グランビルの法則を使ったトレード手法/テクニカル分析の基本

  • 更新日: 2019/07/24

株やFXの取引に欠かせないのがテクニカル分析です。それにあたり使われるのが、テクニカル指標ですが、実に様々なものがあります。メジャーなものから、あまり知られていないものまで、実に多種多様です。

そんなテクニカル分析の基本で、広く知られているものの中に、「グランビルの法則」があります。
グランビルの法則はトレーダーによく知られており、シンプルながら、実際のトレードに活かすことができるテクニカル指標です。

そこで今回は、

  • グランビルの法則がどんなテクニカル分析なのか知りたい。
  • 「グランビルの法則の実際のトレードでの活かし方を知りたい

という人に、グランビルの法則の基本と、実際のトレードでの使い方を紹介します。

勝ち組トレーダーほど、難しい手法は使わず、シンプルな手法で利益を上げていることが多いと言われています。シンプルで分かりやすく初心者でもチャレンジしやすいグランビルの法則を知り、利益を出せるトレーダーを目指しましょう。

グランビルの法則とは何か

FXを始めると様々なテクニカル分析を覚えますが、その中でも基本中の基本が「グランビルの法則」です。ここでは、グランビルの法則がどのようなものなのか解説します。

FXに欠かせないテクニカル分析

FXを取引する上で欠かせないのがテクニカル分析です。テクニカル分析には、よく知られているRSIやストキャスティクス、ボリンジャーバンドなどのメジャーなものから、あまり聞いたことのないマイナーなものまで、実に様々な種類があります。

FXが株以上にテクニカル分析が重視されるのは、取引参加者の多くがテクニカル分析を使用しているからです。

ご存知のとおり、通貨ペアには取引量の多いものと少ないものがありますが、取引量が多ければ多いほど参加者は多くなり、参加者が相場の判断をしているものに基づいて動くようになります。

「ミセスワタナベ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?このミセスワタナベは、外国人投資家によってつけられたあだ名のようなものですが、日本人の個人投資家のことを指しています。

FX市場における日本人の個人投資家の資金力は実は大きなもので、ミセスワタナベのあだ名がついたのも、日本の個人投資家の売買が市場に大きな影響力を及ぼしたことがきっかけでした。

というのも、特段の材料がないにも関わらず、東京時間の昼過ぎから日本の個人投資家によるドル買いの注文が一斉に入り、円安ドル高の流れになることが多々あったのです。

その原因が何であるのか調べたところ、昼休みを利用してトレードする、日本人の個人投資家たちの注文によるものであるとわかったことから、このような日本人の個人投資家を、ミセスワタナベと呼ぶようになったのです。

外国為替市場の取引高は株よりも大きく、国際決済銀行が発表した2016年のドル円の1日の取引高が9,020億米ドルであることを考えると、現在のドル円のレートを基に換算すると、約95兆円にもなることが分かります。

ミセスワタナベと呼ばれるようになるきっかけとなったエピソードを考えても、莫大な資金がやり取りされる外国為替市場を大きく動かすだけの資金力が、日本の個人投資家にはある、ということなのです。

日本の個人投資家の傾向として、テクニカル分析を重視することが挙げられます。海外の投資家もテクニカル分析は行いますし、テクニカル指標もチェックします。

一方、機関投資家などのプロは、主にファンダメンタルズ分析を基に取引しますが、テクニカル分析をまったく行わないわけではなく、参考にしています。そのため、テクニカル分析を知ることが、FXでは非常に重要なのです。

とはいえ、マイナーなテクニカル指標を見てテクニカル分析をしても、なかなかパフォーマンスが上がらないことがあります。

もちろん、全部がそうというわけではなく、あまり知られていないマイナーなテクニカル指標であっても、分析の精度が非常に高いものもあります。

そのため、極論を言えば、勝てるのであれば、どんなにマイナーなテクニカル指標であっても構わないのです。

しかし、よくあるのが、あまり知られていない精度の高いテクニカル指標を探しても、見つけるのに時間がかかり、そうこうしているうちに、勝てずに資金だけを減らしていくパターンです。

その場合、目的が「トレードに勝つ」ことでなく、「勝率の高いテクニカル指標を見つける」ことに、いつの間にかシフトしてしまっている人が珍しくありません。こうなってしまうと、本末転倒です。

テクニカル指標は、マイナーなものでなく、多くの人が見るものを使うべきです。先ほども書いたとおり、FX市場の取引高は莫大です。

そのため、相場を大きく動かそうと思ったら、個人ではとても用意できないような巨額の資金を投入する必要があります。

もしもドル円相場に影響を与えようと思ったら、最低でも100億円は必要だと言われています。この金額でも、影響が出るかどうかといった感じなのです。

そのため、自分の思う方向にトレードするのではなく、参加者の大多数が考える方向に乗ってトレードするのが正解なのです。

大部分の参加者が考える方向を知る上で必要なのが、テクニカル指標であり、よく使われているメジャーなテクニカル指標なのです。

テクニカル分析の基本中の基本「グランビルの法則」

すでに書いたように、テクニカル分析はFXを取引する上で欠かせないものです。そのテクニカル分析の基本中の基本に「グランビルの法則」があります。

グランビルの法則は、酒田罫線と並ぶ、テクニカル分析のロングセラーであり、基本中の基本です。そのため、投資家に広く知られており、グランビルの法則に注目して取引するトレーダーも多くいます。

