FXの証拠金とは?必要な理由から通貨ペアとの関係までを徹底解説

  • 更新日: 2019/07/17

手元に1000円しかないけれど、ほしい洋服は1万円…こんな時、あなたならどうしますか?

「クレジットカードで買う」「我慢する」「誰かにお金を借りる」…等々、いろいろな意見があると思いますが、基本的に、1000円で1万円のものは買えません。

上記の例で言えば、1万円の服をレジに持っていってお会計する時に、出したのは1000円札1枚だけ…ということになってしまい、お店の人に「あと9000円足りません」と言われて服を買うことはできませんよね。

しかし、金融の世界には、1000円で1万円のものが買えてしまう取引があります。例えば、FXや株の信用取引、商品先物取引などです。

これらの取引が可能な理由は後述しますが、「証拠金」は金額以上の取引を可能にするために必要なもので、この証拠金を差し入れることで、証拠金以上の額の取引を可能にしています。

とはいえ、証拠金と言われてもピンとこないでしょう。

証拠金を入れたからと言って、なぜそんなことが可能なのか分からない。

証拠金がいったい何なのかわからない。

このような疑問を抱く方が多いのではないかと思います。今回は、聞きなれない「証拠金」がいったい何なのかを解説します。

読み終わった時に、証拠金の意味はもちろん、FX取引の仕組みの大まかな全体像が把握できるのではないかと思います。

FXの取引の仕組みをまずは知りたい方は、以下の記事を参考にしてくださいね。

証拠金とは?

FX取引で鍵となる証拠金ですが、多くの人にとって聞きなれない言葉ではないかと思います。
そこで、証拠金がどのようなものなのか簡単に説明したいと思います。

証拠金はズバリ担保!

証拠金とは、FX会社で取引ができる代わりに、トレーダーが預けなくてはいけない担保のことです。FX取引では、この担保となる証拠金を差し入れて取引を行います。

FX会社は、証拠金という担保を預かることで、預かった証拠金の何倍もの取引ができることが特徴です。

証拠金はなぜ必要か?

それでは、なぜ証拠金は取引に必要なのでしょうか?ここでは、FXの特徴を基に、証拠金が必要になる理由を説明します。

FXはレバレッジがかけられる

証拠金をFX会社に預けると、レバレッジをかけて取引できるようになります。先ほど少し触れましたが、レバレッジをかけることで、自分の手元にある金額以上の、FX取引が可能になります。

日本のFX会社では、最大25倍までレバレッジをかけることができ、手元にあるのが10,000円なら250,000円までの取引が可能となります。

なお、海外のFX会社の中には400倍や500倍というレバレッジをかけられる会社もあります。以前は日本のFX会社でも何百倍ものレバレッジをかけられるところがたくさんありましたが、今はレバレッジ規制により、上限は25倍と決められています。

レバレッジは、自己資金以上のFX取引が可能になりますが、リスクもそれに伴って高くなります。

例えば25倍のレバレッジを使えば、本来必要になる額の25分の1の金額で取引できることになります。

なお、レバレッジを使わずにFX取引をすれば(レバレッジ1倍)、本来必要な額が丸々必要になりますので、現物取引と変わらなくなります。

このように小さな元手で大きな金額を動かせるレバレッジですが、一気にハイリスクを背負うことにならないように、使い方は考えなくてはなりません。

上限ギリギリの25倍のレバレッジをかけるにしても、安全のために余剰資金を多くするに越したことはありません。

このように便利なレバレッジですが、FXで、手元にある以上の金額の取引をすることが可能なのは何故でしょうか?

FXは差金決済

FXでレバレッジをかけることができる理由は、FXが差金決済であるからです。

差金決済は、現物取引のように、その場で商品と資金の受渡しをする必要がありません。また、差金決済の場合、買ったら必ず売り、売ったら必ず買い戻すという反対売買が決められています。

現物の受渡しがなく、反対売買のときに買った金額と売った金額の差額を受け取るか、支払うだけで、成立してしまうのが、差金決済です。現物が必要ではないため、レバレッジというシステムが成り立っています。

