【NOK】ノルウェークローネの特徴と値動きの傾向は? 原油との相関が強い安定通貨

  • 更新日: 2019/01/23

ノルウェーは、豊かな大自然に囲まれた北欧の国です。バイキングやフィヨルド、ノルウェーサーモンのイメージを持つ人もいるのではないでしょうか?

ノルウェーの人口は520万人強と、北海道や福岡県と同じくらいですが、経済的に安定した豊かな福祉国家です。なお、ノルウェーはEU非加盟国です。

そんなノルウェーの通貨はノルウェークローネです。日本人にとってはあまりなじみのない通貨ですが、ノルウェーがEU非加盟国であることや財政が安定していることを理由に、安全通貨としてみなされることもあります。

今回は、ノルウェークローネの特徴や取引する際に注目すべきポイントを解説します。

2018年 ノルウェークローネ(NOK)の見通しは?

ノルウェーに対し、社会保障が充実し、小さいながらも豊かな国との印象を持つ人は多いのではないでしょうか。

ノルウェーが高福祉を実現できている理由として、同国が世界第10位の原油輸出国であり、世界第3位の天然ガス輸出国ということが挙げられます。

同国の輸出の50%ほどが石油・ガス産業となっています。

ノルウェーは、産出した石油や天然ガスを輸出することで莫大な貿易黒字を得ています。そして、それをファンドで運用して得た利益を福祉の財源に充てているのです。

また、同国は税金が高く、消費税は25%(食料品は15%)、租税負担率42.9%となっています。高税率も、同国の高福祉を支えている要因の一つになっているのです。

ノルウェーは産油国のため、原油価格が同国の経済に大きな影響を与えます。例えば、原油価格が下落したため、2016年のノルウェーの経済成長率は低迷しています。

また、この年は、消費者物価指数が3.6%も上昇したにも関わらず、賃金上昇率が低かったため、消費の低迷を招きました。

しかし翌年、OPECやロシアが原油の供給過剰を受けた協調減産に踏み切ったため、需給バランスが改善され、原油価格は徐々に回復しました。

また、世界の需要見通しが引き上げられたことも原油価格の回復に大きな影響を与えました。これにより、ノルウェーの景気も回復傾向となったのです。

景気の持ち直しを受け、ノルウェー中央銀行は政策金利について、2017年12月の会合で、それまで2019年半ばとしていた利上げの時期を2018年12月に前倒ししました。

また、2018年3月1日にはインフレ目標を引き下げて、それまでの2.5%から2.0%としています。これにより、利上げが前倒しされるのではとの見方が広がり、ノルウェークローネは上昇しました。

その後、3月15日には、利上げ時期について、2018年夏以降に実施する公算が大きいこと、また、2018年の年末までに0.25%の利上げを見込んでいることを明らかにしたため、この時もまた、ノルウェークローネを買う動きが活発化しました。

これまでのところ、ノルウェーの経済指標は概ね良好です。なお、ノルウェー中央銀行は9月の利上げを明言していましたが、9月20日に利上げを実施しています。

すでに書いたとおり、ノルウェーの経済状況は原油価格に影響されやすいことから、その動向が注目されます。

原油価格が高騰すると、シェールオイルなどの代替エネルギーへシフトしやすくなることから、それを警戒し、協調減産は一部緩和されています。

そのため、減産合意の順守率は低下傾向にあるものの、概ね減産基調となっています。

9月23日にOPEC加盟国・非加盟国の委員会が開催されますが、この時に、加盟国・非加盟国ともに協調姿勢が維持されるかどうかが、ノルウェー経済とノルウェークローネの動向に影響を与えます。

もしも協調姿勢が維持されれば、ノルウェー経済は回復傾向が続き、金利引き上げの実施でノルウェークローネは上昇しやすい地合いとなります。

ただ、今のところ、協調姿勢が維持されるかどうかは不透明です。というのも、OPEC加盟国・非加盟が、イラン産原油の供給源を相殺するため、日量50万バレルの増産を検討しているとのニュースが報じられたからです。

