2019.1.17 昨日のニューヨーク時間で再び1ドル109円超え。本日も109円を試す展開に
- 更新日: 2019/01/17
1月17日(木)の東京時間は、昨日のニューヨーク時間で1ドル109円を超えた流れから小戻しとなり、再び109円を試す展開が続いている。
昨日の米株式市場では、ゴールドマンサックスをはじめとした米金融機関の好決算を受けて、ドル買い優勢となった。1月3日に一時104円台を付けたドル円は、それ以降、一時的な下落はあったものの、この急落を埋めるように緩やかな上昇トレンドが続いていたが、109円近辺が抵抗線となっていた。
今回ようやく109円の壁を突破し、1ドル109円20銭近辺まで上昇したのは、米金融機関の好決算が追い風となった格好だ。
とはいえ、積極的なドル買いが続くには、懸念材料が多いのも事実だ。日本時間の未明に発表された12月の米輸入物価は、石油価格の下落により、2ヶ月連続で低下。
なお、12月の消費者物価指数や卸売物価指数も石油価格の上昇により低下している。今回発表された12月の米輸入物価は、このところの米国の物価上昇率が緩慢であることを再確認する内容であったことから、市場は、FRBが今年の利上げを1回にとどめるとのではとの見方をさらに強めている。
また、日本時間の早朝にはFRBがベージュブックを公表した。大半の地区が緩慢もしくは緩やかな景気拡大を報告したが、楽観的な見方が弱まり、一部の地区では成長鈍化を報告している。このことも、FRBが当面の利上げを見送り、今年の利上げ回数を1回にとどめるとの見方を後押ししている。
NYダウや日経平均はこのところ堅調に推移しているものの、それに比べるとドル円の反応は鈍い。FRBの利上げ回数引き下げの可能性や米中貿易摩擦の動向、メキシコ国境との壁建設予算を巡って長期化する米政府機関の閉鎖等の懸念事項がドル円の上値を重くしている。このことが、ドル円が109円を突破した後、上昇トレンドが続かずに再び戻り売りにつかまる原因となっていると考えられる。
本日は米国の新規失業保険申請件数や、1月フィラデルフィア連銀製造業景気指数が発表される。10pips近く動くこともあるため、事前予想に対し、結果がどうなっているのか確認が必要。どちらも事前予想より弱い結果となった場合は、円高地合いになる可能性がある。
また、本日は、EUの消費者物価指数が発表される。消費者物価指数が前年同月比1.6%、コア指数が前年同月比1.0%との事前予想になっているが、消費者物価指数は10月をピークに下落が続いており、今回の事前予想も弱い数字になっている。
また、コア指数に関しては、前年比横ばいの数字が予想されている。1月4日に発表された速報値の段階で、すでに予想値を下振れて1.6%で着地しており、今回はその時の数字と同値の1.6%が予想されている。ここでまた下振れた場合にはユーロが対ドルで売られるため、ユーロが絡む通貨ペアを取引する場合は注意が必要である。
予想通りになった場合も、景気減速が確認されたとして、売られる可能性がある。ただし、ある程度織り込み済みの数字であるため、その場合の影響は限定的であると考えられる。
なお、本日の東京時間で、いったんドル円は下げたが、現在は小幅なレンジの動きが続いている。前日の終値を上回って始まった日経平均株価が下落した後、そのまま前日の終値を割り込んで下落したため、伸び悩んでいる模様。1ドル109円近辺が再び抵抗線になる可能性が高いが、日経平均株価がさらに下落すれば、ドル円も伸び悩むとみられる。
テクニカル的には、一時間足で見た場合、ローソク足はまだ一目均衡表の雲の上にあり、ボリンジャーバンドは、移動平均線付近でローソク足がやや反発している状態。ただ、トレンド方向のバンドが収縮してきているため、ロングポジションで持っている場合には注意が必要である。
なお、109円を超えた場合は、1ドル109円10銭前後が次の抵抗線として意識されるとみられる。それを突破した場合は、昨日のニューヨーク時間につけた1ドル109円20銭前後が意識されるだろう。また、短期的には1ドル108円85銭前後が支持線として意識されるとみられる
(元ネット系証券会社社員 佐藤真奈美氏)。
本日の経済指標カレンダー
1月17日(木)
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09:01(英) 12月 英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)住宅価格指数 前回…-11 今回予想…-1309:30(豪) 11月 住宅ローン件数 [前月比] 前回…2.2% 今回予想…-1.5%19:00(欧) 11月 建設支出 [前月比] 前回…-1.6%19:00(欧) 11月 建設支出 [前年同月比] 前回…1.8%19:00(欧) 12月 消費者物価指数(HICP、改定値) [前年同月比] 前回…1.6% 今回予想…1.6%19:00(欧) 12月 消費者物価指数(HICPコア指数、改定値) [前年同月比] 前回…1.0% 今回予想…1.0%22:30(米) 12月 住宅着工件数 [年率換算件数] 前回…125.6万件 今回予想…126.0万件22:30(米) 12月 住宅着工件数 [前月比] 前回…3.2% 今回予想…0.3%22:30(米) 12月 建設許可件数 [年率換算件数] 前回…132.8万件 今回予想…128.8万件22:30(米) 12月 建設許可件数 [前月比] 前回…5.0% 今回予想…-3.0%22:30(米) 前週分 新規失業保険申請件数 前回…21.6万件 今回予想…22.0万件22:30(米) 前週分 失業保険継続受給者数 前回…172.2万人
1月18日(金)
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08:30(日) 12月 全国消費者物価指数(CPI) [前年同月比] 前回…0.8% 今回予想…0.3%08:30(日) 12月 全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く) [前年同月比] 前回…0.9% 今回予想…0.8%08:30(日) 12月 全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品・エネルギー除く) [前年同月比] 前回…0.3% 今回予想…0.3%08:50(日) 前週分 対外対内証券売買契約等の状況(対外中長期債) 前回…-1兆43億円08:50(日) 前週分 対外対内証券売買契約等の状況(対内株式) 前回…-2485億円
(元ネット系証券会社社員 佐藤真奈美氏)
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