズに進むことを前提にしたものであることから、市場の見方は懐疑的です。

2018年の英国の消費者物価指数は原油安の影響からやや伸び悩んでいます。

1月16日に発表した英国の昨年12月の消費者物価指数は前期比2.1%の上昇となり、2017年1月以来の低水準となりました。

このことから、BOEが予定している2019年の2回の利上げが果たして実施されるか不透明になると考えられており、BOEの利上げペースが減速し、今年の利上げは1回にとどまるのではないかとの見方が強まっています。

そんな英国の今年の最大のテーマは3月29日に予定されているEU離脱です。

すでにニュース等で報じられているとおり、メイ英政権がEUと合意したEU離脱案は、議会の反対多数で否決されました。

これにより、英国政府は「プランB」と呼ばれるEU離脱方針の修正案を1月21日に提出しましたが、変更はほとんどなく、反対議員が修正案を提出することとなりました。

英国のEU離脱案をめぐる混迷の最大の原因は、英国の北アイルランドとアイルランド共和国の国境問題です。

EU離脱後の英国は、EUに残留するアイルランド共和国と英国の北アイルランドとの間で国境管理をする必要が出てきます。

元々英国の北アイルランドは、アイルランドへの帰属を求める住民と、英国の統治を望む住民との対立が長年に渡り続いたため、アイルランドと英国の北アイルランドとの間に明確な国境を設けると紛争が再燃する可能性があるとして、EU、英国とも避けたい考えです。

現状、アイルランドと北アイルランドとの間には、モノやサービスの取引の制限がほとんどありません。

しかし、今回、英国がEUを離脱することにより、明確な国境を設け、管理する必要が出てきます。しかし、上記の理由から簡単にはできない状態です。

そのため、英国の北アイルランドとアイルランドとの間に税関審査や基準審査等、明確な国境を定めることを回避した「バックストップ」と呼ばれる安全策条項が、今回英議会で否決された合意案には盛り込まれています。

ただ、このバックストップに対し、「英国をEUの関税同盟内にそのまま据え置く条項であり、実質的なEU離脱にはならない」として、EU離脱派の議員は反対しています。

一方、メイ政権が政権運営のために協力を取り付けている北アイルランドの民主統一党は、厳格な国境管理はアイルランドと北アイルランドの統合につながる可能性があるとして反対しています。

このように、英国のEU離脱は、どのようなスキームで離脱するのかはっきりしないまま離脱の日が迫っている状況です。

オーストリアのクルツ首相はどんな場合でも離脱合意案の英国との再交渉はないと明言。

ドイツのマース外相も、「英国とEU離脱協定案について再交渉するかEU内で検討する必要があるが、そのためには全加盟国の同意が必要」と述べるなど、混迷を極めています。

そのため、今注目されているのが、離脱日の延期の可能性です。

現在のままでは合意なし離脱となってしまうため、EU全加盟国の賛成を得た上で離脱日を延期し、市場に最も混乱をきたす合意なし離脱を回避させるのではないか、との見方が市場では広がっているのです。

