カナダで発表される経済指標の読み解き方と、通貨への影響まとめ

  • 更新日: 2019/07/02

2017年にカナダが利上げを実施し、先進国において早い段階に利上げサイクルに入ってきた(と思われる)こともあり、日本においてもカナダドルに対する注目度が上がってきています。

しかし、あまりカナダ経済に馴染みがなく、経済指標もどう読めばいいかわからないという人も多いかもしれません。

カナダドルに興味はあるけど、経済指標の見方は正直よく分からん……。

これからカナダドルを始めたいので、今まさに勉強中です!

カナダドルをポジってるので、経済指標での注意ポイントを知っておきたい。

こういったことを感じている人のヒントになるように、今回はカナダの経済指標を具体的に解説していこうと思います。

カナダドル相場に大きな影響を与える経済指標を理解して、有利に取引戦略を立てられるようになってくださいね!

カナダドルを経済指標から読み解こう!

カナダはアメリカの北側に位置する国土の大きな国ですが、日米欧主要7ヶ国(G7)にも名を連ねる経済規模の大きな国です。

また、石油や天然ガスなどの資源が豊富で、資源の輸出はカナダ経済にとっても重要な位置付けです。

リーマンショック以降、金融政策として利下げを実施してきたカナダでしたが、カナダ経済は順調に回復をして、2017年7月に利上げを実施、現在はまさに利上げサイクルへと移っていくところです。

カナダドルもこの金融政策の転換により、大きな上昇が期待できるかもしれません。

この利上げサイクルが今後も進んでいくかどうかは、利上げ以降もカナダ経済が安定して推移するかどうかによります。

つまり、今後のカナダ経済の動向が重要になるわけですが、これをチェックするうえで、今回のテーマである“経済指標”が欠かせません。

とくに重要な経済指標の結果というのは、カナダの経済動向に対する見方に大きな影響を与えます。となれば、当然に金融政策にも影響を与えるようになるわけです。

経済指標を見る際は、この流れが根底にあることを意識しておくといいでしょう。

重要度順! カナダの主な経済指標一覧

カナダの経済指標を重要度の高いものから順にピックアップして、それぞれについて解説をしていきます。数がかなり多いため、バラバラに覚えようとすると大変かもしれません。

金融政策を中心として、それぞれのつながりを意識しながら理解していくことをおすすめします。

重要度[大] BOC政策金利発表

BOCというのはカナダ銀行のことで、カナダにおける中央銀行の役割を担っています。

BOCは年8回行われる金融政策決定会合において、政策金利をはじめとする金融政策を決定し、現状の経済の見方などを説明する声明とともに発表します。

なお、発表時間は夜の23時となっています。

ここで一般論の確認ですが、中央銀行は物価・景気を調整することよって、経済が健全に成長するように金融政策を行っています。

景気が悪ければ低金利で上昇を促し、低金利によって景気が戻れば金利も元に戻していきます。

ただし、金利を上げれば景気にはマイナスの影響を与えるため、景気が落ち込まないように経済動向を注視しながら、利上げは慎重に行われることになります。

冒頭でも少し触れましたが、カナダではリーマンショックへの対応として低金利を続けてきましたが、2017年7月に利上げを実施しており、今後も利上げが進んでいくかどうかが市場の注目ポイントとなっています。

利上げが順調に進んでいくとのコンセンサスを市場が持つようになれば、カナダドルも上昇していくことが考えられます。

一方で、利上げのペースが遅くなる、利下げに逆戻りとなると、カナダドルは下落していくことが考えられます。

金融政策は為替にとって重要なファンダメンタルズの1つで、通貨を大きくさせたり、通貨を大きく下落させることがあります。

そういう意味でも、BOC金融政策発表というのは、カナダドル取引において見落としてはいけない基本中の基本と言えます。

補足:金融政策は市場の思惑に注目しよう

ここで少し補足ですが、BOCが追加の利上げを発表し終わってから、FXでカナダドルを買いに動いても、それは「時すでに遅し」となる可能性があります。

なぜなら、もし利上げ発表を市場が完全に織り込んでいたとしたら、カナダドルはすでに上がり終わった後になるからです。

相場は市場参加者によって動きますが、市場参加者はできるだけ先回りして、低いところで買い、高いところで売ろうとします。

そのため、「次の会合でBOCは利上げするに違いない」と市場が確信を持っているのであれば、BOC金融政策発表を待たずにみんな買いに動くことになるわけです。

何が言いたいかというと、金融政策発表は非常に大事なのはもちろんなんですが、それよりも「そこに至るまでに相場がどう動いたか?」が非常に大事になるということです。

その動きというのが市場のコンセンサスであり、そして、それを作っているのが経済指標です。

このつながりを意識して次以降の経済指標について見ていくと、理解が進みやすくなるんじゃないかと思います。

重要度[大] 雇用統計(失業率、雇用者数変化)

