FXサヤ取りの手法を詳細解説/知っておくべきデメリットと注意点

  • 更新日: 2019/08/01

類似の値動きを見せる金融商品に対し「買い」と「売り」の2つのポジションを同時に保有してトレードを行う、サヤ取り、と言われるトレード手法が存在します。

商品相場で考案され、現在は株式の取引で活用されることが多いサヤ取りは、FXでも活用することができます。ただしFXでサヤ取りを行う場合は、為替市場独特の特徴を踏まえる必要があります。

FXのサヤ取りについて、その特徴及び注意すべき点等について解説いたします。

サヤ取りとは

サヤ取りのイメージ図

サヤ取りとは、金融商品において「買い」と「売り」のポジションを同時に保有し、その2つの商品の価格差(サヤ)の伸び・縮みから利益を狙う投資手法となります。サヤが拡大する際、サヤが縮小する際の2つの利益獲得パターンが存在しています。

価格推移の連動性が高い=相関性が高い2つの商品にて、「買い」と「売り」のポジションを取ることで、相場自体が一方向に進んだ場合でも両者の損益が相殺されるため、金融市場全体の価格変動リスクを抑えながら、比較的高い勝率での運用が可能となります。

主に株式市場や商品市場で活用される投資手法となり、かつては商品市場において高い人気を誇る投資手法となっていました。

非常に多くの銘柄が存在する株式市場においては、同じ業界に属している類似銘柄が存在し、相関する値動きを見せることが多いため、サヤ取りの機会が多く存在しています。

しかしながら為替市場においても、株式市場同様に取引対象を通貨とすることでサヤ取りが可能です。

サヤはレンジを上下する

サヤ=価格差については、一定の水準を超えて一方向に進み続けることが、金融商品のトレンドと異なりあまり発生しません。

通常のトレードである片張りトレードの場合、相場が上に行くのか・下に行くのか、またその期間についても予測はできません。一方でサヤは一定のレンジを、一定の期間で規則的に上下することが多いと言えます。

このサヤの性質を利用する事で、勝率の高い取引を実現することができます。

勝率は高いが損切りは必要不可欠

相関する値動きを見せる商品を組み合わせ「買い」と「売り」の2つのポジションを立てる“両建て”のサヤ取りは、通常のトレードに比べると相関する値動きをベースに取引を行うため高い勝率を誇ります。

厳密に相関係数を算出して、過去のデータを分析することで過去のサヤ取りの勝率も計算することができるため、数学的なデータに基づいて取引が可能となります。

しかしながら勝率が高いとは言っても、勝率100%と言う訳ではありません。サヤ取りにおいても負けは発生します。この負けの発生時に、素直に負けを負けと認め、損切ができないと、サヤ取りといえども、最終的な資産増加を果たすことはできません。

勝率にこだわるあまり、損切が出来ず最終的には資産を減らしてしまう、というのがサヤ取りが失敗する典型的なパターンとなります。損切は全てのトレード手法を実践する際に必要不可欠な行為ですが、サヤ取りにおいても例外ではありません。

サヤ取りは相関係数や過去データからの勝率等、数字に基づいた取引が可能であるため、損切りについても過去データに基づき最適化された損切幅を設定することができます。よって他のトレード手法に比べると、損切しやすいとの特徴もあります。

しかしながら損切が出来ずにサヤ取りを実施しても、1回の失敗で最終的には資産の増加どころか資産を減らす結果に繋がるため、勝率が高いサヤ取りといえども、事前に設定した損切は必ず実行する必要があります。

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FXでサヤ取りを行うには

FXでサヤ取りを行う際、取引方法自体は株式他のサヤ取りと特に変わる部分はありません。FXでサヤ取りを行う場合のプロセスは概ね下記となります。

  1. 相関する通貨を見つける
  2. 相関する銘柄を見つけた後、サヤの開閉を調査し、サヤの開くor閉じる方向に「買い」と「売り」ポジションを持つ
  3. 事前に設定したサヤ水準となれば利益確定もしくは損切を実行する

