【豪・NZドル】オセアニア市場と通貨の値動き、影響を受ける指標を徹底解説

  • 更新日: 2019/01/23

オーストラリア大陸とその周辺にある太平洋の島諸国のオセアニアは、南半球にあります。

FXではオセアニアというと、オーストラリアとニュージーランドのことを指して言うことがほとんどです。

今回は、オセアニアの中のオーストラリアとニュージーランドの通貨である豪ドル、NZドルについて取り上げます。

豪ドル、NZドルがどのような通貨なのか、ということに加え、トレードの際のポイントについても解説します。

オセアニア通貨

豪ドルとNZドルがそれで、豪ドルは資源国通貨である

オセアニア通貨とは、豪ドルとNZドルのことを指します。どちらも資源国通貨と言われていますが、正確には、資源国通貨であるのは豪ドルだけです。

まずはオーストラリアから解説します。オーストラリアは鉄鉱石や石炭、金などといった資源が豊富で、輸出量も多いのが特徴です。

そのため、同国の景気は商品市況に左右されやすい傾向にあります。資源価格が上昇するとオーストラリアの景気は拡大し、下落すると景気は冷え込みます。

オーストラリアはかつて政策金利が高いことで、FXトレーダーに人気でした。オーストラリアが高金利だったのには、商品市況に左右されやすいという同国の経済構造が関係しています。

先ほど書いたように、オーストラリアでは資源価格が上昇すると景気が上向き、需要も増え、物価が上昇します。しかし、これが過熱するとインフレになってしまいます。

オーストラリアでは物価の上昇を抑えるため、かつて政策金利を高く設定していたのです。

そんなオーストラリアですが、同国の通貨である豪ドルが影響を受けやすい資源は鉄鉱石です。

また、石炭も重要な輸出品の一つであるため、豪ドルは鉄鉱石価格や石炭価格との相関関係が高いという特徴があります。

鉄鉱石価格や石炭価格等が上昇するとオーストラリアの景気見通しがポジティブなものになるため、豪ドルは買われやすい地合いになります。

反対に、鉄鉱石価格や石炭価格が下落すると、オーストラリアの景気見通しはネガティブになるため、豪ドルは売られやすい地合いになります。

このように、鉄鉱石や石炭価格の動向は、豪ドルに大きな影響を与えます。

次に、ニュージーランドについて解説します。ニュージーランドの通貨であるNZドルも資源国通貨と言われることがありますが、少々意味合いが違います。

オーストラリアが鉄鉱石や石炭を中心とした資源国であるのに対し、ニュージーランドの資源とは、農産品のことを指しています。そのため、正確には資源国通貨ではありません。

ニュージーランドでは、乳製品や肉類、羊毛や木材、果実などの第一次産品が主要産業となっているため、農産物の価格の動向に景気が左右されやすいという特長があります。

中でも乳製品はニュージーランドの輸出額の3割を占めているため、NZドルは乳製品価格の動向に影響を受けやすいのです。

NZドルの動向を考える上で注目したいのが、フォンテラ生産者乳価です。

世界的な乳製品企業であるニュージーランドのフォンテラ社が発表する生産者乳価の動向や、同社の株価がNZドルに影響を与えることも珍しくありません。

また、月2回開催されるフォンテラ社主催の電子オークションである「グローバルデイリートレード(GDT)」の結果もNZドルに影響を与えます。

その結果に応じてNZドルが大きく動くため、NZドルを取引する際は、チェックしておくと良いでしょう。

昔ほどの旨味はないが、スワップ狙いの通貨としても人気

かつてオーストラリアの政策金利は高く、10年程前は7~7.25%ありました。

しかし、リーマンショックによる景気悪化を受けてオーストラリアは財政出動し、オーストラリアの中央銀行であるオーストラリア準備銀行(RBA)は利下げを行いました。

これにより、オーストラリアの政策金利は、それまでの7.25%から7%へと引き下げられたのです。

金利引き下げはその後も続き、2008年10月には一気に1ポイント引き下げて6%の政策金利としました。ここから引き下げは段階的に行われ、2018年9月現在は1.5%となっています。

