FXはやめとけは正解なのか/リスクを知った上で始めるための全知識

  • 更新日: 2017/09/06
レンガの壁の前で両手を広げて静止する男性
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「FXをやってみようかな」と言うと、「やめとけ」と止める人は数多くいます。実際に、私もそう言われた経験があります。彼らはFXは絶対に儲からないと主張しているわけですが、それは本当に正しいのでしょうか。

  • 「FXを始めてみたいが、止められて迷っている。」
  • 「FXは危なそうな気がするが、よくわからない。」
  • 「儲けられるなら始めたいが、損してしまうのでは?」

もしこんなふうに感じているのであれば、具体的なFXのリスクについて知っておくべきです。これを知らないまま始めるのも危険ですし、知らないままあきらめてしまうのももったいないです。今回は、リスクを正しく知っって、自分がやるべきかどうかを判断できるような情報をお伝えしてこうと思います。

FXはやめとけという人たちの主張

まずはじめに、「FXはやめとけ」と言う人たちの主張がどの程度信憑性があるのか、客観的に考察していきます。

FXは9割の人が損をする:信憑性あり

FXを止める人がいう言葉に、「FXは9割の人が損をする」というものがあります。FXはリスクをかけてリターンを狙うものなので、損が出る人は当然です。しかし、9割というこの数字はちょっと衝撃的です。

一見、少し盛った数字のようにも思えるんですが、実はこれ、あながちそうとも言い切れないんです。金融先物取引業協会のデータによると、個人顧客の口座でアクティブになっている口座は10.8%※となっています。つまり、89.2%の口座は取引がされていないということなんです。

FXで儲かっているのであれば、普通は取引を続けるはずです。「儲かってるけど、飽きたからやめちゃおう」なんていう人は、ゼロではないかもしれませんが多くはないでしょう。「もっと儲けよう!」となるのが普通です。となると、この取引が止まっている約9割の口座の多くは、損失を出して取引をやめてしまったものの可能性が高いということになります。

つまり、「FXは9割の人が損をする」という説は、あながち嘘とは言えないのです。FXを始めて儲けようと思うのであれば、1割の勝者に入るという心構えは持っておかなければなりません。

※(一社)金融先物取引業協会 四半期統計データ
http://www.ffaj.or.jp/performance/quarterly_data.html

周りで利益をあげている人を見たことがない:信憑性なし

次に、「周りで利益をあげている人をみたことがない」というのも、よく聞く言葉です。結論から言ってしまうと、この言葉についてはそれほど気にする必要はないでしょう。なぜなら、FXで儲けている人が周りにいないというのは、確率から考えるとおかしな話ではないからです。

日本でFXで取引をしている人自体がそもそも少なく、たったの4.2%しかいません。つまり、24人に1人ぐらいしか、FXをやっている人はいないということです。そのうえで、儲かっている人は1割なのですから、FXで儲けてる人がいないのは不自然なことではありません。

個人のネットワークだけで調べられる話ではないのに、自分の周りだけでFXは儲からないと決めつけてしまうのは、ちょっとフェアじゃないように感じます。なので、これを根拠としてFXをやるべきではないというのは、信憑性に欠けると言っていいでしょう。

※FXに関するアンケート調査
https://www.myvoice.co.jp/biz/surveys/21511/index.html

自分が利益を上げられなかった:信憑性不明

その他、FXをやったことのある人が、自分が利益をあげられなかったことを理由に、FXはやめるべきと言うこともあります。インターネット上でも、よく見かけるケースです。確かに、本人が利益を出せなかったこと自体は事実なのでしょう。ですが、だからといって、「誰も利益を出せるはずがない」とまで言ってしまうのは、ちょっと行きすぎです。

そもそも、誰か1人にスポットライトを当てて、それを一般化できるのであれば、どんなことだって言えてしまいます。例えば逆に、もしFXで儲けている人を探し出してきて、「この人が儲かってるんだから、あなたも絶対儲かるよ」と言うこともできてしまいます。こんなの説得力ありませんよね。

仮に、伝説的投資家であるウォーレン・バフェット氏がFXに挑戦して失敗した、とでもいうことなら、他の投資に比べてFXは難易度が高すぎると言うことはできます。しかし、そういう特別な状況がない個人の経験はあくまで1つの事例でしかありません。そこから得られるものもあるでしょうが、一般化までしてしまうことに意味はないでしょう。

FXの主なリスク

前章では、「FXはやめとけ」という人たちのよくある主張について考察してました。覚えておきたいポイントは、FXには負けてやめてしまう人が多いということです。つまり、FXには多くのリスクが存在しているということです。では、FXが持つリスクについて、ここでは見ていきたいと思います。

為替変動のリスク

FXは為替相場の変動を予想して、利益を出していくのが基本的な形です。そのため、その予想が外れてしまった場合には、損失を出してしまうことになります。FXにおいてもっとも基本的で重要なのが、この為替変動のリスクです。

