FXは儲かるのか?損をしないための思考法とトレーダーの勝率

  • 更新日: 2017/09/06
木製のデスクに置かれた100ドル札の束
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FXっておもしろそうだけど、実際のところ本当に儲けられるのか気になったことはありませんか? ちょっと調べてみると、「絶対に儲からないようにできている」なんて言っている人もいれば、「実は絶対に儲かる方法があるんですよ」なんて言っている人もいます。これではさっぱりわからないので、なかなか手を出しづらいかもしれません。

  • 「FXで儲けられるなら挑戦してみたい。」
  • 「やってみたいけど、大損しそうでちょっと怖いよね……。」
  • 「FXで儲けた話を聞くと、正直うらやましい。」

こういうふうに、FXに興味があるのに始められていないのは、FXについての知識が足りていないからです。どんなリスクがあって、どんなリターンがあるのか。それを知ることができないと、自分がFXができるかどうかは判断できません。今回はそういった判断ができるようになるための、FXに関する正しい見方についてお伝えしていきます。

FXは儲かるのか

まずはじめに、FXで儲かるかどうかについて考察をしていきます。

儲かる人も儲からない人もいる

ごく当たり前のことですが、FXは投資なので儲かる人もいれば儲からない人もいます。FXは通貨を買ったり売ったりしますが、そのトレードには相手が存在しています。ということは、もし自分が儲かったとしたら、その相手のほうが損をしているということなのです。

FXはゼロサムゲームとも言われますが、参加しているトレーダーの損益の合計値はゼロになります。すべてのトレーダーが儲かるわけがなく、必ず負ける人が存在しています。逆に言えば、負ける人がいるから、儲かる人が存在できるということでもあります。

もちろん経験や知識によって、儲かる側に入る可能性を高めることはできます。ただし、相手がいる以上、絶対なんてない、ということは理解しておきましょう。損をしてしまうリスクがあることを認識したうえで、FXには取り組む必要があります。

短期的な利益を得られる確率は高い

では、少し単純に、1回のトレードで勝てるかどうかを考えてみましょう。FXでは通貨が上がるか下がるかを予測してトレードを行います。上か下かだけなので、大まかに言ってしまうと、1回のトレードで勝てるかどうかは半分半分ということになります。

例えば、利食い金額・損切り金額が同じになるように指値・逆指値を設定して、サイコロを転がして偶数ならロング、奇数ならショートでエントリーしてみるとします。これで勝てる確率というのは、スプレッドの影響を除けば50%です。

こんなやり方でも50%勝てるわけですが、実際には自分が「上がりそう」、「下がりそう」と思う、有利なタイミングでトレードができます。なので、FXでは1回のトレードで勝てる可能性はけっこう高かったりします。つまり、短期的に考えた場合、FXで利益が出せる確率は決して低くはないのです。

継続して利益を得るのは難しい

こう考えると、FXで儲けるのは簡単なように感じるかもしれません。実際のところ、初心者トレーダーがいきなり利益を出すというのは、なんらめずらしいことではありません。本当に難しいのは、これを継続していくことなんです。

先ほどの例では1回勝つ確率は50%でしたが、これを継続して続けていくとなるとどうでしょうか? 2回続けて勝つ確率は25%、3回勝つ確率はさらにその半分、どんどん少なくなっていきます。つまり、短期的に利益を出せたとしても、FXを続けているといずれは負けが来てしまうということです。

ついつい1回のトレードで勝てたかどうかに目が行きがちですが、これはあまり意味がありません。FXを考えるうえでは、もっと長期的に考える必要があります。大事なのは継続的に利益が出せるかどうかで、これがとても難しいんだということを、ぜひ知っておきましょう。

FXで儲けるには

前章では、FXの勝敗を長期的に見ることの大切さについて、解説しました。次に、長期的にFXで儲けるために必要な思考法について、見ていきたいと思います。

FXに必勝法はない

FXで儲けるために絶対に踏まえておくべきなのは、FXに必勝法はないということです。そもそも為替相場はいろいろな要素が複雑に絡み合った結果として動いており、それを完全に予測することはできません。複雑で不確定な要素が多いため、必勝法も存在しえないのです。

この前提に立って、負けることも受け入れてFXに臨んでいかなければ、なかなか儲けられるようにはなりません。FXは勝ち続けることが大事なのではなく、勝ったり負けたりを繰り返しながら、負けた分よりもいかに大きく勝つか、というものです。勝率を100%にするための努力は無駄ですし、そもそもそんなことは誰にもできません。

負けることを受け入れる。言葉にするのは簡単なのですが、本当に心の底からこれを実践するのは非常に難しいことです。あなたはトレードで含み損を抱えてしまった時に、どんな状況でも躊躇なく損切りをできますか? 一般的には、これがなかなかできないと言われています。

投資家を惑わすプロスペクト理論

ここで、プロスペクト理論という人の意思決定に関するモデルについて紹介します。次の2つの質問について、自分ならどう答えるかを少し考えてみてください。

(質問1)次の2つが選べるとしたら、あなたはどちらを選びますか?
A:100万円を無条件でもらえる。
B:コインを投げて表だったら200万円もらえ、裏だったら何ももらえない。

