海外FX口座の3つのメリットと2つのデメリット・注意点を解説
- 更新日: 2019/07/18
FX業者は国内だけではなく、海外にも存在しています。
金融庁の規制が強い国内FX業者は、レバレッジは25倍に制限されている反面(個人口座の場合)、海外FX業者ではレバレッジ100倍以上の業者が何社も存在しています。
ハイレバレッジを活用することで、資金の増加スピードを高める効果が期待できる海外FX業社の活用について、そのメリット・デメリット・注意点を解説します。
この記事の目次
海外FX口座とは
日本に多くのFX会社が存在しているように、世界中にも多くのFX会社が存在しています。日本は世界最大のFX大国で、世界No1のFX会社はGMOクリック証券、No2はDMM.com証券です(2016年度)。
国内FX会社は日本の金融庁が監督しており、少なくとも資金の持ち逃げ等、詐欺まがいのことを働く会社は存在していでしょう。一方、海外FX会社のなかには違法まがいの詐欺業者も存在しています。
国内のFX会社とトラブルが発生した時は金融庁に駆け込むことができますが、海外FX業者でトラブルがあった場合、すべて自己責任となります。
そのため高レバレッジ倍率に飛びつき、安易に海外FX会社で取引を開始することはおすすめできません。
国内FX業者と海外FX業者の違いを比較
国内業者FX | 海外業者FX | |
---|---|---|
取引方式 | OCT(DD)方式 【トレーダー→ディーラー→インターバンク】 | NDD方式(STP方式・ECN方式) 【トレーダー→インターバンク】 |
レバレッジ規制 | 最大25倍まで | 規制なし |
スプレッド | 原則固定 | 変動 |
追証 | 必要 | 不要 |
ECN口座 | 利用不可 | 利用可能 |
スワップ金利 | 高い | 低い |
入金方法 | 銀行振込 クイック入金 | 海外送金 クレジットカード 国際決済サービス |
出金方法 | 銀行振込 | 海外送金 クレジットカード 国際決済サービス ビットコイン プリペイドカード |
出金手数料 | 無料 | 有料 |
信託保全 | 義務化 | 義務化されていない |
税金 | 申告分離課税 | 雑所得の総合課税 |
海外FX口座のメリット
海外のFX会社は証拠金持ち逃げなどのリスクをはらんでいるという前提のもと、海外FX口座を利用してFXトレードを行うメリットを下記3点をご説明します。
< 海外FX業者のメリット・デメリット > | |
---|---|
メリット | デメリット |
トラブル時など自己責任税金・出金手数料が高い |
①高いレバレッジ倍率
海外FX口座利用の最大のメリットは極めて高い倍率のレバレッジが利用可能という点です。日本国内では個人取引においてFXのレバレッジは最大25倍までと法律で定められています。よって国内で個人口座を利用している限り、証拠金に25倍以上のレバレッジをかけてのトレードを行うことはできません。
一方、海外FX会社の場合、100~200倍、なかには888倍のレバレッジが利用可能な会社も存在しています。
加速度的に資金を増加させるためには、高いレバレッジが必要不可欠です。そのためFXトレードで利益を上げられる自信のあるトレーダーにとって、ハイレバレッジでトレード可能な海外FX会社は魅力的に映るはずです。
ただし、ハイレバレッジはベテラントレーダーが活用すれば魔法の杖となりうる可能性がありますが、初心者が利用すると、一転地獄の水先案内人になりかねません。ハイレバレッジトレードは多大な利益獲得の可能性がある反面、扱いに慣れていない、またはトレードに習熟していないと、特に連敗時にあっと言う間に証拠金を枯渇させる危険性を有している点に充分ご注意ください。
②ロスカット時に追証が無い(ゼロカットシステム)
ポジションを持っている際に相場が急変し、ロスカットが間に合わず証拠金以上の損失が発生した場合、日本では投資家はその損失を穴埋めする必要があります。追加証拠金、いわゆる追証が発生します。
年に何度も相場の急変は発生しませんが、リーマンショックやチャイナショック等、数年に何度かは相場の急変が発生します。その際にFX投資家で証拠金以上の損失を計上するケースが日本では発生しています。
一方、海外FX会社のほとんどは、預けている証拠金以上の損失が発生した場合、追証は発生せず損失は証拠金に限定されます。海外FX会社の場合、仮に追証の制度を導入した場合でも、海外の投資家に対し追証分の損失対応を行いきれないという物理的制約が存在するため、損失は証拠金の範囲に留まることになります。
海外FX業者の多くはハイレバレッジを導入していますが、同時にロスカット時に追証が無いゼロカットシステムを導入しています。そのためハイレバレッジトレードの負の側面とも言うべき、証拠金以上の損失が生じるリスクがありません。
このゼロカットシステムがあるからこそ、安心して海外FXでのハイレバレッジトレードに取り組むことができます。
