FXのスキャルピングとは?手法とメリット・デメリットを解説
- 更新日: 2019/07/24
このページの内容をざっくり紹介
- スキャルピングとは、数秒から数十秒の短い間に取引を行う投資法のこと
- スキャルピングに向いている通貨ペア「ドル/円」
- 時間帯は「15:00~1:00」
- 順張りがおすすめ
- FX初心者・集中力・瞬発力・メンタルが強い人が向いているトレードスタイル
スキャルピングとは、短い時間で取引を行うトレードスタイルのことです。利益幅は少ないですが、利益を出せる勝率が高い取引手法です。下記参考図のように一定方向に動いているチャートで、取引回数をこなしながら利益を増やしていきます。
この章では、スキャルピングについてざっくりとまとめてみましたので、「自分に合いそうだな」と感じた人はぜひ読み進めていただき、スキャルピングのイメージを掴みながらトレードを実践してみてください。
トレードスタイルについては以下の記事でもご紹介しているので、「スキャルピングの他にどんなトレードスタイルがあるの?」という方はぜひご覧ください。
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まずスキャルピングのメリットは、長短時間に反対売買(決済取引)を行うため、1万通貨あたりの利益幅と損失幅が非常に小さくなるため、損失が大きくならないという点です。その一方、利益幅も小さいので取引を高速かつ、一回当たりの注文発注数(ロット数)を大きくしなくてはいけません。したがって証拠金額を増やす、また使いやすく、自分と相性のいいチャート、FX取引システムが必要になります。またスキャルピングは瞬時の為替レートの値動きを利用して高速で超短期売買を繰り返す必要があるので、レートとチャートを常に見ておく必要があります。スキャルピングのデメリットは環境面だけです。気を付けなくてはいけない点としては、利食いは早くできるが、損切りが同じように早くできるようにする必要があります。どうしても損切りを躊躇してしまい、利食いは浅いが損切りは遅い。。。これでは取引すればするほど損失がかさみ、FXをしている意味がなくなってしまいます。このような状況にならないよう注意しましょう。ちなみに私はこれができず、自分にあっていないためスキャルピングは諦めました。
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この記事の目次
- スキャルピングとは「超短期取引」のこと
- スキャルピングと他のトレード手法の違い
- スキャルピングのメリットとデメリット
- スキャルピングの4つのメリット
- スキャルピングの5つのデメリット
- スキャルピングの具体的な手法
- スキャルピングに向いている通貨ペアは「ドル/円」
- 時間帯は「16:00-24:00」
- 基本的には「順張り」をする
- 狙う値幅は「5~10pips」
- 適切な損切りは「3~7pipsほど」
- 使うテクニカル分析は「ボリンジャーバンド」「MACD」など
- エントリーの条件「トレンドが継続するサイン」
- 短めの時間足で見るべき
- スキャルピングに向いている人の【3つの特徴】と【注意点】
- 【特徴①】FX初心者はスキャルピングに向いている
- 【特徴②】集中力と瞬発力がある方はスキャルピングに向いている
- 【特徴③】感情に流さないメンタルが強い方はスキャルピングに向いている
- 【注意!】感覚的なトレードになる人はスキャルピングに向かない
- 複利運用でもスキャルピングは使える?
