FXで複利運用はできるのか/効果と危険性・リスク管理を解説

  • 更新日: 2019/07/24

物理学者アインシュタインによって、人類最大の発明、と言われた複利効果。FXで複利効果を得ることができれば、早いスピードでの資金増加が可能です。

FXにおける複利効果の実現性について考えるとともに、実践の際の注意点及び資金管理の必要性について説明致します。

複利と単利の違い

複利運用と単利運用の違い

まず最初に資産運用の際に欠かすことのできない「複利」と「単利」について下記で確認します。

人類の最大の発明とも言われる「複利」

複利とは利息の計算方法の一つで、一定期間毎に発生する利息を再度投資元本に組み入れて、その増えた投資元本に対して再度利息を計算する方法となります。発生した利息を投資元本に追加投入することで、投資元本の毀損がなければ徐々に利息の額が膨らむことになります。

物理学者のアインシュタインが、人類最大の発明、とも称した複利ですが、投資元本を引き出さず投資元本の毀損が無ければ、投資元本を着実に、更に徐々に増加させることができます。この複利による着実な利息拡大は複利効果と言われており、資産運用の際には欠かすことのできない概念であり計算方法となります。

リスクが限定できる「単利」

単利も複利同様に利息の計算方法の一つであり、当初の投資元本に対する利息のみが計算されるものとなります。複利では利息を投資元本に組み入れ再投資を行いますが、単利では投資元本はそのままの金額となります。

利息部分を投資元本に組み入れないため、複利に比べると資金の増加ペースは遅くなりますが、投資元本の毀損が生じた時、過去の利息分にまで被害が及ばないとのメリットがあります。資産増加のスピードでは複利に劣りますが、受け取った利息をリスクから遮断しての保全が可能となります。

FXを複利で運用することは可能

FXはトレードという色彩が強いのですが、大きな枠組みではお金を増やすことを目的としており、資産運用との面も有しています。そしてFXにおいても複利効果を得て、資金を増やすことが可能です。

FXで負けてばかり・・・、との段階ですと、複利か単利かとの以前の問題となります。しかしながら、FXで勝てる、との自信があるのなら、FXで充分複利効果を甘受することができます。

FXでの具体的な複利でのトレード方法

FXでは証拠金取引と言われる制度を採用しています。株式投資と異なり、証券会社等に証拠金と言う取引のための資金を預け、その資金を元手にトレードを行います(株式投資での信用取引に類似の仕組み)。そしてFXは投資資金=証拠金にレバレッジをかけた取引となります(日本の場合、個人は25倍までのレバレッジが可能)。

そしてFXで複利効果を得るためには、トレードで勝利した場合、利益を証拠金に投入して徐々に証拠金を増やす必要があります。

下記の例では当初資金100万円で100,000通貨から取引を開始し、20pips毎に勝利した場合の複利での資金増加を計算しています。

取引回数 資金量(円) 通貨数量 獲得pips 獲得金額(円)
1 1,000,000 100,000 20 20,000
2 1,020,000 102,000 20 20,400
3 1,040,400 104,040 20 20,808
4 1,061,208 106,121 20 21,224
5 1,082,432 108,243 20 21,649
6 1,104,081 110,408 20 22,082
7 1,126,162 112,616 20 22,523
8 1,148,686 114,869 20 22,974
9 1,171,659 117,166 20 23,433
10 1,195,093 119,509 20 23,902
合計 - - 200 218,994

一方、同様の条件で単利でのトレードを行った際は下記のような資金増加となります。

取引回数 資金量(円) 通貨数量 獲得pips 獲得金額(円)
1 1,000,000 100,000 20 20,000
2 1,000,000 100,000 20 20,000
3 1,000,000 100,000 20 20,000
4 1,000,000 100,000 20 20,000
5 1,000,000 100,000 20 20,000
6 1,000,000 100,000 20 20,000
7 1,000,000 100,000 20 20,000
8 1,000,000 100,000 20 20,000
9 1,000,000 100,000 20 20,000
10 1,000,000 100,000 20 20,000
合計 - - 200 200,000

上記を比較すればFXでの複利の資産増加効果は一目瞭然となります。FXの成功者の多くは、FX独特の手持ち資金以上の資金量でトレードができるレバレッジを利用しながら、複利効果も用いることで資金の増加を果たしています。

FXの複利運用の危険性

上記のケースは10戦全勝のケースで複利と単利で資金の増加ペースを確認しました。しかしながらFXで勝率100%はありえない世界です。プロのFXトレーダーであっても勝率100%との数字は実現不可能です。

FXでの複利運用の危険性は、全資金をリスクにさらす危険がある、という部分にあります。単利の場合は、利息分=FXトレードの勝利分は一旦引き出すことにより、過去の勝利で増加した資金の毀損はありません。一方で複利を狙い勝ちトレードでの勝利分を全て証拠金に投じるようなら、大きな損失を計上の場合は過去の勝利分を含め、一気に資産=証拠金が減少することになります。