このまま合意なし離脱をした場合は、ポンドは暴落することが考えられ、BOEは最大で25%程ポンドが下落するとの予測をしています。

そのため、ドイツのアルトマイヤー経済相は、英国に時間的な余裕を与えるため、離脱延長を認めるべきとの発言をしています。

英国がどのような判断を示すか、今はまだはっきりした答えが見えていない状態ですが、2019年上期の英国は、EU離脱が大きなテーマとなっています。

仮に合意なし離脱に至ればポンドは暴落し、ドルや円の暴騰を引き起こす可能性があることに注意が必要です。

また、仮に合意あり離脱となった場合、ポンドはいったん上昇しますが、EU離脱後の英国の景気後退などから、やがて緩やかな下降トレンドになると考えられます。

ポンドドルとポンド円の動向

このように、今年上期のポンドの動向は、英国のEU離脱の動向にかかっています。

すでにEU離脱案をめぐっては協議が難航しており、3月29日の離脱に至るまで、基本的にポンドは売られやすい地合いになると考えられます。

仮に合意なし離脱に至った場合、ポンド円は急激な円高に、ポンドドルは暴落する可能性が高く、それにより消費や投資が急激に冷え込むことが考えられます。

なお、この場合、金融危機が起こり、ポンドは25%、住宅価格は30%それぞれ下落するとの見通しをBOEは立てています。

また、英国政府は、GDPが15年で9.3%減少するとの見通しを示しています。

このシナリオ通りになれば、ポンドは下降トレンドになり、ポンド円は円高地合いが続き、ポンドドルはポンド安地合いが続くと考えられます。

反対に、合意あり離脱となった場合、市場の不安がいったん後退するため、ポンド円は一時的に急激な円安に、ポンドドルは暴騰する可能性があります。

その後はEU離脱による英国の景気後退がポンドの上値を抑える要因となります。なお、この場合、英国政府はGDPが15年間で約3.9%減少することを予測しています。

そのため、ポンド円は徐々に円高地合いに、ポンドドルは徐々にポンド安地合いとなることが予想されます。

いずれにせよ、今年のポンドは例年以上に暴騰・暴落の場面が多く、普段以上にボラティリティが高まると予想されます。

豪ドルをめぐる状況

australia

オーストラリア経済の動向

オーストラリアの2018年の実質GDPは、1月-3月期は前期比1.0%、4月-6月期は同0.9%と堅調に推移し、ほぼ6年ぶりの高水準となりました。

しかし、7月-9月期は同0.3%と大幅に低下したため、豪ドルは売られました。

また、2018年7月-9月期の個人消費の伸びは0.2%と、4月-6月期の0.7%から大幅に低下しています。

2018年7月-9月期のGDP及び個人消費が低迷した理由として、オーストラリアの住宅価格の下落が挙げられます。

住宅価格がなかなか下げ止まらず、その一方で住宅ローン残高が過去最高水準になっていることが、消費を押し下げたとみられているのです。

昨年の上期までオーストラリアの景気は概ね堅調に推移していました。しかし、下期に入り、景気鈍化の兆候が見られることが懸念材料となっています。

また、賃金も伸び悩んでおり、このことも個人消費を低迷させる原因の一つになっているとみられています。

一方、小売売上高は昨年3月と7月に横ばいとなったものの、それ以外は前月比増となっています。

昨年11月までの小売売上高は全て前年比増となっていて、昨年11月は前年同月比2.8%と、10月の3.8%増よりは減少したものの堅調に推移していると言えます。

前述のとおり、オーストラリアの個人消費は伸び悩んでいますが、消費者マインドを示す消費者信頼感指数は、昨年末まで概ね堅調に推移していました。

しかし、今年1月に発表された数値は99.6ptと前月の104.4ptから4.7%減少し、消費者マインドはやや悲観的になっています。

さらに、家計への信頼感や今後12ヶ月の家計見通しも悪化し、賃金の伸び悩みや住宅価格の下落が消費者マインドを冷え込ませていることが伺えます。

最初の方で書いたように、オーストラリアの住宅価格は下落が加速し、特に昨年後半からその傾向が顕著です。

外国人の投資に対し規制をかけたことを契機に、シドニーやメルボルンといった大都市圏を中心に住宅価格の下落が起きているのです。

今後、米中貿易摩擦により中国経済が悪化すると、これまでオーストラリアの不動産市況をけん引してきた中国からの投資がさらに冷え込む可能性があります。

同国の住宅ローン市場の占有率80%を占めるナショナル・オーストラリア銀行やウエストパック銀行等の四大銀行が、多額の不良債権を抱えるのではないかと危惧されています。

これらのことから、これまでオーストラリアの景気拡大を下支えしてきた住宅価格の下落は、同国の経済成長の重石になるとみられています。

さらに、米中貿易摩擦の激化がオーストラリア経済に与える影響も心配されています。同国にとって中国は最大の貿易相手国です。

特に、高品質なオーストラリア産の鉄鉱石は、中国で大きな需要があります。

米中貿易摩擦の激化による中国経済への悪影響が徐々に出始めていますが、鉄鉱石をはじめとした中国への輸出品の需要が減少すれば、オーストラリア経済にとっては大ダメージです。

現に、鉄鉱石や石炭、穀物の需給動向の目安となるバルチック海運指数は、今年に入り低下傾向にあります。

なお、中国は米産品の輸入を拡大することで米国と合意していますが、その中で、小麦や綿花、牛肉、LNG(液化天然ガス)など、オーストラリアと米国とで産品が競合するものに関しては、米国へのシフトが起こる可能性があります。

そうなった場合、これらオーストラリア産品について、中国からの需要が減少するとみられています。

このように、オーストラリアでは、米国の対中関税発動で中国経済が冷え込むことによる需要減少が不安視されていますが、それと同時に、中国側の譲歩による米国との競合品の需要減少も懸念されている状態です。