為替がどう動くかについては、ある程度の予想をすることはできますが、完璧な予測をすることはできません。予想と反対方向に相場が進み続けると、損失は拡大し続けることになります。そのため、このリスクを抑えるためには、ここまで逆に行ったらあきらめるというラインを決める必要があります。いわゆる損切りラインというやつです。

遠いところにこの損切りラインを置けば、負ける確率は低くなりますが、万一負けた時の損失は大きくなります。逆に、近いところに損切りラインを置けば、負ける確率は高くなりますが、負けても損失は小さく抑えられます。このバランスを考えつつ、チャートの分析をしながら最適な場所に損切りラインを置くことが、FXにおいてもっとも大事な要素の1つです。

レバレッジリスク

レバレッジというのは、手持ち資金以上の取引を行える仕組みのことです。例えば、FXでは最大25倍までのレバレッジがかけられますが、これは手持ち資金が100万円であれば最大2,500万円分の取引が可能ということです。レバレッジをかけるということは、つまり、手持ち資金以上に取引金額を大きくするということです。

レバレッジを大きくかければ、勝つ時の利益は大きくなります。しかし、同時に負けてしまった時の損失も大きくなってしまいます。このリスクを適切にコントロールできるかどうかは、FXでかなり重要なことです。(ちなみに、値幅と取引金額でリスクは決まるので、レバレッジリスクは前項の為替変動のリスクと両輪の関係にあります。)

しかし、このリスクをかけすぎてしまう人は少なくありません。なぜなら、勝とうと思って取引をするので、勝つことばかりを考えてしまうからです。「勝てばこれだけ利益が出る」ということで頭がいっぱいで、負けてしまったらどうなるかを考えていないのです。

うまくいっているうちはこれでも大丈夫ですが、FXでは必ず負ける時がやって来ます。そして、いざ負けるとなった時に、取り返せない致命傷を食らってしまうわけです。そうならないためには、このレバレッジリスクを常に適切にコントロールしなければなりません。

金利変動のリスク

FXでは為替変動以外にも、スワップポイントというものでも儲けることができます。スワップポイントというのは、取引する通貨間の金利差に基づいて受け取れる利息のようなものです。高い金利の通貨を低い金利の通貨で買えば利息がもらえ、その逆だと、利息を支払うことになります。

各国の金利は、各国の中央銀行の金融政策に基づいて決められています。金融政策はその国の経済を安定させるために行われますが、何かが起こって金融政策を変えることになったら、受け取るスワップポイントが変わってしまいます。

例えば、もし急に買った通貨の金利が下がったりすると、それまではスワップポイントの利益が出ていたのに、損失が出るようになってしまうこともあります。そのため、スワップポイントを重視する場合は、こういったリスクに備えて経済状況を定期的にチェックするなど、中央銀行の動向を注視しておく必要があるでしょう。

流動性のリスク

取引は相手がいて、初めて成立します。もし、売りたいと思ったのに買ってくれる相手がいなかったら、取引なんてできませんよね。これが流動性のリスクというものです。為替相場では大量の参加者がいるため、通常はこういったリスクは気にする必要はありません。

ただし、戦争、テロ、地震など、特別な状況が起こると、例えば、みんなが一斉に売りを出すなどして、流動性のリスクが顕在化することがあります。そうなると、相場は乱高下の大パニック状況、持っているポジションを決済しようとしてもできなかったり、あるいは、スプレッドがありえないぐらい開いてしまったりと、大変なことになります。こうしたことは予測できないので、何が起こっても大丈夫なように、普段からレバレッジを高くしすぎないことが大事です。

その他、年末年始やクリスマスなど、市場参加者が極端に減りやすい時期なんかにも、同様のことが起こることがあります。こちらについては、あらかじめFX会社のほうからアナウンスがあることが多いので、取引を控えるなどの対応が可能です。

システム障害のリスク

私たちがFXの取引をする場合、インターネットを介してFX会社のシステムにつないで注文を出すことになります。しかし、このシステムに障害が起きてしまって、注文が出せずに取引ができなくなったり、おかしなレートで取引が約定してしまうことがあります。こうしたことに巻き込まれると、思わぬ損失を受けてしまうかもしれません。

こういったシステム障害中に発生した損失については、ケースバイケースなので何とも言えませんが、補償されないことも少なくありません。こうしたことを避けるためには、システムの安定性が高いFX会社を使うしかありません。

「システムなんて使えて当たり前でしょ」と思っている人が多いかもしれませんが、意外とシステム障害というのは起こっています。FX会社を決める際にこの観点を考慮するのは、意外に大事なポイントだったりします。