適宜ルール通りの損切を入れられるベテラントレーダーは問題ありませんが、損切注文が入れられない初心者トレーダーが複利効果を求めてトレードをすると、ファンダメンタル要因の急変で一気に相場が動く際に、大きな損失を計上して大幅な投資元本の毀損を迎えることになります。

FX初心者が負けるパターンは、コツコツドカン、と言われます。コツコツと複利効果で積み上げた利益をタマにドカンと発生する為替市場の急変で、利益分どころか投資元本も減らしてしまうケースはFX初心者が失敗する典型的なケースと言えます。よってFXでの複利効果の追及は、充分な注意が必要となります。

複利運用はこんな人におすすめ

FXでも複利運用が可能なことがわかりました。それではどんな方がこのような方法に向いているのかですが、主に年間での取引を考えている、長期運用のロングポジション派の方に向いている方法と言えます。

ショートポジションでは取引回数が増える代わりに、ほぼ毎日のように頻繁にポジションを決済してしまうため、あまり複利運用のメリットが享受できないからです。そのため少額ではなく、ある程度まとまった資産残高のあるトレーダーの方のほうが複利運用により効率的に安定して資産を増やすことができます。

同じ理由から、スワップポイントを利用してFXで資産を増やそうとしている方にとっても、複利運用は効率的に利益を得ることができる方法といえるでしょう。

FXで複利効果を得るには資金管理が必要不可欠

初心者FXトレーダーの多くは、トレードの際に10,000通貨や50,000通貨と決めたら、その通貨量を変えることなくトレードすることが殆どとなります。そして最終的にドカンと大きな損失を計上する事が多くなります。

投資資金が増える度に取引通貨数量を増やすのが、FXにおける複利効果を狙う方法となります。一方でその逆に負けトレードが発生した際に、その減少した資金量に応じて取引通貨数量を減らすことも必要不可欠となります。

そもそも、資金量に応じて取引通貨数量を減らす、との発想が初心者を始め、勝とう勝とうとの気持ちが前面に出ている時には生まれません。

元本保証型もしくはそれに近い公社債のような場合は、投資元本のことを考えずに複利効果のみを考えればよいのですが、FXのように相場性のある資産運用の場合は、勝った時のことだけではなく、負けた時のことも事前に考える必要があります。

この負けた時の事を考える、という行為はリスク管理と言われたり資金管理と言われたりします。本稿ではより資金面に焦点を置いて解説するため、資金管理と表現します。

FXで複利効果を得るためには、資金管理を踏まえたトレードが必要不可欠となります。そして資金管理を踏まえたトレードは、連勝の際に速いスピードでの資産増加を達成するのと同時に、連敗時に一気に資金が減少するリスクを避ける事にも繋がります。

そしてFXの手法にばかり視線が行きがちな初心者が、ある意味で一番欠けている視点が資金管理となります。

資金管理を行うには1トレード当たりのリスク量の限定が必要不可欠

FXにおいて勝ちトレードの際の複利効果を得るのに必要なのが、負けトレードの際の資金管理となります。そして資金管理を行う際は、投資元本の何%までリスクを取るのか、とのルールが不可欠です。

例えば100万円の投資元本に対して負けトレードが発生した際に、何%までの資金減少を容認するのか、と言い換えることもできます。100万円の投資元本に対して、1回の負けトレードで50万円負けているようなら、50%の資金減少でありコツコツドカン以外の何物でもありません。

1トレード当たりのリスク量をどの程度に設定すべきかについては、投資家それぞれの判断となりますが、一般的には投資元本の1~5%の間と言われています。100万円の投資元本に対して負けトレードで日常的に10万円(10%)減らしているようなら、確実にリスクの取り過ぎと言えます。

5%でも多い、との意見も多くありますし、1トレード当たりの負けは投資元本に対し2~3%に留めるべき、との意見も多く聞かれます。トレーダーの間で有名な『投資苑』の著者アレキサンダー・エルダー氏は2%を主張しています。

本来は、自らのトレード手法に合致するようなリスク量を考えたい所です。しかしながら特にこだわりがなければ、アレキサンダー・エルダー氏を始めよく言われるように、トレードでの1回の負けで失うのは投資資金の2%まで、と決めてしまっても構いません。

複利運用で成功する方法

上で複利運用そのものについて、また、そのリスクについて解説してきました。ここでは具体的にどのようにしたら成功できるのかということについて考えていきたいと思います。

初めに目標を設定する

複利運用に限らず、最初に目標を設定することは非常に重要です。自分がどの程度の資金を持っていて、それでゴールとするのはどこなのかということをきめていきましょう。

もちろん複利運用なので、負けない限り理論上は決めたゴールに必ず到達することができるでしょう。しかしそれは理想の話で、FXは確率の世界です。いつでも損失する可能性があるので、目標を決めずにただ延々と取引してしまうと損失リスクが高まり、非常に危険といえるでしょう。

なので、複利運用をする際は必ず、目標を立てるようにしましょう。長期的な目標を漠然と立てるだけでなく、短期的な目標をいくつも立てていくことで目標が達成しやすくなります。

