- 更新日: 2020/05/27
2019年10月16日|本日午後からのFX相場予想
本日の日経平均株価は前日比272円36銭高の22,479円57銭で寄り付いた。
その後も上げ幅を拡大している。前日のNYダウが、米中貿易摩擦激化の後退を受けて上昇した流れを受け、東京株式市場でもリスク選好となっている模様。
一方ドル円は、序盤は1ドル108円80銭台で推移していたが、米下院が香港人権・民主主義法案を可決したことに対して中国が批判と報復を示唆したため、これを嫌気してリスク回避の円買いが強まった。
そのため、ドル円は1ドル108円60銭台まで水準を下げている。
昨日のドル円は、東京時間中は小動きとなった。
米長期金利が低下したために1ドル108円20銭台まで下落する場面もあったが、ドルの買い戻しが入るなどしたため、元の水準に戻った格好だ。動きがあったのはロンドン時間に入ってから。
中国が米農産品の購入に対する見返りとして、米国に500億ドル相当の輸入品に対する関税の撤廃を求めているとの報道から、11月に予定されている第一弾の米中合意への署名が困難になるのではとの懸念が広がり、ドル円は1ドル108円16銭まで下落した。
先週行われた米中貿易協議については、400億~500億ドル相当の米農産品の輸入拡大と技術移転の強要の是正、金融サービスの開放や人民元の為替に関する譲歩に中国が合意することを米国側が明らかにする一方、中国はこのことを発表しなかった。
米中の温度差から、11月15日に予定されている米中首脳会談で第一段階の合意への署名が実現するのかどうか懐疑的な見方も根強かったが、今回の報道で、合意の実現に対する不透明感が再び強まった格好だ。
米ブルームバーグは、関係筋の話として、トランプ米大統領が貿易摩擦移行に導入した関税を撤廃した場合に限定し、中国は米農産品の購入を行うと伝えている。
現在のところ本件に対する米国側のコメントは出ておらず、中国側が要請する第一段階の合意の署名前のさらなる交渉として、今週は次官級、来週はムニューシン米財務長官、ライトハイザー米通両代表部代行、劉鶴中国副首相による閣僚級電話協議が予定されている。
ムニューシン米財務長官は14日の米CNBCテレビのインタビューで、署名が実現しない場合は、9月に一部を発動した第4弾の残り分として、12月15日に1,600億ドル分の中国からの産品に追加関税を課すと話している。
これにより、第一弾の米中合意の署名について雲行きが怪しくなったとして、すでに書いたとおりドル円は下落したが、その後、ドルの買い戻しが入ったため、再び水準を上げた。
米国株や日米の株価指数先物が上昇したことも追い風となりさらに水準を上げたが、ポンド買いの勢いが強まったこともドル円の押し上げ要因となり、1ドル108円90銭近くまで上昇する場面もあった。
膠着状態が続いていた英国のEU離脱問題については、英国とEUが離脱協定草案の合意に近づいており、16日午前中にも各国代表団に草案を提示することを目指すと、昨日EU外交官が明らかにした。
英国の合意なき離脱への懸念が後退したため、昨日はポンドが上昇。
ポンド円も急上昇したため、ドル円にもその影響が波及し円安が急速に進んだ。
ただ、バルニエEU主席交渉官はEU首脳会議で承認するには15日中の合意が必要だとの見方を示し、バラッカー・アイルランド首相は「英国とEUとの交渉は正しい方向に進展しているが、17日のEU首脳会議までに、離脱協定草案をまとめられるかどうかは不透明だ」と話していることから、楽観視できる状態にはないと言えよう。
本日この後のドル円は、堅調な日経平均株価とは裏腹に、米下院が香港人権・民主主義法案を可決し、それに対し中国が批判と報復を示唆したことが重しとなり、上値の重い展開が続くと考えられる。
引き続き米中貿易協議に関するヘッドラインには注意が必要だ。
本日の上海総合指数は軟調。プラス圏で始まったものの、上昇後に下落し、マイナス圏に沈んでいる。一方、ハンセン総合指数は堅調。プラス圏で推移している。
NYダウ先物は軟調。マイナス圏で推移している。一方、米長期金利は軟調。1.74%台に低下し、現在は横ばいとなっている。
テクニカルを見ると、ドル円の一時間足は一目均衡表の雲の上にある。
ボリンジャーバンドは上向きだが、バンド幅が縮小しつつある。
