システムトレードに欠かせないバックテストでFXの戦績UPを狙おう
- 更新日: 2019/07/23
近年、システムトレードを用いてFXを取引する人も増えています。感情が入りがちな裁量トレードとは違い、ルールに則ったトレードを淡々と行えるのがシステムトレードの特徴です。
しかし、システムトレードは必ず勝てるとは限らず、システムによって得意な相場なども異なります。
そこで今回は、
- パフォーマンスの良いトレード手法でFXを取引したい。
- システムトレードに興味がある。
という人に、バックテストについて解説します。
先ほども書いたとおり、FX等の投資は、実際に取引画面を見ながら取引するのが基本のスタイルです。
しかし、近年では、プログラムを駆使し、一定のルールに基づいて機械的に取引するシステムトレードを行うトレーダーもいます。このシステムトレードに欠かせないのがバックテストです。
今回は、システムトレードやバックテストになじみのない人に、これらの基本を解説します。システムトレードがどのようなものなのか、そして、バックテストがどうして必要なのかを知り、FXに対する理解を深めましょう。
この記事の目次
FXとバックテスト
FXについて調べた時に、「バックテスト」という言葉を聞くことがあります。聞きなれない言葉ですが、バックテストとはいったい何のことでしょうか?
ここでは、FXにおけるバックテストについて解説するのと同時に、バックテストを語る上で欠かせないシステムトレードについても説明していきます。
FXとシステムトレード
FXは通常、相場を見たり、経済状況や政治情勢等を勘案したりしながら「売り」「買い」という判断をし、その判断に基づいて取引をしていきます。
取引の際に使われる手法も人によって様々で、FXでは少数派ですが、ファンダメンタルズに力を入れて取引するという人もいれば、FXでは多数派のテクニカル分析に力を入れて取引するという人もいます。
テクニカル分析によるトレードを行う人は、様々なテクニカル指標を使い、それを基にトレードしています。また、テクニカル指標ではなく、ローソク足の並びに注目してトレードしたり、水平線に注目して取引したりと、人によって異なります。
テクニカル分析を基にトレードする場合、例えばテクニカル指標に注目して取引するのであれば、特定の条件を満たした時に新規注文や決済注文を出す必要があります。
しかし、その条件を満たした時に、自分がトレードできない状態おかれている場合に問題になります。昼間働いている人や、夜遅くまで仕事をしているために、トレードに時間を割くことができない人もいるでしょう。
このような人の場合、「上向きの移動平均線をローソク足が下から上に抜けて、かつ、MACDがシグナルを下から上に抜けた時に、ドル円を1万通貨、成行で買いエントリー」などといった条件で取引しようにも、取引画面をずっとチェックしながらそういう状態になるのを待つことはできません。
また、FX会社では、指値注文や逆指値注文はもちろん、OCOやIFOなどの予約注文を用意しています。しかし、これらの予約注文の多くは、レートを指定するものとなっています。
例えば「110円50銭を割り込んだら売りでエントリー」等、具体的なレートを指しておく必要があるのですが、中には、具体的なレートを指して取引するのではなく、MACDやRSIなどといったテクニカル指標がある条件を満たした時に、新規注文や決済注文をしたいという人もいるでしょう。
その場合、レートよりもテクニカル指標が条件を満たしたかどうかが重要になるので、IFO等の予約注文による取引はあまり意味がない、ということになってしまいます。
また、使うテクニカル指標も1つではなく、複数利用することがほとんどのため、複数のテクニカル指標が売買の条件に一致したタイミングで取引するには、予約注文では不可能です。
なお、テクニカル指標が条件を満たした時に、メール等で知らせてくれるFX会社もあるのですが、そのタイミングの時に取引できない状況にあるようなら、まったく意味がないものになってしまいます。
このように、裁量によるトレードをする場合、仕事等で取引にあまり時間がかけられない人は、限られた時間の中で取引の条件に合ったタイミングを見つけなくてはならないので、パフォーマンスを上げにくいという問題が生じます。
そこで登場したのが自動売買です。自動売買は別名システムトレードと呼ばれ、仕事等で裁量トレードがなかなかできない人、裁量トレードが苦手でパフォーマンスが上げられない等の悩みを持つ人に支持され、FXでは広く浸透しています。
自分の指定した条件を満たした時に自動的に売買するプログラムが組み込まれた、EAと呼ばれる自動売買ソフトをチャートにセットすることで、その条件に従ってトレードが行われます。
システムトレードのメリット
このようなシステムトレードは、普段相場を頻繁にチェックできない人にとってメリットになるということは、既に書いたとおりです。しかし、メリットとなるのはそれだけではありません。
トレードには感情を入れてはいけないとよく言われていますが、それがなかなかできないトレーダーが多くいます。
自分で作ったトレードルールを徹底できず、「もう少し利益を追えるんじゃないか」「もう少し待てば、相場が反転して損失が縮小するんじゃないか」などと考え、適切な利食いや損切りができずに損失を膨らませるケースもよく見られます。
システムトレードはプログラムがルールに基づいてトレードを行うため、このような感情が入ることはありません。そのため、トレードルールを徹底できるというメリットがあります。
