FXの欧州時間の特徴/ヨーロッパ時間の各通貨の動きとトレード法

  • 更新日: 2019/07/31

一言でFXの取引と言っても、時間によって値動きが全く異なります。

また、通貨やその国の経済政策や金融政策によっても値動きに差があります。FX取引で最高のパフォーマンスを目指すには、自身のトレードスタイルと通貨ペアとの相性も考えていかなければいけません。

そこで今回は、

  • 欧州時間や欧州通貨の取引に興味がある
  • 値動きが活発な時間にFXを取引したい

という人に、欧州時間について解説します。

実際にFXを取引してみると分かるのですが、東京時間値動きが穏やかです。この穏やかさが良いという人ももちろんいますが、トレードスタイルによっては、あまりに値動きが少ないとパフォーマンスが悪くなってしまうケースもあります。

「FXの本番」は、欧州時間~の時間帯です。ある程度の値動きが必要なトレードスタイルの人や、ユーロを始めとした欧州の通貨を取引したい人は、取引時間を欧州時間にしてみてはいかがでしょうか。

欧州時間とは何か

FXには、東京時間、ロンドン時間、ニューヨーク時間という時間があり、世界三大市場と呼ばれています。しかし、これら3つの時間以外に欧州時間と呼ばれるものがあります。ここでは、欧州時間について詳しく説明します。

【東京市場】9:00 ~ 15:00
【欧州市場】16:00 ~ 24:00
【ニューヨーク市場】21:00 ~ 6:00

世界の市場は、日本時間の早朝にあたるニュージーランドのウエリントン市場からスタートし、オーストラリア(シドニー市場)などのオセアニア→東京→香港→シンガポール→バーレーン→フランクフルト→チューリッヒ→ロンドン→ニューヨークの順にオープンします。

欧州時間はどんな時間か?

欧州時間とは、その名の通り欧州…つまり、ヨーロッパ市場が動く時間のことを言います。時間帯としては、夏時間(サマータイム)の場合は日本時間の16時~24時、冬時間の場合は日本時間の17時~25時のことを指します。

上記時間帯を欧州時間と呼ぶものの、ヨーロッパは横に広いため、実際には上記時間より少し前から市場が開き始めます。モスクワなど東欧からマーケットが開き始め、フランクフルト、チューリッヒ、パリなど西欧やユーロ圏の市場が徐々に開き始めます。

そのため、東京市場の時間はドル/円や豪ドルなどの取引が多く、15時頃から徐々にユーロやポンドなどのレートの値動きが活発になる傾向にあります。また、欧州時間のことをロンドン時間ということもあります。

欧州時間の最大の為替市場といえば、やはりロンドン市場(夏:17時~,冬:18時~)です。この時間帯から、ポンドはもちろんのこと、様々な国の通貨が動き出します。というのも、欧州時間は中東やアフリカ諸国が動く時間でもあるからです。

トルコリラや南アフリカランドなど、中東やアフリカの通貨もこの時間から活発に動き始めます。

アジア市場よりもずっと規模の大きな欧州市場の動く欧州時間は、東京時間に比べ、様々な通貨ペアの動きが活発になります。そのため、東京時間には取引せず、欧州時間からニューヨーク時間に取引するトレーダーも多くいます。

欧州時間の主役はユーロ

通貨ペア別取引の割合(世界)

欧州時間の主役はやはり「ユーロ」です。欧州諸国が米国に対抗するために掲げた大きなテーマが「欧州統合」ですが、その中で生まれた通貨がユーロです。

ユーロは1999年に誕生した比較的新しい通貨で、当初は紙幣の発行はされておらず、決済用の通貨でした。実際にユーロ紙幣が流通し始めたのは2002年からのことですが、2013年には米ドルの流通高を超えました。

