FXで人気の豪ドルの特徴と取引のポイントを解説

  • 更新日: 2019/07/10

FXでは様々な通貨の取引を行いますが、その中でも特に人気がある通貨の一つに豪ドルがあります。

  • 豪ドルのトレードがしたい。
  • 東京時間でも動く通貨ペアで取引したい。

という人に、今回はFXトレーダーに人気の高い通貨の一つである豪ドルについて解説します。

豪ドルはその名のとおりオーストラリアの通貨で、日本のFXトレーダーにとっては、「豪ドル/円」の通貨ペアでおなじみです。

FXにおける豪ドルのイメ―ジといえば、かつては「高金利通貨」でした。

超低金利の日本円と高金利の豪ドルとの金利差によるスワップ獲得を狙うトレーダーが多かったのですが、現在の豪ドルはかつてほどの高金利通貨ではなくなってしまったため、スワップ狙いの取引をするトレーダーは、以前に比べてだいぶ減少しました。

しかし、スワップだけが豪ドルの魅力ではありません。豪ドルは時差の関係で東京時間でも取引しやすく、ある程度の値動きも狙えます。デイトレでも中長期取引でも取引しやすい通貨なのです。

今回は、豪ドルを取引する際のポイントや、取引する上で、是非とも知っておきたい情報を紹介します。豪ドルの基本となるこれらの内容を予め知っておき、豪ドルの絡む通貨ペアでの取引のパフォーマンスを向上させましょう。

スワップポイントについては、下記サイトにてご紹介していますのでご参考ください。

豪ドルはどんな通貨?

オーストラリアの通貨である豪ドルは、日本人トレーダーにも人気の高い通貨です。

ここでは、豪ドルの特徴や、取引する上での注意点を紹介します。

意外によく動く豪ドル

豪ドルは、米ドルに比べ、よく動く通貨です。ポンドほどの激しい動きはないものの、よく動くため、デイトレーダーにも人気があります。

例えば、ドル円が1日平均0.75%ほどの値動きなのに対し、豪ドル円は1日平均0.94%ほどの値動きとなっています。ポンド円の値動きが1日平均0.97%ほどであることを考えても、豪ドル円は値動きの大きな通貨ペアであると言えるでしょう。

ここまで読んで、「豪ドル円がポンド円ほど動いているようには思えない」と思った人もいるのではないでしょうか。

値動きをパーセンテージではなく、円ベースで見た場合はそう思えるでしょう。なぜなら、豪ドル円のレートが1豪ドル85円程度なのに対し、ポンド円は1ポンド150円程度なので、仮に1%の値動きがあったとすると、豪ドル円の1%は85銭となります。

それに対し、ポンド円の1%は1.5円になるため、値動きが大きくなってしまうのです。

そのため、豪ドル円が1日平均0.94%動くのであれば、現在のおおよそのレートで換算すると1日80銭ほどの値動きをすることになりますが、ポンド円の場合は1日平均0.97%の値動きなので、1日1円45銭ほど動くことになるのです。

こうした理由から、値動きを円ベースで見た場合は、豪ドル円はそれほど大きく動いていないように思えるかもしれませんが、パーセンテージで見た場合は、よく動く通貨ペアであると言えるのです。

実際にチャートを見て比べてみると、米ドル円と豪ドル円とでは動くスピードが異なり、多くの場合、豪ドル円の方が動きが速いことがわかります。

オーストラリア市場がオープンする時間は日本時間の朝7時(夏時間は日本時間の朝6時)、クローズする時間は日本時間の午後4時(夏時間は日本時間の午後3時)です。

豪ドルは、オーストラリアの市場がオープンしている東京時間はもちろん、ロンドン時間やNY時間でもよく動きます。

オーストラリアと日本との時差は2時間(夏時間は3時間)しかなく、東京時間にオーストラリアの経済指標が発表されるということもあって、東京時間でも活発な動きが見込める通貨なのです。

そのため、東京時間を中心に取引したいトレーダーにとっては、取引しやすい通貨であると言えます。

豪ドルは高金利通貨?

豪ドルといえば、高金利通貨というイメージを持つ人もいるのではないでしょうか。しかし、冒頭でも書いたように、現在の豪ドルは高金利通貨と呼べるほどの金利ではありません。

オーストラリアの政策金利は、10年程前は7~7.25%と高いものでした。1990年頃の政策金利は15%~17%と、さらに高かったのです。しかし、リーマンショックが発生すると、そのあおりをオーストラリアも少なからず受けました。

経済を下支えするためにオーストラリアは財政出動を行い、オーストラリアの中央銀行であるRBAはインフレ抑制から一転して利下げを行いました。これにより、オーストラリアの政策金利は、それまでの7.25%から7%への引き下げられたのです。

金利引き下げはその後も続き、2008年10月には一気に1ポイント引き下げて6%の政策金利としました。ここから引き下げは毎月のように行われ、それまで高金利通貨として人気を集めていた豪ドルは、この時大きく売られてしまいました。