雇用統計というのは労働市場の状況を表す経済指標ですが、数ある経済指標の中でももっとも重要度の高い1つです。

カナダの雇用統計はカナダ統計局が毎月発表しており、対象月の翌月第1金曜日に結果が出ます。なお、発表時間は夜の22時半です。

少し脱線ですが、実はカナダの雇用統計はアメリカの雇用統計と同じタイミングで発表される、という特殊な事情があります。

アメリカの雇用統計はFXにおいてもNo.1の注目度を誇る経済指標で、その影響力もすごいものがあります。

場合によっては、カナダドルもこの影響を受けることがあるというのは、頭の片隅に入れておいてください。

それはさておき、経済の健全な発展のためには、労働市場が堅調に推移している必要があります。

そういう意味において、BOCも金融政策を決定するうえで、雇用統計は非常に重要なファクターとなります。

極端な話、雇用統計次第で金融政策が変わるということもあるというわけです。

そのため、カナダドルにとっても雇用統計の存在は大きく、結果次第では大きな上下動につながることがあります。カナダドルを取引するうえで、要チェックの経済指標と言えます。

重要度[大] 四半期GDP(国内総生産)

GDPというのは、国内で生産されたモノやサービスといった付加価値を金額で測ったもので、簡単に言ってしまえば経済の規模を表した経済指標です。

発表はカナダ統計局が四半期ごとに行っており、対象となる四半期が終わった翌々月下旬に結果が出ます。なお、発表時間は夜の22時半です。

なお、発表値は前期比での上昇率で見ることが多いと思いますが、これはいわゆる経済成長率ということになります。

経済状況の総合的な結果を示した数字なので重要度は高く、市場からの注目されることになります。

もちろんBOCもこの数字には注目しており、GDPの結果によって利上げ実施の判断に影響することも十分に考えられます。

とくに利上げの有無に焦点が当たっている今、その推移を注意深く見たいところです。なお、月間数値も発表されているので、重要度は下がりますが月次の数字も参考にするといいでしょう。

重要度[中] CPI(消費者物価指数)

CPIは消費者物価の状況を表した経済指標で、数字は前期比・前年比での上昇値のかたちで目にすることが多いと思います。

発表するのはカナダ統計局で、対象月の翌月下旬に結果が出ます。なお、発表時間は夜の22時半です。

BOCはインフレ率(CPIの上昇率)の目標を前年比で2%と設定して金融政策を行っており、金融政策のターゲットとなっているという意味でもCPIは重要な経済指標となります。

目標のインフレ率には上下1%の幅を持たせていますが、まずは中心の2%を意識しておくといいでしょう。

もしインフレ率が2%を超えて上向き傾向が続けば、BOCは追加の利上げへ積極的になることが考えられ、2%を下回ってくると消極的になると考えられます。

予想と結果の比較はもちろんですが、この2%を基準にチェックするというのもおすすめのやり方です。

重要度[中] Ivey購買部協会指数

Ivey購買部協会指数は、カナダ国内の企業の購買担当者を対象に調査した、購買額の変動状況を示した経済指標です。

発表はRichard Iveyビジネススクールが月次で行っており、対象月の翌月上旬に結果が出ます。なお、発表時間は夜の23時となっています。

結果は50が基準となっていて、50を上回れば景況感がプラス方向、50を下回れば景況がマイナス方向という見方をします。

予想と結果を比較するのはもちろんですが、それにプラスアルファして50よりも上か下かという観点でチェックするといいでしょう。

重要度[中] 小売売上高

小売売上高は、小売・サービス業の月間売上高の状況を表した経済指標で、前月比からの上昇率で目にすることが多いと思います。

発表はカナダ統計局が月次で行っており、対象月の翌月下旬に結果が出ます。なお、発表時間は夜の10時半です。

小売売上高の上昇率が高いということは、それだけモノやサービスが多く売れたという事です。

つまり、個人消費が増えているということになるので、経済動向が良くなっているということがわかります。

重要度[中] 貿易収支

貿易収支は、経常収支の内訳項目の1つで、輸出・輸入の金額を集計したものです。

発表はカナダ統計局が月次で行っており、対象月の翌々月上旬に結果が出ます。なお、発表時間は夜の22時半です。

カナダは貿易赤字の傾向があるため、赤字幅が縮小するかどうか、あるいは黒字に転換すれば、カナダ経済にプラス要素となります。

その他、輸出額の動向も重要で、輸出額が大きく伸びていればプラス要素として捉えることになります。

地理的にアメリカと近いカナダは、対アメリカの輸出額が大きいという特徴があります。

保護主義を取るトランプ政権のもとで、この輸出額が停滞しないかどうかというのは、今後の注目ポイントの1つとなります。

重要度[小] 住宅建設許可件数

住宅建設許可件数は、読んで字のごとくですが住宅を建設する許可が下りた件数のことで、前月比の上昇率で目にすることが多いと思います。

発表はカナダ住宅金融公社が月次で行っており、対象月の翌々月上旬に結果が出ます。なお、発表時間は夜の22時半です。

住宅投資が盛んになるということは景気も良いという判断ができるので、上昇すれば景気にプラスということになります。

ちなみに、この経済指標は住宅の建設許可に関するものなので、まさにこれから住宅投資をするタイミング、景気動向を少し早めに捉えるものだというイメージを持っておくといいでしょう。