なお、RBAは2018年9月4日に政策金利のオフィシャルキャッシュレートをそのまま1.5%に据え置くことを決定しています。

この時RBAは、オーストラリア経済が低金利政策のもと堅調に推移するとの見通しを示した上で、中国経済がやや減速していることや、中国当局が金融緩和を行っていること、また、米中貿易摩擦が激化していることを挙げています。

このことから、ゆるやかなペースで失業率の低下やインフレ目標達成が達成されるとRBAでは予想しており、政策金利はしばらくこのままの状態が続くことが予想されています。

一方のニュージーランドも現状の政策金利は1.75%としています。2008年には8.25%もあったことを考慮すると、現在は高金利とは言えない状態となっています。

ニュージーランドが政策金利を引き下げた理由には、低インフレ率の他に乳製品価格の下落があります。

中国やロシアの乳製品の輸入が減少したことや、EUが2015年4月から生乳クオータ制度を廃止し、生乳生産が増えたことで供給過多となったことで乳製品価格が下落したため、政策金利を引き下げたのです。

ニュージーランドの中央銀行であるニュージーランド準備銀行(RBNZ)は政策金利の据え置きを続けています。

なお、RBNZのオア総裁は2018年8月9日に、「景気は堅調であるものの、物価上昇率が政策目標の中間地を下回っていることから、2019年から2020年頃まで政策金利を据え置くことを予想する」との見方を示しています。

オセアニア市場の特徴

流動性が低く、相場が変動しやすい

ニュージーランドのウエリントン市場は、週初めに最初にオープンします。日本よりも東に位置しているため、夏時間は4時間、冬時間は3時間、日本よりも早く市場が開きます。

その2時間後にシドニー市場が開き、さらに2時間後に東京市場が開きます。

そんなウエリントン市場は、市場規模が東京、ロンドン、ニューヨークに比べると小さいため、必然的に取引量も小さくなります。そのため、流動性が低くなりレートが大きく飛ぶこともあります。

このことから、FX会社の中には、この時間帯のスプレッドを広げるところもあります。

「窓開け」と「窓埋め」が起きる

上手に利用すれば大きな利益が見込める

ウエリントン市場とニューヨーク市場は、平日の場合はオープンの時間が数時間重なっています。

ニューヨーク市場の規模が大きいことから、重複している時間帯は、ウエリントン市場の動向は市場に大きな影響を与えません。

しかし、週明けの月曜日の早朝はニューヨーク市場がクローズしているため、ウエリントン市場のみが単独で動いています。ただでさえ取引量が小さく、流動性の低いウエリントン市場は、値動きが荒くなりがちです。

週初めの取引ということもあり、前週末にニューヨーク市場がクローズした時のレートから乖離してスタートすることも珍しくありません。

また、土日に何か大きなニュースや出来事があると、ウエリントン市場のオープン時から取引を始める投資家が出てきます。この時、レートが大きく飛ぶ「窓開け」と呼ばれる現象が起こりやすくなります。

その後、開けた窓を埋める「窓埋め」と呼ばれる現象が起こることもあります。この窓埋めの動きにうまく乗ることができると、大きな利益を得ることもできます。

その分リスクが高くなる

窓埋めが必ず起こるのかというと、そうではありません。そのため、勘に頼ったトレードをすると損失が膨らみ、ポジションと資金の状態によってはロスカットが執行されることもあります。

窓埋めを狙ったトレードをする場合は、テクニカル分析、ファンダメンタル分析などをしっかり行った上でトレードしましょう。

オセアニア通貨の種類と特徴

ともに中国経済に影響を受ける

先ほど、豪ドルは鉄鉱石や石炭の輸出が多いということを書きました。オーストラリアの鉄鉱石は生産量の9割以上が輸出向けで、その輸出先の多くは中国となっています。

そのため、オーストラリアは中国経済の影響を受けやすい傾向にあります。また、世界の鉄鋼生産や鉄鋼市況の動向にも影響されやすいのが特徴です。

オーストラリアの主力の輸出品である鉄鉱石の需要は、バルチック海運指数から推測することができます。

バルチック海運指数が高くなれば、鉄鉱石や石炭、穀物等の商品の需要が高まってきているということになります。

また、中国の経済指標の中にも、豪ドルに大きな影響を与えるものがあります。特に、GDPや消費者物価指数、小売売上高、固定資産投資、中国製造業PMI等は豪ドルの動きに影響を与えるので、これらの指標発表時は注意が必要です。

