FXは損失を出しても確定申告すべき/損益通算の考え方と申告の方法

  • 更新日: 2019/07/17

FXで損失を出してしまうと、FXとは距離を置きたくなってしまうかもしれません。しかし、投資では損失を出した時にこそ冷静になってみる必要があります。

  • FXで損失を出してしまった
  • FXで損失を出したので確定申告の必要はない?
  • FXで利益は出せなかったけど確定申告はした方がよいのか?

今回は、このような状況の投資家に対して、FXで損失を出してしまった際の確定申告のメリットとして「繰越控除」という制度について紹介していきます。FXを継続的にするつもりなら、ぜひ確認しておきたいメリットなので、ご覧になってみてください。

FXにおける「利益」「損失」とは?

そもそもFXの「利益」や「損失」とは、なんなのか。確定申告の前に確認しておきます。

「含み益」や「含み損」について

「<含み益」や「含み損」というのは、まだ確定していない利益や損失のことを指します。今後の値動きによって、利益が増える可能性もありますし、損失が解消する可能性もあります。このような状態の利益や損失については、確定申告することができません。

必要なら確定申告を前に決済

確定申告の対象は、あくまでも決済した分になりますので、必要に応じてポジションを決済しておきましょう。ここで注意が必要なのは、含み益や含み損のポジションが入り交じっている場合で、しっかりと翌年以降を考えて、処分していく必要があります。

FXの損失を確定申告するメリット

FXの損失を確定申告するメリットについて紹介します。

確定申告の必要性

まず、FXで損失を出した場合の確定申告の必要性について考えてみます。

自営業、フリーターなど:FXの利益を含む雑所得の合計が38万円を超える会社員、年金生活者:給与所得もしくは公的年金以外の所得が20万円を超える

以上が確定申告が必要になってくる、大まかな基準です。このため、FXで損失を出した多くの人は、確定申告の必要性がないことになります。

FXの利益の税率

FXは雑所得に該当します。雑所得の税率は20%で、その内訳は所得税が15%、住民税が5%です。また、2013年~2037年の期間は、復興特別所得税が0.315%上乗せされます。

必要性はないがメリットはある

FXで損失を出した場合は、確定申告の必要性はありません。しかし、確定申告によってメリットを得られる場合があり、それが「繰越控除」という制度です。

確定申告すべき?

FXの損失を確定申告するメリットはご理解いただいたと思いますが、中には「面倒だから確定申告しない」と考えているトレーダーもいるかと思います。しかし、確定申告は条件が揃えば必ずする必要があり、自身の意思で、するかしないかを決められるものではありません。仮に条件を満たしているにも関わらず、確定申告を怠ると脱税となります。「ばれる?バばれない?」と不安に思う日々を過ごすなら、最初から確定申告を行いましょう。ここでは、属性ごとにどのような条件が揃った場合に確定申告をする必要があるのかを解説します。

専業主婦

専業主婦の場合、毎年1月1日から12月31日までの所得が38万円を超える場合、確定申告が必要となります。FXで得た利益だけではなく、株取引やバイナリーオプションなどで得た利益はもちろん、在宅ワークで得た利益なども含みます。これらの合計所得が38万円を超える場合には確定申告が必要となります。任意ではなく、義務として確定申告と納税が必要となりますので注意してください。

サラリーマン

サラリーマンなどの給与所得者の場合、年末調整を会社が行ってくれますので、確定申告に馴染みが少ない方が多いと思います。しかし、年末調整を行っている給与所得者であっても、毎年1月1日から12月31日までに、本業以外で得た所得が20万円を超えた場合、確定申告が必要となります。もちろん、FXで得た利益だけではなく、副業などで得た利益も加え、合計で20万円以上の所得となると確定申告と納税の義務が生じます。

無職

たとえ無職であっても年間の所得が一定金額を越えれば確定申告と納税が必要です。無職の場合1月1日から12月31日までの所得が38万円を超えた場合に確定申告が必要となります。また、日雇いバイトなどで得た収入や、在宅ワークでえた利益などとも合計されますので注意が必要です。ただし、38万円ほどの所得であれば、実際に支払いを行う税金は数千円となりますので、あまり心配されなくとも大丈夫です。もちろん、所得が多ければ多いほど、税金の支払額は多くなります。

個人事業主

個人事業主の場合も主婦や無職の方と同じように38万円以上の所得が発生した場合に確定申告と納税が必要となります。ただし、青色申告の手続きを行っている場合は控除額が65万円となります。個人事業主であれば、確定申告には慣れているかと思いますが、FXで得た利益も忘れずに計上するようにしてください。

繰越控除とは?