これらの悪材料から、今後の景気動向が不透明になりつつあるものの、一方で好材料もあります。

例えば、オーストラリアの主要資源である石炭の価格は持ち直してきています。

また、石油価格と商品価格とは相関性が高いため、資源国である同国にとって、足元の原油価格の上昇はポジティブです。

このことが、ここ最近の豪ドルの下支え要因になっています。

豪ドル円の見通しについて

オーストラリアはインフレ圧力が弱く、金利引き上げの見通しが立っていません。

そのため、RBAによる利上げは当分行われないとみられ、積極的な豪ドル買いにつながりにくい状態です。

かつて高金利だったオーストラリアの現在の政策金利は、1.5%となっています。

一方、米ドルはFRBが金利を引き上げており、一昨年は3回、昨年は2回引き上げ、現在の政策金利は2%となっていて、オーストラリアと米国との金利差は拡大しています。

そのため、オーストラリアと米国の国債の金利差も拡大し、豪ドルは対米ドルで売り地合いとなりました。

さらに、米中貿易摩擦が激化したことで、米国の対中関税による影響をオーストラリアも少なからず受けるとみられたことも、豪ドル売りに拍車をかけました。

一方、日本円は超低金利ではあるものの、何かあった時の安全通貨として買われやすい傾向にあります。

米ドル円は安倍政権になってから、それまでの円高が是正され、急激に円安が進行しました。

しかし、その後は英国のEU離脱を問う国民投票や、中国の景気の悪化、原油価格の急落などを理由に再び円高トレンドとなりました。

2016年の後半からはレンジを形成し、それが今でも続いている状態です。

現在も米中貿易摩擦など、豪ドルの上値押下げ要因があります。日本円にとっては、米中貿易摩擦の激化は安全通貨としての側面が注目されるため、円高要因となります。

一方、豪ドルは、住宅価格の下落や消費者信頼感指数の低下など、弱めの経済指標が金利引き上げを遠ざけています。

その一方で、足元の原油価格は上昇していて、資源国通貨である豪ドルにとってポジティブ材料となっています。

米中貿易摩擦や英国のEU離脱など、日本円が買われる要因は複数あります。

日本円は今年も対ドルでレンジを作りやすく、豪ドルは対ドルで売られやすい傾向が続くため、豪ドル円は基本的に円高になりやすいと考えられます。

しかし、先ほど書いたとおり、原油価格の上昇が下支えし、底堅い動きになると予想されます。

仮に米中貿易摩擦の影響が想定された程のものではなく、オーストラリア経済が順調に成長し、RBAが利上げをした場合は、豪ドルが買われるため、豪ドル円も円安地合いになるとみられます。

相場予想に必要なポイントは?

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ファンダメンタルズ分析

為替相場の動向を考える上で非常に重要で見逃せないのは、その国の経済政策や中央銀行の金融政策です。これらが為替市場に与える影響は極めて大きなものであるため、長期にわたって影響を与えるという特徴があります。そのため、これらは絶対に見逃すことができません。

経済政策や政治動向、中央銀行の金融政策を基に相場の方向性を読むのが、FXにおけるファンダメンタルズ分析です。ファンダメンタルズ分析は、テクニカル分析のように、トレードのポイントを分かりやすく分析するものではなく、大きな流れを見極めるためのものです。

ファンダメンタルズ分析では、ニュースなどを基に相場を毎日分析し、その前日、あるいはその数日前や一週間前など、比較的短い期間中に注目されている材料の見通しを立て、動きを予想します。つまりは、「シナリオを描く」ということが、ファンダメンタルズ分析では大切になってきます。

ファンダメンタルズ分析では、通貨を発行している国の経済政策や中央銀行の金融政策、さらには政治動向を勘案し、その通貨が売られやすいのか、それとも買われやすいのかを考慮する必要があります。その国の政策から、今後経済をどのような方向に持っていこうとしているのかが分かり、市場が何を見てその通貨を売り買いするのかが推測できます。

為替相場が大河だとすると、その流れを見極めるものがファンダメンタルズ分析ということになります。見るポイントとしては、経済・金融政策、インフレターゲット、長期金利、経済指標の結果、要人発言、格付け会社による国債の格付けなど、様々なものがあります。

これらの要素を比較しながら、各通貨の強弱を考えるのがファンダメンタルズ分析の基本です。

ファンダメンタルズ分析

テクニカル分析

テクニカル分析は、現在から過去の値動きを基に相場分析する方法です。分析にはチャートという、過去から今に至るまでの値動きの推移を記録したものを使います。

このチャートは、値動きが視覚的に分かるようになっているのが特徴で、日本ではローソク足と呼ばれるチャートを使うのが一般的です。なお、海外の場合、ローソク足が広く使われている他、ラインチャートと呼ばれる、値動きを折れ線グラフのような線で結んだチャートも使われています。

テクニカル分析の大きな特徴として挙げられるのが、売買のポイントを見つけ出しやすいということです。為替レートの天井や底となるところを見つけ出しやすく、今、上昇相場なのか下降相場なのか、それともレンジ相場なのかといったこともすぐに見分けられます。

市場参加者が強気なのか、それとも弱気なのかといったこともチャートから判断することもできます。 テクニカル分析は、単純にローソク足などの形や並びなどから分析する方法もありますが、それよりも広く使われているものがあります。それは、テクニカル指標と呼ばれるテクニカル分析のための指標です。

テクニカル分析をする際は、ローソク足だけでなく、様々なテクニカル指標を同時に表示して、今後の相場の流れを予測していきます。 テクニカル指標は種類が多く、広く知られたメジャーなものから、あまり知られていないマイナーなものまで、様々なものがあります。

為替相場は参加者の心理によって動く部分もあるので、より多くの人が判断の基準として使っているテクニカル指標を使うと良いでしょう。

テクニカル分析

経済指標から予測するファンダメンタルズ分析

アメリカの経済指標が特に重要

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米ドルは基軸通貨ということもあって、クロス円の場合でも米ドルを間に挟んだ形になっています。例えばユーロ円は、ユーロと円の直接の取引ではありません。ユーロ円の買いポジションの場合、ユーロを買うにあたり、まずは円をドルに換えた上でユーロを買う、ということになります。

これは、他のどんなクロス円の通貨もそうですし、クロス円のみならず、クロスユーロやクロスポンドなどの通貨ペアも同じです。どれも、一度ドルを間に挟む形で取引しています。そのため、ほぼ毎日発表される各国の経済指標は、その結果はもちろん重要ですが、それと同時に米ドルがどうなのか、といったことを考える必要があります。