特に、2008年10月に実施された1ポイントの引き下げを市場はネガティブに捉え、豪ドルは大幅に売られることになったのです。

その結果、それまで100円~105円前後で推移していた豪ドル円は、利下げを受けて急速に豪ドル安が進み、55円付近まで下落することになってしまいました。

このような経緯があった豪ドルの政策金利ですが、2018年2月現在は1.5%となっています。トルコリラの8%やブラジルレアルの7%に比べるとだいぶ低い数値であり、米国と変わらない政策金利になっています。

豪ドルが今よりももっと高金利だった時は、低金利の円で資金を借り入れて、円を売って高金利の豪ドルやオーストラリアの株式等へ投資する円キャリートレードが盛んに行われていました。

しかし、現在のオーストラリアの政策金利はかつてのような高金利ではないため、このような動きは少なくなったと考えられます。

豪ドルは資源価格の影響を受けやすい

オーストラリアは資源国です。鉄鉱石や石炭、金などといった資源が豊富にあり、輸出量も多いという特徴があります。

例えばオーストラリアの株式市場は、市場規模の割に業種が偏っていて、資源エネルギー関連株と銀行株だけで全体の約3/4を占めています。日本とは違い、自動車や機械、IT関連といった高付加価値の業種は非常に少ないのが特徴です。

また、外務省の情報(出典:豪州統計局)によれば、2015年から2016年のGDP産業別シェアにおいては、鉱業が9.5%となっていて、金融保険業の9.5%と並ぶ2本柱になっています。

このような事情から、同国は商品価格に景気が左右される傾向があります。資源価格が上昇した際にはオーストラリアの景気は上向き、需要も増えます。

そのため、物価も上昇するのですが、あまりに行き過ぎるとインフレになってしまいます。それを抑制するため、オーストラリアの政策金利は高水準になっていたのです。

多くの資源の中でも、特に豪ドルが影響を受けやすい資源は鉄鉱石です。

外務省のデータ(出典:外務貿易省統計)によれば、同国の主要貿易品目のうち、輸出は鉄鉱石が15.5%、石炭が11.7%を占めていて、鉄鉱石の割合が特に高いことが分かります。このことから、豪ドルは鉄鉱石価格や石炭価格との相関関係が高いと言えます。

鉄鉱石価格や石炭価格等が上昇する→オーストラリアの景気が良くなる→豪ドルが買われる…といった流れが生じるため、これら資源価格の価格上昇はオーストラリアにとってメリットとなります。

そのため、鉄鉱石や石炭価格の上昇は、豪ドルが買われる要因になるということを覚えておくと良いでしょう。

豪ドルは中国経済の影響を受けやすい

先ほど、豪ドルは鉄鉱石や石炭の輸出が多いということを書きましたが、その輸出先の多くは中国となっています。実は、オーストラリアの最大の貿易国は中国なのです。そのため、オーストラリアは中国経済の影響を受けやすい傾向にあります。

中国は自国でも鉄鉱石を算出していますが、近年の急速な経済発展によって自国で算出する鉄鉱石や石炭だけでは賄いきれなくなってきました。そのため、鉄鉱石や石炭を輸入しているのです。

また、鉄鉱石に関していえば、自国のものに比べ、オーストラリア産やブラジル産のものの方が鉄の成分が多いという事も、これらの国から鉄鋼石を輸入する一因となっています。

オーストラリアにおける主力の輸出品である鉄鉱石の需要は、バルチック海運指数から推測することができます。

バルチック海運指数というのは景気や商品価格の先行指標で、鉄鉱石や石炭等の商品を運ぶためのドライカーゴを運搬する「外航ばら積み船」の運賃や、用船料のヒアリングから算出されています。

バルチック海運指数が高ければ高いほど、鉄鉱石や石炭、穀物などの商品の需要が世界的に高まっている、と考えることができます。

そのため、この数字は世界経済や商品価格の先行指標として考えられているのです。このバルチック海運指数から、オーストラリアの中国への鉄鉱石や石炭の輸出動向を推測することができます。

なお、中国の経済指標の中には、豪ドルに大きな影響を与えるものもあります。その中でもGDPや消費者物価指数、小売売上高、固定資産投資、中国製造業PMI等が特に影響を与えるので、これらの経済指標の発表時は注意が必要です。

豪ドルに影響を与えるもの

先ほど、豪ドルに影響を与えるものとして中国経済の動向を挙げましたが、それ以外にも豪ドルに影響を与えるものがあります。

例えば、同国の経済政策や金融政策は、豪ドルに大きな影響を与えることとなります。すでに書いたように、オーストラリアはリーマンショック後の景気浮揚策として利下げを行いました。

それにより、世界的な経済不況の間も、中国経済の成長の恩恵を受けることで景気回復に注力することができました。鉄鉱石をはじめとした中国への輸出の伸びや資源価格の高騰によって、オーストラリアは他の先進国を上回るペースで景気を回復してきたのです。

