- 更新日: 2020/05/27
2019年10月18日|本日午後からのFX相場予想
本日の日経平均株価は前日比76円70銭高の22,528円56銭で寄り付いた。その後も堅調に推移している。前日の米国市場でNYダウが上昇したことを受け、幅広い銘柄い銘柄に買いが入っている模様。後場の日経平均株価は前日比55円50銭高の22,507円36銭で寄り付いた。
一方ドル円は、昨日に続きリスク選好的なドル買いにはならず、上値の重い展開に。本日が実質的な五十日(ごとおび)になることから、1ドル108円69銭まで上昇する場面もあったが、積極的に上値を追う展開にはなっておらず、EUと英国が合意した離脱協定案が否決されるとの見通しが強まっているため、1ドル108円50銭台まで水準を下げている。
昨日のドル円は、東京時間中は日経平均株価の動きにつれて1ドル108円80銭台まで上昇したものの、材料難から小動きに。動きが出たのは、ロンドン時間以降となった。ロンドン時間中に、英国とEUが離脱協定案で合意したとのニュースが流れると、ポンド買いの動きが強まり、ポンド円が上昇。その影響がドル円にも波及し、一時1ドル108円94銭まで浮上した。
10月末に期限を迎える英国のEU離脱に関し、昨日EUと英国が離脱協定案に合意した。英議会が10月19日までに合意を承認すれば、英国はEUを離脱することになる。
ただ、雲行きは怪しく、英国与党と閣外協力している北アイルランドの民主統一党(DUP)が北アイルランドと英本土との間で税関検査が行われることや付加価値税について不明瞭な点があることなどに不満を表明し、離脱協定案には支持できないとしている。
さらに英国の野党・労働党は、「メイ前英首相の時よりも今回の離脱協定案はひどい」「国民投票を行うべきだ」として、不支持を表明している。
英国は9月にEUからの合意なき離脱を回避するための法律(通称:ベン法)を成立させた。この法律によれば、ジョンソン英首相は10月19日までに離脱協定案の議会承認を得るか、あるいは、下院から合意なき離脱の承認を得なければならない。
もしそれができなければ、ジョンソン英首相は、離脱期限を来年1月31日までに延ばすよう、EUに要請しなければならなくなる。現状、DUPと労働党が不支持を表明していることから、ジョンソン英首相が議会承認を得られるかどうか不透明であり、ジョンソン英首相がベン法を回避するのではないかとして、英国の閣僚からは警戒の声も上がっているようだ。
このように、英国のEU離脱に関しては、昨日離脱協定案にEUと英国とが合意したとはいえ、今後の動向は不透明だ。英国とEUは、メイ前英首相の時も離脱協定案に合意しながら、英下院で3度否決されている。そのため、ジョンソン英首相に代わってからも同じ状態に陥るのではないかとの懸念があり、英国のEU離脱に関しては、この先も混乱が続くのではないかとの見方がされているのだ。
これにより、ポンド円が急落し、ドル円もその影響を受けて1ドル108円67銭近辺まで下落。さらに、昨日発表された米国の主要な経済指標が軒並み軟調だったことから、ドル円は1ドル108円50銭台まで水準を下げた。
昨日発表されたフィラデルフィア連銀製造業景況指数は事前予想の7.6に対し5.6と弱い結果となった。また、9月の米住宅着工件数も事前予想の132.0万戸に対し125.6万戸と下回り、9月の米鉱工業生産も事前予想の前月比-0.2%を下回る同-0.4%となった。
9月の米住宅着工件数は、約12年ぶりの高水準となった前月から一転、前月の改定値から-9.4%もの落ち込みを見せた。主力の一戸建てが前月比+0.3%と微増となり、4か月連続の増加となった一方で、5世帯以上の集合住宅の落ち込みが前月比28.3%と大きく、全体を押し下げた格好だ。
また、9月の米鉱工業生産指数は前月比-0.4%と2か月ぶりのマイナスとなった。米中貿易摩擦や世界的な景気減速による影響で、米国の生産活動の停滞が伺える内容となっている。
EU離脱協定案が英議会で採決されない可能性が高まったことや、弱い米経済指標の結果を受けて米朝金利が低下したため、ドル円は一時1ドル108円45銭近辺まで下げ幅を拡大した。ただ、その後はドルが買い戻されたことや、トルコがシリアでの休戦に合意したとのニュースが下支えしたこともあって、ドル円は1ドル108円60銭台まで浮上している。
本日この後の東京時間のドル円は、EU離脱協定案の否決の可能性や軟調な米経済指標の結果を受けて、上値の重い展開が続くと考えられる。また、本日も米中貿易協議に関するヘッドラインには注意したい。
本日の上海総合指数は軟調。プラス圏を維持していたが、マイナス圏に沈んでいる。ハンセン総合指数も軟調。プラス圏からマイナス圏になっている。
NYダウ先物も軟調。時折プラス圏に浮上する場面もあったが、マイナス圏に押し戻されている。米長期金利も低下し、現在は1.74%台で推移している。
テクニカルを見ると、ドル円の一時間足は一目均衡表の雲の中にある。ボリンジャーバンドはやや拡大し、下向きとなっている。
この後、東京時間のドル円は、1ドル108円70銭前後が短期的な抵抗線になるとみられる。それを上抜けた場合は、1ドル108円80銭が抵抗線として意識されるとみられる。
一方、東京時間の支持線は、短期的には1ドル108円45銭前後になるとみられ、そこを割り込んだ場合は、1ドル108円35銭前後が支持線として意識されるとみられる
(元ネット系証券会社社員 佐藤真奈美氏)
2019年10月18日|本日のFXレンジ予想
ドル/円
- 強気予想:108.39円~109.12円
- 弱気予想:108.20円~108.85円
ユーロ/円
- 強気予想:120.29円~121.86円
- 弱気予想:119.80円~121.32円
ポンド/円
- 強気予想:138.40円~142.79円
- 弱気予想:137.11円~141.24円
(元ネット系証券会社社員 佐藤真奈美氏のレンジ予想)
※過去の相場データから当期の予想変動幅を算出。
2019年10月18日|本日のFX経済指標カレンダー
11:00 |
(中) 9月 小売売上高 [前年同月比] 前回…7.5% 今回予想…7.8% |
---|---|
11:00 |
(中) 9月 鉱工業生産 [前年同月比] 前回…4.4% 今回予想…5.0% |
11:00 |
(中) 7-9月期 四半期国内総生産(GDP) [前期比] 前回…1.6% 今回予想…1.5% |
11:00 |
(中) 7-9月期 四半期国内総生産(GDP) [前年同期比] 前回…6.2% 今回予想…6.1% |
17:00 |
(欧) 8月 経常収支(季調済) 前回…205億ユーロ |
17:00 |
(欧) 8月 経常収支(季調前) 前回…298億ユーロ |
23:00 |
(米) 9月 景気先行指標総合指数 [前月比] 前回…0.0% 今回予想…0.1% |
26:45 | (英) カーニー英中銀(BOE)総裁、発言 |
(元ネット系証券会社社員 佐藤真奈美氏)
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