もちろん、利益を深追いしたり、含み損をそのまま膨らませたりすることもありません。
システムトレードに必須のバックテスト
感情を一切挟まないことがシステムトレードの特徴ですが、それをする上で欠かせないのがバックテストです。
FXを取引する上で重要視することが何かといえば、当然のことながら、「パフォーマンスを上げること」になります。裁量トレードにおいて、パフォーマンス向上の妨げになってしまうのが感情です。
この感情を排除したものがシステムトレードであるため、これを使ったトレードのパフォーマンスは、その手法の良し悪しを純粋に測ることができます。
バックテストを行うことで、その手法が実際にパフォーマンスを上げられる手法なのか確認することができます。
バックテストを行うことなく、実際のトレードで、ぶっつけ本番で試すことになると、パフォーマンスの良くない手法だった場合に損失が大きくなってしまう可能性があります。そうならないためにも、前もってパフォーマンスの状態をチェックし、実践に臨むことは大切なのです。
また、バックテストは、手法の良し悪しを測るためだけでなく、「その手法が、どの時間帯のどの通貨ペアで一番パフォーマンスを上げられるか」ということを測るためにも有効な手段です。
1つの手法がずっと高いパフォーマンスを上げられるわけではなく、相場の変化によって、以前ほどのパフォーマンスを上げられなくなることも珍しくありません。
その場合、別の手法を試してみたり、同じ手法であっても、別の時間帯、別の通貨ペアで試してみたりするなど、様々な角度からチェックしてみる必要があります。
その結果、別の手法がより良いパフォーマンスを上げられることが分かったら、その手法を使って新たにトレードしていけば良いのです。
また、従来の手法が、他の通貨ペアや時間帯でより良いパフォーマンスが上げられる可能性があるようならば、他の時間帯でトレードするか、他の通貨ペアに切り替えてトレードすると良いでしょう。
システムトレードができるFX会社もある
独自のサービスとして、システムトレードができるサービスを展開しているFX会社もあります。
例えば、インヴァスト証券では「シストレ24」というサービスを展開していて、パフォーマンスの高いプログラムやファンドマネージャー経験者が作ったプログラム等、自動売買用の様々なプログラムが用意されています。
インヴァスト証券で取引するトレーダーは、たくさんのプログラムの中から自分が良いと思うものを選んで取引することができるのです。また、そのプログラムを自分好みの条件にカスタマイズすることもできます。
FXにおけるシステムトレードの代名詞と言えばMT4(Meta Trader 4)ですが、このMT4を使った取引ができるFX会社もあります。
例えば、FXトレードフィナンシャルや楽天証券は、取引にMT4を使うことができます。特にFXトレードフィナンシャルでは、MT4の欠点である発注機能の使いづらさを改善し、簡単に発注できるよう工夫されています。
また、アイネット証券の「ループイフダンⓇ」やマネースクウェア・ジャパンの「トラリピⓇ」もシステムトレードの一種です。これらのサービスは、トレンド相場やレンジ相場において、ある一定の値幅での発注と決済を繰り返すタイプの自動売買システムです。
このようなタイプのシステムトレードもFXトレーダーから支持を集めていて、人気が出ています。
なお、独自のシステムトレードを提供している会社の中には、バックテストができるようにしている会社もあります。また、MT4を使ったシステムトレードができる会社の場合は、MT4そのものでバックテストが可能となっています。
外為オンライン
口コミ点数 | |
---|---|
総合ランキング | 3位 |
初回入金額 | 5,000円 |
推しポイント | 自動売買ツールがおすすめ |
主要通貨スプレッド | ||
---|---|---|
米ドル/円 | ユーロ/円 | 豪ドル/円 |
1.00銭原則固定(例外あり) | 2.00銭原則固定(例外あり) | 3.00銭原則固定(例外あり) |
買いスワップポイント | ||
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米ドル/円 | ユーロ/円 | 豪ドル/円 |
15円 | -20円 | 10円 |
裁量トレードでもバックテストはした方が良い
裁量トレードの場合でも、できるだけバックテストは行った方が良いでしょう。しかし、裁量トレードのバックテストをどのように行えば良いのか分からない、という人も多いのではないでしょうか。
バックテストのために、過去数年分のチャートのデータを自分で集めるとなると、それだけでも大変な労力になってしまいます。
ましてや、5分足や15分足といった短い時間足のチャートを、もしも10年分集めようとしたら、集めること自体が大変な上に、値動きを一つ一つ確かめながら自分の手法を当てはめて検証していくとなると長い時間がかかってしまいます。
また、デモトレードで裁量トレードのバックテストを行うこともできるのですが、どれくらいのパフォーマンスを上げられたのか、という点については自分で記録していかなければならず、それをデータ化するのに手間がかかります。
デモトレードを使ったバックテストに意味がないとは言いませんが、FX会社が提供しているデモトレードのレートは、実際の相場のものとは異なっているケースもあるので、手法の検証に役立つのかといえば微妙なところです。
そのため、できることなら実際に配信されたレートを基にバックテストを行った方が良いでしょう。
