【FX予想】ユーロの2019年見通しやトレード戦略を徹底解説

  • 更新日: 2019/02/27

ユーロ(EUR)2019年の見通し

    ユーロは下落しやすい1年に。欧州議会選挙、経済指標の動向、利上げのタイミング


ユーロは「ユーロ円」「ユーロドル」など、日本のFXトレーダーにとってもお馴染みの通貨の一つです。欧州の共通通貨であるユーロは、複数の国々の状況が反映されることもあり、見通しを立てるのが複雑であるという側面もあります。

今回は、今年ユーロを取引するにあたり、どのようなことに注目すべきか、ということや、今年のユーロのトレンド等について解説します。

FXは株よりもよく動く傾向があるため、つい、目先の動きにとらわれそうになりますが、大まかな見通しを立てた上で取引することで、大きなトレンドに乗って利益を獲得することができるようになります。

ユーロ(EUR)の2019年見通しは?

EUの経済は、2015年から2017年にかけて高成長を見せていましたが、2018年に入り、減速の兆しが現れました。

それでも2018年の実質GDP成長率は1.9%、2019年と2020年はそれぞれ1.5%と、2001年から2017年までの実質GDPの平均成長率の1.2%を上回るとの見方が市場では大勢を占めました。

そのため、今年の秋以降には利上げが実施されるとの予測が市場ではされていましたが、現在その見方は大きく後退しています。

というのも、EUの経済指標は昨年からの弱い数値が年内に入っても継続し、景気の冷え込みが懸念されているからです。

2018年7月―9月のEUのGDP成長率は、同4月-6月のGDP成長率の前期比0.4%から下落し、前期比0.2%にとどまりました。

なお2018年10月―12月についても、前期比0.2%となり、前年比は1.2%と同7月―9月の1.7%から下落している上、2018年は年間を通してGDP成長率が前年比で減速しています。

さらに、製造業PMI、サービスPMI、コンポジットPMIも2018年全体で下降基調、2018年11月の鉱工業生産は約3年ぶりの大幅低下の前月比-1.7%、同12月は-0.9%になるなど、昨年末から景気減速が鮮明になってきているのです。

2018年後半の成長率低迷を受けて、2019年のユーロ圏のGDP成長率は下方修正されています。例えば、IMFは、1月に発表した世界経済見通しの中で、ユーロ圏の2019年の成長率を1.6%としています。

これは、昨年10月に発表した見通しからさらに0.3%下方修正した数値です。下方修正の原因として大きいのが、ドイツの景気減速です。IMFはドイツが成長率を1.9%から1.3%へと下方修正しています。

また、ECBが1月に発表した2018年1~3月期の専門家予測調査(SPF)においても、2019年と2020年のGDP成長率を下方修正し、2019年は前回の+1.8%から0.3%、2020年は前回の+1.6%から0.1%引き下げられています。

既に書いたとおり、EUの2018年10-12月のGDP成長率は、前期比0.2%にとどまり、成長の減速が鮮明になっています。今後発表される2019年1月-3月のGDP成長率が仮に前期比0.2%以下だった場合、2019年のGDP成長率は、IMFやSPFの見通しを下回る可能性が高まります。

そのため、今後発表される予定の、2019年1月-3月のGDP成長率に注目する必要があります。また、EUの製造業PMIや小売売上高、鉱工業生産等の経済指標にも注意が必要です。今後、ユーロの利上げが可能かどうかも、この点が重要になるでしょう。

なお、利上げで注目したいのが、EUのインフレ動向です。2月1日に発表された、EUの昨年12月の消費者物価指数(前年比)は1.4%で3ヶ月連続での鈍化となり、ECBのインフレ目標である2%を下回りました。

それに加え、昨年11月の前年比1.6%から一段と低下しています。消費者物価指数の低下の主な原因はエネルギー価格の下落ですが、基調インフレ率も低迷が続いています。

今年のEUの経済について、これまでECBは悲観的な見通しを立ててはいませんでした。しかし、1月24日に開催された今年最初のECB理事会後の会見で、ドラギ総裁は、短期的な成長の勢いはこれまでの予想より弱くなるとの見方を示しています。