欧州諸国の政治的、思想的理想に基づき誕生したユーロですが、大きな問題を抱えている通貨でもありますので各国の情勢に注意してください。

最大の問題点として挙げられるのが、金融政策は中央銀行であるECBが行うのに対し、財政政策は加盟国それぞれが行うことです。ECBの金融政策と個々の国の財政政策が合致する場合は問題ありませんが、そうでない場合も多々あります。

そのため、例えば、ユーロ加盟国の一つが、自国の景気刺激策として日銀が行っているような大規模金融緩和のような政策を採りたいと考えたところで、それはできないのです。

なぜなら、金融政策はECBが行うからです。このような事情のため、例えばギリシャ危機で問題になったギリシャが自国経済を立て直そうにも、共通通貨であるユーロを使っているため、自国通貨の場合に可能な金融政策を採ることができないのです。

また、ユーロの場合、日本の地方交付税制度のような所得移転の制度がないため、加盟国間の格差是正ができないことも問題になっています。

このことから分かるように、ユーロは大きな問題を抱えた通貨です。そのため、ギリシャ危機のようにユーロの抱える問題が表面化すると、一気に売られる傾向にあります。

なお、ユーロは、欧州時間に活発に動きます。また、欧州時間がニューヨーク時間とも部分的に重なっている関係で、ニューヨーク時間の午前中もよく動きます。

欧州時間に最も取引される通貨ペアはやはりユーロ/米ドルです。通貨ペアの中では、「ユーロドル」が最も取引量の大きい通貨ペアとなります。

欧州時間の値動きの特徴

欧州時間はロンドン市場が動いている時間帯でもあるため、非常に活発に取引され、市場参加者も多いのが特徴です。そのため、トレンドが生まれやすい傾向にあります。

東京時間はロンドンやNYなどの時間に比べ、取引量も少なく、流動性が低いです。また、実需筋が市場に及ぼす影響が大きく、ポジションに偏りが生まれやすいという特徴があります。そのため、欧州勢が参戦する16時あたりから、大きなポジションを市場に流す動きが活発化します。

「実需筋」とは、外国為替市場や商品市場などでよく使われる用語で、日々の実需に基づいて取引を行う市場参加者のことをいいます。

欧州時間がスタートすると、東京時間で作った流れを打ち消す方向に動くこともよくあります。そのため、欧州時間のスタート直後の取引は、初心者の場合は特に避けた方がよいでしょう。

先ほども触れたとおり、欧州時間はトレンドが出やすく、特にニューヨーク時間(夏:21時~,冬:22時~)がオープンしてからの時間は1日で1番取引が活発となりレートの変動が激しくなります。もし取引するなら、明確なトレンドが出てからにした方が良いでしょう。

東京市場、欧州市場、ニューヨーク市場

スイスフランについて

欧州諸国の多くがEU加盟国であり、ユーロを導入している国も数多くあります。しかし、スイスはEUに加盟しておらず、ユーロも導入していません。そのため、スイスフラン(CHF)が自国通貨となっています。

スイスが永世中立国であることや、国の規模に対する金の保有割合が高いことなどから、スイスフランは日本円同様、有事の際の逃避通貨とされています。

このような性質を持つスイスフランは、ギリシャ危機をはじめとしたEUの問題が起こるたびに、欧米の投資家を中心に逃避通貨として買われてきました。

それによるスイスフランの高騰を抑制するため、スイスの中央銀行であるスイス国立銀行は、これまで対ユーロについて1ユーロ1.20スイスフランの為替防衛線を設け、スイスフランを発行し、外貨を購入するというフラン介入を無制限で行っていましたが、公開市場操作(中央銀行が手形や国債等を売買することで、マネーストックを調整する)による自国通貨の増加の調整を行わずフラン介入をしていました。

同国のマネタリーベースは拡大しましたが、その一方で物価は上昇しませんでした。このような状況を受け、これ以上の介入は限界と見たスイス国立銀行は防衛ラインを撤廃しました。