例えば、ユーロ円を取引していた時に、ユーロの経済指標が発表され、内容は市場予想を大幅上回る良い結果だったとします。その場合、ユーロと円の関係性を考えるのではなく、ユーロとドルと円の関係性を考える必要があります。

この例でいうと、例えばユーロの利上げが意識されている中で、ユーロ圏の消費者物価指数が予想よりも大幅に上振れたとします。その場合、この結果は利上げを後押しするものとして市場は好意的に捉えます。その場合ユーロは本来買われるはずですが、果たしてそうなるかどうかは、通貨の強弱関係がどうなっているか、ということが重要になります。

ユーロ>ドル>円、ユーロ>円>ドル、ドル>ユーロ>円、ドル>円>ユーロ…など、様々なパターンが考えられます。対円でも大きく上昇が期待できるパターンとしては、ユーロ>ドル>円という形でしょう。

この場合、ユーロ円の買いポジションを持っていたら、大きな上昇が狙えます。しかし、ユーロ>円>ドルだったり、ドル>ユーロ>円だったりした場合、ユーロ円はあまり上昇しないこともあります。

そのため、米ドル以外の通貨ペアを取引する場合でも、その国の経済指標以外に、米国の指標はチェックしておいた方が良いでしょう。また、米国の金融政策や政治動向にもきちんと目を向けた上で取引するようにしましょう。

重要な経済指標

経済指標には様々なものがありますが、その中でも特に重要なものを、米国の経済指標を中心に紹介します。

アメリカの経済指標

米雇用統計
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毎月第一週目の金曜日に発表され、その結果が為替相場に大きな影響を及ぼす、経済指標の中でも最も注目度の高いものです。 米・雇用統計の発表がある週は相場が大きく動きにくい傾向にあります。特に、週の半ばあたりからその傾向が顕著になってきます。

もちろん、何か大きなニュースがあった際には相場は大きく動きますが、そうでない場合は、米・雇用統計の発表を控えてポジション調整を行う程度の動きになるなど、値動きが小さくなります。またレンジを形成することもよくあり、全体的に商いを手控える傾向がみられます。

米国の経済指標として最も大きな注目を集めているのは今のところ雇用統計ですが、雇用統計がこれからもずっと注目されるのかといえば、そうであるとは言い切れません。なぜなら、その時々によって注目される経済指標は変化するからです。

雇用統計が注目されるきっかけとなったのは、米国の中央銀行であるFRBがリーマンショック以降、雇用統計の結果を重視し、ここから雇用市場の状況を判断して利下げを段階的に行ったことが原因となっています。

つまり、米国の雇用状況とFRBの金融政策とは密接な関係にあり、FRBの金融政策のこれからを占うための材料となることが、雇用統計が注目される原因であることを抑えておく必要があります。

米FOMC政策金利発表america01

米FOMCは、FRBの金融政策を決定する会合であることから、市場の注目度が非常に高いです。年8回開催されていて、政策金利はもちろん、景況判断など金融政策の方針が発表されます。

3月、6月、9月、12月のFOMCは議長会見も行われるので、注目度は特に高くなります。さらに、FOMC議事録が後日発表されますが、その内容も注目を集めます。

GDP(国内総生産)america01

経済成長を図る非常に重要な経済指標です。GDPとは、国内で生産された最終製品、サービス等の付加価値の合計です。発表の時期は、各四半期(1~3月、4月~6月、7月~9月、10月~12月)終了後の翌月末に速報値が発表されます。GDPが高いほど、経済成長しているということになります。

消費者物価指数(CPI)america01

消費者が購入するモノやサービスの物価の動きを指数化したものです。物価が高くなるということは、需要が高まっていることになります。

つまり、モノやサービスを購入する国民の所得も増えているということになるのです。ただし、急激に上昇した場合は、その国の景気が過熱気味であるということを示しています。また、物価が低くなるということは、需要が減少しているということを意味しています。

中央銀行が利上げする可能性がある時、消費者物価指数が上昇しているかどうかを市場は確認します。この場合、上昇が確認できれば、利上げの確度が上がったと考えられ、その通貨の買い材料となります。

反対に、横ばいや下落した場合は利上げの可能性は低くなったと考えられ、その通貨の売り材料となります。

新築住宅販売件数/中古住宅販売件数america01

米国の景気の動向を判断する上で重要となる指標が、中古住宅販売件数です。米国は日本と異なり、住宅販売の9割以上が中古住宅で、新築住宅販売の何倍もの規模があるため、こちらがより注目されます。

中古住宅販売件数も、新築住宅販売件数も景気に先行するため、今後の景気の見通しを計る上で重要な指標であると考えられています。なお、新築住宅販売件数の方が、中古住宅販売件数に比べ、さらに先行性が高いと考えられています。

小売売上高america01

米国の商務省が発表する、百貨店をはじめとした小売りの売上高を集計したもので、毎月第2週に前月分が発表されます。集計から発表までの期間が短く、その時の個人消費トレンドを把握するのに役立つというメリットがある指標です。