また、金利については今年の夏までは現行の水準を据え置くとしました。

しかし、弱い経済指標が示すとおり、昨年からの景気減速が今も続いています。先ほど書いたように、2月1日に発表されたユーロ圏の昨年12月の消費者物価指数上昇率の結果は3ヶ月連続の鈍化であったことから、当初の予定だった今年秋以降のタイミングで利上げするには時期尚早との見方が広がっているのです。

さらに、EUの主要貿易相手国である中国は、米国との貿易摩擦が激化したことで景気が減速しています。また、EUにとって重要な輸出先である英国も、今年3月にEUから離脱する予定です。

対英貿易による黒字で、対独貿易の赤字を埋めていたEU経済にとって、英国のEU離脱によるダメージは決して小さくないとみられています。

今後、ユーロ圏の経済指標が弱い状態が続くと、景気後退が一層鮮明になり、更なるユーロ安となることが懸念されます。

ECBから利上げ時期の延期が発表された場合は、ユーロ安圧力となる可能性があるものの、市場ではすでに2020年半ば頃に利上げするのではないか、という見方が強まっているため、その予想どおりになれば、ユーロ安は限定的なものになるでしょう。

ただし、経済指標の低迷が長期化し、それ以上の延期が見込まれるようであれば、ユーロは大幅安になる可能性があります。

今年のユーロの注目材料

  • EUの要であるドイツ経済 
  • 物価は中長期的に上昇する見込み 
  • 金利引き上げ時期の後ずれ 
  • 軟調な経済指標 
  • 政局不安

主な上昇要因

国際情勢 米中貿易戦争の激化
政治 欧州議会選挙で欧州人民党が議席数を現状維持または増加
金融政策 ECBによる利上げ、TLTROの実施
経済指標 GDP、購買者担当指数(PMI)、インフレ率等EUの経済指標の上振れ。ECBによるユーロ圏成長見通しの上方修正
その他 欧州株の好調

今年のユーロについては、昨年から続く経済指標の弱さから、上昇要因が少ない状態です。ただ、経済指標が今後改善し、回復傾向になることが見込めれば、利上げに対する期待も高まります。その結果、従前に予想されていた今年秋の利上げが実施されればユーロは上昇するでしょう。

懸念されるのが、EUのインフレ圧力の弱さです。先日のECB理事会において、ドラギ総裁は物価に関し、足元の原油価格の下落によって今後数ヶ月にわたりインフレも低下するとの見方を示しています。

ただし、賃金上昇や緩和的な金融政策を背景に、中期的にインフレの基調は上昇していくとの見方を維持しています。

なお、EUの景気回復と域内の銀行の収益悪化緩和策として期待されているTLTROが実施されれば、ユーロの買い材料になるとみられます。 

主な下落要因

国際情勢 EU圏でのテロ、暴動
政治 欧州議会選挙で欧州人民党が議席数を減らし、極右政党やポピュリスト政党が議席数を伸ばす。10月のギリシャ総選挙で反緊縮財政を唱えるSYRIZAが勝利した場合。10月のポルトガル選挙で反緊縮財政を唱える現政権が勝利し勢力を拡大
金融政策 ECBによる利上げの延期または中止
経済指標 GDP、購買者担当指数(PMI)、インフレ率等EUの経済指標の下振れ。ECBによるユーロ圏成長見通しの下方修正
その他 欧州株の軟調

今年のユーロ安を引き起こす原因として考えられるのが、ドイツの景気減速です。

ドイツはEU経済の要となっていましたが、このところ景気減速が心配されています。

2月14日に発表されたドイツの2018年10月-12月期GDP成長率は、2018年7月-9月期の前期比-0.2%から持ち直したものの、前期比0.0%とゼロ成長になった他、前年同期比は、2018年7月-9月期の1.1%から低下して0.6%となっています。

さらに、1月25日に発表されたIfo企業景況感総合指数は、前期比低下が5カ月連続となり、中でも6か月先までの景況感を示す期待指数の落ち込みが顕著で、2012年終盤依頼の低水準となっています。