(質問2)あなたが200万円の借金を抱えていた場合、同様の2つのうち、あなたはどちらを選びますか?
A:100万円を無条件でもらえる。
B:コインを投げて表だったら200万円もらえ、裏だったら何ももらえない。

プロスペクト理論の実験では、(質問1)ではAと答えた人がほとんどだったのに対し、(質問2)では数多くの人がBと答えるという結果になりました。答えを考えてくださった人も、おそらく同様の答えをした人が多かったんじゃないかと思います。

(質問2)でBを選ぶというのは、借金を100万円に抑えられるにもかかわらず、リスクを負ってもチャラにしようするということです。通常の感覚で人が意思決定をすると、こういう選択肢を選んでしまいがちなんです。FXに置き換えれば、100万円の含み損を損切りできずに、含み損がなくなるまで粘ってしまう人が多い、というふうに言えます。

損切りすべき局面ということは、取り返しがつかないことになる可能性があるということです。そんな時であっても、負けを認めて損失を確定させることができないのが、通常起こりやすい人の感覚なんです。この感覚が原因で損失を膨らませ、退場を余儀なくされた投資家は数知れないでしょう。

損小利大を実現する

FXで儲けていくためには、勝つ時には利益を増やし、負ける時には損失を減らしていく必要があります。つまり、損小利大のトレードです。必勝法がない以上、損失は避けられません。であれば、損失を小さくして、利益を大きくするしかないんです。

この点、プロスペクト理論によると、この逆のことが示唆されていましたね。エントリー時には「ここまで伸ばそう」と思っていたのに、そのはるか手前で利食ってしまう。エントリー時には「こうなったら切ろう」と思っていたのに、悪い状況の中、切れずに引っ張ってしまう。こうすることが、人にとっては心理的に楽なのです。

しかし、FXで儲けるためには、心理的に楽なほうを選んではいけません。利食える時に我慢して伸ばして、損切りしたくないけど損切りする。これを常に実践し続けるためには、メンタル面においてかなりの強さが要求されることになります。

FXで儲かっている人の割合

前章では、FXで儲けるために必要な思考法について解説してきました。次に、実際にFXをやっている人が置かれている状況について、外為どっとコムが2017年7月に行った調査に基づいて考察していきます。

※外為短期投資家動向調査
http://www.gaitamesk.com/research/pdf/170731_sk_enq.pdf

FXで儲かる確率は40%

この調査によると、2017年1月~6月において、資産が増えた人と減った人、変わらなかった人の割合は、以下のようになっています。

2017年前半の損益円グラフ

この半年間で利益が出たという人は39.9%、一方で損失が出たという人は41.7%ということです。やや損失を出した人が多いですが、ほぼ半分半分という結果です。最初に、FXにおいて短期的に勝てる可能性は高いということを説明しましたが、それがよく表れている結果なのではないでしょうか。

ただ、FXで儲かるかを考えるうえで大事なのは、この半年間だけでなく、その後もずっと勝ち続けることです。この約40%の勝った人たちのうち、その次の半年間、来年、再来年と、ずっと勝ち続けられる人がどのくらいいるのでしょうか?

ちなみに、勝っているうちにFXをやめるというのは、なかなかできることではありません。儲かった人は、また儲けようとなるものです。ただ、いずれは負けが訪れます。その時に上手に負けられるかどうか、致命傷を負わないで生き残れるかが、FXをやるうえでの重要ポイントになってきます。

もっとも構成比が高いのは「変化なし」

もう少し細かく、資産の増減割合による構成比をみてみましょう。

2017年前半の損益棒グラフ

このグラフでもっとも構成比が多いのは、真ん中にある資産に変化がなかったという人で、全体の20%近くという数字になっています。そして、ここが頂点となっていて、利益率、損失率が拡大するにつれて、構成比は少なくなっています。

このように山の形を作るのは自然なことですが、実際にはきれいな山にはなっていません。よく見てみると、30%以上の損失を出した人の割合は10%超と、山の裾だけ跳ね上がった形になっています。一方で、30%以上の利益を出している人の割合はたったの3%程度です。

つまり、大きな損失を出してしまった人は多いけれども、大きな利益を出せた人は少ないということです。これはプロスペクト理論の罠が現実にも起こっていることを、明確に示していると言えるでしょう。

FXは何も考えずにやれば儲からない

ちなみに、この30%以上の損失を出した人が、資産を元に戻せる確率はかなり低いと推測できます。仮に次の半年間もこのグラフのような構成比になるとすると、30%以上の利益を出して損失を大きく取り返せる可能性は、たったの3%程度です。

さらに、そもそもですが、資産が大きく減ってしまっているので、損失と同じ額だけの利益を出すためには、今回の損失率を大きく上回る利益率を叩き出す必要があります。これはかなり苦しい条件でしょう。

この調査結果からは、半年間という期間の中では半数近くの人が利益を出せるということが読み取れました。しかし、それと同時にわかったのは、取り返すのが難しい大きな損失を出してしまった人も、10%超もいるということです。何も考えずにFXをやると、いずれこの中に入ってしまうかもしれません。それを避けるには、儲かる思考法を身につけることが最初の第一歩なのです。