ロットの上げ方

ロットの上げ方に関しては、初めの自分の目標にもよるので一概にいうことは難しくなりますが、例えば1万円で1,000通貨で運用するとして、それが2万円となった際には2,000通貨、10万円になったら1万通貨とロット数を上げていく方式が簡単で、ベーシックな方法となります。

しかしこの方法で順調に儲け、ロット数を増やしていった場合、100万円まで到達した際には10万通貨のロット数をかけることになります。もちろん多くのロットをかければかけるほど儲けは大きくなるのですが、その分損失可能性も比例して上がっていくことになります。大きな額をかければかける取引になるほど、トレーダーの精神的負担も変わってきます。

結局は残高がどれほどで、自分がどれほどの損失を許せるのか、損切りのタイミングは、ということでロットの上げ方も変わってくるので、ロットの上げ方に関しても自分なりのやり方を見つけていく必要があります。緻密にどれほどの枚数を購入するか詰めていく際は、上のように算出方式を固定するのではなく、自分の自信やメンタルの強さと相談していく必要があるでしょう。

スキャルピングに固執しない

株式取引ではなく、FXを選択する理由として「スキャルピングをしたいから」というものがあると思います。スキャルピングはFXで儲ける手法として有益であることは間違いないのですが、FXにおいて複利運用で儲ける場合は、必ずしも両方の手法が合致するわけではありません。

スキャルピングをする場合、基本的には本当にそれのみに集中したほうが効果が出やすいといえます。複利運用をする場合は、変に「手数を稼がなければならない」と考えるよりも、気長にロングポジションで目標値を狙っていくというやり方のほうが適しています。

もちろん、「複利運用時のスキャルピングが必ずしもダメ」というわけではありません。相場が急激に動く場合などは、状況に応じてスキャルピング的に取引するということもありでしょう。ただ、複利運用の場合は、スキャルピングに変に固執しすぎないほうが良い結果を招くことができるでしょう。

FX会社の選択と言う意外な盲点

日本人FXトレーダーの多くが資金管理の視点のないまま、FXトレードを行っている現状があります。よって複利効果も厳密な意味では考えないまま、トレードを行っている方が多く存在しています。

本背景には単に日本人トレーダーの勉強や経験不足と言う面だけではなく、利用しているFX会社にも課題があるケースもあります。

現在の状況は以前に比べ随分と改善されましたが、以前の日本のFX会社は1トレード当たりの通貨量が10,000通貨単位の会社が殆どでした。各通貨ペアにより必要証拠金は若干上下しますが、10,000枚の取引を行うための必要証拠金は50,000円前後となります。10,000通貨単位での場合、資金量に応じた柔軟な資金管理ができません。よって必然的に資金管理を行いたくともできなかった、との状況がありました。

現在は多くの会社で1,000通貨単位でのトレード可能になっており、資金の増減に応じて柔軟に取引通貨量を調整してトレードを行える環境にあります(会社によっては1通貨単位や100通貨単位での調整も可能)。しかしながら今も最低ロットを10,000通貨と設定している会社もあるため、複利効果及び資金管理を踏まえたFXトレードを行う場合は、利用のFX会社を変更する決断が必要とされるケースもあります。

過去からの流れで1トレード10,000通貨からとの考えが今もFX界にはあります。しかし特に初心者の場合、FXは10,000通貨から始めるものという考え自体を一度フラットにして、取引通貨量を柔軟に考えFXに臨む必要があります。

FXトレードで総合的に勝てる、との自信が付けばレバレッジを上げて10,000通貨単位で資金管理にこだわらないトレードも可能です。場合によっては、海外口座や法人口座で25倍以上のレバレッジで腕試しをすることも可能です。

しかしそのレベルに至っていないトレーダーは、連勝の際は複利効果での資金増が期待でき、連敗の際は資金の減り方がマイルドになる、資金管理を踏まえたトレードを行うべきではないでしょうか。

まとめ

FXは元本保証及び保証型に近い金利商品と異なり、投資元本毀損のリスクがあります。FXで夢を見るのは楽しく、その夢のお手伝いをするのが複利効果となります。しかし相場性商品のFXはどんなベテラントレーダーでも負けが発生します。

FXでの複利効果獲得を考える際は、FXでは避けることのできない、負けた時にどうするのか、の視点及び資金管理の考え方は必要不可欠となります。

FXで複利効果を得るのは不可能ではありませんが、そのためには資金管理と言う事前準備が必要となります。コツコツドカンを避けながら、複利効果を得て着実に資産の増加が期待できるFXトレーダーになりたいものですね。

この記事をご覧になった方の多くは「これからFXを始める方」もしくは「FX初心者」の方だと思います。そんな方のためにFXトレードを行う際に必ず知っておくべきトレードスタイルに関する知識をまとめてみました。FXに興味がある方皆さん必読の記事です。

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監修者紹介/FX専門家 五十嵐勝久

中央大学経済学部卒。アルゴ株式会社代表取締役。銀行や証券、FX会社に勤務し、営業、企画、マーケティング部に所属。40歳で会社を辞めて起業。現在はFXや証券会社などのプロモーション業務、システム開発を行う一方、システムトレーダーとしても活躍。

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