裁量トレードのバックテストを行うのであれば、バックテストのできるソフトを使って検証してみることをおすすめします。詳しい説明は後述しますが、検証ができるソフトを使うことで、裁量トレードでの手法の検証を効率的に行うことができるのです。
バックテストの行い方
システムトレードであっても、裁量トレードであっても、バックテストは重要です。ここでは、トレードのパフォーマンスを上げるためのカギを握るバックテストについて、基本を解説します。
バックテストのできるソフトを使う
システムトレードに欠かせない取引ツールとして有名なMT4(Meta Trader 4)は、無料で使えるだけでなく、MT4を使ったトレードが可能なFX会社で、自動売買ができることが大きな強みとなっています。
ただし、自動売買のプログラムを作るためにはMQL4というプログラム言語の知識が必要になるので、少々ハードルが高く、誰でも簡単に作れるというわけではありません。
そのため、多くのトレーダーは、無料で配布されているEAを自分なりにカスタマイズして、パフォーマンスを高めた上で利用しています。
カスタマイズする場合は、その手法が果たしてどれだけのパフォーマンスを上げることができるのか、あらかじめ確認することができるのもMT4の特徴です。
バックテストを行う際には、できるだけ長期間のヒストリカルデータを基に行った方が、より正確なデータを得ることができます。
MT4の場合、長期間のデータがあるものの、抜けている期間もあるため、バックテストを行う際は、他のFX会社から取得したヒストリカルデータをMT4にダウンロードして行うトレーダーがほとんどです。
他のFX会社のヒストリカルデータをMT4にダウンロードする方法を紹介しているサイトもあるので、もし実際にダウンロードするのであれば、参考にしてみて下さい。
ダウンロードした後、MT4ではテスト設定という機能を使って、パラメーターに必要な数字を入力することでバックテストを行うことができます。
なお、ヒストリカルデータをエクセルにダウンロードしてバックテストを行うこともできます。その場合は、ダウンロードしたデータから必要な情報(始値、終値、高値、安値等)以外を削除してエクセルに関数を入れ、どれくらいのPipsが取れるか計算していきます。
例えば、始値で買って終値で売る、といった手法を採る場合、終値-始値-スプレッドが利益または損失になるので、これが算出できるように式を入力していきます。こうすることで算出したデータをグラフにして、パフォーマンスの推移を確認することができるのです。
また、バックテストのできるソフトの中には有料のものもあります。例えば「MT4裁量トレード練習君」は、MT4を使った裁量トレードのバックテストを行うことができるソフトです。
無料版もあり、機能が限定されるものの、バックテスト自体は行うことが可能です。
また、「Forex Tester2」でもトレードのバックテストが可能ですが、MT4用のインジケーターを使うことができなかったり、MT4を使い慣れている人にとっては仕様が違ったりと、使いづらく感じることもあるようです。
無料のものでも有料のものでも、自分にとって使いやすいものを選び、バックテストを行うことでトレードの練習を行うようにしましょう。
バックテストで気を付けること
FXを実際に取引すると、指標発表や要人発言等が原因となってスプレッドが一時的に広がることが珍しくないのですが、バックテストの場合、このような一時的なスプレッドの拡大は反映されないという点に気を付けてください。
また、あくまでもバックテストは過去のデータに基づいた検証なので、この先も有効かどうかは分からないことを念頭に置く必要があります。
仮にバックテストの結果が良くても、実際のトレードで使ってみるとさっぱりだった、ということも起こり得るのです。そのことをきちんと理解した上で、バックテストのデータを参考にしましょう。
まとめ
システムトレードを使い、FXを取引をする人も増えてきました。
しかし、システムトレードはあらかじめプログラムされた売買しかしないため、そのプログラムにない動きには対応できません。そのため、相場によって、プログラムを使い分けることが大切になります。
そして、どのプログラムが自分の取引方法に合っているか確認するためには、バックテストを行う必要があります。バックテストは過去の相場のデータを用い、「このプログラムならどういった取引をし、どれくらいのパフォーマンスを上げるか」という事を確認するためのものです。
例えば、レンジ相場なら他のプログラムよりも優秀だけれど、トレンド相場になると売買のタイミングがずれてしまうプログラムかもしれません。
また、突発的な動きがあった場合には何もできないプログラムもあれば、反対に、そういう相場が得意なプログラムもあるでしょう。自分が使おうと思っているプログラムは何が得意で、何が不得意なのかを把握しておかなければ、思わぬ損失を被る可能性もあります。
バックテストを行う場合、MT4であれば単独で行うことができますが、それ以外のシステムトレードに関しては、バックテスト用のソフトが必要になることもあります。こうしたソフトには無料のものと有料のものがあるので、その中から自分が使いやすいものを選んで使うようにしましょう。
システムトレードによる自動売買は便利ですが、決して万能ではありません。その性能を確かめるために、バックテストはきちんと行いましょう。
FXの自動売買については以下の記事で詳しく解説しています。FX初心者の人はぜひ参考にしてください。
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