FXで儲かる人の特徴

FXで儲けられている人が、実際にどの程度いるのかを見てきました。致命的な損失を出すのを避け続けることの大事さが、おわかりいただけたんじゃないでしょうか。では、そういったことを実践できる人のはどういう人か、特徴を3つ挙げておきます。

感情のコントロールができる

何度も触れていることですが、FXで大事なのは上手に負けることです。そのためには、プロスペクト理論の罠にはまらないように、自分の感情をコントロールできないといけません。FXで儲かる人は、感情的になってしまわない、常に淡々と冷静に行動できるという特徴があります。

謙虚さを持っている

FXで勝ち続けている人は、謙虚さを常に持っています。多くの人はちょっと勝ちが続いただけで、相場がすべてがわかったような気になったり、つい自分を過信しがちになります。そうなると、やがて訪れる負けトレードをなかなか受け入れられず、致命的な損失を出しやすくなってしまいます。

複雑な為替の世界を完全に理解するのは、そもそも不可能です。「無知の知」という言葉もありますが、自分にはわかっていないものがたくさんあるということを認める謙虚さが、FXをやるうえではとても大切なのです。

勉強熱心で努力ができる

努力なしにFXで勝ち続けられるようにはなりません。しかし、どうしても人は楽なほうに流れがちで、楽に勝てる方法を探してしまいます。たまたまそういった方法で短期的には勝てたとしても、ずっと勝ち続けることはできません。

本当の意味でFXが上達するには、実戦経験も含めて、多くの勉強と努力が必要です。手法を理解して、それを実践し、振り返り、反省し、改善する、この地道な作業を繰り返すしかありません。これを根気強くやり続けられる人が、最終的に勝者になることができるのです。

株とFXはどちらが儲かるのか

これまで、FXで儲けることについて説明してきましたが、少し視点を変えて、株式投資と比較してみようと思います。なお、どちらのほうが優れていると一概言えるものではなく、それぞれに特徴があります。人によってどちらが儲かるかは違うので、自分に合っているのはどちらかというのがポイントになってきます。

トレードできる時間はFXのほうが長い

まず、FXと株式では、取引可能な時間帯が異なります。通常、株式のトレードは9時~15時の時間帯に行われるのに対し(PTS取引を除く)、FXは平日のほぼ24時間ずっとトレードが可能です。取引手法や生活サイクルに柔軟に合わせやすいのはFXかもしれません。ただ、24時間相場が気になってしまうという意味で、株式を好む人も少なくありません。

取扱銘柄数は圧倒的に株式が多い

投資対象の数で言うと、FXに比べて株式のほうが圧倒的に多いです。FXは、会社にもよりますが、取り扱っている通貨ペアは2、30個程度というケースが多いです。一方で、株式については、2017年8月現在の日本における上場会社数は3,560社※で、桁がまったく違います。

たくさんの中から、チャートがいい形のものを探すなど、投資する銘柄をスクリーニングするのが好きな人は、株式投資が向いているでしょう。逆に、少ないものを集中的に分析したいという人は、FXのほうが向いているかもしれません。

※日本取引所グループ 上場会社数
http://www.jpx.co.jp/listing/co/index.html

レバレッジは株式3倍に対してFX25倍

FXと株式の大きな違いはレバレッジ規制で、FXは25倍までレバレッジがかけられるのに対し、株式では3倍までとなっています。個別株式に比べて為替のほうが取引量も多く、相場自体は安定していますが、レバレッジを使うことによって、株式以上のリターンを追い求めることが可能になっています。

しかし、レバレッジというのはリターンだけではなく、リスクも負うという側面もあります。そういう意味では、リスク管理に関しては、株式よりもFXのほうがより重要度が高まると言えるでしょう。(ただし、株式でもリスク管理が大事なことには変わりないので、誤解しないでくださいね。)

FXも株式も儲かる思考法は必要

相違点をザッと挙げましたが、それぞれ特徴が見えてきたかと思います。ただ、いずれもリスクをかけてリターンを狙う投資だという意味では共通しており、儲けるための思考法という点では通ずるものがあります。そういう意味ではどちらの経験も無駄にならないので、どちらでもいいのでとりあえずやってみる、というのがいいかもしれません。

まとめ

FXが本当に儲かるのかどうかについて解説してきましたが、最後におさらいです。

まず押さえておきたいのは、FXというのは、投資である以上は絶対的な勝ちが保証されるものではないということ。これを踏まえたうえで、FXには挑戦する必要があります。

また、FXでは短期的に勝つこと自体は、実はそれほど難しくありません。本当に難しいのは、継続して勝ち続けることです。途中まで勝っていたのに、致命的な損失を出して退場に追い込まれるケースは少なくありません。このことはプロスペクト理論という意思決定モデルによっても示唆されています。

FXで儲かるためには、直感的に人が行動した時に陥るプロスペクト理論の罠にはまらない、感情のコントロールがなにより大事になってきます。常に冷静に淡々と行動できる心を鍛えることが、FXで儲けるための第一歩と言っていいでしょう。

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