FXの失敗体験談

次にFXの失敗体験談を見てみましょう。失敗してしまった人たちの経験を知ることで、FXのリスクについてリアルに感じられるはずです。

福岡県50代男性「負けを取り返そうとつぎ込み数百万が消える」

始めたばかりの頃、大金をつぎ込んでやられ、その負けを早く取り返そうと、更に大金をつぎ込んで、またやられるという悪循環に陥り、数百万が消えた。

沖縄県40代男性「試行錯誤を繰り返すも……」

ある程度勉強したり試行錯誤していると、勝ち始めて「よし勝てる方法がわかったぞ」なんて思って、この感じなら幾らになるなあ、なんて計算し始めると、その方法が聞かなくなって、あれ?あれ?なんて言っているうちに資金が減る。んでまた勉強して、試行錯誤で、よしこれで、あれあれ?を繰り返し、とうとうもうどうしたって最後には負けるような気がしてきてしまってぐったりする。

京都府20代女性「下手なナンピンすかんぴん」

相場の格言に「下手なナンピンすかんぴん」というのがありますが、私は先日の人民元引き下げに端を発した急激な円高への流れの中でこれを身をもって経験しました。

矯正ロスカットにかかり、50万の資金を全額吹っ飛ばしたのです。当時トレードしていた通貨はポンド円でした。ポンド円は値動きが激しい通貨ペアで、英国の利上げ期待で激しく上げ下げしていますね。目安にしていたテクニカル指標は1時間足の21EMAでした。この21EMAからの乖離が大きくなったら逆張りでエントリーするといった感じです。

かなり大雑把なトレードだったのですが、これで20~50pipsくらいの利益が取れてました。エントリーした後に更にトレンドが加速しても、長くて1週間くらい放っておけば戻ってくるので、ラクして稼げるなーと調子に乗っていた頃でした。

愛知県40代男性「調子に乗ってドルとユーロで損失1,000万円」

はじめてFXを利用しはじめた時に、過去ドル建ての外貨預金で利益を出せていたので調子に乗っていてドル買いで数百万円の損失を出し、立て続けにユーロで数百万円の計1000万円ほどの損失を出した。

愛媛県30代男性「仕事中にチャートが確認できず対応が遅れる」

仕事中や出かける時などにチャートが確認できない時は失敗経験が多いです。一つの理由が急に動き出した時な初期対応が遅くなる事。そして損失幅が大きく、下手に損切りが出来なくさらに損失が拡大してしまう事。 あとはレンジ相場での欲が強くなり、往復ビンタの繰り返しで利益を全て吹っ飛ばすなどの経験が一番多いです。

神奈川県40代男性「FX会社のシステムダウンで1,000万以上の損失」

リーマンショックなどの時にはあまり信用できないFX会社をつかうとシステムダウンかつ電話対応もダウンしてしまうので、 普段からそのリスクを考慮して取引しないとひどい目にあいます。 私の場合リーマンショックのときに取引不可状態におかれて1000万以上損しました。

FXを始める前にリスクを知っておく

もしFXを始めようと思うのであれば、その前にできるだけFXについてのイメージを正しく持っておくことが重要です。何も知らないままなんとなくFXをやっても、負ける側に入ってしまう可能性は極めて高いでしょう。何と言っても、9割は負ける世界なんですから。

意外かもしれませんが、FXでは初心者が最初にドーンと勝つことも少なくありません。ある意味、リスクをしらないからこそ、ドーンと勝てるんですが。しかし、この成功体験をもとに突き進むと、やがてレバレッジを高くして、損切りをしないという取引スタイルに行きつくことが多いです。前述のリスクを考えると、これがいかに危険なことかわかると思います。しかし、リスクを知らないと、こういうことをやってしまうんです。

FXで1割の勝ち組に入るためには生き残ることが大事で、そのためにはリスクをコントロールする必要があります。ただ、リスクをコントロールするといっても、そもそもリスクが何かを知っていなければ何もできませんよね。FXを始めるのであれば、絶対にFXのリスクについてよく理解しておかないといけないのです。

まとめ

「FXはやめとけ」という主張の信憑性と、FXを始めるうえで知っておきたいリスクについて解説してきましたが、最後にもう一度、内容を確認しておきましょう。

まず、「FXはやめとけ」という主張の中で信憑性のあるものとして、「FXで9割の人が損をする」という言葉がありました。これはFXを始めるのであれば、心して受け止めなければならないことです。FXは簡単に勝てるものではないのです。

この簡単に勝てない理由として、FXが持つ以下の5つのリスクについて解説しました。

  • 為替変動のリスク
  • レバレッジリスク
  • 金利変動のリスク
  • 流動性のリスク
  • システム障害のリスク

これらのリスクを理解して正しくコントロールすることで、ようやくFXで勝てる可能性が出てきます。FXを始めるのであれば、このリスクを意識してとにかく生き残ることを目指しましょう。確かに簡単ではありませんが、不可能ではありません。ぜひ強い決意を持って、スタートしてください。

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