米国のGDPの3分の2は個人消費で占められていますので、小売売上高の結果は、米国の金融政策にも大きな影響を与えます。月ごとの変動が激しい指標ですので、トレンドを把握するのが難しいという側面もあります。

鉱工業生産指数america01

毎月15日頃にFRBによって発表されます。米国経済の20%を占める製造業の鉱工業生産動向を指数化し、2012年を100として算出します。

米国では、製造業から景気循環がスタートするため、鉱工業生産指数は米国の景気先行指標として考えられています。なお、鉱工業生産指数はGDPとの連動性が高く、GDPよりも発表の回数が多いため、速報性が高いと考えられています。

そのため、鉱工業生産指数は、FRBの金融政策にも影響を与えます。

各種景況感指数

ここからは、各種景況感指数のうち、注目度の高いものについて解説します。

ZEW景況感指数

Germany

毎月中旬に発表される、ドイツの民間調査会社「ZEW」による景気先行指数です。約350人のアナリストや機関投資家、市場関係者へのアンケートを基に、今後6か月のドイツの景気見通しに対する回答のうち、楽観的なものから悲観的な回答を引いた比率を算出します。

50が基準となり、これを上回れば景気が良い、下回れば景気が悪いということになります。IFO景況感指数よりも1週間程早く発表されるため、速報性が高いのが特徴です。

IFO景況感指数

Germany

ドイツの「IFO経済研究所」が発表するドイツの景況指数のことで、毎月下旬に前月分が発表されます。ドイツ企業7,000社を対象に、現在のドイツ経済と、今後6か月の見通しをアンケートします。

IFO景況感指数には「現状判断指数」「予測指数」「企業景況感指数」の3種類がありますが、このうち、「予測指数」と「企業景況感指数」が特に注目されます。2005年を100とし、これより高ければ景況感が良いということになり、低ければ悪いということになります。

米国消費者信頼感指数

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毎月25日から末日までの間に発表される経済指標です。米国の民間調査機関の「コンファレンスボード」が米国の消費者約5,000世帯にアンケートを実施し、現状の経済状況や雇用状況、6か月後の経済状況、雇用状況、所得について調査した結果を指数化したもので、1985年を100としています。

米国の消費者マインドを知る上で重要な指標で、ミシガン大消費者信頼感指数よりも調査の規模が大きいのが特徴です。

ミシガン大消費者信頼感指数

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米・ミシガン大学のサーベイ・リサーチセンターによる消費者マインドに関するアンケートを集計・算出した経済指標で、速報が毎月10日頃の金曜日に、そして、確報が毎月最終金曜日に発表されます。

米国消費者信頼感指数よりも規模が小さく、アンケート対象者は確報が10分の1の500人、速報はさらに少ない300人であるために結果にブレが生じることもありますが、米国消費者信頼感指数に比べて発表のタイミングが早いため、速報性が高く、トレンドを知るのに役立ちます。

日銀金融政策決定会合japan

年8回、2日間ずつ開催される会合で、金融市場調節方針、基準割引率、基準貸付利率および預金準備率、金融政策手段、経済・金融情勢に関する基本的見解等を議事事項としています。

会合終了後すぐに会合での決定内容を発表します。初日に景気に関する認識を話し合い、2日目に金融政策の変更などを決定します。

欧州中央銀行(ECB)政策金利発表eu

欧州の中央銀行であるECBが毎月上旬に行う、政策金利の発表のことを言います。

原則、2週間ごとに開催されるため、毎月2回開催されることになります。ECB役員6名とユーロを導入している国の中央銀行総裁とで構成され、1回目の会合で政策金利や金融政策が発表された後、ECB総裁の記者会見が行われます。

なお、2回目の会合の内容は公表されず、金融政策以外のことが話し合われます。 政策金利と金融政策が発表される1回目の会合の市場の注目度は高く、発表直後や記者会見の際は、為替相場が大きく動きます。

要人発言で相場が動くことも!

為替相場に影響を与えるのは、経済指標だけではありません。中央銀行総裁や財務大臣などの要人が発言した内容は、為替相場に大きな影響を与えます。ここからは、FXにおける要人発言で注目したいものを解説します。

注目度の高い要人発言

ここからは、注目度の高い要人の発言について解説します。

米国大統領

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米国大統領の発言は、元々注目度が高いのですが、現在のトランプ大統領になってからは、米国大統領の発言が為替相場へ及ぼす影響度が増しています。というのも、トランプ米大統領は歴代の米国大統領とは異なり、SNSを多用しているからです。

米メディアとトランプ大統領とは対立し、メディアが「反トランプ」の構えを見せているため、フェアな報道がされないとし、トランプ氏はツイッターを使用して、自身の意見や見解の発信をしています。

トランプ氏のツイッターでの発言の中には、為替市場に大きな影響を及ぼすものもあるので、注意が必要です。

FRB議長

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米国の中央銀行であるFRB議長の発言は大きな注目を集めます。特に、米国はここ数年、利上げの可能性が取りざたされてきました。