グランビルの法則を知ることは、勝ち組トレーダーに近づくための一歩になるのです。

グランビルの法則とは

グランビルの法則は、ジョセフ・E・グランビルによって考案されたテクニカル分析です。グランビル自身は投資家ではなく、金融記者であり、株式アナリストでした。

そんなグランビルが考案したこの法則は株価と移動平均線との位置関係に注目したもので、買いと売りのポイントをそれぞれ4つにパターン分けしているのが特徴です。

グランビルの法則における、買いのポイントは、

  1. 下落または横ばいの移動平均線が上昇に転じ、為替レートが移動平均線を下から上へ突き抜けた時。
  2. 上向きの移動平均線を為替レートが一時的に上から下に突き抜けた時。
  3. 上向きの移動平均線に向かって為替レートが下落したものの、移動平均線を割り込むことなく再び上昇した時。
  4. 下向きの移動平均線から為替レートが大きく乖離して下落した時。

また、売りのポイントは、

  1. 上昇または横ばいの移動平均線が下落に転じ、為替レートが移動平均線を上から下へ割り込んだ時。
  2. 下向きの移動平均線を為替レートが一時的に下から上に突き抜けた時。
  3. 下向きの移動平均線の近くまで為替レートが上昇したものの、移動平均線を突き抜けることなく再び下落した時。
  4. 上向きの移動平均線から為替レートが大きく乖離して上昇した時。

というように、チャートパターンに応じた売買ポイントが分かりやすくまとめられています。

なお、グランビルの法則は、ラインチャートと移動平均線との関係で描かれた図表をよく見かけますが、実際のトレードでは、ラインチャートではなく、ローソク足を使いトレードする人が多く、特に日本人の場合はその傾向が強いです。

そのため、グランビルの法則をローソク足との関係にまとめ直すと、
買いのポイントは、

  1. 下落または横ばいの移動平均線が上昇に転じ、ローソク足が移動平均線を下から上へ突き抜けた時。
  2. 上向きの移動平均線をローソク足が一時的に上から下に突き抜けた時。
  3. 上向きの移動平均線に向かってローソク足が下落したものの、移動平均線を割り込むことなく再び上昇した時。
  4. 下向きの移動平均線からローソク足が大きく乖離して下落した時。

また、売りのポイントは、

  1. 上昇または横ばいの移動平均線が下落に転じ、ローソク足が移動平均線を上から下へ割り込んだ時。
  2. 下向きの移動平均線をローソク足が一時的に下から上に突き抜けた時。
  3. 下向きの移動平均線の近くまでローソク足が上昇したものの、移動平均線を突き抜けることなく再び下落した時。
  4. 上向きの移動平均線からローソク足が大きく乖離して上昇した時。

ということになります。

グランビルの法則はどう使えば良い?

グランビルの法則の8つの売買ポイントは先ほど紹介したとおりですが、実際に使おうとすると、なかなかうまくいかない人も出てきます。

基本的にグランビルの法則は、先ほど挙げた8つの売買ポイントを見つけてトレードするのですが、売りと買い、それぞれ4つある法則のうち、初心者には少々チャレンジしにくいものもあります。

そのため、トレードに慣れるまでは、取り組みやすく、分かりやすいものを選んでトレードの際の売買ポイントにすると良いでしょう。

グランビルの法則で取り組みやすのは、買いの1)と売りの1)です。

つまり、買いの場合は「下落または横ばいの移動平均線が上昇に転じ、ローソク足が移動平均線を下から上へ突き抜けた時」であり、売りの場合は「上昇または横ばいの移動平均線が下落に転じ、ローソク足が移動平均線を上から下へ割り込んだ時」ということになります。

また、買いの3)と売りの3)も初心者にとって取り組みやすい法則です。

つまり、買いの場合は「上向きの移動平均線に向かってローソク足が下落したものの、移動平均線を割り込むことなく再び上昇した時」であり、売りの場合は「下向きの移動平均線の近くまでローソク足が上昇したものの、移動平均線を突き抜けることなく再び下落した時」ということになります。

グランビルの法則を使った際のイグジットポイントは?