ハイレバレッジとロスカット時に追証のないゼロカットシステムの存在は、1セットで海外FX業者のメリットと考えることもできます。
③様々なトレードシステムがある
日本国内のFX会社の場合、スプレッドや取引通貨、約定力といった面でしか他社との差別化要因がありません。しかし、海外FX会社には非常に多くのサービスが存在しています。
スプレッドが非常に狭い代わりに取引手数料を徴収する会社、取引の透明性を自社の優位性にしている会社者、CFDで世界の株式に投資できる会社、証拠金にビットコインを利用できる会社など、海外では様々なFXサービスが存在しいます。それらのサービスを海外FX会社の口座を開設することで利用可能になります。またMT4以外の様々な取引プラットフォームを用意している海外FX会社も存在しています。
国内では知られていないサービスの利用が可能となる点も、海外FX会社を利用するメリットと言えます。
ハイレバレッジとゼロカットシステムを利用したトレード例
本来、投資資金をベースに資金管理を行った上でのトレードが原則ですが、ハイレバレッジのメリットを生かして下記のようなトレード手法を取ることができます。
- 10万円を入金する。
- 最大のレバレッジを利用して単利でトレードして資金を倍の20万円に増やす
- 元の10万円を出金して利益分の10万円で再度最大のレバレッジを利用してトレードする
- 1-3を繰り返す
上記のトレードを取ることで、③に来ることができればノーリスクでのトレードが可能になります。また仮に①で入金の10万円が損失でゼロになった場合でも新たに10万円を入金して再度チャレンジすることができます。
仮に投資資金を50万円用意の場合、一気に50万円を入金するのではなく、10万円毎入金することで、最大5回まで上記のチャレンジを行うことができます。
上記はハイレバレッジ且つ追証のない海外FX会社でしかとりえない手法であり、また応用範囲が広い1つの投資アイデアです。FXで利益を上げられる自信のあるトレーダーであれば、証拠金のリスクを多く取ることなく資金を増やす方法です。ただし、まだ取引手法が定まらず、利益を上げることができないトレーダーが採用すると、最終的に資金が底をつく可能性が高いためご注意ください。
海外FX会社のデメリット
追証無しでハイレバレッジのトレードができる海外FX会社ですが、当然デメリットも存在します。海外FX会社の主なデメリットを2点ピックアップしました。
①FX会社の信頼は自己責任
日本のFX会社は金融庁の管理下にあるため「信託保全」が義務化されており、些細な問題が浮上することがあっても、出金が出来ないなどのトラブルはありません。FX会社が倒産しても、信託保全の範囲内で信託管理人を通じて返還される管理体制で、万が一FX会社とトラブルが発生した際は、金融庁に相談するという手段を取ることができます。
しかしながら海外FX会社の場合、トラブルが発生してもすべて自己責任です。またサポートセンターへの問い合わせも、日本語が通じないFX会社もありますので事前に確認しておくことをおすすめします。残念ながら海外FX会社のなかには出金時にトラブルが発生するケースが少なくありません。また少額でのトレードの際は問題なく約定できていたものが、資金が増えると約定力が落ちるなどの事態が発生することもあります。
資金が引き出せない、取引金額が増えると約定スピードが遅くなる、利益の出ているトレードが取り消される、利益が出たトレードが気付くと損失になっているなど、海外FX会社を利用時のトラブルはインターネットで検索すれば多くのケースを目にすることができます。
日本では当たり前にできることが、当たり前にはできないことがある点が海外FX会社の大きなデメリットです。詐欺のようなことを働くFX会社が海外には数多く存在しているので、ご利用の際は充分ご注意ください。
②税金と出金手数料が高い
海外FX会社で取引を行う場合、証拠金を海外口座に入金する必要があり、出金の場合はFX会社の口座から国内の銀行口座に送金する必要があります。海外口座に入金を行う場合は手数料が無料のケースもありますが、出金時はほとんどのケースで出金手数料が徴収されます。
出金手数料は海外FX会社ではなく、資金の受け渡しを行う銀行が徴収するため、会社側及び投資家側では如何ともしがたい面があります。また数千円単位で手数料が徴収されるため、頻繁に出金を行えば手数料がかさみます。
国内FX会社を利用する場合、トレードで上げた利益に対する税金は金額に関係なく約20%ですが、海外FX会社を利用して利益を上げた場合は国内FX会社とは異なる税率が採用されます。
国内FX会社を利用した際のFXの利益は金融所得に分類され、申告分離課税により株式投資と同様約20%の課税となります。しかし海外FX会社を利用して上げた利益は、税務上、雑所得として扱われて総合課税の適用により、所得金額に応じた税率が適用されます。