2015年12月から段階的に金利が引き上げられてきていますが、どのタイミングで引き上げられるのか、その回数がどれくらいなのか、そして、引き上げのペースは速くなるのかといったことが注目されていたため、FRB議長が利上げに関する発言や景気の見通しに関する発言をするたびに、市場は敏感に反応してきました。

FRB議長の発言のうち、どのようなものが材料視されるのか、その時々で何を市場が注目しているのかを確認する必要があります。

ECB総裁

eu

EUの中央銀行であるECB総裁の発言も大きな注目を集めます。EUも景気回復を背景に出口戦略が注目され、利上げの可能性があると考えられてきました。

そのため、ECB総裁がEUの足元の景気や今後の景気見通しに関し、どのような発言をするのかということや、利上げに関しての発言があるかどうかが注目されています。 ECBは今年中の利上げを行わない方針で、景気が堅調に推移すれば来年秋以降に利上げされる可能性が高いと考えられています。

そのため、利上げに関してはもちろん、景気の見通しに関しても、ECB総裁がどのような発言をするのかが注目されています。

日本銀行総裁、副総裁

japan

日本銀行の総裁の発言は、為替相場に大きな影響を与えます。毎回ではないですが、政策金利や声明の発表で大きく動くことがあります。

他の要人発言と同様、発言すれば必ず相場が大きく動くというわけではなく、市場が日銀に対し、期待していることがあったり、不安視している内容があったりした場合、それに関係する発言があると大きく動きます。

例えば米国は利上げを行い、欧州も金融緩和からの出口戦略に向かっていますが、日本はまだ出口戦略には着手していません。インフレターゲットである2%の物価目標への到達には程遠いため、現状出口戦略について話す段階には来ていませんが、実際に景気回復がデータとしても現れて実感できるようになった場合、現行の日銀の金融政策の出口戦略も現実的なものになります。

その際には日銀総裁の発言の内容が注目され、為替相場が大きく動く可能性があります。 なお、副総裁の発言については今のところそれほど注目されていませんが、先ほど書いたとおり、出口戦略が現実的になった時には注目されるものと考えられます。

物価が適正水準より高い旨の発言

利上げ

その国の景気回復が確認された場合、次に注目されるのが、利上げがあるかどうか、ということです。特に、日米欧は景気刺激策として金融緩和策を行ったため、超低金利の状態が続いていました。

その後、米国は景気回復傾向になったことから出口戦略に取り掛かり、金融引き締めを行っています。欧州も出口戦略に向かっていて、来年秋以降に利上げが実施される見通しです。

この利上げの有無を占う上で重要になるのが、物価が適正水準より高いかどうか、ということです。一般的に、物価が上昇した場合、商品やサービスなどのモノの需要が高まっていることになります。

そのため、中央銀行は物価の高騰を抑えるために金利の引き上げを行います。そのため、中央銀行総裁から物価が適正水準より高いという発言があった場合、政策金利の引き上げが行われる可能性が高い、ということが考えられ、その通貨は買われやすくなります。

景気について強気な見通しをした発言

景気上昇

中央銀行総裁が、今後の景気について強気の見通しを示した場合、基本的にはその通貨の買い要素となります。そのためにはもちろん、強気の見通しを裏付けるだけの良好な経済指標が無くてはなりません。

経済指標の好・不調が混ざっている時に強気の発言があった場合、すぐに買い要素になるわけではありませんが、その国の通貨の下支え要素になることはあります。

物価が適正水準以下という旨の発言

物価低価

物価が適正水準以下ということは、物価が低下していることになります。この場合、需要が低く、景気は鈍化していることが考えられます。

このような場合、中央銀行は景気刺激策として金利を引き下げ、モノの需要喚起を行います。そのため、中央銀行総裁から物価が適正水準以下という発言があった場合、金利の引き下げが行われる可能性が高まったということになり、その国の通貨は売られる可能性が高い、ということになります。

景気について弱気な見通しをした発言

景気低迷

中央銀行総裁が、今後の景気について弱気の見通しを示した場合、基本的にはその通貨の売り要素となります。この発言を裏付けるように、経済指標も弱めの結果が続いている場合はさらなる売りを誘うと考えられます。

弱気の見通しの中、経済指標が強めの結果が出た場合、それは一時的なものなのか、それとも底に来たのかを見分ける必要があります。一時的なものである場合、いったんはその通貨が買われても、再び売られる可能性が高いということになります。

底に来た場合、いったんは売られても、徐々に上昇トレンドに向かう、ということになります。弱気な見通しを示した場合、その後の経済指標と中央銀行総裁の発言に注意し、底がどこになるのかきちんと確認しましょう。

群衆心理から相場を読むテクニカル分析

投資家の集団心理をよむ

短期予想はテクニカル分析で行う

既に書いたとおり、ファンダメンタルズ分析は長期的なトレンドを読む上で非常に重要です。しかし、中にはデイトレードやスキャルピングなど、短期的な見通しを基にトレードする人もいます。

その場合、ファンダメンタルズ分析のように、長期的なトレンドを読むのではなく、短期的な上昇・下降を狙って取引する必要があります。なぜなら、相場は一方的に上昇したり、下降したりすることはなく、途中で反対方向の動きを一時的に挟むことがほとんどだからです。