グランビルの法則で初心者が取り組みやすいものについて先ほど紹介しましたが、買いと売りのどちらも、エントリーポイントのみを紹介しています。そのため、「グランビルの法則に基づいてエントリーしたら、どこで利益を確定すればいいの?」と思う人もいるのではないでしょうか。

先ほど紹介した、買いのエントリーポイントは「下落または横ばいの移動平均線が上昇に転じ、ローソク足が移動平均線を下から上へ突き抜けた時」と「上向きの移動平均線に向かってローソク足が下落したものの、移動平均線を割り込むことなく再び上昇した時」ということになり、このどちらかが確認できたらエントリーします。

そして問題のイグジットポイントですが、両方とも、「再びローソク足が移動平均線に触れた時」ということになります。

また、売りのエントリーポイントは、「上昇または横ばいの移動平均線が下落に転じ、ローソク足が移動平均線を上から下へ割り込んだ時」と「下向きの移動平均線の近くまでローソク足が上昇したものの、移動平均線を突き抜けることなく再び下落した時」ですが、こちらもイグジットポイントは「再びローソク足が移動平均線に触れた時」ということになります。

グランビルの法則を図にして見た場合、例えば買いのエントリーポイントである1)の「下落または横ばいの移動平均線が上昇に転じ、ローソク足が移動平均線を下から上へ突き抜けた時」で買いエントリーし、売りのエントリーポイントの4)「上向きの移動平均線からローソク足が大きく乖離して上昇した時」にイグジットすればよいのではないかと考える人も多いのではでしょうか。

あるいは、「上向きの移動平均線に向かってローソク足が下落したものの、移動平均線を割り込むことなく再び上昇した時」に買いでエントリーし、「上向きの移動平均線からローソク足が大きく乖離して上昇した時」にイグジットした方が、もっと大きな利益が取れるのではないかと考える人もいるのではないでしょうか。

確かにその通りですが、初心者のうちは、まずはトレードポイントの分かりやすい4つのポイントから始め、慣れてきたら他のテクニカル指標と組み合わせて、もっと大きな利幅を狙えるよう、グランビルの法則の他のポイントでの売買ができるようにすると良いでしょう。

慣れないうちから、他のテクニカル指標を組み合わせてトレードしても、かえって混乱を招き、結果が出ないことがよくあります。そのため、最初のうちは、シンプルな方法でエントリーポイントとイグジットポイントを見つけることが大切です。

グランビルの法則を使ったトレード

グランビルの法則は非常にシンプルなテクニカル分析です。ここでは、グランビルの法則を使ったトレード例を紹介します。

グランビルの法則の注意点

グランビルの法則は非常にシンプルなテクニカル分析で、どこでエントリーすれば良いかが分かりやすいです。ただし、万能というわけはなく、使う際に工夫が必要です。

基本的に、グランビルの法則は、ある程度長い期間の動きを捉えた方が、ダマシが出にくい傾向にあります。スキャルピングで使う1分足や5分足の場合は、ダマシが出ることも多いです。

なぜなら、短時間の値動きは、大きな流れの中で発生する小さなノイズも捉えてしまうからです。

グランビルの法則は、ある程度大きな相場の流れを読み取った上で売買ポイントを分析したものであるため、短期ではなく、それなりの期間で使った方が良いでしょう。そのため、1時間足や週足、日足など長めの期間の足を使って取引するのに向いています。

実際、グランビルの法則は、日足ベースで、200日移動平均線を用いて作られています。そのため、ある程度長い期間の足を使って取引するのに向いているのです。

グランビルの法則の使用例

ここでは、グランビルの法則の使用例を紹介します。使用するのは1時間足です。また、移動平均線の期間は20日にします。

    1. 20日移動平均線が上向きの時、1時間のローソク足が20日移動平均線を下から上に抜けたらエントリー。移動平均線が上向きのままであっても、一度ローソク足が移動平均線にタッチしたら、いったんそこで利益確定する。

      再びローソク足が20日移動平均線を下から上に抜けるか、あるいは移動平均線にタッチしてそのまま跳ね返ったら、再び買いでエントリーする。そして、ローソク足が再び移動平均線にタッチしたところで利益確定する。
    2. 20日移動平均線が下向きの時、1時間のローソク足が20日移動平均線を上からから下に抜けたらエントリー。移動平均線が下向きのままであっても、一度ローソク足が移動平均線にタッチしたら、いったんそこで利益確定する。

      再びローソク足が20日移動平均線を上から下に抜けるか、あるいは移動平均線にタッチしてそのまま跳ね返ったら、再び買いでエントリーする。そして、ローソク足が再び移動平均線にタッチしたところで利益確定する。

なお、移動平均線が横ばいの時にはエントリーしません。その場合は、移動平均線が上か下にきちんと傾きが出てきたら、ローソク足の動きを見て、エントリーのタイミングを探します。

まとめ

今回は、グランビルの法則について解説を行いました。グランビルの法則は、テクニカル分析の基本中の基本と言われている法則ですが、初心者にも分かりやすく、シンプルな分、売買ポイントを明確にしやすいのがメリットです。

最初のうちは、分かりやすい売買ポイントで取引をし、慣れてきたら、MACDやRSIなどの他の指標と組み合わせて、グランビルの法則の他のポイントでの売買をしてみると良いでしょう。

最初こそ理解や実践に苦しむかもしれませんが、初心者でも利益が出るシンプルで分かりやすい方法なので、是非一度グランビルの法則を利用してトレードを行なってみてはいかがでしょうか。

トレードスタイルについて、基礎から知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

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