例えば、現物取引と比較して考えてみましょう。

古本屋に行って、1冊100円の本を購入するとします。このとき、買う側は古本屋に100円を渡して、古本屋は買う側に本を渡します。

その本を読み終わったため、今度は同じ古本屋に売りに行くとします。売る側は売る本を古本屋に渡し、その代金を受け取ります。これが、現物取引です。差金決済は、商品である本を受け取る・渡すという行動を省いている取引と考えてください。

今、1冊の本の売買を例に挙げましたが、もしも売買する本の冊数が非常に多く、それこそ図書館に所蔵するレベルの数だった場合はどうでしょうか?商品の受け渡しは気軽にできるものではありませんよね。

しかも、古本屋から買った本は、また同じ古本屋に売らないといけないわけです。このような場合、わざわざ現物のやり取りをする必要はなく、差金決済にした方が便利といえます。

このように、差金決済は現物のやり取りをせずに行う取引で、最後に反対売買をするときに、差額を受け取るか支払うだけでいいのです。

そのような仕組みのため、証拠金を差し入れることで取引でき、レバレッジをかけることもできるのです。

損失発生時は証拠金から損失が引かれる

証拠金は、差金決済で損失が出ている場合、FX口座から引かれていくことになります。そして、利益が出ている場合は、反対売買が終わった後に、FX口座に利益がプラスされます。

気を付けたい証拠金維持率

    証拠金には、証拠金維持率というものが存在します。証拠金維持率とは、 現時点で決済をした場合の評価損益のことを指します。証拠金維持率が高いほど、リスクヘッジをとれていると言えます。

    証拠金維持率は以下の計算方法で算出することができます。

    証拠金維持率 = 有効証拠金 / 必要証拠金 × 100 (%)有効証拠金 = 証拠金残高 + 評価損益

        (のちほど詳しくご説明します)

    必要証拠金 = 為替レート × Lot数 ÷ レバレッジ比率

    利益が出そうな場合は含み益、損失が出そうな場合は「含み損」といいます。これら2つを合わせて「評価損益」といいます。

    含み損が出た場合、証拠金から資金が引かれていくことになります。証拠金がなくなってしまうと、それよりも多額の資金を失ってしまうことになりかねません。

    そのためにFX会社は、マージンコールロスカットというシステムを採用しています。

    マージンコールは、FX口座の証拠金維持率が規定のパーセンテージをした回った場合、「証拠金を追加してください」という知らせが、FX会社から通達されるというものです。証拠金の追加を促す通達なので、追証とも呼ばれています。

    マージンコールがあったにも関わらず、証拠金を追加せずにFX取引を続けた場合、次はロスカットが執行される可能性があります。

    証拠金維持率が規定のパーセンテージを下回ると、トレーダーにこれ以上損失を出させないために、FX会社が強制的に反対売買し、ポジションを終了させます。
    これを、ロスカットと言います。

    マージンコールのタイミングとロスカットが発生する証拠金維持率は、FX会社によって異なります。

    証拠金維持率の目安はない

    マージンコールやロスカットにならないために、つまり、「証拠金維持率をどの程度に保っていれば安全なのか」が気になりますよね。

    これに関しては、目安はありません。

    証拠金維持率の目安を出すためには、取引している通貨の特徴やトレードスタイル、過去のデータなどから判断するしかありません。

    しかし、どのタイミングで過去のデータを超える経済指標の結果や要人発言の内容があるのかは予測することはできません。

    そういった意味では、証拠金維持率の目安を出すことはできないと言えます。

    証拠金に関する様々な用語

    FXを取引すると、「証拠金」という言葉を使った用語がよく出てきます。どんなものが出てくるのか、ここで一部を紹介します。

    証拠金預託額

    証拠金預託額とは、FX口座にトレーダーが預けている証拠金の残高のことです。FX会社が広告を打つ際に、「証拠金預託額が○○億円を突破しました」という風に使われることもあります。