- スキャルピングに向いているFX会社
- 多機能なチャートを提供している「外為どっとコム」
- 10年連続約定力No.1「マネーパートナーズ」
- スキャルピングOKを公言「ヒロセ通商」「JFX」
- まとめ
スキャルピングとは「超短期取引」のこと
スキャルピングとは、数秒から数十秒の短い間に取引を行う投資法のことです。
もともとscalpingとは「薄く頭皮を剥ぐ」という意味の言葉です。
数秒から数十秒という短い時間で売買を繰り返して市場から利益を剥ぎ取っていく様が、皮を剥ぐイメージに似ていることからこう呼ばれています。
スキャルピングと他のトレード手法の違い
FXや株は、取引の時間軸によって手法の名称が分かれています。スキャルピングについて深くフォーカスする前に一度、他にどのようなトレード方法があるのか、下記の表を参考におさらいしておきましょう。
スキャルピング | デイトレード | スイングトレード | ポジショントレード | |
---|---|---|---|---|
ポジション 保有期間 |
数秒~数分 | 数分~数時間 | 数時間~数週間 | 数週間~数ヶ月 |
狙う利益 | キャピタルゲイン (為替差) |
キャピタルゲイン (為替差) |
キャピタルゲイン (為替差) |
スワップポイント (金利差) |
狙う値幅 | 小 | 小 | 中 | 大 |
必要資金 | 小 | 小 | 中 | 大 |
投資機会 | 多 | 多 | 中 | 少 |
リスク | 小 | 小 | 中 | 大 |
取引の頻度 | 多 | 多 | 中 | 少 |
拘束時間 | 長 | 長 | 中 | 短 |
コスト | 大 | 大 | 中 | 小 |
スワップポイ ントの影響 |
小 | 小 | 中 | 大 |
主な分析方法 | テクニカル分析 | テクニカル分析 | テクニカル分析と ファンダメンタルズ分析 |
ファンダメンタルズ分析 |
チャートの 時間軸 |
1分足~5分足 | 1分足~60分足 | 60分足~日足 | 日足~週足 |
デイトレード
個人投資ブームの火付け役でもある「デイトレード」は、数十分から数時間の間に取引を繰り返して利益を得る短期トレードのひとつです。
スイングトレード
相場における中期的なトレンドを読み、数日から数週間ポジションを保持する「スイングトレード」は中期トレードです。
ポジショントレード
そして、「ポジショントレード」は数週間から数ヶ月、場合によっては数年ポジションを持つ長期投資になります。
人によって得意不得意がありますので、FXで投資を始める際は、まずいろんなトレードスタイルを実践してみて、その中から自分が一番成績を出せる取引のやり方を見つけていくことが重要です。
では次から、上記のトレードスタイルの表の中でも、最も取引の時間軸の短いスキャルピングについて詳しくご説明していきます。
スキャルピングのメリットとデメリット
短期で何度も取引を重ねて利益を上げるスキャルピングにも、メリットとデメリットがあります。
スキャルピングのメリットとデメリット | |
---|---|
メリット | デメリット |
〇 低リスク | × スプレッド費用 |
〇 短時間取引 | × スリッページの影響大 |
〇 取引経験値 | × チャート集中力強 |
〇 トレンド予想不要 | × 安定のネット環境要 |
× FX会社規約に抵触する可能性 |
自分がスキャルピングトレードに向いているかどうかは、今後のトレードの利益にも関わってくるポイントになりますので、メリットとデメリットを把握して、自分のトレードスタイルに取り入れていきましょう。
スキャルピングの4つのメリット
まずはスキャルピングの4つのメリットについて解説します。
〇メリット1:
「低リスクで取引することができる」
スキャルピングの大きなメリットの一つは、低リスクで取引できる点です。理由としては、ポジションを持ったまま宵越しをせず、短期間で手仕舞いするのが基本なため、翌日、朝起きたら大きな損失を出してしまってた、なんて失敗は基本的にありませんし、ロスカットもされにくいです。
そのためスキャルピングは、リスクの少ないトレードスタイルといえます。適切な損切りさえできれば、証拠金を大幅に減らしてしまうような状況はほぼ避けられるでしょう。
もちろんスキャルピングでも、ポジションを増やしたりレバレッジをかけることで大きな利益を取りにいくことも十分可能です、その際は、損失もその分大きくなるということは覚えておきましょう。
〇メリット2:
「短い時間で取引することができる」
1回の取引時間が短く済むのもスキャルピングの大きなメリットです。トレードに拘束される時間が短いため、仕事があって平日にまとまった時間を取りづらいサラリーマンなど、ビジネスマントレーダーに向いている手法です。
FXの市場が活気づくのは日本時間で夕方以降なので、スキャルピングなら活況時に合わせて短時間のピンポイント取引が可能です。都合に合わせて日に数時間でも、時間がなければ5分や10分の取引でも利益を得られる可能性があり、会社勤めの方に限らず、主婦の方にも人気です。