しかし、現在は中国の景気減速の影響を受け、資源価格が下落しています。その結果、オーストラリアの経済も停滞し、実質経済成長率が下がってきているのです。

目下のところオーストラリアが悩んでいるのが、物価上昇率の伸び悩みと賃金上昇率の低迷です。

オーストラリアが過去最低水準の金利を続けている理由として、物価上昇率が、オーストラリアのインフレターゲットである2%~3%に届かないという点が挙げられます。

また、賃金上昇率の低迷は消費の低迷を招きますが、オーストラリアの消費者物価指数も低下傾向にあるのです。

オーストラリアが以前のような高金利に戻すことができないのは、このことが原因となっていると思われます。

オーストラリアでは、景気を押し上げるため、インフラ投資計画を発表していますが、この効果が見え、賃金上昇率や消費者物価指数から回復の兆しが見えてくるようであれば、市場はポジティブであると判断して豪ドル買いにつながります。

また、前述したように、中国経済もオーストラリアの経済に影響を与えるため、中国の景気支援策の効果が確認でき、資源価格の上昇につながるようであれば、豪ドルに買いが集まり、レートが上昇すると考えられます。

これ以外に、オーストラリアが利上げに転じた場合も、豪ドル買いにつながると考えられます。

豪ドルを取引する際に注目したい指標

オーストラリアの経済指標で重要なものは、

  • RBA政策金利発表
  • 新規雇用者数・失業者数
  • 小売売上高
  • CPI・消費者物価指数
  • GDP・国内総生産

です。

これ以外にも、その時に注目されている経済のテーマによっては注目度が高くなる経済指標もありますので、オーストラリアのニュースに注意を払い、旬のテーマを意識しておくと良いでしょう。

また、前述したように中国の経済指標の中には、豪ドルに影響を与えるものもあります。そのため、中国製造業PMIや中国のGDPなどにも注目する必要があります。

豪ドルのトレード法

ここでは、豪ドルを使ったトレード法を紹介していきます。

豪ドルは比較的動きの速い通貨なので、デイトレでも取引しやすい通貨といえます。また、ポンドほどボラティリティが高くないので、長期投資の取引もしやすいのではないでしょうか。

豪ドルのトレード例

豪ドルは、東京時間にも市場が開いている関係で、午前中からトレンドが出やすい通貨ペアです。そのため、トレンドフォローによる利益獲得を狙った取引をしていきます。

今回は、移動平均線とRSIを使った手法を紹介します。移動平均線は30日移動平均線を使い、グランビルの法則を基にトレードしていきます。なお、取引通貨ペアはAUD/USDです。

30日移動平均線が上向きになった時に、1時間のローソク足が移動平均線を下から上に抜いた時に買いでエントリーします。その後、RSIを確認し、RSIが70%を超えたら利益を確定させます。

反対に、30日移動平均線が下向きになった時には、1時間のローソク足が移動平均線を上から下に抜いた時に売りでエントリーします。

その後RSIを確認し、RSIが30%を下回った時に利益を確定させます。なお、RSIの設定は9日で行います。

AUD/USDはトレンドが長く続きやすいので、トレンドフォローによる取引を行うようにします。また、チャートを確認しながら、RSIの設定や移動平均線の設定を変えるなどして試してみると良いでしょう。

その結果を比べ、どの数値が最も精度が高いのかを確認しながら、よりパフォーマンスの高い方法を見つけ出しましょう。

豪ドルはトレンドが出やすい通貨ペアなので、トレンド系の指標とオシレーター系の指標を上手に組み合わせてトレード戦略を立てると良いでしょう。

まとめ

豪ドル円は、かつて高金利通貨ペアとしてスワップ狙いのトレーダーに人気がありました。しかし、リーマンショック以降、オーストラリアでは利下げが行われ、スワップ狙いのトレーダーは別の通貨ペアを狙うようになりました。

とはいえ、豪ドルは未だに人気の通貨です。なぜかといえば、値動きが比較的大きい通貨であるため、デイトレードなどでも取引しやすいからです。実は、豪ドルはポンドに近いほど値動きの割合の大きい通貨ペアなのです。

豪ドルの取引をする場合は、オーストラリアの経済指標だけではなく、オーストラリアから鉄鉱石などの資源を最も多く輸入している中国の経済指標も気にしておく必要があります。

中国の経済指標をチェックするのと同時に、景気や商品価格の先行指標であるバルチック海運指数もチェックしておくと良いでしょう。

豪ドルは、午前中からトレンドが出やすい通貨と言われています。そのため、取引の際は、トレンド系の指標とオシレーター系の指標を組み合わせて利用すると良いでしょう。

今後、リーマンショックの影響から完全に脱し、景気が上向きになった時には、豪ドルは再び高金利通貨に戻るかもしれません。

しかし、仮に今のようにスワップ狙いの通貨ペアとしての魅力が少なくなっても、豪ドルはトレードのチャンスが多い通貨です。オーストラリアに好材料となるニュースが出た時などは、積極的にトレードしてみましょう。

FXの基本を学びたい方は、以下の記事を参考にしてください。

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