    証拠金預託額が多いFX会社は、それだけ多くのトレーダーが口座開設をし、取引を行っているということになります。

    必要証拠金

    必要証拠金 = 為替レート × Lot数 ÷ レバレッジ比率

    必要証拠金は、FX取引でポジションをとるために最低限必要な証拠金のことを言います。

    例えば、1ドル100円で1万通貨単位買い、5倍のレバレッジをかけたとします。このポジションに必要な証拠金…つまり必要証拠金は20万円となります。

    必要証拠金はほかにも「取引証拠金」「必要保証金」と呼ばれることもあります。

    有効証拠金

    有効証拠金 = 証拠金残高 + 評価損益

    実際にFX取引を開始すれば、為替レートが変動して、為替差益と為替差損が出ます。利益が出た場合は証拠金にプラスされ、損失が出た場合は証拠金から引かれるというのは先ほども説明しましたね。

    つまり、 評価損益を必要証拠金に加味したものが有効証拠金となります。

    簡単に言えば「あといくら取引に使用できるお金があるのか」を表しているのが有効証拠金です。

    必要証拠金から有効証拠金を引いて残った金額が余剰金となり、そのまま資金として口座に置いておくことはもちろん、新たにポジションを建てたり、出金することもできます。

    ここまで証拠金の種類について解説しました。「証拠金」という名前のつく用語が色々あります。代表的なものはこの3つですが、業者によって若干名称が異なる場合もあります。

    預託証拠金以上の損失は出るのか?

    預託証拠金以上の損失が出ないように、マージンコールやロスカットがあると解説しましたが、FX取引で預託証拠金以上の損失が出ることはあるのでしょうか?

    証拠金預託額以上の損失が出る可能性はある

    FX会社が、トレーダーの預託証拠金以上の損失が出ないよう、マージンコールやロスカット等の対応をしていることは確かです。

    しかし、FX取引で証拠金預託額以上の損失が出る可能性はゼロというわけではありません。

    証拠金預託額以上の損失が出る事例を、ここで解説しましょう。

    あるトレーダーが、預託証拠金が7万円の状態で、レバレッジを20倍でFX取引を行ったとします。1ドル=100円の為替レートのとき、10,000通貨をロングポジションで持ちました。

    つまり、100万円のドルを買ったということになります。このFX会社でロスカットが執行される証拠金維持率は、60%です。

    その後、金融危機など世界経済に大きな影響を与える問題が発生し、一気に1ドル=93円の円高になりました。

    為替が短時間に乱高下したため、そこからさらにレートが飛び、結局ロスカットが執行されたのは、1ドル=91円のレートのときです。

    この場合、損失は9万円ということになり、ロスカットの執行時にはすでに預託証拠金額を上回る損失が出ていることになりますね。この2万円は、トレーダーにとって、FX会社からの借金ということになります。

    この借金に対し、FX会社から「○月○日の○時までに、FX口座に入金してください」と連絡が届きます。

    この日時までに入金しなかった場合、トレーダーはFX会社に遅延損害金を支払うことになります。さらにそのまま入金せずにいると、借金はどんどん膨らんでいくことになります。

    FX会社によって規定は多少異なりますが、ほとんどのFX会社は、遅延損害金に対して消費者契約法で定められている年率14.6%という金額を上乗せして支払うように定めています。

    この遅延損害金をトレーダーは必ず支払わなくてはいけません。

    では次は、FX取引を行う上で心がけること、そして通貨ペアと証拠金の関係について解説していきましょう。

    通貨ペアと預託証拠金

    FXでは、様々な通貨ペアを取引することができます。取引する通貨ペアを意識して、証拠金を用意することが実は非常に重要です。

    資金を大きくするのがすべての基本

    FX取引を行うにあたって心がけることは、資金を大きくして、取引ロット数をなるべく小さくすることです。つまり、差入証拠金を大きくするということですね。簡単に言えば、身の丈にあったFX取引を心がけるということになります。

    資金に対して少ない取引ロット数を心がければ、得られる利益はロットが大きい場合に比べて小さくなるものの、確実に余剰資金を作ることができます。利益が小さいということは損失も小さいということですので、リスクヘッジには有効なのです。