〇メリット3:
「取引の経験を早く積むことができる」
FXで儲けをだそうと思う投資家ほど、基本的な知識の他に相場での経験値が必要です。その経験値を手っ取り早く得られるのもスキャルピングのメリットです。タイミングを見計らってごく短時間に繰り返し売買を繰り返す手法のため、取引の感覚をつかむのに適したトレードスタイルといえるでしょう。
〇メリット4:
「相場のトレンドを読む必要がない」
相場のトレンドを読むことは、スキャルピング以外のトレードスタイルでは重要な技術です。
今後チャートがどちらに動いていくかを分析するのは、デイトレードやスイングトレード、ポジショントレードなど、中長期で取引する場合にはエントリーポイントを考えるために必須ですが、スキャルピングでは上記のような考え方は必ずしも必要ありません。
なぜかというと、スキャルピングは1分足をはじめとした短い時間軸のチャートの波を使って利益を重ねる手法なので、必ずしもトレンドを見極める必要がないのです。
必ずしもトレンドを見極める必要がなく、ほかのトレードスタイルに比べると始めたばかりでFX暦が浅い人にも取っつきやすく、かつ利益を上げられる可能性が高いこともスキャルピングの大きなメリットです。
まとめ「スキャルピングのメリット」
- 低リスクで取引することができる
- 短い時間で取引することができる
- 取引の経験を早く積むことができる
- 相場のトレンドを読む必要がない
スキャルピングの5つのデメリット
続いてスキャルピングの5つのデメリットについて解説します。
×デメリット1:
スプレッドを何度も支払う必要がある
FXでスキャルピングをする際に、必ずネックになるのがスプレッド(取引コスト)です。
国内のFX会社で口座開設しているのであれば、各社の企業努力によって主要通貨ではかなり狭いスプレッドが設定されています。そのためスプレッドは、1回当たりはそれほど高いものではありません。
しかし、1回1回が少額であっても、トレード回数が増えれば増えるほど、FX業者にスプレッドを支払う回数は増えます。短期で何回も取引すればするほど、スプレッドの支払いがかさむため、スキャルピングはもっとも高コストなトレードスタイルになります。
×デメリット2:
目に見えないコスト「スリッページ」
FXの注文では、必ずしも指値通りの価格で約定するわけではありません。この指値と実際の買値の差をスリッページと呼びます。スリッページは「すべる」「スリップ」などと表現されることもあります。スプレッドと同様に、スリッページも注文のたびに発生します。
スキャルピングでは、数pipsのスリッページが利益を帳消しにしてしまうので注意が必要です。これもスキャルピングに隠されたデメリットのひとつです。しかし、約定力の高いFX会社を利用することで、スリッページによる損失を最小化することが可能です。
スリッページについては、以下の記事でより詳しく説明していますので、参考にしてみて下さい。
×デメリット3:
チャートをずっと見ていなければいけない
スキャルピングで利益を出すにはポジションを持つタイミングが最重要です。1分足もしくは5分足などを使って、短い波の相場が反転するタイミングを見計らって素早く注文します。
もちろん適当に注文をしても利益を得られるわけではありませんので、ここぞというタイミングに注文をしなければなりません。それまで集中して相場を注視する必要があります。実際にやってみると分かりますが、かなり集中力を使うので、毎日だと短時間の取引でも非常に疲れがたまりやすいです。
×デメリット4:
不安定なインターネット環境には不向き
スキャルピングをする上で知っておきたいのがインターネット環境の問題です。スキャルピングでは1秒のロスが損失を生んでしまうため、安定したインターネット環境で注文を瞬時に約定させる必要があります。
じっくり腰をすえてスキャルピングをする場合は、安定したインターネット環境下で取引をしましょう。ただ、日本では回線環境は基本的に整備されていますので、それほど気にならないかもしれません。
×デメリット5:
FX会社の規約に抵触する可能性がある
物々しい見出しですが、手動によるスキャルピングでは、あまり心配する必要はありません。しかし、超短期売買にFX会社が監視の目を光らせているのも事実です。
ペナルティの対象となるのは、主に高性能パソコンと自動売買ソフトを使った、フラッシュトレードと呼ばれるタイプのツールによる高速売買です。
これは1秒に数千回の取引を行う超短期より短期の、瞬間の取引です。そのためチャートの動きをじっくり確認して手動で注文、決済を行う一般的な投資家は該当しません。
ただスキャルピングで口座を凍結されたという噂がネット上で出回っているので、頭の片隅には置いておきましょう。
▹FX業者によってスキャルピングが禁止されている理由とは?