これを受けて原油相場は一時下落しました。会合の結果次第では原油価格が下落基調になる可能性があり、その場合は、ノルウェークローネも下落する可能性があります。

ノルウェークローネ(NOK)の特徴

原油との相関が強く、原油通貨と呼ばれる

すでに書いたとおり、ノルウェーは産油国のため、原油価格の上昇が同国経済へのポジティブ要因に、そして、原油価格の下落が同国経済へのネガティブ要因になります。

対円の場合は間にドルを挟むため、相関関係が分かりにくい時もありますが、対ドルの場合は正の相関関係が分かりやすく、WTI原油先物価格とNOK/USDは非常によく似た動きになります。

経済が非常に安定している

外務省によれば、同国の石油と天然ガスの生産量の合計は年産約14億4,500万バレルとなっていて、GDPの約15%、サービスを除いた輸出の約50%となっています。

ノルウェーは豊富な資源を背景に経済成長を果たし、経常黒字国となっています。今では世界有数の豊かな国として知られるまでになっていますが、そのきっかけとなったのが、1970年代からの石油資源開発です。

ノルウェー沖の北海で石油が発見された後、石油資源開発が進んだことで同国は急速に経済発展し、今では高福祉を実現するほどの莫大な黒字を得ています。

海洋石油開発分野でトップクラスの技術を持つ同国は、すでに書いたとおり、原油や天然ガスの輸出で得た利益をそのまま福祉に使っているわけではありません。

というのも、そのまま莫大な利益を国内に還元すると、通貨量>モノの量という状態になり、急激なインフレを引き起こしてしまいます。

また、原油も天然ガスもドルで取引されるため、得た利益をそのまま自国通貨のノルウェークローネに両替してしまうと、急激なノルウェークローネ高を引き起こしてしまい、国際競争力を失います。

かといって、そのまま利益を積み立てて放置しておくわけにもいかないため、ノルウェーは、ノルウェー政府年金基金ファンド(年金という言葉が入っていますが年金債務は負っていません)というソブリン・ウェルス・ファンドでこれら資源による利益を運用しているのです。

このファンドは全て外国に投資しており、欧米の軍需産業関連の株式の割合が多いのが特徴です。ちなみに、日本株や日本の不動産にも投資しています。

ノルウェーでは、石油や天然ガスで得た収入をそのまま国家予算に組み入れることはせず、このファンドで運用しているのです。

ノルウェー政府年金基金ファンドは世界最強の年金と言われており、1999年~2012年までの間の運用リターンは、平均5%となっています(なお、運営管理費やインフレ調整をした後のリターンは、平均3%となっています)。

このファンドを運用することで、不景気によって税収が減少した時や、原油等のエネルギー価格が下落して歳入不足となった時など、簡単に言えば「何かあった時の備え」をファンド運用により蓄えておこうとしているのです。

ちなみに、このファンドには、ノルウェーの国家予算の約5倍もの残高があります。

ノルウェーでは、石油・天然ガス以外にも、ノルウェーサーモンなどの水産物や、アルミ、合金鉄(フェロアロイ)、ニッケルなどの金属、液体ポンプやバルブ、掘削機械などの機械類の輸出も盛んです。

世界銀行によれば、2017年の国民所得は、ノルウェーが75,990ドル、日本は38,550ドルとなっていて、ノルウェーは日本の約2倍もの国民所得があることが分かります。

ノルウェーは、2015年に原油価格の下落で歳出超過となったものの、基本的には豊富な資源を柱に大幅な財政黒字を実現しています。

このように、ノルウェー経済は安定しているのですが、それが近年、同国への移民流入の原因にもなっています。

物価高のため、政策金利は高めに推移

すでに書いたとおり、ノルウェーの国民所得は日本の約2倍と高いのが特徴ですが、それに伴い物価も高水準となっています。

そこに高福祉を実現するための高税率がかかってくるため、同国の物価は高めです。物価高をそのまま放置するとインフレが進行するため、同国はインフレ抑制のため、政策金利を高めに設定していました。