また、オーストラリアは、米中貿易摩擦による影響を受けると考えられています。この問題に関し、米中の関税の応酬は激化しており、米国が関税を賦課すれば、それに中国が応酬するという状態が続いています。

米中貿易摩擦が進むにつれ、中国の景気が低迷し需要が鈍化するとの見方があることから、中国へ鉄鉱石や石炭を多く輸出しているオーストラリアは、中国向け輸出で大きな打撃を受けることが懸念されているのです。そのため、豪ドルは下落しやすい地合いとなっています。

一方、ニュージーランドも中国との経済的なつながりが強く、2017年のニュージーランドの輸出先は、暫定値ではあるものの中国が一番多く、輸入相手としても中国が一番になっています。

また、ニュージーランドはオーストラリアと近いところに位置し、ニュージーランドの主要輸出先の一つがオーストラリアとなっています。ちなみに、ニュージーランドにとってオーストラリアは、中国に次ぐ2位の輸出先です。

そのため、NZドルは豪ドルとの相関関係が強いという特徴があります。このことから、NZドルは、オーストラリアや中国の経済動向の影響を受けやすい通貨であると言えます。

NZドルを取引する際は、中国とオーストラリアの経済指標はもちろん、政治動向にも注意した方が良いでしょう。

オーストラリア:豪ドル

オーストラリアの経済指標で重要なものは、

    RBA政策金利発表新規雇用者数・失業者数小売売上高CPI・消費者物価指数GDP・国内総生産

が挙げられます。

また、すでに書いたとおり、中国の経済指標も豪ドルに影響を与えますので、中国製造業PMIや中国のGDPなどにも注目しましょう。

ニュージーランド:NZドル

ニュージーランドの経済指標で重要なものは、

    RBNZ政策金利発表失業率・就業者数増減小売売上高CPI・消費者物価指数GDP・国内総生産

が挙げられます。

また、すでに説明したとおりNZドルはオーストラリアや中国の経済指標の影響を受けやすい通貨ですので、この2国の経済指標にも注意しましょう。

オセアニア通貨の今後の見通し

オーストラリアの連邦財務相は、LNGをはじめとした資源の輸出増加や、人口増加、積極的なインフラ投資、金融緩和の継続などにより、2018年7月~2019年6月の実質GDP成長率は3.0%になると予想しています。

また、9月3日に開催された定例の金融政策委員会でも、2018年のGDP成長率は前年を上回るとの見方を示していることから、同国の2018年7月~2019年6月までの景気は概ね堅調に推移すると予想しています。

その予想どおり、オーストラリアの景気はゆるやかに拡大しつつあり、2018年7月25日に発表された4月~6月の消費者物価は前期からさらに伸び、前年同期比2.1%となっています。

RBAは、インフレ目標を2~3%としていて、今回、5四半期ぶりにインフレ目標の範囲に収まった形です。

ただ、RBAがコアインフレ率として設定しているトリム平均値は、長期目標のレンジである2~3%を10四半期連続で下回っています。

同国では、食料品価格が下落した他、原油価格が年明けに一服したことで、エネルギー価格の上昇もいったん収まっています。

しかし、豪ドル安が進行したことで消費財価格が上昇し、輸送コストも上昇したため、物価の下押しは相殺されています。

その一方、雇用が拡大しているにも関わらず、賃金の伸び率は過去最低水準となっています。その原因として、労働コストの伸び悩みや小売業界での競争激化が挙げられている他、米中貿易摩擦もその原因の一つになっているとの見方があります。