    複数のポジションを持ちたい、というトレーダーも多いと思いますが、どんな場合でも、とにかく余剰資金をしっかり作ることが大切です。

    通貨ペアの値動きを意識して証拠金を差し入れよう

    通貨ペアと証拠金の関係について解説します。

    例えば、世界的に取引量の多いドル円、ユーロドルといった通貨ペアは、比較的値動きが穏やかで、FX取引がしやすい通貨ペアです。

    経済指標の発表時や要人発言があった時などを除くと、急激な変動が比較的少ない通貨ペアだと言えるでしょう。

    それに対し、値動きが荒い通貨ペアは危険です。値動きが非常に激しいことで知られているポンド円は、ハイリスクハイリターンの通貨ペアの代表です。

    取引量が少ないうえに、値動きの荒さを狙った投機的な取引を行うトレーダーが多く、経済指標発表時や要人発言があったときでなくても、大きくレートが動くことがあります。

    そのような通貨ペアでFX取引を行うときは、先ほどの「差入証拠金額を大きく」ということを徹底する必要があります。通貨ペアの変動の幅に応じ、証拠金を追加することも時には必要になってくるでしょう。

    急に証拠金額がロスカットレベルに達したりしないように、余剰金額を常に持って取引を行うことが大切です。
    大きな利益を狙える可能性があるのは魅力的ですが、リスクヘッジを意識しないと足元をすくわれることになってしまいます。

    相場急変を意識して証拠金を差し入れよう

    先ほど、ドル円、ユーロドルなどの通貨ペアに関しては、基本的には大きな相場変動が起こりにくいということを解説しました。

    しかし、値動きが緩やかな通貨ペアであっても、大きくレートが変動する可能性はゼロではありません。

    先ほども少し触れましたが、経済指標や要人発言の場合は大きく相場が動きます。

    しかし、経済指標発表時や、要人発言がありそうな重要な会議・講演などは、事前にスケジュールが決まっており、大きく動く可能性があるタイミングをある程度予測することが可能です。

    ドル円やユーロドルでも、リーマンショック等の世界的な金融危機の際は、為替相場が大きく動きました。

    また、近年では、イギリスのEU離脱が決まった国民投票の際は、ポンドやユーロはもちろん、ドルや円など他のエリアの通貨も急激な為替変動が起こるなど、大きな影響を受けています。

    なお、この時のポンド円は、FX会社にもよりますが、瞬く間に16%前後の円高になりました。また、この時のポンドドルは、ポンドの価格がドルに対して、一瞬で10%前後も下落するという、到底予測できないような相場になっています。

    こういった過去の出来事を踏まえ、余剰資金を多く持つことを心がけておきましょう。
    イギリスのEU離脱はもちろん、経済指標の結果や要人発言の内容など、突然FX相場を大きく動かす要因は、予測することが困難な材料です。

    だからこそ必要なのは、激しい値動きに耐えることができるよう、潤沢な資金で余裕を持って取引することになります。

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    まとめ

    ここまで、FX取引における重要な要素の1つである証拠金について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?

    証拠金は、現物の受け渡しがなく、反対売買が定められている差金決済だからこその仕組みです。

    差金決済だからこそレバレッジをかけた大きな取引ができ、そのために必要なのが証拠金ということになります。

    FXがここまで浸透した理由の一つに、差入証拠金額が株の信用取引などに比べて少なくても取引できることが挙げられます。

    一気に知名度の上がったFXですが、そのレートは、ティックという点でレートが推移していくことはあまり知られていません。点でレートが推移するため、次のティックでいきなり大きくレートが飛んでしまうということもあります。

    先ほど紹介したイギリスのEU離脱や、リーマンショック等の世界的な金融危機などが起きた場合、いきなり証拠金を割り込むところまでレートが飛ぶ可能性もありますし、ロスカットされた時に、口座がマイナスになってしまう可能性もあります。

    そうなったとき、トレーダーはマイナスになった証拠金を、すぐにFX口座に入金する必要があります。

    マージンコールやロスカットは、トレーダーを助けることができるシステムの1つですが、変動が極端に大きい場合、機能はするものの、大きな損失を抱える結果になってしまうこともあるのです。

    そうならないためにも、FX取引を行う場合は、どんな通貨ペアを選択するときも、余剰資金を持つことが大切です。

    特に、通常の状態での値動きが大きい通貨ペアの場合、そのことを強く意識する必要があります。

    資金となる証拠金額を大きく、取引ロット数を小さくというのが、FX取引を行うトレーダーすべてが意識しないといけないリスクヘッジの方法です。

    相場で長く生き抜くことのできるトレーダーを目指すには、リスクコントロールをしっかり行うことが特に重要なのです。

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