しかし、今はそれほど高いわけではありません。2002年の同国の政策金利は7%もありましたが、現在は0.75%となっています。

同国が政策金利を引き下げた原因は、原油安やリーマンショックを契機とした世界的な景気減速と、それによる商品市況の低迷があります。

そのため、同国の現在の政策金利はそれほど高くありません。9月20日に利上げしたことで、同国の政策金利は0.75%になっていますが、それまでは0.5%でした。

今後、原油価格が上昇トレンドに入り、同国の経済成長が順調であれば、かつてのような高金利に再び戻る可能性があります。

主な上昇要因

      国際情勢ユーロ圏での政治・経済不安、ユーロ圏での金融緩和
      政治物価目標の引き下げ
      金融政策利上げペースの加速
      経済指標貿易収支の黒字拡大、国内総生産(GDP)の上昇、消費者物価指数の上昇
      その他OPECの減産合意、原油価格の上昇

主な下落要因

      国際情勢ユーロ圏での金融緩和縮小
      政治ノルウェーの政治的混乱
      金融政策政策金利引き下げ
      経済指標消費者物価指数の低下、貿易収支の黒字縮小・赤字、国内総生産(GDP)の低下
      その他OPECの減産緩和(ただし、ケースバイケース)、原油価格の下落

ノルウェーは政治的に安定しているため、国内の政治動向よりも、ユーロ圏での政治動向がノルウェークローネの動向に影響することが多いようです。

ノルウェーは給与水準が高く、福祉制度が充実しているのはもちろんのこと、凶悪犯罪の発生率が低いこともあって、住みやすく魅力的な国であると考えられています。

そのため、同国は移民が多く、人口の14%が移民で占められているのが特徴です。

元々ノルウェーは移民や難民の受け入れに寛容で、同国の魅力の一つとなっている高福祉に関しても、一定の要件を満たせば、移民や難民でも受給できます。

そのため、同国にはヨーロッパはもとより、アフリカ、アジア、中南米など世界中から移民や難民が押し寄せたのです。

ノルウェーでは、ヨーロッパ圏からの移民の就労率は高いものの、アフリカ、アジア、ラテンアメリカ出身者の就労率が低く、同国の福祉制度の恩恵を受けるだけになってしまっている者も数多くいます。

高齢化が進んでいるノルウェーで、難民の失業者が増加してしまうと、これまでの高福祉を維持することが困難になってしまうのです。

ノルウェーは、他のヨーロッパの国々に比べると、移民を巡る問題での政治的混乱は少ない方であると言えます。

しかし、ノルウェーでも2011年に移民を巡りテロ事件が起こっていることから、他のヨーロッパ諸国同様、「反移民」の風潮が徐々に広がりつつあり、2013年の総選挙では、それまで移民に寛容な政策を採ってきた労働党政権が破れ、厳格な移民政策を掲げる中道右派連動が勝利しています。

ノルウェーの現政権は移民や難民の受け入れに厳しい立場であるため、同国の移民・難民申請者は激減しています。

それと同時に、ノルウェー国民の中にも、難民の受け入れ数を減らすべきという考えが浸透しつつあり、これまでほど難民に寛容ではなくなりつつあります。

しかし、難民を巡る問題は解決したわけではなく、今後もテロや暴動などが発生する可能性があることを念頭に置きましょう。

ノルウェークローネはこんな人におすすめ!

    財政が安定しており、暴落することの少ない通貨で取引したい。対円で、極端な円高に進みにくい通貨で取引したい。対円で、長期的に見た時の変動が少ない通貨で取引したい。

ノルウェークローネをFX取引するメリット

原油高はノルウェークローネにとって好材料

すでに書いたとおり、ノルウェーは産油国であることから、原油高は同国経済にとってポジティブ材料となります。

特にNOK/USDはWTI原油先物価格と連動しやすく、正の相関関係にあるため、WTI原油先物価格が上昇トレンドにあれば、NOK/USDは上昇トレンドとなります。

NOK/JPYはレンジを形成

ノルウェーは経常黒字国で、財政も安定しています。一方の日本は、世界最大の貯蓄超過国であり、国債のほとんどが、国内で極めて低金利に安定的に消化されています。

また、日本は、世界最大の経常黒字国、債権国であり、外貨準備も世界最高水準となっています。

さらに、日本国債の保有者は90%以上が日本国内の民間銀行、中央銀行、そして日本の個人投資家や地方自治体、非営利団体であるほか、海外からの日本国債の購入は円建てで行われています。

このような背景から、日本円は安全通貨としての側面があります。一方、ノルウェーも、政治や財政面で安定しており、ユーロ圏で何かあった時に、ノルウェークローネは、安全通貨として買われやすい傾向があります。