短期トレードでは、この一時的な動きを捉えることが必要となります。その場合に役立つのがテクニカル分析です。 テクニカル分析を行う際に見るのが、ストキャスティクスRSIなどのテクニカル指標です。テクニカル指標にはメジャーなものからマイナーなものまで、様々な種類があります。

たくさんあるテクニカル指標は、トレンド系とオシレーター系の2種類に分けることができ、それぞれに長所・短所がありますので、複数の指標を組み合わせて使うことがほとんどです。 なお、テクニカル指標の組み合わせは、自分が使いやすいものを組み合わせることが大切です。

その中でも精度の高い組み合わせを見つけるようにしましょう。ただし、マイナーなものばかり使うのはおすすめできません。為替相場は莫大な資金を基に取引するヘッジファンドや機関投資家の影響を強く受けます。そして、大多数が「こうなるだろう」と思う方向に動きます。

そのため、多くの人が見ているメジャーな指標を使うようにしましょう。実際に機関投資家も、メジャーな指標を使って取引しているケースがほとんどです。 メジャーな指標をメインに自分の使いやすいものを組み合わせ、売買シグナルが出たタイミングを狙って取引するのが良いでしょう。

トレンドは3種類

FXのみならず、投資商品には主に3種類のトレンドがあります。それは、「上昇トレンド」、「下降トレンド」、「もみ合い(レンジ相場)」です。

トレンドは3種類

上昇トレンドはその名のとおり、投資商品の価値がどんどん上昇していることを示しています。FXであれば、例えばドル円の場合に上昇トレンドが発生したというのは、つまり、円安・ドル高になっているということになります。つまり、ドルの価値が円ベースでどんどん上がっていっているということです。

反対に下降トレンドは、投資商品の価値がどんどん下落していることを示しています。FXであれば、例えばドル円の場合に下降トレンドが発生したというのは、つまり、円高・ドル安になっているということです。ドルの価値が円ベースでどんどん下がっているということになります。

FXは上昇トレンドでも下降トレンドでも利益が出せるため、トレンドが出た場合は大きな利益が取れる可能性があります。ただ、為替相場の8割は方向性のないもみ合い……いわゆるレンジ相場が占めています。レンジ相場でも利益を出すことは可能ですが、その場合、レンジの底と天井をきちんと見極める必要があります。 レンジはいずれ終了し、再びトレンドが発生します。レンジブレイクした後のトレンドに乗ることで、利益をさらに増やすことができます。

移動平均線で相場を予測する

移動平均線はトレンドを把握しやすい

FXに限らず、投資商品を取引する上で必ずといってよい程使うのが、移動平均線です。この移動平均線は、投資商品の一定期間の終値の平均値をつないだものです。最初に書いたとおり、FXのみならず、株や商品先物など、投資商品を取引する際に必ず利用します。

シンプルですが、相場の大まかなトレンドが把握できるので便利です。 移動平均線で重要となるのは、その向きです。上向きなのか、下向きなのか、それとも横ばいなのかといったことを確認します。移動平均線だけを見て取引することはほぼありませんが、グランビルの法則のように、移動平均線とローソク足との関係を見て取引する手法はあります。

そのため、移動平均線を見て相場を判断する際は、現在相場がどのような状態にあるのか(トレンドが発生しているのか、それとも発生していないもみ合いの状態なのか)をその向きで確認します。上昇トレンドなら移動平均線は上向き、下降トレンドなら移動平均線は下向きになります。

また、トレンドが発生していないもみ合いの場合は、移動平均線は横ばいになります。 この移動平均線の向きを見た上で、ローソク足との関係を見て、売買のポイントを決めるようにしましょう。明確なトレンドが発生している時にトレードするのが基本です。

ゴールデンクロス

ゴールデンクロスは買いサイン

株や為替の取引をする際に使う移動平均線やテクニカル指標には、売買ポイントとなるシグナルが発生することがあります。中でも上昇トレンドが発生しそうなシグナルをゴールデンクロスといいます。

例えば、25日移動平均線と75日移動平均線の2つを使って売買シグナルを捉える場合のゴールデンクロスを考えてみましょう。25日移動平均線、75日移動平均線の2つとも上向きになっている時、25日移動平均線が75日移動平均線を下から上に抜けた場合が買いサインとなるゴールデンクロスです。

また、テクニカル指標で言えば、例えばMACDの場合は、MACDがシグナルを下から上に抜けた場合を「ゴールデン・クロス」といい、買いサインとなります。

デッドクロス

デッドクロスは売りサイン

先ほどとは反対に、株や為替の取引をする際、下降トレンドが発生しそうなシグナルをデッドクロスといいます。 例えば、25日移動平均線と75日移動平均線の2つを使って売買シグナルを捉える場合のデッドクロスを考えてみましょう。25日移動平均線、75日移動平均線の2つとも下向きになっている時、25日移動平均線が75日移動平均線を上から下に抜けた場合が売りサインとなるデッドクロスです。