FX会社によっては、取引ルールに「短期的に売買をすることを禁止する」という記載がある場合があります。これは間接的にスキャルピングを禁止していることになります。その理由としては、「スキャルピングはFX業者のサーバーに大きな負荷を与える」という理由や「相対取引を行う業者にとって、短期的な売買を行われるとFX会社にとって不利益になるから」という理由が挙げられます。
しかし、いずれも実際にFX業者側が表明したものではなく、あくまでも予想的な理由となっています。実際にスキャルピングを行って口座を凍結されてしまったトレーダーの方もいらっしゃるみたいです。しかし、詳しく調べてみたところ「数千万の資金という大きな金額で一日に数百回以上トレードをしたところ、口座を凍結されてしまった」というケースが多いみたいです。
そのため、「数百万円単位の資金で一日数十回程度のスキャルピングを行う」のでなければ、口座凍結の心配をする必要はなさそうです。
どうしても「スキャルピングをすることによって口座を凍結されないか不安だ」と思うのであれば、口座開設前に一度FX業者のトレードルールを確認することをおススメします。
まとめ「スキャルピングのデメリット」
- スプレッドを何度も支払う必要がある
- 目に見えないコスト「スリッページ」
- チャートをずっと見ていなければいけない
- 不安定なインターネット環境には不向き
- FX会社の規約に抵触する可能性がある
スキャルピングの具体的な手法
この章では、いよいよ買い目線と売り目線から具体的にスキャルピングを解説していきます。また、スキャルピングで一番重要になってくる、ポジションを持つタイミングについても説明しています。
まとめ 「スキャルピングの手法」
▸通貨ペアは「ドル/円」▸時間帯は「15:00-1:00」
▸基本的には「順張り」をする
▸狙う値幅は「5~10pips」
▸適切な損切りは「3~7pipsほど」
▸使うテクニカル分析は「ボリンジャーバンド」「MACD」など
▸エントリーの条件「トレンドが継続するサイン」
▸チャートは「短めの時間足」
スキャルピングに向いている通貨ペアは「ドル/円」
スキャルピングに向いている通貨ペアの条件は、スプレッドが狭いことです。それを満たしているのがドル/円です。
近年はユーロ/円のスプレッドもFX会社によっては狭くなっているので比較的スキャルピングが有効です。しかも、ユーロ/円は狭いレンジを乱高下する性質をがあるため、波の幅がドル/円よりも大きい傾向があります。そのため条件次第では、ユーロ/円はドル/円以上のスキャルピング向き通貨ペアといえます。
英ポンド/円はスプレッドがやや大きいですが、短時間で動く値幅はユーロ/円以上なので、状況によっては短時間でより大きく利益を取れます。しかしボラティリティが高い通貨で、その分リスクも大きいので注意しましょう。
スキャルピングのおすすめ通貨ペアベスト3
1,米ドル/円
2,ユーロ/円
3,ポンド/円
ドル円については以下の記事で詳しく説明しています。
時間帯は「16:00-24:00」
スキャルピングに向いている時間帯の条件は、
- 市場の流動性が高い
- スプレッドが狭い、という2点です。
ですので、スキャルピングに向いている時間帯は、欧州各国の市場が開く16時からロンドン市場が閉まる24時までです。特にニューヨーク市場がオープンする21時以降は特にスキャルピングに向いています。
逆に、日本時間の早朝は流動性が低くスプレッドが大きくなる傾向があります。日中は、相場が安定期を迎え、各国要人の発言など特別な材料がない限りは、特定のレンジ内を上下することが多いです。
ニューヨーク時間でもっとも相場が荒れやすくなる時間帯は21時~22時までと、NYオプションカットの締切り時間である0時です。
FXの取引時間帯については以下の記事で詳しく紹介しています。
基本的には「順張り」をする
スキャルピングは順張りで取引をするのが基本です。順張りはトレンドと同じ方向に買い、もしくは売りで取引する方法で、スキャルピングのような超短期トレードに向いています。
プロの個人投資家も多く利用する方法で、FX初心者の方は特にFXを始めたばかりのころは、順張りトレードを重ねて相場の感覚を掴んでいくのがおすすめです。
そして、スキャルピング以外の手法で順張りをする際に難しいのが、押し目と呼ばれる相場の一時的な反転ポイントを読む必要がある点です。
スキャルピングであれば、基本的に押し目を迎える前に決済してしまうため、上昇トレンドでも下降トレンドでも、押し目買いが難しいという人でも順張りで素直なトレードが可能です。
しかし、相場がレンジ状態の場合は逆張りの方が有利となります。
順張りや押し目については、以下の記事で詳しく紹介しています。
狙う値幅は「5~10pips」
スキャルピングをする上で狙うべき値幅は「5~10pips」程度です。買いの優劣やスプレッドなどを加味した上で、多少変動することもあります。