この後、東京時間のドル円は、1ドル108円75銭前後が短期的な抵抗線になるとみられる。
それを上抜けた場合は、1ドル108円85銭が抵抗線として意識されるとみられる。
一方、東京時間の支持線は、短期的には1ドル108円60銭前後になるとみられ、そこを割り込んだ場合は、1ドル108円50銭前後が支持線として意識されるとみられる。
(元ネット系証券会社社員 佐藤真奈美氏)
2019年10月16日|本日のFXレンジ予想
ドル/円
- 強気予想:108.35円~109.38円
- 弱気予想:107.88円~109.10円
ユーロ/円
- 強気予想:119.40円~120.89円
- 弱気予想:118.73円~120.48円
ポンド/円
- 強気予想:137.10円~141.07円
- 弱気予想:135.35円~139.96円
(元ネット系証券会社社員 佐藤真奈美氏のレンジ予想)
※過去の相場データから当期の予想変動幅を算出。
2019年10月16日|本日のFX経済指標カレンダー
17:30 |
(英) 9月 消費者物価指数(CPI) [前月比] 前回…0.4% 今回予想…0.2% |
---|---|
17:30 |
(英) 9月 消費者物価指数(CPI) [前年同月比] 前回…1.7% 今回予想…1.9% |
17:30 |
(英) 9月 消費者物価指数(CPIコア指数) [前年同月比] 前回…1.5% 今回予想…1.7% |
17:30 |
(英) 9月 小売物価指数(RPI) [前月比] 前回…0.8% 今回予想…0.0% |
17:30 |
(英) 9月 小売物価指数(RPI) [前年同月比] 前回…2.6% 今回予想…2.7% |
17:30 |
(英) 9月 卸売物価指数(食品、エネルギー除くコアPPI) [前年同月比] 前回…2.0% 今回予想…1.9% |
18:00 |
(欧) 8月 貿易収支(季調済) 前回…190億ユーロ 今回予想…178億ユーロ |
18:00 |
(欧) 8月 貿易収支(季調前) 前回…248億ユーロ |
18:00 |
(欧) 9月 消費者物価指数(HICP、改定値) [前年同月比] 前回…0.9% 今回予想…0.9% |
18:00 |
(欧) 9月 消費者物価指数(HICPコア指数、改定値) [前年同月比] 前回…1.0% 今回予想…1.0% |
20:00 |
(米) MBA住宅ローン申請指数 [前週比] 前回…5.2% |
20:00 |
(南ア) 8月 小売売上高 [前年同月比] 前回…2.0% 今回予想…1.7% |
21:30 |
(加) 8月 対カナダ証券投資額 前回…-11.7億カナダドル |
21:30 |
(加) 9月 消費者物価指数(CPI) [前月比] 前回…-0.1% 今回予想…-0.3% |
21:30 |
(加) 9月 消費者物価指数(CPI) [前年同月比] 前回…1.9% 今回予想…2.1% |
21:30 |
(米) 9月 小売売上高 [前月比] 前回…0.4% 今回予想…0.3% |
21:30 |
(米) 9月 小売売上高(除自動車) [前月比] 前回…0.0% 今回予想…0.2% |
22:00 | (英) カーニー英中銀(BOE)総裁、発言 |
23:00 |
(米) 10月 NAHB住宅市場指数 前回…68 今回予想…68 |
23:00 |
(米) 8月 企業在庫 [前月比] 前回…0.4% 今回予想…0.2% |
27:00 | (米) 米地区連銀経済報告(ベージュブック) |
29:00 |
(米) 8月 対米証券投資 前回…438億ドル |
29:00 |
(米) 8月 対米証券投資(短期債除く) 前回…843億ドル |
2019年10月17日|本日のFX経済指標カレンダー
09:30 |
(豪) 9月 新規雇用者数 前回…3.47万人 今回予想…1.50万人 |
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09:30 |
(豪) 9月 失業率 前回…5.3% 今回予想…5.3% |
(元ネット系証券会社社員 佐藤真奈美氏)
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