FXで損失を出した時に使える「繰越控除」について説明します。

繰越控除の概要

繰越控除は、年をまたいで利益と損失を計算できる制度です。FXにも適用され、その年に出した50万円の損失を、翌年の50万円の利益と相殺できるような仕組みです。

繰越控除は3年間のみ

このように繰越控除は、大きな損失を出してしまった投資家にとって便利な制度ですが、損失を一生繰り越せるわけではありません。損失の繰り越しは、「向こう3年」と決まっており、以降は繰越控除の対象となりません。

繰越控除の利用には確定申告が必要

FXで損失を出した場合に確定申告をした方が良い理由の大きなポイントがココです。繰越控除の利用には確定申告が必要で、翌年に利益を出したからといって、遡って損失を繰り越すことはできません。

つまり、その年の損失は、その年に確定申告で証明しておく必要があるのです。損失を出した翌年に利益を出すかどうかは誰にもわかりません。そのため、今後利益を出した時のために先読みして確定申告をすることで繰越控除というメリットを得られます。

含み損ではなく、損失を確定しておく

最初に確定申告における「含み益」、「含み損」の扱いについて説明しました。含み損については、確定申告することができませんので、繰越控除を利用するなら、あらかじめ決済をして、損失を確定しておく必要があります。

翌年の確定申告も忘れずに実施

繰越控除のために確定申告をした翌年にFX取引は、一切しないというケースもあるかもしれません。その場合、この年については確定申告をする必要がありませんが、繰越控除は最大で向こう3年まで損失の繰り越しができます。

ここで注意が必要なのは、損失の繰り越しは、毎年の確定申告が条件だということです。損失を出した翌年はFX取引をしなかったので確定申告しなかった。この場合は、損失を出した翌々年に利益を出しても、損失を相殺できないので注意しましょう。

確定申告で繰越控除をする場合

実際に確定申告で繰越控除をする場合の手続きについて紹介します。

FXの確定申告に必要な書類

確定申告書B(第一表・第二表)確定申告書 第三表(分離課税用)先物取引に掛かる雑所得等の金額の計算明細書

通常、FXの利益を確定申告する場合には、このような書類が必要です。これらは、国税庁のホームページから作成することができます。

また、書類作成時にFX会社から送られてくる「年間損益報告書」が必要なので、用意しておきましょう。

さらに、FXに関する必要経費がある場合は、事前に計算して、それを証明する書類も用意しておきます。

添付書類として必要なもの

FXで得た利益を確定申告する場合、下記の添付書類が必要となります。いずれも利用しているFX会社にて発行が可能ですが、FX会社によっては発行に時間がかかるケースもありますので事前に確認を行うようにしてください。

所得税申告書第三表(分離課税用)先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書FXの取引履歴などがわかる損益報告書

また、FXで損害が発生したことによる、3年間の損失繰越手続きを希望する場合は、上記に加え下記の書類も添付する必要があります。

平成○年分の所得税及び復興特別所得税の○申告書付表(先物取引にかかる繰越損失用)

各種書類はFX会社のマイページからダウンロードできることもありますし、郵送となる場合もあります。いずれにしても、確定申告に必要な書類の手配は早めに行うようにしましょう。

源泉徴収票は必要?

給与所得者は、確定申告に必要な書類のほか、源泉徴収票を1部用意する必要があります。源泉徴収票はお勤めの会社にて発行となりますので、早めに人事担当者などへ確認を行うようにしてください。通常、源泉徴収票はお勤めの会社が年末調整を行なった時期に発行が可能となります。

また、税務署と市県民税用に源泉徴収が2通必要と勘違いしている方がいますが、確定申告を行う場合、源泉徴収票の提出および各種申告は税務署のみで問題ありません。別途、税務署から各都道府県に情報が共有されますのでご安心ください。

繰越控除をする場合

繰越控除をする場合は、上で紹介した書類に加えて、「所得税の確定申告書付表(先物取引に係る繰越損失用)」の書類が必要です。

また、確定申告書 第三表(分離課税用)に、繰越控除に関する項目があるので、3年分の損失繰越額を記入します。これらの書類も、国税庁のホームページから手に入ります。

損益通算も確定申告のメリット

確定申告をすることによって得られるメリットには、繰越控除の他に「損益通算」があります。

損益通算とは?

損益通算とは、簡単にいえば所得間の利益と損失を相殺できるものになります。例えば、200万円の利益が出た所得があっても、一方で200万円の損失が出ていれば、相殺して所得がゼロになるというようなものです。

FXの損益通算

損益通算は、不動産所得や事業所得などの間で通算することができますが、FXが区分される雑所得の損益通算には、また違ったルールがあります。FXの雑所得をもう少し詳細に説明すると、「申告分離課税の先物取引に係る雑所得等」に該当します。

FXの損益通算は、この「申告分離課税の先物取引に係る雑所得等」に該当する金融商品間でのみ可能です。

FXと損益通算できる金融商品

  • CFD
  • バイナリーオプション
  • 商品先物(金、原油など)
  • 指数先物(日経225、TOPIXなど)
  • くりっく365(取引所FX)

※FX会社を通じての取引は「店頭FX」に該当

有名な金融商品では、このようなものがFXと損益通算をすることができます。投資商品の中で、FXと同じくらい有名な株取引は、残念ながらFXと損益通算することができないので注意しましょう。