その結果、スイスフラン高が急激に進行し、スイスフラン・ショックと呼ばれる大暴落が起きたのです。この時、1ユーロ=1.20CHFだったものが、0.82CHFまでユーロが暴落しました。

つまり、スイスフランは、1日のうちに対ユーロで約20%上昇したことになります。

その後、ユーロスイスフランは時間をかけて徐々に回復しつつありますが、依然としてスイスフラン高傾向にあるため、工業、観光業、小売業等スイスの主要産業は苦戦しています。

ユーロスイスフランは決まったレートがレジスタンスラインやサポートラインになりやすい傾向があります。2015年に大暴落したこの通貨ペアは、比較的値動きの読みやすい通貨ペアと言えるかもしれません。

トルコリラについて

トルコは欧州ではありませんが、トルコリラが絡む通貨ペアは、欧州時間から動き出す傾向があります。もともと流動性も低く、ドル、ユーロ、円のように頻繁に売買されることはありません。

トルコリラが動き出すのは、先ほど書いたとおり欧州時間です。また、ニューヨーク時間もトルコリラがよく動きます。そのため、トルコリラを取引する場合は、よく動く欧州時間以降の時間を選んで取引すると良いでしょう。

また、その際は、その時間帯の主要通貨…つまり、欧州時間ならユーロ/トルコリラや米ドル/トルコリラ、ニューヨーク時間なら米ドル/トルコリラといった通貨ペアを取引すると良いでしょう。

なお、これはトルコリラに限らず、新興国通貨全般に言えることですが、新興国通貨は政治との関係性が先進国通貨よりも強く、中央銀行の金融政策に政治が介入することも珍しくありません。

政治的にも不安定な国が多く、政治動向によっては売られやすい地合いになることに注意が必要です。

欧州時間のトレード法

活発な取引が行われる欧州時間ですが、どのようなトレードをすれば良いのでしょうか。ここでは、欧州時間のトレードで押さえたいポイントなどを紹介します。

【世界の最も重要な経済指標】

欧州 欧州中央銀行(ECB) 政策金利発表 20:45
欧州 欧州中央銀行(ECB)総裁会見(要人発言) 21:30
米国 雇用統計 21:30
米国 FOMC政策金利発表 3:00
米国 FRB議長会見(要人発言) 3:30

ECB(欧州中央銀行)の金融政策に注目する

欧州時間の主役はユーロです。そのため、ユーロに関係する金融政策は非常に重要です。また、ユーロに関係する金融政策はECBが行っています。現在ECBの政策として注目されているのは、量的緩和からの出口戦略です。

EU諸国は、リーマンショックやギリシャ危機等の理由から、日本同様デフレに苦しめられていました。

ECBは、市中にお金が回るよう、日本同様マイナス金利を導入したのですが、その結果、ドイツ国債の利回りが1%を割り込むなど、需要が不足しているために思うような効果が出ていませんでした。

そのため、中央銀行であるECBは量的緩和策を採ることになったのですが、現状、需要不足に対する有効な手を打てずにいます。財政政策と金融政策が分離しているEU独自の問題もあり、需要を喚起するための財政出動を行うことができないのです。

そのため、量的緩和に対し、ECBが今後どのような出口戦略を採るのかに注目が集まっています。ECBは2018年1月以降、国債の月間購入額を、月600億ユーロから月300億ユーロに縮小すると決定しました。

今回の減額の後、「購入額を0にするのでは?」という懸念がありましたが、それに対しドラギ総裁は否定しています。つまり、今回の減額の後、さらにもう1回の減額は最低でも行うのではないかと見られています。

また、量的緩和を終了しても、再投資を継続する可能性もドラギ総裁は示唆しています。

このように、ECBが行う金融政策は大きな注目を集めています。今後、EUが国債の月間購入額をさらに縮小することを発表したり、量的緩和終了後に具体的な再投資策が発表されれば、為替相場はそれに大きく反応するでしょう。