細かな変動はあるものの、貿易収支も徐々に低下傾向にあり、米中貿易摩擦に見られる保護主義の高まりによる影響が少しずつ出てきていると考えられます。

また、1月30日に欧州連合(EU)の欧州委員会が発表した1月のユーロ圏景況感指数は106.2と、前月の107.4(改定値)から低下しました。国別ではフランスとスペインで景況感が改善したものの、オランダとイタリアで大きく悪化し、ドイツも低下しています。

なお、ドイツ経済省は2019年の成長率見通しを1%と、昨年12月時点予想の1.8%から下方修正しています。この1%という数字は2013年以来の低成長となっています。

これを受け、アルトマイヤー独経済相は「主として外部の商業環境からの逆風が増している」とコメントしています。

さらに、英国のEU離脱による影響がドイツの対EU貿易黒字幅の縮小を引き起こすことも考えられ、外需依存度の高いドイツ経済に影を落とすことが懸念されています。

このように、ドイツの経済指標の動向には注意が必要です。

例えば、2月6日に発表されたドイツの昨年12月の製造業新規受注は、前月比、前年同月比ともに事前予想を下回ったうえ、前回よりもさらに弱い数字となりました。

このことでユーロ売りが強まり、ユーロが絡む通貨ペア以外にもユーロ安が波及し、ドル円は円高が進んでいます。

また、政治動向が、ユーロ安のきっかけになる可能性もあります。現在心配されているのは、5月に実施される欧州議会議員選挙です。

欧州議会で現在最大会派である欧州人民党は、所属するドイツ与党の「キリスト教民主・社会同盟」やフランス与党の「共和国前進」がそれぞれ支持率を落としていることから、大幅に議席を減らすのではないかとの見方が広がっています。

仮にこの見通しどおりになれば、極右政党の台頭を懸念してユーロ売りを引き起こすと考えられます。というのも、極右政党やポピュリスト政党はいずれも「反移民」を掲げており、EUに対して懐疑的な立場であるからです。

欧州議会選挙で極右政党やポピュリスト政党が議席数を増やした場合、EU分裂のリスクが高まります。

これまで、それを押しとどめてきたドイツやフランスについても、メルケル独首相の与党党首辞任や政治活動からの引退宣言、マクロン仏大統領の支持率低下と昨年末の黄色いベスト運動に象徴されるように、その影響力は弱まりつつあるといわれています。

EUにとって重要な輸出先となっている英国も、今年3月にEU離脱が予定されており、すでに書いたとおり、EU経済はその影響を受けると予想されています。

このことがEU貿易における赤字国の不興を買い、ここ数年欧州で高まっている「反EU」の機運を更に強める可能性があることに注意が必要です。

ユーロを取引する際のポイントとは?

ここからはユーロの取引に関する部分を解説していきます。

取引におけるメリット

ユーロを取引するうえでのメリットとしては以下のようなことが挙げられます。

メリット1:メジャー通貨だから取り扱いFX会社が多い

ユーロはメジャー通貨のため、ユーロ円やユーロドルの通貨ペアはほとんどのFX会社で取り扱っています。流通量も多いので、取引もしやすいでしょう。

メリット2:ユーロ円のスプレッドは狭い

マイナー通貨になると通貨ペアのスプレッドも広くなってしまうため、取引においては不利になることが多いのですが、ユーロ円のスプレッドはドル円に次いで狭くなっています。

メリット3:ユーロドルは世界一の取引量を誇り、値動きが安定している

FX取引における取引量は、ユーロドルが世界一の取引量となっています。そのため、値動きも安定していて急激な値動きも少ないため、安心して取引ができます。

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取引におけるデメリット

ユーロを取引するうえでのメリットとしては以下のようなことが挙げられます。

デメリット1:政局が不安定な状態が続いている

EUでは現在、政局が不安定な状態が続いています。その動向次第では、ユーロが暴騰、あるいは暴落する可能性が十分に考えられます。そのため、安定した取引が難しくなるかもしれません。

