FXにおける聖杯/全戦全勝のイメージを改める必要性

  • 更新日: 2019/07/19

FXトレードでの聖杯=全戦全勝、とのイメージを抱かれる方が多いようです。

しかしながらイメージ通りの聖杯を、個人投資家が探し出すことは事実上不可能、と言っても過言ではありません。

ただし聖杯について、全戦全勝、とのイメージを取り除くことができれば、聖杯を得られる可能性は十分にあります。

FXでの聖杯について、現実的な考え方及び聖杯は自ら作り上げる必要性について解説致しました。

トレードでの聖杯とは

FXと言わず株式や先物取引における「聖杯」は、一般的に全戦全勝・勝率100%のイメージが持たれています。

相場に対して百戦百勝の方法があれば、間違いなくそれは聖杯(必勝法)と言えます。そして多くの投資家が聖杯を求めて、日々研究を行っています。聖杯を見つけることができれば、一夜は無理としても月日の経過とともに大金持ち間違いなし、と言われます。

しかしながら、そんな完全勝利の方程式は簡単には見つかる訳はなく、多くの投資家が聖杯を見つける前に市場から撤退している現実が存在しています。しかし一方で、実際にFXで成功を収めている勝ち組トレーダーも存在します。

彼らは聖杯を見つけて、全戦全勝のトレードを行っているのでしょうか?

成功を収めているトレーダーについて考えることは、聖杯についての誤ったイメージを正しくするとともに、トレーダーとしてのあるべき姿を見出すことにも繋がります。

本当は、存在している聖杯

では、トレードにおける聖杯は存在していないのかと言えば、存在しています。

例えば米国ナスダック市場の取引は、各証券会社が価格を形成しています。出来高の少ない銘柄の多いナスダック銘柄は、証券会社が売買の気配値を投資家に提示することで株価の形成が行われています。

よって証券会社は「売り」と「買い」の気配値の差分については、必ず利益が得られる仕組みとなっています。売買がなされればなされるほど、証券会社は利益を得られる仕組みであり、この仕組みは「聖杯」と言うことができます。

個人投資家が証券会社の真似をできる訳はありませんが、全戦全勝のイメージがある聖杯について、その有無を問われれば、ナスダック市場での取引における証券会社は聖杯を得ていると言えます。

聖杯についての誤解、聖杯は売っていない

FX業界では多くのシステムトレードが販売されています。スキャルピングのシステムから、スイングトレードのシステムまで非常に多くのシステムが世の中には販売されており、中には聖杯とも言うべきシステムが存在の可能性があります。

しかし全戦全勝を聖杯と考えるのであれば、個人投資家が購入できる価格で聖杯の販売が行われている訳はありません。そのような聖杯を個人投資家が数万円単位や数十万円単位で手にすることができるようなら、機関投資家は何の苦労もなく、聖杯を手にすることができます。

どこかに聖杯は売っているのではないか?、と様々なシステムトレードを次から次に購入する投資家も残念ながら存在しています。

しかしながら、少なくとも個人投資家が購入できる金額で聖杯が販売されている可能性は極めて低い、と言わざるを得ません。よって全戦全勝を目指すような聖杯探しの旅は時間とお金の無駄となる可能性が非常に高いと言えます。

FXに夢と希望を持って、聖杯探しを行うのは楽しい一面があります。しかしながら報われない努力となる可能性が非常に高い現実を事前に知ることで、FXトレード上達のために有効に時間とお金を使うことが可能になります。

聖杯は売っているかもしれない、との甘い期待は早い段階で捨て去ることで、FXトレード上達の次のステップに進むことができます。

成功した投資家も聖杯=全戦全勝の手法は有していない

聖杯は殆ど存在しないかに見えますが、一方でトレードで成功している投資家は実際に存在しています。では成功した投資家は聖杯を手にしているのでしょうか?