重要度[小] 住宅着工件数

住宅着工件数は、こちらもそのままですが住宅建設に着工した件数のことです。

発表はカナダ住宅金融公社が月次で行っており、対象月の翌月上旬に結果が出ます。なお、発表時間は夜の10時15分です。

住宅投資の動向についてわかる経済指標で、景気の動向を読み取ることができます。

ちなみに、住宅建設に着工したタイミングでの件数なので、住宅建設許可件数よりもタイミング的には少し遅くなるというイメージを持っておくといいでしょう。

重要度[小] 新築住宅価格指数

新築住宅価格指数は、新築住宅の販売価格の動向を数字で表した経済指標です。

発表はカナダ統計局が月次で行っており、対象月の翌月上旬に結果が出ます。なお、発表時間は夜の10時半です。

結果は0%を基準として、0%を上回れば新築住宅価格は上昇しており景気上向き、0%を下回れば新築住宅価格は下落しており景気下向きという見方をします。

住宅投資を販売価格面から見て、景気動向を知ることができるというものです。

重要度[小] 四半期設備稼働率

設備稼働率は、生産設備の能力に対して実際に生産が行われた割合を示した経済指標です。

発表はカナダ統計局が四半期ごとに行っており、対象となる四半期が終わって3ヶ月目の上旬に結果が出ます。なお、発表時間は夜の22時半です。

景気が良ければモノがよく売れて生産量も増えるので、この数字が上昇すると経済もプラスと判断されます。

また、数字が良ければ新たな設備投資が行われやすくもなるので、今後の経済上昇の可能性にもつながる経済指標でもあります。

(※)経済指標の発表時間にも触れていますが、すべてカナダが標準時間の場合の日本時間で記載しています。サマータイム適用時においては1時間早くなるので、時間を確認する際には注意するようにしてください。

カナダドル取引で大事になるその他のこと

現在のカナダにおいては、今後の政策金利が順調に上昇していくかどうかというところがポイントになっています。

その判断はカナダ経済の動向によってなされますが、その判断材料となるのが経済指標というのが大きな流れです。

これをベースにして、経済指標がどんなカナダドルに影響を与えるかのイメージを持ってください。

なお、この金融政策の動向を見ていくうえで、カナダの経済指標以外にも大事なこともあります。その1つがカナダが深い関係を持つアメリカの状況です。

もちろん貿易収支の輸出額から探ることもできますが、アメリカの経済指標についてもできればチェックをしておきたいところです。

また、冒頭に少し触れていますが、カナダ経済にとって資源の輸出がとても重要です。そのため、資源価格が上昇すればプラスですが、下落すればマイナスの影響を受けることになります。

とくにチェックしておきたいのは原油価格の動きですが、これにつながる産油国の動きにも注意を払っておくのが望ましいでしょう。

カナダドルの為替相場は比較的安定的に推移することが多く、感覚的にはドル円と同じぐらいです。

直近の1年間の平均的な1日あたりの変動幅は、カナダドル円は0.79でドル円と同値で、ユーロ円は1.13、ポンド円は1.37というイメージです。

経済指標をベースにしながら触りやすい通貨なので、興味を持った人はカナダドルを経済指標とともにチェックしていただければと思います。

まとめ:大きな流れを押さえることを意識しよう

カナダの経済指標について、どんなスタンスで読み取っていけばいいのか、大きな流れを解説をしてきました。

カナダの経済状況や金融政策、市場が注目していることなども含めて、新しい気付きがあれば幸いです。

では、まとめということで、今回の内容の要点をもう一度確認しておきましょう。まずはカナダの特徴、経済指標を見るうえでの前提となるところです。

カナダの特徴

    カナダでは今後利上げが進展するかが注目されるカナダ経済にとって資源の輸出は重要であるアメリカとの経済的に深い関係にある



これらの前提のもと、経済指標からカナダ経済の動向を分析し、今後の金融政策がどうなるかを予測するというのが大きな流れです。

そして、利上げが進展すればカナダドルは上昇、進展しなければカナダドルは下降というかたちです。それでは、今回紹介した経済指標の中から、とくに注目しておきたいものを再掲しておきます。

とくに注目したいカナダの経済指標

    BOC政策金利発表雇用統計(失業率、雇用者数変化)四半期GDP(国内総生産)CPI(消費者物価指数)

経済指標はたくさんありますが、すべての内容を丸暗記する必要はなく、大きな流れを理解することが大切になってきます。

とりあえずは上のものを押さえたうえで、徐々にカナダの経済指標に慣れていっていただければと思います!

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中央大学経済学部卒。アルゴ株式会社代表取締役。銀行や証券、FX会社に勤務し、営業、企画、マーケティング部に所属。40歳で会社を辞めて起業。現在はFXや証券会社などのプロモーション業務、システム開発を行う一方、システムトレーダーとしても活躍。

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