EUの動向を見ながら、ECBがどのような金融政策を発表するとユーロが買われるのか、あるいは売られるのかを考慮する必要があります。

ユーロに影響を与える経済指標を知る

ECB理事会はユーロにとって大きなイベントです。夏時間の場合は日本時間の20時45分、冬時間の場合は日本時間の21時45分に政策金利が発表されます。その後、ECB総裁の記者会見が行われます。

また、理事会から4週間後に発表される議事録の内容や、3の倍数月に発表される今後の経済見通しも、ユーロに影響を与えるため、注目されます。この他にも、購買担当者指数(PMI)や消費者物価指数も重要な指標として注目されます。

なお、ユーロに影響を与えるのは、欧州全体に関係する指標だけではありません。ユーロ経済のけん引役であるドイツの経済指標もユーロに影響を与えます。ドイツの経済指標の中でも重要度の高いもの(GDP(国内総生産)、IFO景況指数)についても、注視した方が良いでしょう。

トレンドが続きやすいユーロドルのトレード戦略

すでに書いたとおり、ユーロ/米ドルはトレンドが続きやすい傾向にあります。そのため、ユーロドルをトレードする場合は、トレンドフォロー戦略がやりやすいです。

トレンドフォロー戦略とは、相場の流れを追いかける順張り売買手法のことです。

しかし、トレンドフォロー戦略だからといって、むやみにエントリーするのは良くありません。きちんとエントリーポイントを見極めてエントリーする必要があります。

ユーロドルは欧州時間とニューヨーク時間に大きく動く通貨で、ドル円に比べ、値動きが大きいのが特徴です。利益も損失も大きくなりますので、メリットとリスクを考えてトレードすると良いでしょう。

ユーロドルの取引事例として、エントリーポイントの一例を紹介します。その方法は、水平線に注目する方法です。水平線は多くのトレーダーが注目するトレードポイントの一つです。

サポートライン、レジスタンスラインになっているレートに注目し、そのレートを抜けたら、抜けた方向へエントリーします。

なお、サポートライン、レジスタンスラインになりやすいレートの一つにラウンドナンバーがあります。円未満の数字がゼロのものをランドナンバーといいます。例えば、100.00円、101.00円といったレートがラウンドナンバーに該当します。

ラウンドナンバーのレートは、買いと売りのせめぎ合いになりやすいため、サポートラインやレジスタンスラインになりやすい傾向にあります。そのため、ラウンドナンバーに注目し、そこを抜けるか反発するか確認する必要があります。

例えば、ドル円で、105.00円がサポートラインの場合、このレートを下抜けたら下降トレンドに転換する可能性が高いとみて、売りでエントリーします。

もしも105.00円で反発した場合は、そのまま上昇するかあるいはもみ合いに突入する可能性があるので、その後の流れを確認する必要があります。

もしも、もみ合いに突入するようであれば、すぐに手を出さずに、もみ合い後の動向を確認して、エントリーするかどうかを決めます。一方、上昇するようであれば、次のレジスタンスラインまでどのようにするかを考えます。

次のレジスタンスラインまでの間だけエントリーし、いったん利益確定するのか、あるいは、次のレジスタンスラインを超えることを見越し、ある程度長くポジションを持つのかを考えます。いずれにせよ、自分のトレードスタイルに合わせてポジションを取りましょう。

まとめ

ここまで、欧州時間について解説を行いました。欧州時間の特徴やそれを活かしたトレード法について理解は深まったでしょうか?

欧州時間以降がFX取引の本番の時間帯となり、値動きが活発になります。活発な値動きが自分のトレードスタイルに合っている人や、欧州の通貨を取引したい人は、今回の解説を参考に欧州時間の取引を考えてみてはいかがでしょうか。

欧州時間は特に、ユーロが中心となります。ECBの金融政策やユーロに影響を与える経済指標をしっかり押さえておくことで、より良いパフォーマンスのトレードができるようになります。

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