その答えは「No」でもあり「Yes」でもあります。

まず「No」の部分では、成功している投資家でも全戦全勝の聖杯は有していません

個人投資家は多くの場合、最終的に相場の上下を当てることにより、金融市場から利益を得ることになるため、全戦全勝は不可能です。聖杯=全戦全勝、とのイメージであれば成功した投資家であっても、聖杯を手にしている訳ではありません。

しかしながら成功した投資家は、自身の聖杯と言うべき手法を有しています。その意味では、成功した投資家は聖杯を持っているか、との答えは「Yes」となります。

この成功した投資家の「聖杯」についての考え方が、FXトレーダーが成功するために重要なヒントが隠されています。

まずは多くの方が誤解している聖杯について、全戦全勝の思考から離れることが必要となります。

聖杯について考えを改める必要、期待値について

聖杯を全戦全勝の取引手法と考えれば、そのような手法は成功した投資家でも有していない、との答えとなります。

しかしながら、聖杯=期待値プラスの投資手法、と考えることができれば、そのような手法は存在しています。

期待値とは確率用語ですが、簡単に言えば賭け事での掛け金に対し戻ってくる見込み金額となります。1の掛け金に対し期待値が1であれば、収支均衡、1より上の数字となれば1を超える資金の回収が理論上可能です。

1回1回の勝負は勝ち負けが発生し、連敗するケースもありますが、期待値が1を超えているようなら、最終的に掛け金は1より多くなり返ることになります。そしてその掛け金に複利効果を発揮することができれば、着実に資金を増やすことができます。

この期待値の考え方を導入することが、FXトレードで聖杯を手に入れることの第一歩となります。

損切を受け入れる必要

人間は本質的に損を先送りして、利益を手前にしたいと望む性格の生き物です。よってトレードにおいて、損切を後にずらして利益確定を早めに行う行動は、本質的な人間の行動としては正しい思考行動と言えます。

しかしながら投資との観点では、損失を後ろにして利益確定を早めにしていては、資金が増えるどころか減少する結果を招きます。

人間としての本質である損を遅らせる行動は、投資で成功するためには必ず克服すべき部分です。

多くの投資家は本能のままに投資を行い、膨らみ過ぎた含み損に耐えられなくなって損切を行い、多少の利益が乗った段階で利益確定を行う結果、遅かれ早かれ市場からの退却を余儀なくされます。

利益確定は様々な要素が絡むので一言で最適解を表現することは出来ませんが、少なくとも損切については答えがあります。それは事前に決めた損切レートに来たら、何も考えずに損切を行うことです。

その前に、FXトレードで継続的に勝つためには、損切を当然のものとして受け入れる必要があります。損切はトレードの必要コスト、と割り切るスタンスも必要不可欠です。

分かっていてもできないのが損切ですが、損切ができないと、いつまでも間違った意味での聖杯探しを行うことになります。損切りを受け入れることで初めて、聖杯に一歩近づくことが可能となります。

自動的に損切を入れる方法も可能

損切りは人間が本能的に最も嫌う行為となります。よって基本的に慣れるのは不可能、と割り切った上で、手動で損切を行わない方法もあります。

ポジションを持ったら、損切り及び利益確定注文を同時に入れて、絶対に損切り注文だけは動かさない。”

この姿勢を守るだけでも、聖杯に一歩近付くことができます。トレードも、最終的には期待値と言う数字の世界に落とし込むことができます。そこは単なる数字で、トレード特有のハラハラドキドキとは全く縁のない世界です。

損切りも同様に考えて、損切りを迷うハラハラドキドキから離れて、システムやルール通りに数字に基づいて行う、この方法を導入することでためらいなく損切ができるようになるケースもあります。

メンタルを鍛えて自ら手動で損切り注文を入れられるようになれば、それは理想的ですが、どうしても損切りができない投資家がいるもの事実です。

その場合は無駄に自分との戦いを行わずとも、ルールに徹して自動注文機能を使うことで、人間の本性との闘いとは異なる立ち位置から、損切りを自然に行うことが可能となります。

チャート分析の基本のトレンドラインについては以下の記事で詳しく紹介しています。

エントリー(注文)ポイントについては、以下の記事にまとめられています。

損切りについては以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参照してください。

損切ラインの決め方については以下の記事をご覧ください。

聖杯は自ら作り上げるしかない

損切りを受け入れられるようになって、初めて期待値との観点で聖杯に一歩近付くことができます。

しかしながら聖杯の形は個人個人によって様々です。短期トレード手法が聖杯となるケースもありますし、長期視点のスイングトレードが聖杯となるケースもあります。またサヤ取りのような若干特殊な手法がその人の聖杯となるケースもあります。