株式は千以上の銘柄が存在しており、相関する値動きをする銘柄の抽出に専用のツールを利用する等の必要があります。しかしながらFXの場合は取引対象となる通貨は、ドル、ユーロ、円、ポンド、豪ドル、NZドル、スイスフラン、カナダドルの主要8通貨となるため、対象を絞りやすいとの利点があります。

またFXでのサヤ取りには、MT4で有料及び無料のツールもインターネットを検索することで見つけることができます。まずは無料のツールにて、FXでサヤ取りが可能か試し運用することも可能です。

ツールとの観点では、MT4で様々なツールの利用が可能なFXのサヤ取りは、株式のサヤ取りに比べると実行のハードルが低いとも言えます。

しかしながらFXのサヤ取りには、株式のサヤ取りとは異なる独特の特徴がある、との認識が必要不可欠となります。

FXのサヤ取りの注意点

1. ファンダメンタル要因で相関係数が頻繁に変わる

平日の経済発表の流れを説明した図

平日は各国で何かしらの経済指標の発表が行われています。毎月第一金曜日に発表されるアメリカの雇用統計がファンダメンタルの発表としては最も知られていますが、午前中は日本及びオーストラリア・ニュージランドの指標発表があります。

また日本時間の夕方以降のロンドン時間にはヨーロッパ各国の経済指標の発表があり、日本時間の夜にはアメリカやカナダの経済指標の発表ががあります。

為替市場は、経済指標の発表を契機に大きな値動きを見せるケースがしばしばあります。そしてその値動きは、これまでの値動きの延長のケースもあれば、これまでのトレンドとは逆に動くケースもあります。

経済指標の発表を契機に、それまでの相関関係が崩れるケースが為替市場では頻繁に発生します。この指標発表による相関関係の崩れが頻発することを理由に、FXでのサヤ取りは合わない、との意見も存在しています。

実際に株式でのサヤ取りの場合は、ファンダメンタル要因での相関係数が崩れるのは、決算発表及び突発的な決算の上方修正・下方修正のケースが殆どです。後者を避けることはできませんが、前者は日程の確認で避けることができます。

よって突発的に相関関係が崩れるケースは少ないと言えます。この安定性がサヤ取りのベースとなりますが、FXでは相関関係が指標発表で頻繁に上下する可能性があるため、株と比べ安定性に欠けると言えます。

その認識を持った上でFXのサヤ取りを行う必要があります。

2. 基軸通貨を揃える必要性

FXトレードとは、通貨ペアを取引するものです。よって例えば円やドルと言われる通貨単体を取引する訳ではなく、ドル/円という2種類の通貨を取引することになります。

通貨ペアの表記においては、左側の通貨が取引通貨、右側の通貨が軸通貨となります。ドル/円との表記は、円から見たドルの価値、との意味となります。

FXトレードにおける基本的な視点ともなりますが、本視点抜きにFXにおけるサヤ取りを語ることはできません。FXでサヤ取りを行う場合は、右側の軸通貨を揃える必要があります。

例えば円を軸通貨として考える場合は下記通貨ペアから、相関する通貨ペアを2種類選び出す必要があります。

  • ドル/円
  • ユーロ/円
  • 豪ドル/円
  • NZドル/円
  • ポンド/円
  • カナダドル/円
  • スイスフラン/円

クロス円通貨の場合、円が右側に来るため、サヤ取りを考える際に非常に分かりやすい通貨ペアとなります。

しかしながらドルストレートの場合は、ユーロ/ドル、豪ドル/ドルは問題ありませんが、ドル/カナダドルと通常は表現されます。

この場合は、ドル/カナダドルはドルを右側に置き換えるように計算し直して、他通貨ペアとの相関関係を調べる必要があります。

多くの通貨で左右を逆にして計算し直す必要が生じる通貨ペアが存在しています。よってFXでのサヤ取りを行う場合は、株式でのサヤ取りとは異なる作業が生じることになります。

上記のように基点通貨を揃えること無しに、FXでのサヤ取りは行うことはできません。

指数や商品とのサヤ取りという選択肢も存在

本来為替は決済手段として利用される通貨であり、モノとしての位置付けはなされていません。よって通貨ペアと言う存在自体が絶対的なものではありません。よってその面からもFXのサヤ取りのハードルが高いとの側面があります。