所得金額に応じた税率は下記のように定められています。
課税される所得金額 | 税率 (海外FX口座) | 控除額 | 税率 (国内FX口座) |
---|---|---|---|
195万円以下 | 5% | 0円 | 一律20% |
195万円を超え330万円以下 | 10% | 97,500円 | |
330万円を超え695万円以下 | 20% | 427,500円 | |
695万円を超え900万円以下 | 23% | 636,000円 | |
900万円を超え1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 | |
1,800万円を超え4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 | |
4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
※上記は所得税のみの計算、別途復興特別所得税(原則、その年分の基準所得税額の2.1%)が付加
給与所得等と合わせてFXでの利益が695万円以下なら、国内会社と同等の税率となります。所得金額が695万円を超えると、海外FX会社の利用は税務上のデメリットが目立ちます。特に大きな利益を出すと、海外FX会社の場合最大45%の税金が課税されます。
取引で利益を上げる自信のあるトレーダーも、累進課税の税率を考慮に入れた上で、国内FX会社を利用すべきか、海外FX業者を利用すべきか検討を行う必要があります。
ベテラントレーダーであれば国内会社と海外会社の課税の違いを認識しているでしょう。しかし、システムトレードを行うケースでFX初心者が海外口座を開設する場合、海外FX会社利用と国内FX会社利用とでは課税関係が異なるという認識が無い方が多いのではないでしょうか。
また、海外FX口座を開設した場合、「脱税してもばれないのでは?」とお考えの方がいらっしゃいますが、脱税は確実にばれますので、利益が出た場合は必ず確定申告をきちんと行い、税金を払いましょう。
税金・確定申告については、以下の記事で詳しく紹介しているので参考にしてください。
海外FX会社利用時の注意点
海外FX会社のハイレバレッジトレードは非常に魅力的な反面、トレード手法が確立できていないと、連敗によりあっと言う間に資金がなくなります。
海外FX会社の利用はトレードに自信が持てるようになった上級トレーダーになってからの検討でも遅くはありません。
手早く大金を手に入れようとすると、多くの場合早期に資金を失う結果に繋がります。ハイレバレッジトレードが可能な海外FX会社の利用は、まさにこのパターンになる可能性が高いでしょう。まずは国内FX会社を利用し、自らを着実に利益を上げられる腕前に引き上げることが最重要です。
国内の会社で利益を上げられない方が海外の会社でうまくいくはずはありません。冷静に考えれば理解できるはずですが、大金に目がくらむと見えなくなってしまうことがあるためご注意ください。
すでに国内FX会社の利用で利益を上げられる自信があれば、次のステップとして海外FX会社の利用を検討するのは選択肢の一つかもしれません。ただし冒頭に説明したように、海外のFX会社は信用のリスクが極めて高いため、利用はおすすめできないというのが著者の見解です。
まとめ
海外FX会社の利用についてメリット及びデメリット、そして注意点をまとめました。極めて高いレバレッジ倍率が利用できるため魅力的に見える海外FX会社ですが、信用できるかどうかは冷静に見極める必要があります。
トラブルに巻き込まれたくない、安心してトレードしたいと考えるのであれば、やはり国内業者のFX会社がおすすめです。
この記事を読まれた方が、大金の獲得を狙って投機的な取引を繰り返し、破産してしまうようことがないよう願っています。
この記事をご覧になった方の多くは「これからFXを始める方」もしくは「FX初心者」の方だと思います。そんな方のためにFXトレードを行う際に必ず知っておくべき知識をまとめてみました。FXに興味がある方皆さん必読の記事です。
国内FX会社の口座開設方法については以下の記事で詳しく解説されています。
FXを始めてみたい方は、こちらで人気の会社を見てみましょう!
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- 監修者紹介/FX専門家 五十嵐勝久
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中央大学経済学部卒。アルゴ株式会社代表取締役。銀行や証券、FX会社に勤務し、営業、企画、マーケティング部に所属。40歳で会社を辞めて起業。現在はFXや証券会社などのプロモーション業務、システム開発を行う一方、システムトレーダーとしても活躍。
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