人間の体格が一人一人異なるように、各投資家に合う聖杯の形も様々です。ベテラントレーダー同士でも、Aさんのトレード手法をBさんが利用してもサッパリ勝てない、との事態は容易に発生します。よって聖杯は自ら作り上げる他、方法はありません。

聖杯を作り上げる過程で、様々な投資が必要となるケースもあります。単に他人の手法に便乗して楽したい、というのであれば、それは無駄な投資になる可能性が高いです。

一方で、自らの聖杯作りのヒントになるかもしれない、とのスタンスであればその投資は成果を生む可能性があります。借り物の服が自分の体に合わないように、他人から借りた手法は一時的な成果を生む可能性はありますが、長続きしません。

単発で行う投資であれば、他人の借り物の手法で短期勝負も可能でしょうが、そうでないなら、長く使える自らに合った服=手法を作り上げるしかありません。

自らに合った手法を作り上げるには、時間とお金が相応にかかります。しかしながら一度作り上げれば、それは自らにとっての聖杯となりえます。

そしてその聖杯はメンテナンスを続けることで、長期に渡り市場から利益を上げることを可能とする存在となります。

聖杯の構成要素の1つ「何もしない」

実はFXにおいて、何もしない、と言うことも聖杯の構成要素の1つとなります。何もしなければ資金は増えもしませんし、減りもしません。

FXトレーダーは殆どの方がポジポジ病と言われる、ポジションを取りたくてウズウズする病気にかかっています

期待値がマイナスと分かっていても、ポジポジ病のためにポジションを取ってしまい、結果予想通り負けてしまう、そんなことは多くの成功しているトレーダーも経験しています。

ポジポジ病も損切と同じく、メンタル的に克服するのが非常に厄介な問題です。よってメンタルを鍛えて克服する、と言うよりルール化して自分とは戦わないのが、ポジポジ病克服の近道となります。

極論すれば、トレードしないと決めたらPCはおろかスマホにも近づかない、との物理的な方法も有効になります。

勝つための方法論として聖杯を自ら作り上げることは大切ですが、逆の観点から、トレードをしないことも、聖杯を構成する重要な要素となります。

大型の指標発表前後はトレードしない、年末や祝日等で市場が閑散としている時はトレードしない、体調がすぐれない時はトレードしない等、期待値がマイナスとなりそうな状況下でのトレードをしないことも、聖杯を作り上げる秘訣となります。

「べからず集」は聖杯に欠かせない付属品と言い換えることもできます。どうしてもトレードすることに焦点が集まりますが、トレードしない、と言う観点も加えることで、聖杯作りへの道は着実に前進します。

まとめ

聖杯=全戦全勝の手法、との考えから一旦離れて、聖杯=期待値プラスの手法、と考えれば、随分気が楽になりますし、出来もしない聖杯探しの旅をする必要もなくなります。

実際に成功しているトレーダーが存在している事実は、聖杯が存在する、と言うことに他なりません。しかしながら聖杯が簡単に手に入る、と言うことにはなりません。勝ち組トレーダーは皆、FXについてしっかりと勉強しています。

FXトレードで成功するためには、自らに合う聖杯を自ら作り出す必要があります。聖杯を作り出すには検証作業含め、多くの時間が必要になります。しかし一度作り上げたオリジナルの聖杯は、以後自らのトレード人生の宝物となります。

聖杯=全戦全勝の手法、を捨てて、期待値プラスとの意味での聖杯を、自ら作り出す努力を行ってはいかがでしょうか?

ほかにもFXのコラムをまとめていますので、ぜひ参照してください。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

お好みの条件で自分に合ったFX会社を検索

FXのことで悩んだら、専門家に相談!

FXに関するご相談を無料で受け付けております。
お問い合わせが多い場合は、返信が遅れることやお問い合わせ内容によっては返信が出来ない場合がございます。
※お問い合わせ頂いた内容はナビナビFX編集部に送信されます。

(必須)
(必須)

利用規約プライバシーポリシーにご同意いただき、ご利用下さい。