デメリット2:ユーロ円のスワップポイントは低い

円の金利の低さはもちろんのこと、ユーロの金利も低いため、ユーロ円のスワップポイントはかなり低く、ほとんどないといえるでしょう。FX会社によっては、売りと買いのどちらであってもスワップポイントがマイナスとなることがあります。

デメリット3:景気の先行きが不透明

EUの景気が今後どうなるか、現状は先行きが不透明です。今年秋以降に実施が期待されていた政策金利の引き上げも、引き上げ時期が後にずれるとみられていることから、積極的な上昇トレンドになりにくい状態です。また、英国のEU離脱や米中貿易摩擦による影響にも注意が必要です。

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今後のユーロのトレードで取るべき戦略

今後、ユーロのトレードではどのような戦略を取るべきでしょうか?ポイント別に考えてみましょう。

ユーロの判断材料

今年のユーロは、軟調な経済指標がネックとなります。

ECBが、2019年の景気見通しのリスク判断に関して、これまでの「リスクは概ねバランスしている」との文言を削除しました。

前回12月のECB理事会の「下方に動いている」から「下方にある」との文言へと修正したことから、景気が減速するのではとの見方が強く、好景気が続く対米ドルで売られやすくなっています。

加えて、政治的リスクもあります。今年については、欧州議会選挙が5月にあり、反移民を掲げる極右政党やポピュリスト政党の勢力が議席数を伸ばす結果となった場合は、EU解体への懸念が広がるとみられています。

この場合、対ドルだけでなく、対円でもユーロが売られる可能性があります。

ユーロドルの変化

ユーロドルの交換レートについては、過去20年の中で対ドルの底値圏だった頃(0.83ドル)と比較すると、現在は1.12~1.14ドルと比較的高い水準にあります。

軟調な経済指標、利上げの後ずれの可能性の高まりから売られやすい地合いにはあるものの、当面の底値として意識されるのは1.12ドル近辺あると考えられます。

ただし、景気減速に加え政治的リスクの高まりから予想以上にユーロ売りが加速した場合は、1.04ドル近辺まで下落する可能性も考慮に入れておきたいところです。

まとめ : ユーロは雌伏の時

ユーロは不安材料も多いことから、2019年は雌伏の時となるでしょう。もしも利上げが予定通り今年の秋以降に行われるようであれば、好転する可能性もあるかもしれませんが、現状を鑑みるに望み薄と思わざるを得ません。

その他の政治的な不安要素や英国のEU離脱、軟調な経済指標の数値などから考えても、ユーロは今年いっぱい売られやすくなる可能性が高いと言えます。

ユーロが底入れして落ち着きを見せるのは、利上げが現在の市場の見通しどおり2020年に行われた後のことになりそうです。ユーロは買い戻され、その後は緩やかな上昇トレンドになることが予想されます。

今年のユーロの注目材料

    EUの要であるドイツ経済 物価は中長期的に上昇する見込み 金利引き上げ時期の後ずれ 軟調な経済指標 政局不安

主な上昇要因

国際情勢 米中貿易戦争の激化
政治 欧州議会選挙で欧州人民党が議席数を現状維持または増加
金融政策 ECBによる利上げ、TLTROの実施
経済指標 GDP、購買者担当指数(PMI)、インフレ率等EUの経済指標の上振れ。ECBによるユーロ圏成長見通しの上方修正
その他 欧州株の好調

主な下落要因

国際情勢 EU圏でのテロ、暴動
政治 欧州議会選挙で欧州人民党が議席数を減らし、極右政党やポピュリスト政党が議席数を伸ばす。10月のギリシャ総選挙で反緊縮財政を唱えるSYRIZAが勝利した場合。10月のポルトガル選挙で反緊縮財政を唱える現政権が勝利し勢力を拡大
金融政策 ECBによる利上げの延期または中止
経済指標 GDP、購買者担当指数(PMI)、インフレ率等EUの経済指標の下振れ。ECBによるユーロ圏成長見通しの下方修正
その他 欧州株の軟調
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