ただし為替市場は株式市場を始め、様々な金融市場の値動きの影響を受けています。よって株式市場=株式指数、原油、金等の商品とのサヤ取りという選択肢も存在しています。

豪ドル、NZドル、カナダドルは資源国通貨と言われることもあるように、各種商品の価格に大きな影響を受けています。

よって各通貨に大きな影響を与えている商品とのサヤの開閉を調べることで、為替と商品間でのサヤ取りを行うことも可能になります。

ただしサヤ取りの対象としては、各国の株価指数を始め商品としてもWTI、Brentと言った原油価格、金価格、銀価格、鉄鉱石価格、石炭価格等非常に多くの比較対象が存在しています。

通貨にせよ株価指数・商品にせよ、現在の通貨と相関しているのは何か、という視点は常に必要となります。

指数や商品とのサヤ取りでも軸通貨の考えは必要不可欠

為替と指数や商品とのサヤ取りの場合においても、軸通貨の考え方は必要不可欠となります。

例えば原油価格と連動しやすいと言われているカナダドルの場合においても、相関関係を調べる際は、「ドル/カナダドル → カナダドル/ドルとWTI(WTI:West Texas Intermediateはドル建て)」の比較を行う必要があります。

上記のように指数や商品とのサヤ取りの際も、軸通貨を揃える手間は必要不可欠となります。

ただし軸通貨を揃えることができれば、FXのサヤ取りの世界に、株価指数や商品も加えることができるため、サヤ取りの対象及び期待値の高いサヤ取りを行える可能性を高めることができ、サヤ取りの世界を大きく広げることができます。

サヤ取りのデメリット

両建てとなるので利益率が低くなる

サヤ取りでは「買い」と「売り」の両者のポジションを取ることになります。よって通常のトレード(片張りトレード)の2倍の資金が必要となります。

またサヤの伸び縮みを狙うトレードとなるため、トレンドフォローのようにトレンドが継続する限り利益が伸びて行く、と言う大きな利益が期待できるトレード手法でもありません。

サヤ取りは勝率高く、小さな利益を積み上げるトレード手法となります。よってコンスタントにコツコツ利益が積みあがるイメージになり、取引に派手さはありません。また数字に基づくトレードともなるため、退屈なトレードとなります。

また勝率が高いとは言え、当然相場なので負けるケースも発生し損切りに慣れていないと、1回の負けで過去に積み上げた利益が飛んでしまう可能性もあります。

サヤ取りは面白みのないトレード手法と評されることもありますが、サヤ取りの数字に基づくことができるトレードや勝率の高さは他の手法にはない魅力です。

ヘッジファンドの利用するアービトラージもサヤ取りであるため、サヤ取りは現在の金融市場においても立派に通用するトレード手法と言う事ができます。

シミュレーションにより自信を持っての取引が可能

サヤ取りは過去からのサヤの伸び縮みを調べて、それに合わせて取引のシミュレーションが可能です。よって見つけたペアでのサヤ取りが本当に有効性かあるのかどうか、その検証が実売買の前に可能です。

エクセル等で相関係数やサヤの履歴を調べた上で、有効性を確認し取引を行うことで、例え損切となっても、自信を持った取引ができます

過去と同じような値動きを見せるサヤの開閉に基づくトレードとなるため、サヤ取りでは通常の取引手法に比べシミュレーションが実際の取引結果に繋がりやすいとの特徴も有しています。

まとめ

サヤ取りは主に株式市場で利用されているトレード手法となります。しかしながらFX及び指数や商品を絡めた形で取引をされているケースもあります

「買い」か「売り」かのどちらからのポジションしか保有しない通常のトレードから見ると異質なトレード手法となるサヤ取りですが、勝率の高さと数字に基づくトレードが可能です。

またヘッジファンドが得意とするアービトラージはサヤ取りであり、今も十分通用するトレード手法と言えます。

もしご興味あれば、相関するような値動きを見せる通貨ペアを並べて見るところから始めてはいかがでしょうか? 新しいトレードアイディアが浮かんでくるかもしれませんよ。

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