日本円もノルウェークローネも、安全通貨としての側面があるため、長期的に見た場合、NOK/JPYは比較的狭い範囲でのレンジを形成しやすいのが特徴です。

そのため、天井と底を見つけやすく、長期での取引がしやすい通貨であると言えます。

ノルウェークローネをFX取引するデメリット

スワップは低め

NOK/JPYは長期トレードに向いた通貨ペアですが、スワップ目的での取引には向いていません。スワップは各社まちまちですが、基本的に数円程度のところが多いようです。

スプレッドが広い

ノルウェークローネはメジャー通貨ではありません。そのため、ドル円やユーロ円などに比べると、スプレッドはかなり広めです。

ドル円のスプレッドは狭いところで0.3銭前後ですが、NOK/JPYは2銭以上に設定している会社が多いようです。

取扱うFX会社が少ない

ノルウェークローネを取り扱うFX会社は少ないです。そのため、FX会社の選択肢の幅が狭いのがデメリットであると言えます。

ノルウェークローネのトレードで取るべき戦略

NOK/USDに関しては、原油価格と正の相関関係にあります。そのため、原油価格が上昇すればNOK/USDは上昇し、原油価格が下落すればNOK/USDは下落します。

ノルウェークローネのように、原油価格と強い相関関係のある通貨は他にもあります。例えば、カナダドルがそうです。

ここでは、この性質を利用したアービトラージ(サヤ取り、裁定取引、ロングショート戦略、ペアトレード等の別名もあります)戦略を紹介します。

本来ならドルストレートで取引した方が良いのかもしれませんが、ここでは話を分かりやすくするため、クロス円で考えます。

CAD/JPYとNOK/JPYはレートが異なります。CAD/JPYが大体85円程度(2018年9月10日時点)であるのに対し、NOK/JPYは13円程度となっています。

これを同程度の価格帯で考える必要があるので、NOK/JPYのレートに6を掛け、その数字とCAD/JPYのレートを比較します。

例えばCAD/JPYが84.75円、NOK/JPYが13.25円の場合、84.75-13.25×6=5.25円となります。この数字を過去から直近に至るまで算出し、どのくらいの幅で推移しているのか考えます。

例えば大体5.2円~6.5円程度の間で推移している場合、ここから5.2円に近づくのか、それとも6.5円に向かって拡大するのかということを判断する必要があります。

先ほど例で挙げた84.75-13.25×6=5.25円という数字で考えてみましょう。

5.25円の場合、この先5.2円を下回るよりも、6.5円の方向に拡大する可能性が高いのではないか、ということが考えられます(もちろん、そうではない、という意見もあるかと思いますが、このあたりの判断は人それぞれです)。

そのため、ここでCAD/JPYを買って、NOK/JPY(CAD/JPYの6倍の数量を取引します)を売ります。読み通りに動けば、利益が出る、ということになります。

この時、注意したいのは、CAD/JPYの買いポジションのスワップと、NOK/JPYの売りポジションのスワップが両方マイナスになっていないか、ということです。

この場合、保有する時間が長くなるほど、後々マイナススワップが積もり積もって利益の重しになります。

また、NOK/JPYに関しては、スプレッドが広いため、利益が出るまでに時間がかかります。そのため、ベストなタイミングでの利益確定が難しいかもしれません。

まとめ 

ノルウェーは、原油価格に影響されやすいという弱点はありますが、財政黒字の優等生と言える国です。

そのため、新興国通貨のような暴騰・暴落はなく、比較的安心して取引できる通貨であると言えます。

残念なのは、マイナー通貨ということで取引できるFX会社が少ないこと、そして、スプレッドが広いということです。

原油価格との相関性の高い通貨ですので、商品先物取引で原油を取引する人は、ノルウェークローネを一緒に取引してみると良いかもしれません。

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監修者紹介/FX専門家 五十嵐勝久

中央大学経済学部卒。アルゴ株式会社代表取締役。銀行や証券、FX会社に勤務し、営業、企画、マーケティング部に所属。40歳で会社を辞めて起業。現在はFXや証券会社などのプロモーション業務、システム開発を行う一方、システムトレーダーとしても活躍。

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