すでに書いたとおり、米中貿易摩擦が激化するにつれ、オーストラリアの景気先行き不安が広がるため、豪ドルは売られやすくなります。

しかし、RBAは経済成長や物価動向に影響を与えるとして豪ドル高をけん制しておらず、豪ドル安を歓迎しています。

このことから、豪ドルについては、主に米中貿易摩擦の激化により下押し圧力がかかりやすいことが考えられます。

オーストラリアの景気自体は緩やかに拡大しているものの、米中貿易摩擦により中国の景気が冷え込めば、オーストラリアにも少なからず影響があると考えられます。

そのため、足元ではこの問題の動向が豪ドル相場の材料になりやすいことが考えられます。

そして、実際に米中貿易摩擦の間接的な影響がオーストラリアの経済指標に表れた時には、豪ドルは本格的な下降トレンドになることが考えられます。

次にニュージーランドですが、主力の乳製品の他、羊肉をはじめとした食肉、木製品や機械製品関連の輸出が中国やアジア諸国向けで堅調に推移し、拡大傾向にあります。

ニュージーランドも中国との経済的な関わりが強いことから、米中貿易摩擦の影響を受けやすいと言えます。そのため、この問題が激化すると、NZドルは豪ドル同様、売られやすい地合いになることに注意が必要です。

仮に乳製品価格が安定した動きとなれば、米中貿易摩擦を巡る問題が一服した時に、NZドルには上昇圧力がかかると考えられます。

まとめ

オーストラリアもニュージーランドも、景気見通しは概ね底堅いものの、足元では米中貿易摩擦が下押しの原因となっています。

今後、この問題がさらに激化し、中国経済が停滞あるいは減速すれば、オーストラリアやニュージーランドの景気にも影を落とす可能性が出てきます。

そのため、この問題の動向と、オーストラリア、ニュージーランド両国の経済指標には注目しましょう。

もしもオーストラリア、ニュージーランドの経済指標が弱いものになり、その状態が続く場合は、豪ドル、NZドルともに本格的な下降トレンドに入ることが予想されます。

おすすめのFX会社

外為オンライン

Medium imagesender
初回入金額
5,000円
  • 初心者にオススメ
  • 小額から可能
  • デモトレード
  • 副業にオススメ
  • デイトレード向け
  • スワップ高め
  • 自動取引対応
  • 5,000円から始めれる少額取引可能な会社!
  • iサイクル2注文で自動で取引が可能!
  • 初心者でも安心!無料セミナーや情報が豊富

外為どっとコム

Medium 99cc610d3bc7486acc314e0178bfad56
初回入金額
無料
  • 初心者にオススメ
  • 小額から可能
  • デモトレード
  • 副業にオススメ
  • デイトレード向け
  • スワップ高め
  • 初心者向けコンテンツが充実!オンラインで受講可能なセミナーも開催
  • 1.000通貨から取引可能で始めやすい
  • 全通貨業界最狭水準のスプレッドと高いスワップ益

DMM FX

Medium rola 300 250
初回入金額
無料
  • 初心者にオススメ
  • 小額から可能
  • デモトレード
  • 副業にオススメ
  • デイトレード向け
  • スワップ高め
  • 自動取引対応
  • “口座数国内第1位”の選ばれている会社!
  • いつでも、どこでも、自由にスマホで取引可能
  • すべてのスプレッドが業界最狭水準!

監修者紹介/FX専門家 五十嵐勝久

中央大学経済学部卒。アルゴ株式会社代表取締役。銀行や証券、FX会社に勤務し、営業、企画、マーケティング部に所属。40歳で会社を辞めて起業。現在はFXや証券会社などのプロモーション業務、システム開発を行う一方、システムトレーダーとしても活躍。

> FX専門家 五十嵐勝久について
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

お好みの条件で自分に合ったFX会社を検索

FXのことで悩んだら、専門家に相談!

FXに関するご相談を無料で受け付けております。
お問い合わせが多い場合は、返信が遅れることやお問い合わせ内容によっては返信が出来ない場合がございます。
※お問い合わせ頂いた内容はナビナビFX編集部に送信されます。

(必須)
(必須)

利用規約プライバシーポリシーにご同意いただき、ご利用下さい。