スキャルピングでは相場全体のトレンドはあまり関係なく、今この瞬間どちらに相場が動くかを重視します。
順張りで素直に買う、または売って、値動きを見極めながら短期的な押し目を迎え、利幅をとっていきましょう。
適切な損切りは「3~7pipsほど」
前述した通り、スキャルピングでは5~10pipsの利益を狙います。この場合、「損小利大」を考えると、スキャルピングで適切な損切り範囲は3~7pipsほどだと言えます。
順張りトレードでエントリーをして、逆方向に値が進んだらすぐに損切りをすると言うのがスキャルピングの基本的な損切り方法になります。
OCO注文やIFD注文を用いて、できるだけ許容損失pips分の逆指値決済注文をエントリー時に発注することをおススメします。
▹スキャルピングは資金管理が重要
スキャルピングは短期的にエントリーと決済を繰り返すトレード手法です。しかし、エントリータイミングを見誤ってしまい損失が膨らんでしまい、「いつか反転するだろう」と期待して損失を放置してしまうという投資家の方も少なくありません。
また、「今回は絶対に勝てる」と思い込み、根拠なしにいつもより通貨数を多く設定してエントリーしてしまう方もいらっしゃいます。このような事をしてしまうと、たいてい負けてしまい、最悪の場合大きな損失を抱えトレードができない状態になってしまいます。
「損失がどのくらい膨らんだら損切りをする」「通貨数に上限を設ける」など、自分のトレードルールを定めてきちんと守ることが、スキャルピングでは最も重要です。そして、損失の許容範囲や通貨数の上限の算出には「資金管理」が欠かせません。
今自分がいくらの資金を持っているのか資金管理を常に行い、どのくらいならリスクを許容できるのかを常に考え、トレード時には「準備は万全!」という精神状態でエントリーができるよう、資金管理をするようにしましょう。
使うテクニカル分析は「ボリンジャーバンド」「MACD」など
スキャルピングトレードでは、基本的にテクニカル分析を使うのが特徴です。おすすめのインジケーターは、ボリンジャーバンドやMACDといったテクニカル指標です。このような売買の手助けとなるグラフを利用しエントリーのタイミングや利確、損切りのタイミングを図っていくことになります。
ボリンジャーバンドとMACDは以下の記事で詳細に解説しています。
また、上記以外にもテクニカル指標はたくさんありますので、色々と試してみて、自分に合ったものを見つけていくことが大切です。
エントリーの条件「トレンドが継続するサイン」
スキャルピングは、「順張りトレード」を基本的な投資戦略としています。そのため、基本的には「トレンドが継続するサイン」がテクニカル分析・オシレーター系指標で出現したときが、スキャルピングに向いているエントリーの条件だと言えます。
例えば、上昇トレンドで移動平均線が上向きに傾いていたり、上昇トレンドで直近の高値をブレイクしたタイミングなどが、スキャルピングのエントリーチャンスだと言えるでしょう。
短めの時間足で見るべき
スキャルピングでは、デイトレードやスイングトレードと比べると短めの時間足を見るべきです。基本的には1分足や5分足を見るのですが、場合によっては秒足~15分足。長くて30分足をチェックします。
ただし、短い時間足だけだと長い時間足と比べて「ダマシ」が出現する可能性が高くなりますので注意しましょう。
チャート分析などを行う際は30分足や15分足を、エントリーする際は1分足や5分足などの短めな時間足を見るという風に区別することをおススメします。
スキャルピングに向いている人の【3つの特徴】と【注意点】
1日の間に何回もトレードを重ねて利益を積み上げていくスキャルピング。初心者の方から見ても、いかにもFXトレーダーといったイメージも強い取引手法ですが、スキャルピングにも向き不向きがあります。
スキャルピングに向いている人もいれば、向いていない人もいますし、またその人の性格だけでなく、取引したい通貨ペアや、取引できる時間帯などによっても、スキャルピングトレードを選択するべきかどうかが変わってくる場合もあります。この章ではどんな条件がスキャルピングに向いているのかを詳しくご紹介します。
メリットとデメリットだけでは、スキャルピングが自身に向いているかどうか判断できない方もいるはずです。そのため、スキャルピングに向いている性格について著者の見解を述べていきます。
〇FX初心者はスキャルピングに向いている
〇集中力と瞬発力がある方はスキャルピングに向いている
〇感情に流さないメンタルが強い方はスキャルピングに向いている
×【注意!】感覚的なトレードになる人はスキャルピングに向かない
【特徴①】FX初心者はスキャルピングに向いている