FX以外にも投資をしてるなら要確認

損益通算は、FX以外に投資はしていないなら気にする必要はありません。しかし、その他にも色々な投資をしているなら、損益通算することができないかを確定申告の前に確認しておきたいところです。

fxでの確定申告の流れと方法

FXで利益を得た場合の確定申告の流れに関して説明します。これから、はじめての確定申告に挑む方は、全体の流れを事前に把握し、スムーズに手続きが進行するように心がけていただければと思います。

大きく分けてFXで得た利益を確定申告するには5つのステップが必要となります。順に解説します。

1、「年間損益報告書」などの入手
まずは、確定申告に必要となる「年間損益報告書」などの提出書類を準備しましょう。「年間損益報告書」などは、利用しているFX口座の公式サイトからダウンロードすることが可能です。一部のFX口座に関しては、ダウンロードではなく、郵送で送付される場合もあります。詳しい入手方法に関しては、事前に自身が利用しているFX会社に確認を行うようにしてください。

2、収入の合計が確認できる書類を用意する
サラリーマンの方などは、会社から発行される源泉徴収票などの用紙を用意するようにしてください。ただし、無職の方や学生、主婦でFX以外の収入がない場合、収入の合計が確認できる書類は不要となります。

3、領収書など経緯が確認できる書類を用意する
もし経費の計上をするのであれば、領収書やレシートなど、経費としての支出が確認できる書類を用意します。ただし、経費にかかるのは、あくまでもFXで利益を得るために利用した費用のみです。主なものとしてFX関連の書籍購入や有料セミナーへの参加などになります。食費などプライベートな支出に関しては、経費となりませんので注意が必要です。

参考までに、FXの経費として認められる可能性のある科目は下記になります。

  • 書籍購入費
  • セミナー参加費
  • セミナー参加時の交通費や宿泊費
  • 新聞代
  • インターネット接続費
  • 情報商材購入費
  • 取引手数料

なお、計上する経費がない方に関しては、領収書やレシートの用意は不要となります。

4、確定申告書類の作成
確定申告に必要な書類の作成は、国税庁の公式サイト内にある「確定申告書等作成コーナー」を利用しオンラインで作成可能です。またオンラインで作成した確定申告書類などはプリンターを利用し印刷する必要があります。

5、確定申告書の提出と納税
作成した確定申告書類と添付資料を管轄の税務署へ提出し納税額が決定します。税金の支払い方法は指定金融機関からの振替もしくは払込票を利用したコンビニ払いが主流です。e-taxを利用しインターネット上での支払いも可能ですが、事前準備に時間がかかるためおすすめできません。また、所得税は原則1回払いとなりますので注意が必要です。

fxでの確定申告の書き方

前述したように、確定申告書は、国税庁の公式サイト内にある「確定申告書等作成コーナー」を利用することで、確定申告に慣れていない方であっても、簡単に作成することが可能です。「確定申告書等作成コーナー」を給与所得者が利用する場合の主な入力項目は下記になります。

  • 氏名住所と生年月日
  • 生年月日所得の種類
  • 各種控除の確認
  • 支払い金額や所得金額
  • 16歳未満の扶養家族の人数
  • 特別控除の金額
  • 所得控除の金額
  • 税額控除などの入力

少し難しく感じる方もいるかと思いますが、基本的には源泉徴収票や年間損益報告書に記載されている内容の入力となります。各項目の説明や入力方法に関しても「確定申告書等作成コーナー」で丁寧な、やり方の説明がありますので安心してください。

繰越控除による収益シミュレーション

FXで年間の収益がマイナスとなった場合、繰越控除を行うことで、最大3年間も損害を繰越すことが可能となり節税に繋がります。無職の方がFXで発生した損益を繰越控除した場合のシミュレーションは下記のようになります。

1年目:マイナス48万円の損害 → 確定申告を行い繰越控除の手続き (税金の支払いは0円)
2年目:40万円のプラス収支 → 確定申告を行い繰越控除の手続き (税金の支払いは0円)
3年目:50万円のプラス収支 → 確定申告を行い繰越控除の手続きと納税

1年目は損失額が40万円ですので、税金の支払いは発生しません。2年目は40万円の所得を得ており、本来であれば納税義務が発生しますが、前年の損益を繰越しますので税金は0円となります。さらに1年目の損益8万円を翌年に繰越します。3年目は所得の50万円から繰越分の8万円を差し引いた42万円が課税対象となります。

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まとめ

いかがだったでしょうか。FXの利益がないからといって確定申告をしないと、損をしてしまう可能性もあるという点を理解できたのではないでしょうか。今回紹介した「繰越控除」は、翌年に繰り越せる損失があったとしても、国が教えてくれるわけではありません。

必ず自分で確定申告をする必要がありますので、保有中のポジションを決済するかどうかも含めて、年末までに結論を出しておきましょう。また、複数の投資をしているなら「損益通算」についても確認しておきたいところです。

確定申告について理解したあとは、FXに関する正しい知識を以下の記事で確認しましょう。

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