また、テクニカル指標で言えば、例えばMACDの場合は、MACDがシグナルを上から下に抜けた場合を「デッド・クロス」といい、売りサインとなります。 なお、ゴールデン・クロスもデッドクロスもダマシがあるので、注意が必要です。

ダマシを避けるためにも、複数のテクニカル指標を使ったり、ローソク足の並びを確認したりするなどの工夫が必要です。あるいは、サインが出てすぐにエントリーするのではなく、少し間をおいて、その後の動きを確認した上でエントリーするようにする、という方法もあります。

いずれにせよ、移動平均線のみ、1種類のテクニカル指標のみでエントリーのタイミングを判断するのはやめた方が良いでしょう。

相場予想のコツ

予想のコツ

すでに書いたとおり、相場を予想するには、ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析があります。これらを使ってどのように予想すればよいのか、特に初心者の方は悩むのではないかと思います。相場を予想する場合、当てようと色々な情報を得ようとしがちなのですが、かえって混乱してしまうことがよくあります。

混乱する原因は、情報の取捨選択ができていてないことにあります。 基本として、ファンダメンタルズ分析は相場の長期的な傾向を、そして、テクニカル分析は相場の短期的な動きを読むのに適しています。

そのため、長期トレードをする場合はファンダメンタルズ分析に重点を置き、短期トレードをする場合はテクニカル分析に重点を置きます。この基本をきちんと押さえておきましょう。 長期トレードの場合は、各国の金融政策をまずは考え、それと政治的な要因を踏まえながら大きなトレンドを考えて取引します。金融政策等の材料から、強い通貨、弱い通貨に分け、ポジションを取ります。

相場は一方通行の動きはしませんので、当然一時的な変動はあります。しかし、長期の場合、一時的な変動があったとしても、ポジションが維持できれば問題ありません。利食い損切レートを決めて、長期でポジションをキープします。 短期トレードの場合は、テクニカル指標を参考に分析していきます。

この時に気をつけたいのが、テクニカル指標を使い過ぎないということです。テクニカル指標はそれぞれ長所と短所があるため、それをカバーするために、トレンド系・オシレーター系の指標何種類か使うのが一般的です。しかし、中にはたくさんの種類のテクニカル指標を使ってしまう人もいます。それで使いこなせれば問題ないのですが、使いこなせず混乱してしまうことも珍しくありません。

そのため、テクニカル指標を使う際、初心者の人は多くても3種類程度にとどめておくと良いでしょう。 なお、長期トレードの場合、テクニカル指標を全く使わないかというと、そんなことはありません。

また、短期トレードの場合に、ファンダメンタルズ分析を全く行わないかというと、こちらも、そんなことはありません。「どちらに重点を置いてトレードするか」ということであって、「長期トレードだから、テクニカル指標は全く使わない」「デイトレなので、ファンダメンタルズ分析は全くやらない」というわけではありません。

長期トレードの場合、エントリーや決済のタイミングを決める時にはテクニカル指標を使いますし、短期トレードの場合も、その日の相場の大きな流れを分析するために、ファンダメンタルズ分析を行います。

そのため、どちらか一方ではなく、どちらも使って分析できるようにしておくと良いでしょう。

為替予想に必要なのは

自分なりのシナリオを描いてみよう

これまで解説したとおり、為替の動向を予想するためには、各国の金融政策政治動向アンテナを張っておく必要があります。そこから読み取れる動向を基に、短期的に材料になりそうなニュースに気を付けましょう。

また、自分のトレードスタイルに関わらず、基本的なファンダメンタルズ分析は必ず行いましょう。そして、そこからテクニカル分析で、自分のトレードスタイルに合わせてトレードしていきます。 大切なのは、為替相場の動向を当てようとしないことです。

当てようとすると、色々なテクニカル指標を使おうとして、トレードで利益を出すことよりも、相場の先行きを当てることに集中してしまい、本来の目的からどんどん外れていきます。

また、そうなった場合、トレードに一貫性がなくなることも多々あります。そうならないためにも、当てるのではなく相場の流れを読み取ることに力を入れましょう

為替相場は非常に敏感で、突発的なニュースに反応して、大きく動くことも珍しくありません。何が突然起こるかは、誰も知ることができません。そのため、為替予想が当たることよりも、どのような相場になってもきちんとリスクコントロールして、適切なトレードができることの方が大切です。

相場の見通しを立てたら、自分なりのシナリオを描き、予想どおりに動いた場合そうでない場合にどうするのか、ということを考えましょう。つまり、どこで利食いをしどこで損切りをするのか、という明確な基準を決めてトレードするようにしましょう。

基本的なことですが、これができていない人は意外に多いのです。きちんと見通しを立て、それに対してどう動くのか、きちんとシミュレーションした上でトレードしましょう(元ネット系証券会社社員 佐藤真奈美氏)。

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監修者紹介/FX専門家 五十嵐勝久

中央大学経済学部卒。アルゴ株式会社代表取締役。銀行や証券、FX会社に勤務し、営業、企画、マーケティング部に所属。40歳で会社を辞めて起業。現在はFXや証券会社などのプロモーション業務、システム開発を行う一方、システムトレーダーとしても活躍。

> FX専門家 五十嵐勝久について
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