スキャルピングには、ポジションを持つタイミングを図る以外に特別な技術やコツは必要ありません。そのため初心者でも利益を得られる可能性が比較的高い手法です。もちろんスキャルピング一色に染まる必要はありませんし、中長期のトレードスタイルにもそれぞれメリットはあります。
ただ、簡単さ、取っつきやすさという点においては、サクサク取引できるスキャルピングは、FX初心者の方にとっては、トレード感覚が身について楽しいものになるはずです。
【特徴②】集中力と瞬発力がある方はスキャルピングに向いている
スキャルピングは、パソコンやスマートフォンなどの画面をずっと見つめて、買い、売りのタイミングがくるまでじっと待ち続ける必要があります。そのためかなりの集中力が必要で、また売買チャンスがきたときに、すぐに行動できる瞬発力も必要です。
【特徴③】感情に流さないメンタルが強い方はスキャルピングに向いている
スキャルピングでコンスタントに利益をあげるためには、集中力と瞬発力はもちろん、感情に流されない強いメンタルも必要です。チャートの上下に感情に流されて、判断に迷いが生じると、好機を逃してしまいます。
利食いでも損切りでも、全て機械的にこなす冷徹な運用を求められるのがスキャルピングトレードです。
自分の予想と違う方向にチャートが動いて、大きな損失が出てしまうタイミングであっても、資産を守り、それ以上損失を増やさないために、感情を入れずに時には損切りルールに基づいて機械的に損切りできなければなりません。
【注意!】感覚的なトレードになる人はスキャルピングに向かない
スキャルピングはあまり多くの知識を必要とせず、小さなコストで行えることから、FX初心者の方ほど感覚的にトレードしてしまいがちです。感覚的なトレードで一時的に勝つことができても、そのままでは長い目で見て勝ち続けるのは困難です。
スキャルピングは初心者の方でも取っつきやすいトレード手法のひとつではありますが、スキャルピングを行う場合も、自分なりの分析や考え方に基づいてトレードを行い、損失が出るタイミングでは自身が設定したルールに応じてしっかり損切りができるようにトレードセンスを養い、取引内容を吟味しながらスキルアップしていくことがFX上達への近道となります。
複利運用でもスキャルピングは使える?
FXなどの投資は、「複利運用」を行うことにより、より大きな資産を築き上げることができるようになります。
「複利運用」とは、文字通り複利という原理を用いて資産を運用する方法で、簡単に言えば「元手(元々ある資金)に、稼いだ利益を追加して資産を運用していく」という投資の考え方です。
複利運用をすることにより、例えば資産100万円で投資を始めたとしても、利益を50万円上げることができれば、その50万円を資産に追加して「150万円での資産の運用」が可能となります。投資資金が増えることにより、FXであればより多くの通貨数での取引が可能となります。
スキャルピングを行う場合も、もちろん複利運用を用いて投資をすることは可能です。短期間の少ない為替の値動きで利益を築き上げていくスタイルのスキャルピングは、投資資金が少ないと1度のトレードでの利益が小さくなってしまいます。よって、複利運用を用いて徐々に利益額を大きくしていくという方法は有効であると言えます。
ただし、通貨数が大きくなれば利益だけではなく、損失額も大きくなる可能性があります。そのため、リスクを許容する精神面と、いざとなれば損切りをする投資テクニックが無ければ、複利運用を用いてのスキャルピングはおススメできません。
スキャルピングに向いているFX会社
スキャルピングトレードに向いているFX会社の条件は、チャート機能が充実している、約定力が高い、スプレッドが狭いという3点になります。ドル/円などの人気通貨では多くのFX会社でのスプレッド(原則固定)を採用しているため、「チャート機能」と「約定力」が特に重要です。
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まとめ
スキャルピングは、FX初心者から上級者まで多くの方に支持されているトレードスタイルです。低リスクで取引でき、多くの知識を必要とせずにトレード感覚を養えることから初心者トレーダーの方にもおすすめの手法です。
投資経験の浅い方でも始めやすい手法なので、スキャルピングに向いている条件にあっている方は、自身のトレードスタイルに取り入れていきましょう。
- 監修者紹介/FX専門家 五十嵐勝久
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中央大学経済学部卒。アルゴ株式会社代表取締役。銀行や証券、FX会社に勤務し、営業、企画、マーケティング部に所属。40歳で会社を辞めて起業。現在はFXや証券会社などのプロモーション業務、システム開発を行う一方、システムトレーダーとしても活躍。
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